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主に映画、ゲーム、同人誌の感想などをコンクリートミキサーにかけてブチまけた、ここはいいトシしたおっさんのブログ。

冬コミ戦利品レビュー・東方編その10

2024-01-28 23:24:39 | 同人誌感想
 さて冬コミ戦利品レビューも残り3点となりましたのでなんとか1月中に終わらせられそうです多分きっと。
 
・サウンドレストラン FULLBURST(給食頭蛮)
 「サウンドレストラン」、帯の「音のレストラン、ここに開店!」のコピー通り、サントラを通してどころか1曲のなかにフルコース料理の如きとんでもない数のアレンジを施した満漢全席のサントラです。
 いやーすごい。なにがすごいって、実際の料理がそうであるように、ただ単に何でもかんでも食材や調味料をぶち込むだけでは料理は成立しません。なんでもかんでも混ぜてしまうと結局なに味かわからなくなってしまいますし、最終的には何の料理かもわからなくなってしまうでしょう。
 しかし、本作はただ単に無秩序にアレンジをしたり曲調を変えたりしているわけではなく、大量の食材と調味料を使い分けることで、いわばたくさんの小品を一皿一皿作ってそれをまとめることでひとつのトラックにしていると言えるでしょう。これだけの種類のアレンジを1曲の中にまとめると、結局曲がどんな方向性なのがわからなくなってしまいそうですが、本作はこれまた料理に例えると、作った料理をバランスよく最良の配置で容器の中に収めた幕の内弁当といった印象です。
 それでは収録曲ごとに感想を。
1、Ultimeat Taste(原曲:U.N.オーエンは彼女なのか?)
 東方原曲の中でも特にアレンジが多いこの曲、当然アレンジの方向性も多岐に渡るのでどんな方向性のアレンジもほとんどどこかで行われている気がします。しかし、こうしてさまざまなアレンジを1曲に集めるとまた味わいが変わってくるというか、「まだこれだけのアレンジの余地が残っていたのか!」と驚かされます。「究極の味」のタイトル通り、さまざまな味わいを兼ね備えた1曲。激しいアレンジからいきなり落ち着いた曲調になる辺りがフランちゃんの不安定性の反映を感じられますウフフ。
2、Hyper banquet(原曲:ハルトマンの妖怪少女)
 お次もEXボスであるこいしちゃんの曲。こちらはどちらかというと重く暗い感じの曲調がメインでしょうか。重低音を重視した感じのサウンドの中にこいしちゃんらしい可愛さや無邪気さを感じられます。そして後半で一気に狂騒的にテンポアップするあたりがイドの解放といった感じ。
3、Myriad texture(原曲:平安のエイリアン)
 3曲続けてEXボス曲、今度はぬえちゃんの曲。タイトル通りの正体不明の「無数の質感」をまとった1曲です。唐突に挟まれる原曲のフレーズに、正体不明の妖怪の正体が垣間見える。なんというか前の2曲よりもさらにしっちゃかめっちゃかな曲調とアレンジにいかにもぬえちゃんらしさを感じます。特にグリッチ音が多いのがそれっぽくて好き。
4、Infinite haze(原曲:逸脱者達の無礙光 ~ Kingdam of Nothingness)
 東方Project最新作である「東方獣王園」から、日白残夢のテーマ。ラスボスらしい重く荘厳な雰囲気の中にオリエンタルな曲調があるのが実に「東方のラスボス曲」といった感じ。後半部分で曲の盛り上がりがいったん収まる「静」のパートを入れてるのが好き。そして終わりのピアノパートがラスボス戦からのエピローグといった感じですごく好き。
5、Inorganic space(原曲:狂気の瞳~Invisible Full Moon~)
 これもまたアレンジが多いうどんげのテーマ。永夜抄の曲は全体的に「宇宙」のテイストがあるわけですが、この曲はまさに地上から始まり広大な宇宙を疾走するイメージ。途中のユーロビートパートと後半のおなじみのフレーズが来るところが特に好き。
6、ナイト・オブ・ナイツ(ぱらどっとRemix)(原曲:フラワリングナイト/月時計~ルナ・ダイアル~)
 超有名な東方アレンジのひとつである「ナイト・オブ・ナイツ」のリミックス。つまり三次創作アレンジです。すでにアレンジとして完成されている感のある「ナイト・オブ・ナイツ」をさらにアレンジするというのは非常に度胸のいる行為だったのでは。原作のテイストを崩さずに無数の方向性のアレンジを盛り込んでなおかつ破綻してないのがすごい。後半の原曲から微妙に外したメロディがすごい。こんな精度で狙って外すって相当難しいはず……。
7、Ultimeat Taste(Game Size)(原曲:U.N.オーエンは彼女なのか?)
 最後を飾るのは1曲目「Ultimeat Taste」のちょっと短いバージョン。短いと言っても十分ボリュームたっぷりで満足できる量。そしてこのアルバム自体の方向性がわかるショートバージョンです。
 
