息子夫婦が住むところは、実は帯広市ではなくて、十勝川を挟んで帯広市の北側に位置する音更(おとふけ)町である。その両方を含む地域表現に、行政単位ではないが十勝地方という表現がある。十勝との呼び名はネイムバリューが高く、「十勝地方は食物の自給率1600%」とか「十勝産の小豆」などと言われる。私達が到着した空港は「十勝帯広空港」。それでも、私には一番馴染み深い表現は帯広だ。
今回のブログは、今度の旅行で新発見・再発見した帯広について書いておきたい。それは時に音更であったり十勝だったりするのだが、その辺は上に書いた理由により”あいまい”表現であることをご容赦願いたい。
(1)「帯広地方卸売市場」・・・息子から「ホテルの朝食をキャンセルしても良いならここを案内したい」と言われた市場。新鮮な魚介類や野菜などの食料品が豊富に品揃されていて、2階食堂は氷見や早川の食堂を思い出させるような建物構造で、安くて新鮮な定食が多数用意されている。私達は20食限定の朝定食(600円)にありついた。息子が是非と言った意味が良く分かった。豊富な魚介類の乗ったチラシ丼。1階の売り場で妻は、片栗粉・白花豆・豚丼のタレ(4個)・野菜スープなど5000円もの衝動買いをしていた。
(2階から市場を見下ろす)
(2)十勝川温泉は「モール温泉」・・・子育を一時的にサボって、ヤヨイちゃんのお父さんと十勝川温泉へ出掛けた。お父さんは、昨年ひとりでスペインに出掛け、2ヶ月かけて巡礼の道を歩いたツワモノ。フットワークの軽いのが私との共通項。話が合うのだ。
植物起源の有機物を含むモール温泉は日本には数多くない。帯広駅からバス30分程度の、十勝川温泉は全てがモール温泉。宿泊した十勝ガーデンズホテルもモール温泉。やや薄茶色の湯だが、入浴後肌がスベスベと感じられる。これが非常に心地よい。露天からは滔々と流れる十勝川が一望のもと。
帯広市内の銭湯の多くはモール温泉が湧出するとのこと。次回は市内の銭湯に浸かってみたい。(写真:入浴した観月荘の風呂から十勝川を望む)
(3)菓子の町帯広には洋菓子の名店が多い。その1・2を争うのが六花亭と柳月。今回は全て六花亭を利用した。「十勝強飯」(700円)は白花豆、大豆、小豆、金時豆、黒豆、枝豆など十勝産の数種類の豆が炊き込まれていて、ヘルシーで美味な定食に仕上がっていた。
感心したことがあった。一時席を外し自宅に戻った息子を待って、3人の爺婆でここで2時間余りを過ごしたが、何度も水を補充に来てくれ、笑顔でコーヒーは4回も入れ直してくれた。地元の就職先人気ナンバーワンだけのことはあると再認識。職場などへのお土産は、ここの人気ナンバーワン「マルセイバターサンド」にした。(写真:十勝強飯)
(4)藤丸百貨店・・・道東では多くのデパートは閉店に追い込まれたが、唯一生残ったのが帯広市にある藤丸デパート。店舗周辺の商店街と連携して夏に歩行者天国を主催したり、十勝ブランド商品の発掘を行うなどの地域密着の営業戦略で、「藤丸さん」との愛称で地元民の圧倒的支持を得ている。釧路のデパートが閉店となった折りは買い物ツアーバスという長距離の送迎バスを運行したところ、応募者が殺到し、結局350人を送迎したとの、嘘の様なホンとの話もあるほどだ。(写真:藤丸デパート外観)
何はともあれ、帯広は寒さと雪の冬を除けば生活しやすい街だ。