風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ @サントリーホール(11月9日)

2023-11-16 15:43:04 | クラシック音楽




モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K. 453
ヴィトマン:『コラール四重奏曲』(室内オーケストラのための)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K. 482
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 より 第2楽章(アンコール)


先週も素晴らしかったけれど、この日のモーツァルトはもう言葉がない。。。

17番も22番もアンコールも、短調と長調が幾度も移り変わって、短調も長調も全てが美しくて、そして最後は長調で終わる。その様に、自分の人生の全てを赦してもらえているような、肯定してもらえているような、そんな風に感じられました。

22番は、こんな私にも、こんな生き方しかできない私にも、神さまはまだこんな美しいものを与えてくれるのか、と涙が出た。
今日の演奏会が人生最後になってもいい、むしろそうなってほしいと感じました。
7年前の25番でも全く同じことを感じたので、光子さんのモーツァルトに特にそう感じさせられるのだと思う。

アンコールのピアノソナタ10番2楽章は、7年前のアンコールでも弾いてくださった曲。
7年前には気づかなかったけれど、この曲、中間部分の短調のメロディが最後の最後で長調になって静かに再び現れて、曲が閉じるんですよね。聴いていて胸がいっぱいになりました。

一人で光子さんのモーツァルトと正面から向き合いながら、今夜は神さまが一人にしてくれたのだろうと感じました。
綺麗な心でありたいと感じました(なんのこっちゃ?ですよね。自分用の覚書です)。
神さまと光子さんとモーツァルトに心から感謝。

そして忘れちゃいけない、2曲目のヴィトマン
生の音響空間でしか体験できないと言い切れる、あの感覚。
葉掠れと風の感触を肌で感じた。
P席から見ると、真っ暗な客席に三角形に配置されたバンダのフルート、クラリネット、ファゴットが白いライトで浮かび上がって、それらの音がホールの空間に染み渡る音響効果が凄かったです。
しかも私の席はちょうどP席真ん中の最後列だったので、「私のために彼らが演奏してくれてる…!」効果も半端なかった笑

色々あった一日だったけど、最後は爽快な気分でホールを後にできました。
色々ふっきることもできた。
自分が音楽にどれほど助けられているかを改めて感じた夜でもありました。

※2日の感想はこちら



Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ @サントリーホール(11月2日)

2023-11-16 15:42:40 | クラシック音楽



【11月2日】
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K. 503
シェーンベルク:室内交響曲第1番 作品9
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K. 595
クルターグ:遊戯 第3集 Play with Infinity(アンコール)


なかなか感想が追い付かない。。。。
今年の秋は演奏会を詰め込みすぎた。毎年同じことを反省してるけど、今年は異常。
来年はよーく考えよ。。。お財布的にも精神的にも体力的にも。

光子さんとマーラーチェンバーオーケストラの7年ぶりに来日公演、サントリーの2日とも行ってきました。
まずは、2日の感想から。

【モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K. 503】
もちろん素晴らしかったのだけれど、「いまこの瞬間に死んでしまいたい…!」と感じた7年前のときほどの感銘は受けなかったかな

【シェーンベルク:室内交響曲第1番 作品9】
指揮なしの立奏。
かっこよかった
7年前もそうだったけど、このオケはこういう演奏が素晴らしいですよね。
自由で、どこか官能的な音。
こういう言い方はしたくないけれど、日本のオケにこの空気感を出すのは難しいだろうな、と今回も感じました。

【モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K. 595】
今回はこの27番が素晴らしかった。
モーツァルトが書いた最後のピアノソナタ。
それが光子さんのピュアな音色で余すところなく表現されていて、心に響きました。

【クルターグ:遊戯 第3集 Play with Infinity(アンコール)】
これが思わぬ拾い物というか、とても新鮮で印象的でした。
クルターグという作曲家の名前自体初めて知ったのだけれど(まだご存命のピアニストなんですね)、30秒程度の曲ともいえない曲なのに、最初の一音から一瞬でその世界に入ってしまった。
時間の感覚がなくなるような、一瞬と永遠が繋がっているような響きの連なり…。
後から「Play with Infinity」という曲と知り、感じたそのままの曲名であることに驚きました。
たった数十秒でそれを表現してしまう作曲家と、それをあの広いホールで一瞬で現出させてしまう光子さん。
光子さんが現代曲とあんなに相性がいいことも、驚きでした。
あの響き、今も耳に残っています。

