日本時間13日に開幕した「FIFAブラジルワールドカップ」は、大会2日目の14日未明にグループB第1節・スペインVSオランダ戦(@アレーナ・フォンチ・ノヴァ/サルヴァドール)が行われました。前回の南アフリカ大会の決勝戦で顔を合わせた両チームが、グループリーグ初戦で早くも直接対決。優勝候補同士の一戦は、激戦必至かと思われましたが、思わぬ展開となりました。
両チームのスタメン
[スペイン代表]
GK 1 カシージャス
DF 3 ピケ
DF 15 ラモス
DF 18 アルバ
DF 22 アスピリクエタ
MF 6 イニエスタ
MF 8 シャビ・エルナンデス
MF 14 シャビ・アロンソ
MF 16 ブスケツ
MF 21 シルバ
FW 19 ジエゴ・コスタ
[オランダ代表]
GK 1 シレッセン
DF 2 フラール
DF 3 デ・フライ
DF 4 マルティンス・インディ
DF 5 ブリント
DF 7 ヤンマート
MF 6 デ・ヨング
MF 8 デ・グズマン
MF 10 スナイデル
FW 9 ファン・ペルシー
FW 11 ロッベン
先に大きなチャンスを迎えたのはオランダでした。前半8分、ロッベンが前線のスナイデルへスルーパスを入れ、DFラインの裏に抜け出したスナイデルが一気に右足シュートまで持ち込んだが、スペインGK・カシージャスが右手一本でセーブ。スペインは13分、シャビの縦パス→シルバがペナルティエリア左の位置からループ気味のシュートを放ったが、オランダGK・シレッセンに阻まれる。前半27分、シャビの絶妙なパス→ジエゴコスタがPA内で相手DFに倒されてPKを獲得。このPKをシャビアロンソがゴール左隅に決め、スペインが1点を先制します。
しかし前半終了間際の44分、オランダは左サイドのブリントがハーフウェーライン上からクロスを上げると、DFラインの裏に抜けたファンペルシーが飛び込んでヘディングシュート!ボールはGKカシージャスの頭上を越え、そのままゴールネットに突き刺す!エース・ファンペルシーのダイピングヘッドで、オランダが1-1の同点に追いつきます。
後半に入ると、オランダが主導権を握ります。後半8分、中盤でスナイデル→左サイドのブリントのアーリークロス→ロッベンが左足でワントラップ入れると、スペインDFを軽くかわし、最後は左足シュートが決まり、オランダが2-1と逆転に成功!後半15分にはロッベンがドリブルで仕掛けると、PA手前でヤンマートが落とし、右サイドにいたファンペルシーが右足を振りぬくが、シュートはクロスバー直撃。
悪い流れを変えたいスペインは、後半17分にフェルナンド・トーレスとペドロのFW2人を同時投入。後半20分、オランダは左サイドでFKのチャンス。スナイデルのセンタリング→ファーサイドにいたデフライがポストに当たりながら体ごと押し込み3点目。スペインはその2分後の22分、途中出場・ペドロがヘディングで合わせるも、GKシレッセンに阻まれ、こぼれ球をシルバが押し込んで1点を返したかと思われたが、オフサイドでノーゴール。後半27分、スペインのバックパスを受けたカシージャスがうまくボールをコントロールできず。そのミスを見逃さなかったファンペルシーがボールを奪い、左足で流し込んで4点目。
終盤もオランダの勢いは止まらず。後半35分にカウンターからロッベンが抜け出し、GKをあっさりとかわしてから、左足で流し込んでダメ押しの5点目。後半42分には途中出場・ワイナルドゥムが正面からシュートを放つが、GKに阻まれる。相手DFのクリアボールを、右にいたロッベンが左足ダイレクトボレーシュート。しかし、カシージャスがファインセーブを見せる。試合はオランダが5-1でスペインに圧勝しました。
グループリーグ屈指の好カードは、誰もが予想だにしなかった結果となりました。前回準優勝だったオランダが、ディフェンディングチャンピオンでFIFAランク1位のスペインに5-1で大勝。4年前の決勝で敗れた雪辱を果たし、勝ち点3と最高のスタートを切りました。PKで先制された後、前半終了間際にファンペルシーの豪快なヘディングシュートで同点に追いつくと、後半は4得点のゴールラッシュでスペインを粉砕。ファンハール監督(マンチェスター・ユナイテッドの次期監督)は、この試合のために フォーメーションを「5-3-2」のシステムに変更。相手のお株を奪う堅守強攻が冴え、スペイン司令塔・イニエスタに仕事をさせませんでした。ファンハール采配が見事に的中しましたね。
この日はファンペルシーとロッベンがともに2ゴール。ファンペルシーは試合の流れを変えるダイビングヘッドを決めると、後半には相手GKのミスを見逃さず、この日2点目を挙げました。あの鮮やかなダイビングヘッドは、今大会のベストゴールといっても良いくらいでしょう。ロッベンは後半に2得点を挙げ、後半8分に逆転ゴール、35分にはGKとの1対1を冷静に流し込みました。この2人以外にも、DFのデフライが泥臭いゴールを見せると、左サイドバックのブリントが2アシストで勝利に貢献しました。世界王者を撃破したオランダ、勢いそのままに快進撃と行きたいところです。
一方、スペインは「どうした?」と言わんばかりの大敗。前回大会とEURO2012で見せた堅い守りが脆くも崩壊。特にキャプテンのカシージャスがミスを連発。ダイビングヘッドに一歩も動けず、バックパスの処理がもたついて失点されたり、ロッベンとの1対1でかわされたりと散々でした。攻撃陣もブラジルから帰化して代表入りしたジエゴ・コスタが先発起用に応えられず。途中出場のフェルナンド・トーレスなども不発。どうしてダビド・ビジャを使わなかったのでしょうか。初戦で大きく躓いて連覇へ早くも黄信号、GL残り2試合で巻き返せるか?
この日はスペインVSオランダ戦以外にも、2試合が行われました。
グループAのメキシコVSカメルーンは、後半16分にペラレタのゴールでメキシコが先制し、この1点を守りきり1-0で勝利。グループBのチリVSオーストラリアは、3-1でチリが快勝しました。
日本時間15日は、いよいよ日本代表が出陣。グループリーグの初戦は、アフリカの強豪・コートジボワールと対戦。ベスト16入りするためにも、初戦で勝ち点を取ることが大事。相手より先に得点を取りたいし、守備陣がドログバやヤヤ・トゥーレを抑えられるかどうか…。もし初戦で勝てば、チームもさらに勢いに乗れると思います。正直不安しかないけれど、ザックJAPANには勝ってほしいです。