 「FULLBURST」、今回入手したうちの2点目。こちらは全9曲のインストクラブミュージックアレンジとなっています。では収録曲ごとに感想を。
1、FULLBURST(原曲:恋色マスタースパーク)
 原曲の疾走感を余すことなく再現した1曲。途中途中に挿入された「静」のパートがさらに独特のスピード感を高めています。後半の原曲のメロディからの外し方が上手い。
2、GOCHA GOCHA Ensemble(原曲:騒霊楽団~Phantom Ensemble~)
 東方原曲屈指の名曲のひとつである騒霊楽団のアレンジ。タイトル通りのごちゃ混ぜ感が楽しい一曲。メインメロディがかなりそのまま残してあるのが特徴的。
3、ハイスピードケルベロス(原曲:勇敢で有閑な妖獣)
 直球のユーロビートアレンジ。twitter(頑なにXとは呼ばない)で上がっていたPVも合わせて見るとカッコイイやら笑えるやら。本アルバムは全体的にスピード感のあるハイテンポな曲が多いですが、この曲がスピード感では一番好きでしょうか。
4、PURE(原曲:少女さとり~3rd Eyes~)
 打って変わって落ち着いた雰囲気のハウスアレンジ。でも原曲の持つ不気味な雰囲気はしっかり押さえているのがすごい。爽やかさと不気味さが両立した不思議なアレンジです。
5、Mauve.(原曲:ボーダーオブライフ)
 タイトルは「薄くグレーがかった紫」のことなんだそうな。曲を聞いてみると確かにそんな、あの世とこの世の境目を思わせる妖しい雰囲気。妖々夢の後半曲はこの「妖しさ」がキモだと思ってるんですが、この曲はその「妖しさ」を存分に引き出したアレンジだと感じます。
6、nostalgic(原曲:ネイティブフェイス/無間の鐘~Infinite Nightmare)
 ゆったりした雰囲気のハウスアレンジ。「ネイティブフェイス」はコミカルな側面もある好きな曲なんですが、この曲ではそのコミカルさを保ちつつしっとりとした曲調になっている感じ。
7、Azure Fragments(原曲:不思議の国のアリス/the Grimoire of Alice)
 東方旧作第5弾「東方怪綺談」からのアレンジ。テンポが頻繁に変わる不思議な感じの曲です。東方旧作の曲はあまり聞く機会がないんですが、こうして聞くと魔理沙のようなアリスのような……。
8、QUADBURST(原曲:秘匿されたフォーシーズンズ)
 ラスボス曲らしい緩急のついたアレンジ。激戦を思わせる激しい曲調からラストの物悲しさを感じる曲の終わり方が、いかにも「季節の終わり」といった感じ。
9、ナズーリンのお料理チャレンジ!(原曲:春の湊)
 ラストはかわいい系アレンジ。電子ピアノ?っぽいフレーズや曲の長さに、たしかなお料理番組っぽさを感じます。こういうコミカルな曲で〆るのもいい感じ。
 
 今日はここまで。
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