※11月9日の感想はこちら



Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

チェコ・フィルハーモニー管弦楽団 @横浜みなとみらいホール(11月4日)

2023-11-10 20:40:57 | クラシック音楽




ドヴォルザーク:交響曲第8番 ト長調 作品88 B.163
ドヴォルザーク:交響曲第9番 ホ短調 作品95 B.178「新世界より」
ドヴォルザーク:スラヴ舞曲第2集 第2番 Op. 72-2(アンコール)
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番(アンコール)


2017年10月以来、6年ぶりのチェコフィル。
前回もみなとみらいホールで聴きました。
あの日、友人も同じホールで聴いていて。
お互い一人で来ていて、演奏会後にクィーンズスクエアで話して、とても感動していたなぁ。
亡くなる5ヶ月前のこと・・・。

その時はチェコ人のアルトリヒテルがその年に亡くなったビエロフラーヴェクの代理で振ってくれて、チェコの土の匂い、そして民族の魂と誇りを感じさせてくれる演奏を聴かせてくださったのでした。
今回はロシア出身のセミヨン・ビシュコフで、私は聴いていない前回の来日公演時の評判だとだいぶ音が洗練されてしまっているようだったので、「あのチェコフィルの音」はもう聴けないかもしれないなと思っていたのだけれど。

ビシュコフ、ブラヴォー!!!
私がウィーンフィルと並んで愛するチェコフィルの音、健在でした
この音を守ってくれて、それだけでも心からビシュコフに感謝です。
そして今回も、みなとみらいホールとこのオケの相性は最高。
このホールで聴くチェコフィルの音、とても素朴で温かい響きがするんです

しばしば「チェコフィルの弦」と言われる深い色合いの弦はもちろんだけど、木管にも金管にも「チェコフィルの音」があると思う。
素朴で神経質じゃない、どこか呑気な、でも深みと暗さと少し煙ったような色合いの音。
思い切り突き抜ける、透明感だけではない金管の音。
透明じゃなく、半透明の音。
スラヴの音。
それを今日も聴くことができて本当に嬉しい。。。。

8番も9番も素晴らしかった。特に8番!
アンコール2曲も、とても感動しました。

9番の新世界の静けさ、美しさ。
アメリカから夕映えの水平線の彼方にあるチェコを想う美しさのようなもの、その水平線が目に見えるようだった。。。

また次回もこのホールでチェコフィルを聴けるかな。
それまで、私は心身ともに健康で生きていられるだろうか(突然の弱気)。
ただ毎日息を吸って吐いて生きる、ただそれだけのことも、とても大変なこと。。。
ただそれだけでも、私達は褒められていいことだと思う。

僕は褒める 君の知らぬ君についていくつでも

みゆきさんに会いたい・・・
来年久しぶりにコンサートをしてくださるんですよね。でもチケットをとれる気が全くしない。。。

Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

東京都交響楽団 第985回定期演奏会Aシリーズ @東京文化会館(10月30日)

2023-11-08 22:45:12 | クラシック音楽



指揮/オスモ・ヴァンスカ

シベリウス:交響曲第5番 変ホ長調 op.82
(20分間の休憩)
シベリウス:交響曲第6番 ニ短調 op.104 
シベリウス:交響曲第7番 ハ長調 op.105


今秋はシベリウス祭り♪
シベリウス好きなので、嬉しい

今回の指揮は、マケラやサロネンと同じくフィンランド人のヴァンスカさん。

先日マケラ&オスロフィルのときは、オスロフィルというオケの音の個性がそのまま「北欧の空気」で感動したけれど、今回の都響はさすがにその感覚はなく。
ただ、そんな都響を通してヴァンスカさんが作り出した音が「北欧の空気」を感じさせて、そのことに感動しました。常に感じるあの透明な音の層の美しさ。
デュトワ&新日フィルの音がフランスの音だったのと同じで(決して新日フィルはフランスらしい音のオケではないのに)、今回もヴァンスカさんの職人芸の結果と思う。

