このご時世にド直球のファーストコンタクトSF、宇宙船のデザインの元ネタがばかうけなどといった情報から興味をそそられていた映画「メッセージ」。
いやーなかなかおもしろかった。
派手なアクションシーンは全然ないので映画としては地味ーな作品ではありますが、そのスジの人にはたまらない一品です。
突然地球に現れた謎の物体。
主人公である言語学者ルイーズは、その中に潜むエイリアンとのコミュニケーションを図ろうとするのですが……というのがメインストーリー。
エイリアンは地球人に対する攻撃意思こそないものの、どうしたらコミュニケーションが取れるのか、そもそも意思があるのかすら不明な状態。
そのエイリアンとのコミュニケーションが徐々に進んでいく様子がほんとうにドキドキワクワクでした。
エイリアンが最初に透明な壁越しに、触手から吐き出した墨のようなもので文字を描くシーンは非常に幻想的で、なおかつ異質な魅力を感じました。
その後からの、人間たちがエイリアンの言語を解読しようと悪戦苦闘する様子や、エイリアン側からのレスポンスも徐々に増えていくのが見てて楽しかった。
特に「IAN WALKING」のフリップを見せているスタッフと、人間の真似をして7本の足で歩いているヘプタポッドの様子はあーーーーー!!! あーーーーーー!!!(興奮する患者)
これですよこれ。ファーストコンタクトもののキモは。この「徐々にわかり合ってる感」ですよ!!!!
ヘプタポッドは見た目がイカタコでともすればSAN値が削れそうな外見ではあるからこそ、こういうシーンがより印象的なんですね。あーたまらねえ。
ファーストコンタクトものの面白さはずばり、「人間とかけ離れた要素」だと思ってます。
その点ではこのエイリアン文字は、フィクションですから人間が考案したものだとは言え、既存のどんな言語ともかけ離れたものだったと思います。
特徴的なのは、本作のエイリアン・ヘプタポッドの認識でしょう。
彼らには「時制」の概念がなく、現在・過去・未来をいちどきに知覚することができます。
そのため彼らの言語は、我々のそれのように左から右というものではなく円環状になっている。
そしてルイーズは彼らの言語を学ぶうちに、彼らと同様の認識を持つにいたり――。
調べたところによると原作小説があるようなので、こちらも読んでみたいですね。
読みたい本が山盛りで困ります。