マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

先手必勝か後手必勝か(その2)

2018年01月25日 | 数学

6日前のブログの問題の解答です。(問題文はそちらをお読み下さい)
 その問題の具体例を右に再掲する。


 この問題の奇数番目の合計は0+8+7+3+5=23となり、偶数番目の合計は、1+4+2+6+9=22となる。先手が毎回奇数番目のカードを取れれば先手の勝ちとなる。毎回、奇数番目のカードを取れる上手い方法はあるだろうか?その方法があることを(b)の論理的方法で証明したい。
 証明というと中高校生の頃に学んだ幾何(あるいは図形)に“証明せよ”という問題があって、これで数学が嫌いになったという話をよく聞くが、ここではその様な記号は何も登場しない。数学記号なしで証明したい。記号無しの文章でも、人が成程と納得する文章ならばそれも証明と、私は考えている。果たして読者の皆さんを納得させられる文章となるだろうか?
 一般的な証明も具体例の証明に倣えばよいので、具体例で先手必勝を証明することとする。

右図は最初の段階で、これから先手がカードを取ろうとしている局面。左端は奇数番目(1番目)にあり、右端は偶数番目(10番目)にある。この様に両端が、奇数番目と偶数番目からなる状態をA状態と呼ぶことにする。

A状態から先手が1番目のカードを取った状態が右図。その結果、カードの状態は両端とも偶数番目(2番目と10番目)となる。この状態をB状態と呼ぶことにする。
 その状態から後手はカード1枚を取るが、両端とも偶数番目なので偶数番目のカードしか取れない。その結果は上図又は下図となるが、いずれの場合も両端を見ると、両端のカードは奇数番目と偶数番目(上は2と9、下は3と10)にある。要するにA状態に戻る。    
              
                   

 A状態に戻って再び先手がカードを取るのだから、先手は奇数番目のカードを取ることが出来る。その結果、両端が偶数番目のB状態となり、後手は偶数番目のカードしか取れない。
 これを繰り返すが、
先手はA状態でカードを取るので奇数番目のカードを取れ、後手はB状態からカードを取らねばならず、必ず偶数番目を取らされ、その結果A状態となり、先手に手を渡さねばならない。先手が正解手を取り続ける限り、状態だけを記せばA→B→A→B・・・・を繰り返す。
 而して、先手は必ず奇数番目のカードを選択出来、後手は偶数番目しか選択できない。よって、先手の得点合計は後手の合計点を上回り、先手が勝利出来る。要するにこのゲームは先手必勝なのだ。

 (a)のコンピュターを用いて全てを探索し尽くす方法について
 先手がカードを取るのは右端か左端の2択。後手がカードを取るのも右端か左端の2択。これを9回繰り返す。後手の最終だけは最後に残された1枚のカードを取るので選択の余地はないので、両者のカードの取り方の組み合せは、2の9乗。即ち2×2×2×2×2×2×2×2×2=512で、カードの取り方の組合せ総数は512通り。この程度の数ならばコンピュターは一瞬に計算をし、先手が奇数番目を選択し続ければ先手必勝であることを簡単に示すことが出来る。
 問題は並べるのがトランプのカードでは無くて、1~100までの数が書かれた札であった場合に、その札100枚を一列に並べて、同様なゲームをするとする。両者の選択の場合の数は、2の99乗となり、その数は31桁の数となってしまう。コンピュターを以てしても計算をするのは容易ではない。(b)の論理的証明の方が(a)の方法より優ることとなる。
 長々と書いてしまったが、どちらの証明からも先手必勝が分かる。


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