そしてヴァンスカさんの作り出すシベリウスは全く気負ったところがなく、音が良い意味で軽い。
時に物足りなく感じかねないくらいドライで自然で淡々としていて、それがしっかり”シベリウス”なのがとても新鮮で、感動しました。シベリウスの音楽の新たな面を知った気がする。

ただそれでもなお惜しむらくは、思いきりのいい自信たっぷりな音を聴かせてくれたオスロフィルと比べて、都響の演奏がどこか怖々しているように感じられたこと。
あれほど慎重な音になってしまっていたのは、リハーサルが足りなかったのだろうか…
と思ったのだけれど、演奏会後の都響の奏者さん達のSNSを読むと、そもそもシベリウスの演奏自体に慣れていない方が多かったようです。
本番はこの日一度きりだったので、せめてあと一回だけでも演奏機会があれば・・・。

各曲の印象を簡単に。
5番のラストはちょっとぎこちない感じで、先日のマケラ&オスロフィルの突き抜け感の貴重さを実感しました。また、この曲が一番都響が怖々演奏しているように感じられました。
7番のラストは、ヴァンスカさん&ラハティ響の録音と同じくアッサリ。これはこれで独特の余韻が残り、私は嫌いじゃないです。
今回一番感動したのは、6番でした。上記のとおり気負ったところのない軽やかさはそのままに、呼吸が自然で、起伏も鮮やかだった 

シベリウス祭りのラストは、11月半ばのサラステ&N響のBプロの1番です。楽しみ




Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

群馬交響楽団 @すみだトリフォニーホール(10月29日)

2023-11-07 22:54:37 | クラシック音楽




来年末での引退を宣言されている井上道義さん。
聴くのは初めてでしたが、知人のオススメの指揮者さんであることもあり、はるばる錦糸町まで行ってきました。
久しぶりに4番を聴きたいこともあり(2008年のproms以来15年ぶり!)

【モーツァルト:ピアノ協奏曲 第23番 イ長調 K.488】
初めて聴く仲道郁代さんのピアノはあまり好みな音色ではなかったのだけれど(スミマセン…💦)、井上さん&群響との美しく温かな対話を聴かせてくださった3楽章、素晴らしかった
感動しました。
演奏後は涙を拭って井上さんとハグされていた仲道さん。そんな仲道さんを優しくエスコートする井上さん、ジェントルマン

【ブラームス :6つの小品 間奏曲 Op.118-2 イ長調(ピアノアンコール)】
優しく、でも深い想いを込めた音で弾かれた晩年のブラームスの間奏曲。
なんか、仲道さんから井上さんへ贈られている演奏のように感じました。
心に響く、素敵なアンコールだった。

(20分間の休憩)

【ショスタコーヴィチ/交響曲 第4番 ハ短調 作品43】
いやあ、、、

井上さん、ブラヴォーーーーーーー

素晴らしいとか、そういう言葉では表せないような、凄絶な演奏だった。
手が痛くなっても拍手し続けたよ!
そもそもタコ4という曲が井上さんにピッタリで、「井上さんそのものだ」と強く感じながら聴いていました。でも同時にちゃんと「ショスタコーヴィチそのもの」でもあり。
それを群響が井上さん指揮のもとで完璧に演奏しきってくれました。
巧さという点では群響より巧いオケはいくらでもあるだろうけれど、今日の演奏ができたのは群響だけと断言できます。
60分間、一瞬たりとも弛緩せずに、呼吸も忘れる状態のまま最後まで連れて行ってくださいました。

