春のマイル王決定戦・第64回安田記念(GⅠ・芝1600m 17頭立て)が8日、東京競馬場で行われました。府中GⅠ5連戦のラストを飾るこのレース、例年以上に豪華なメンバーが揃いました。ドバイデューティーフリーで圧勝し、その後「ロンジンワールドベストレースホースランキング」で1位になった⑩ジャスタウェイをはじめ、読売マイラーズカップで復活勝利を挙げた⑰ワールドエース、NHKマイルカップで逃げ切り勝ちを収めた⑧ミッキーアイル、ダービー卿チャレンジトロフィーで久々の勝利を挙げた③カレンブラックヒル、マイルGⅠ2勝の⑫グランプリボス、昨年秋のマイルCSを勝った⑯トーセンラー、3年前の覇者④リアルインパクト、昨年2着の⑪ショウナンマイティ、悲願のGⅠ初Vに燃える⑨ダノンシャーク、紅一点⑦ホエールキャプチャ、3年連続挑戦の⑥グロリアスデイズなど、マイルの実績者が多数参戦しました。
単勝の上位人気は、ジャスタウェイが1.7倍と断然の1番人気を集め、ミッキーアイルが2番人気(7.4倍)、3番人気のワールドエース(9.6倍)までが10倍以下。4番人気以降は①グランデッツァ、カレンブラックヒル、⑬フィエロ、ホエールキャプチャ、トーセンラーと続きました。
スタートでフィエロとホエールキャプチャ、ショウナンマイティがダッシュつかず。先行争いでミッキーアイルが先輩馬に臆することなく先手を奪い取る。2番手にダノンシャークとリアルインパクト、⑬クラレント外側の4番手。5番手にカレンブラックヒル、6番手トーセンラー、7番手にグロリアスデイズ、8番手に②レッドスパーダ、ワールドエースは9番手追走。10番手にグランプリボス、その内側にジャスタウェイがグランデッツァと並んでいる。中団馬群より後ろには、⑮サダムパテック、フィエロとマイティ、後方は
ホエール、最後方に⑤エキストラエンドという展開。
3,4コーナー中間点を過ぎ、先頭を行くミッキーアイルは前半800mを47.1秒で通過。4コーナー手前でリアル、シャーク、クラレントが先頭のアイルに接近。後ろからはトーセンラーとグロリアスが好位追走。ワールドエースは大外に持ち出し、ジャスタウェイはまだ中団馬群の中。最後の直線コースに差し掛かり、17頭が横に大きく拡がる。ミッキーアイルが最内で粘るが、真ん中でダノンシャークとクラレント、グロリアスデイズが激しく競り合う。馬群の中からグランプリボスが突っ込んできて、さらにジャスタウェイも上がってきた!残り200mでグラボスがわずかに抜け出すが、内からジャスタウェイが差を詰め、最後は2頭馬体を合わせてゴールイン!ジャスタウェイが最後の最後に捕らえたか、それともグランプリボスが粘ったか?
安田記念 全着順&払戻金
1着⑩ジャスタウェイ 1分36秒8
2着⑫グランプリボス ハナ
3着⑪ショウナンマイティ 3馬身
4着⑨ダノンシャーク クビ
5着⑰ワールドエース クビ
6着⑥グロリアスデイズ 1/2馬身
7着⑮サダムパテック ハナ
8着⑬フィエロ 3/4馬身
9着③カレンブラックヒル 1馬身3/4
10着⑭クラレント クビ
11着①グランデッツァ ハナ
12着⑤エキストラエンド 3/4馬身
13着④リアルインパクト 1馬身3/4
14着⑯トーセンラー 1馬身3/4
15着⑦ホエールキャプチャ クビ
16着⑧ミッキーアイル 1/2馬身
17着②レッドスパーダ 6馬身
単勝 ⑩ 170円
複勝 ⑩ 110円 ⑫ 2,200円 ⑪ 600円
枠連 [5]-[6] 2,630円
馬連 ⑩-⑫ 18,730円
馬単 ⑩-⑫ 20,330円
ワイド ⑩-⑫ 5,890円 ⑩-⑪ 1,070円 ⑪-⑫ 25,990円
3連複 ⑩-⑪-⑫ 91,160円
3連単 ⑩-⑫-⑪ 373,470円
日本と海外のGⅠ馬が9頭も参戦した今年の安田記念は、ジャスタウェイとグランプリボスの2頭がゴール前で競り合い、写真判定の結果、ジャスタウェイがわずかに差し切って優勝。1番人気の期待にしっかりと応えました。グランプリボスはハナ差の2着。単勝16番人気と低評価でしたが、GⅠ2勝の意地を見せました。ジャスタの追撃を抑えていれば、三浦皇成騎手のGⅠ初勝利だっただけに惜しかった。16番人気の馬が2着になったので、馬連と馬単で万馬券。3連単でも37万円台の高配当となりました。3番人気だったワールドエースは5着、2番人気のミッキーアイルは、積極的に逃げを打ったものの、直線でズルズル失速して16着。この日は不良馬場ということもあり、ディープインパクト産駒勢は軒並み苦戦を強いられ、トーセンラーも14着に沈みました。
優勝したジャスタウェイの鞍上・柴田善臣騎手は、2012年のエリザベス女王以来のGⅠ勝利で通算9勝目。安田記念での勝利は、1993年のヤマニンゼファー以来21年ぶりとなります。主戦の福永祐一騎手が騎乗停止となり、代役として善臣騎手が抜擢されましたが、代役の役目をしっかり果たしました。同馬を管理する須貝尚介調教師は同レース初勝利。また、ハーツクライ産駒は3週連続でGⅠ勝利となりました。
天皇賞で4馬身、中山記念で3馬身半差、ドバイDFで6馬身以上と圧勝で勝ち続け、安田記念も勝って4連勝&GⅠ3勝目を飾りましたが、この日はギリギリの勝利といっても良いでしょう。直線でなかなか馬群から抜け出せず、「これはダメか!?」と思いました。しかし残り200~100mで脚を伸ばし、グランプリボスを捕らえて逆転勝ち。こればかりは世界ランク1位の意地と底力といったところでしょう。ジャスタウェイの勝負根性には恐れ入りました。
この後は宝塚記念に向かう予定なんですが、体調を見て決めるとのこと。道悪の馬場で激走したから、少しぐらい休ませてあげてもいいと思うけどなあ。一部では「凱旋門賞挑戦か」という声も上がってますけど、距離適正を考えても無理です。むしろ「英インターナショナルS」とか「アイリッシュチャンピオンステークス」あたりがベストだと思うけど…。