事前にyoutubeでこの曲についてのゲルギエフのコメントを聴いていたのだけど(下に動画を載せておきます)、その中で「個人的には、ショスタコーヴィチがスターリンのような暴君やドイツの独裁者にそれほど興味を持っていたとは思っていません。おそらく30歳にも満たない29歳の彼は、死が通常招かれざる客であり、この客が例外なく誰にでも訪れうることを知っていたのだと思います。この曲の後に私は拍手を望みません。それは不自然です」と語っていて、ゲルギエフがどこまで本心を語っているかはわかりませんが、この解釈は私も納得できるものでした。

そして、タコ4って井上さんの人生(ご自身がオペラにもされた一種独特の人生)そのもののような曲だな、と今日の演奏を聴きながら感じていました。
井上さんが引退までの間に今後タコ4を振られるのかどうかはわかりませんが、とても一言では言い表されない沢山のものが詰まったこの音楽も確実に前へと進んでいて、後ろに戻ることはない。
そんな確実に過ぎていく時間の瞬間瞬間を思いきり生きてきた、そして生きている井上さんの音に、とても大切なものを身をもって教えていただいているような気がしました。

演奏後は何度も呼び戻され、指揮台でクルクル踊るような仕草をしたり、ユーモアいっぱいな井上さん(ステージへの出方も独特笑)。
なんだか、すっかりこの指揮者のことが好きになってしまった。
11月の読響とのマーラー2番も伺います。

こちらは、本日終演後のご本人のコメント。やっぱり面白い人

そうそう、プレトークでご本人も仰っていたけれど、トリフォニーホールとショスタコーヴィチの相性は抜群でした


井上道義(指揮者)「人は何のために生きるのか 父母に捧げるオペラ」(明日への言葉…他人様のブログです)

「どれを聴く?」迷ったら→井上道義・ショスタコーヴィチ交響曲 コメント

 自分を肯定できるということが、自分を幸福と思える唯一の条件だと僕は思っています。ただし人さまにも神さまにもどう思われても良い!というくらい強い強い「自分の主観での肯定」でないと意味がないのですが。
 でも、言うは易し行うは難し。なにより肯定の前提の「自分の主観」を持つことが大変だ。僕は五十年をそのために費やした気さえする。・・・

 僕にとっては、日本でも米国でも欧州でも豪州でも、自分を生かせる場所こそが住む所。「日本人」として自分を定める根拠は「母が母国語」、今もそれだけ。あなたは「なぜ自分が日本人と言えるか?」という問いに何と答えますか?
井上道義『降福からの道 欲張り指揮者のエッセイ集』より @オペラ「A Way from Surrender ~降福からの道」のプログラム




Valery Gergiev introduces Shostakovich Symphony No 4
上で深く考えずにゲルギエフの言葉を引用しちゃったけれど、井上さんがゲルギエフ大嫌いとかだったらどうしよう💦と小心者の私は思わずググってしまったところ、昨年3月に東フィルとショスタコを演奏した後に、プーチンと懇意にしているゲルギエフが相次いで公演をキャンセルされていく風潮を懸念する内容のお話をされていたとのこと。
とはいえ音楽と政治の問題は本当に難しいですね…。特にロシアのような国では。

Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI「ルネサンス & バロックのダンスと変奏~旧大陸、そして新大陸から~」@神奈川県立音楽堂(10月28日)

2023-11-03 22:00:15 | クラシック音楽




「音楽には、すばらしい力が秘められています。それは私たちが互いに等しく備えているものを、そして互いを別々の存在たらしめているものを、どちらも浮き彫りにするのです」

(ジョルディ・サヴァール)

ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI Jordi Savall & HESPÈRION XXI

ジョルディ・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ&ディレクション)Jordi Savall, Viola da gamba & Direction
シャビエル・ディアス=ラトレ(ビウエラ&バロックギター)Xavier Díaz-Latorre, Vihuela & guitar
アンドルー・ローレンス=キング(スペイン式バロックハープ)Andrew Lawrence-King, Baroque Spanish Harp
ダビド・マヨラル(打楽器)David Mayoral, Percussion

ルイス・デ・ミラン:
 ファンタジア第8番、第38番、
 パバーヌ第1番、ガイヤルド第4番
トバイアス・ヒューム:
 ヒューム大尉のパヴァーヌ~ガイヤルド、
 たったひとりで行軍する兵士(無伴奏バス・ガンバ)
カタルーニャ民謡(サヴァール編):
 アメリアの遺言、糸を紡ぐ女
フランセスク・ゲラウ:
 エスパニョレータとフォリア(バロックギター)
ジョン・ダウランド:
 いにしえの涙
アントニー・ホルボーン:
 ムーサたちの涙、妖精の円舞
 -休憩-
 アントニオ・デ・カベソン:
 パバーヌと変奏
ジュアン・カバニリェス:
 序曲~イタリアのコレンテ
マラン・マレ:
 フォリアによる変奏
ルイス・ベネガス・デエネストローサ:
 カベソンのファンタジア、スペインの調べ
アンリ・ル・バイイ:
 パッサカリア「わたしは狂気」(スペイン式バロックハープ)
 摂政殿のラント~モイラの君主~ホーンパイプ(リラ・ヴァイオル式に弾くヴィオラ・ダ・ガンバ)
サンティアーゴ・デ・ムルシア:
 サルディバル写本より ガリシアのフォリア~イタリアのフォリア~
 舞踏曲「狂気の蜜」


珍しく、地元で演奏会です。
地元は楽でいい。。。

「世界の至宝」とのことだけれど、実はサヴァールさんのお名前を知ったのは最近で、フォローしている方のSNSからでした。
最近古楽を好んで聴きつつある私だけれど、せいぜい1600年代半ば以降生まれの作曲家のものでした。
でも今日の演奏は、なんと1500年代生まれの作曲家の曲が半分を占めているのです
本日の演奏会のタイトルは、「ルネサンス & バロックのダンスと変奏~旧大陸、そして新大陸から~」。
ルネサンス音楽・・・バロックでさえない・・・。
どんな音楽なのか、想像もつきません。

※参考:5分で分かる【西洋音楽史】を知ろう

そんな状態で予習皆無で会場へ行ってしまった私ですが(というか曲目を知っても予習しようがなかった、ネットでも音源が見つからなくて)、周りの皆さんはお詳しそうな方ばかり。
そんな場違いな私だったけど、本当に行ってよかった
すごく楽しめましたし、勉強になりましたし、感動しました。
やっぱり頭で考えるよりも、まず行動ですね。

会場で配布された手作り感あふれるサヴァールの活動について、そして今日演奏される音楽やその歴史についての冊子が、とても参考になり、私のような古楽素人には有難かったです。無料配布なのに内容充実すぎる

今日の演奏を聴いて、クラシック音楽がどういう歴史を辿って今のような音楽になったのかを肌と耳で感じることができただけでなく、単純に音楽としての美しさと魅力にも感動し、そしてジャズのような即興性を心から楽しむことができました。
音楽の楽しさってこういうものだよね、と改めて。

曲自体だけでなく、彼らの楽器も独特で面白かった!その素朴な音色、ほっとします。
素朴といっても、いわゆるリラクゼーションミュージックのような癒し系なわけではなく、根源により近いシンプルな人間の生きる力、情熱的な愛、死の静けさ、自然の偉大さといったようなものを、肌で直接感じられるような、そんな感覚。
そういう感覚に、デジタルに囲まれて生きる昭和生まれの私はほっとする。

どの曲もよかったけど、カルターニャの民衆音楽「アメリアの遺言」やマラン・マレの「フォリア」、よかったな。
特にフォリアは、私はもともと変奏曲という形式が大好きなので、その遠い昔からの歴史を教えてもらえたようで(実際教えてもらえたのだけど)、感動しました。

アンコールで演奏してくれた即興?の2曲も興奮しました。
サヴァールがディスカント・ガンバ(高音ガンバ。1700年頃製作)から紡ぎ出した鳥の囀りを模した音を入れた曲「『カナリオス』に基づく即興演奏」、楽しかった…!本当に鳥の声に聞こえた!










Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

NHK交響楽団 第1994回定期公演 Bプロ @NHKホール(10月26日)

2023-11-03 21:51:17 | クラシック音楽



このBプロも本来はブロムさんが振る予定だったのだけれど、代打で尾高さんに。

【ベートーヴェン/ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」】
23日のリサイタルに続いて、協奏曲でもアンスネスを聴けて幸せ
きっちりと端正な、でも美しさや抒情的な面もちゃんとあるアンスネスのピアノはやっぱり良い!
2楽章、美しかった。。。。。
ブロムシュテットとアンスネスの北欧コンビの協演が聴けなかったのは残念でしたが、尾高さん指揮のN響もきっちりと美しくつけてくださっていました。
そして、協奏曲を弾くアンスネスを見ながら、協奏曲を弾いていたペライアの姿を思い出していました。やはり、二人にはどこか似たものを感じる。

【ベートーヴェン/ピアノ・ソナタ 第8番 ハ短調 作品13「悲愴」-第2楽章(ピアノアンコール)】
前日のアンコールはブラームスのop.116-6を弾いたそうですが、今日は「悲愴」の第二楽章!
先日のリサイタルで感動したこの曲をもう一度聴けて嬉しかった。
優しい音色に、ペライアのこととか、あるいは亡くなった人達のこととか、色々浮かんできました。

(20分間の休憩)

【ブラームス/交響曲 第3番 ヘ長調 作品90】
数年前にブロムさん&N響でこの曲を聴いときは晩秋の夕映えが見えたけれど、この日の演奏は真夏か真冬か、攻める系の方でした。この曲の演奏って2種類あるよね。攻める系と攻めない系と。
と思ったけど、もう一つ例外的なのがあった。オペラのように雄弁に歌う系(昨年のティーレマン)笑
というわけで攻める系ではあったけれど、きっちり真面目な感じで、今日の演奏を聴いた知人が「日本のブラームスという感じ」と苦笑していたけれど、そうね、確かに




Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 @サントリーホール(10月24日)

2023-11-02 13:10:26 | クラシック音楽




感想が~~~追いつかない~~~

さて、現在27歳のマケラ君。
昨年10月のパリ管に続いて(感想→10/1510/18)、今年はオスロフィルと来日してくれました。

【シベリウス:交響曲第二番】
オスロフィルを聴くのは初めてだったけれど、冒頭から、ああ、北欧の音だ・・・!と感激。
先日N響で同曲を聴いたばかりなので、音の違いがよくわかる。
北欧の渇いた空気と素朴さとスケールの大きさを感じさせてくれる音。
オスロフィルはノルウェーの楽団で、シベリウスはフィンランドの作曲家だけれど、今夜のこの音は本当にシベリウスの音楽にピッタリで嬉しくなる
指揮者のマケラがフィンランド人なのも、理由かも。

ただこの2番の演奏は爽快ではあったけれど、私がシベリウスに欲しいある種の暗さ、陰影のようなものが最後まで感じられず、ワタクシ、ちょっと不満でありました。
こういう音楽作りでコンセルトヘボウのシェフになってしまうのか・・・と。

(20分間の休憩)

【シベリウス:交響曲第5番】
休憩後の5番は、オスロのあの北欧の音はそのままに音により深みが加わって、大満足
最後の〆のあの難しい和音も、しっかり突き抜けてくれました(録音ではそうではなかったので、今夜のこれは感動した!)
この和音、あの最高に素晴らしかったラトル&ロンドン響でさえも難しそうだった。
シベリウスはなぜあんな、突然流れをせき止めてしまうような終わり方にしたのだろう

【シベリウス:レンミンカイネンの帰郷(アンコール)】
勢いがあって、生き生きしていてとても楽しかった
パリ管とのアンコールのグリンカもそうだったけど、マケラはこういう曲が本当に似合う&楽しそうに振るね
気持ちよくサントリーホールを後にすることができました!

次回はどことの来日だろう?
またパリ管か、いよいよコンセルトヘボウ?


クラウス・マケラ - シベリウス:交響曲第2番&第5番 Trailer

Comment
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする