「音楽には、すばらしい力が秘められています。それは私たちが互いに等しく備えているものを、そして互いを別々の存在たらしめているものを、どちらも浮き彫りにするのです」
(ジョルディ・サヴァール)
ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI Jordi Savall & HESPÈRION XXI
ジョルディ・サヴァール(ヴィオラ・ダ・ガンバ&ディレクション)Jordi Savall, Viola da gamba & Direction
シャビエル・ディアス=ラトレ(ビウエラ&バロックギター)Xavier Díaz-Latorre, Vihuela & guitar
アンドルー・ローレンス=キング(スペイン式バロックハープ)Andrew Lawrence-King, Baroque Spanish Harp
ダビド・マヨラル(打楽器)David Mayoral, Percussion
ルイス・デ・ミラン:
ファンタジア第8番、第38番、
パバーヌ第1番、ガイヤルド第4番
トバイアス・ヒューム:
ヒューム大尉のパヴァーヌ~ガイヤルド、
たったひとりで行軍する兵士(無伴奏バス・ガンバ)
カタルーニャ民謡(サヴァール編):
アメリアの遺言、糸を紡ぐ女
フランセスク・ゲラウ:
エスパニョレータとフォリア(バロックギター)
ジョン・ダウランド:
いにしえの涙
アントニー・ホルボーン:
ムーサたちの涙、妖精の円舞
-休憩-
アントニオ・デ・カベソン:
パバーヌと変奏
ジュアン・カバニリェス:
序曲~イタリアのコレンテ
マラン・マレ:
フォリアによる変奏
ルイス・ベネガス・デエネストローサ:
カベソンのファンタジア、スペインの調べ
アンリ・ル・バイイ:
パッサカリア「わたしは狂気」(スペイン式バロックハープ)
摂政殿のラント~モイラの君主~ホーンパイプ(リラ・ヴァイオル式に弾くヴィオラ・ダ・ガンバ)
サンティアーゴ・デ・ムルシア:
サルディバル写本より ガリシアのフォリア~イタリアのフォリア~
舞踏曲「狂気の蜜」
珍しく、地元で演奏会です。
地元は楽でいい。。。
「世界の至宝」とのことだけれど、実はサヴァールさんのお名前を知ったのは最近で、フォローしている方のSNSからでした。
最近古楽を好んで聴きつつある私だけれど、せいぜい1600年代半ば以降生まれの作曲家のものでした。
でも今日の演奏は、なんと1500年代生まれの作曲家の曲が半分を占めているのです
本日の演奏会のタイトルは、「ルネサンス & バロックのダンスと変奏~旧大陸、そして新大陸から~」。
ルネサンス音楽・・・バロックでさえない・・・。
どんな音楽なのか、想像もつきません。
※参考:5分で分かる【西洋音楽史】を知ろう
そんな状態で予習皆無で会場へ行ってしまった私ですが(というか曲目を知っても予習しようがなかった、ネットでも音源が見つからなくて)、周りの皆さんはお詳しそうな方ばかり。
そんな場違いな私だったけど、本当に行ってよかった
すごく楽しめましたし、勉強になりましたし、感動しました。
やっぱり頭で考えるよりも、まず行動ですね。
会場で配布された手作り感あふれるサヴァールの活動について、そして今日演奏される音楽やその歴史についての冊子が、とても参考になり、私のような古楽素人には有難かったです。無料配布なのに内容充実すぎる
今日の演奏を聴いて、クラシック音楽がどういう歴史を辿って今のような音楽になったのかを肌と耳で感じることができただけでなく、単純に音楽としての美しさと魅力にも感動し、そしてジャズのような即興性を心から楽しむことができました。
音楽の楽しさってこういうものだよね、と改めて。
曲自体だけでなく、彼らの楽器も独特で面白かった!その素朴な音色、ほっとします。
素朴といっても、いわゆるリラクゼーションミュージックのような癒し系なわけではなく、根源により近いシンプルな人間の生きる力、情熱的な愛、死の静けさ、自然の偉大さといったようなものを、肌で直接感じられるような、そんな感覚。
そういう感覚に、デジタルに囲まれて生きる昭和生まれの私はほっとする。
どの曲もよかったけど、カルターニャの民衆音楽「アメリアの遺言」やマラン・マレの「フォリア」、よかったな。
特にフォリアは、私はもともと変奏曲という形式が大好きなので、その遠い昔からの歴史を教えてもらえたようで(実際教えてもらえたのだけど)、感動しました。
アンコールで演奏してくれた即興?の2曲も興奮しました。
サヴァールがディスカント・ガンバ(高音ガンバ。1700年頃製作)から紡ぎ出した鳥の囀りを模した音を入れた曲「『カナリオス』に基づく即興演奏」、楽しかった…!本当に鳥の声に聞こえた!
本日はジョルディ・サヴァール横浜公演にご来場いただき誠にありがとうございました。めちゃくちゃ良かったと思う方、手をあげて!
— 山根悟郎 / Goro Yamane (@GorouYamane) October 28, 2023
なお本日の公演はNHKによるFM収録がございました。後日ベスト・オブ・クラシックにて放送されます(放送日はいまのところ未定です)。どうぞお楽しみに。 pic.twitter.com/QDoGljBphx
同じカタルーニャ人の
— 白沢達生@となりにある古楽✍️ 東5ヒ30b (@t_shirasawa) October 28, 2023
パウ・カザルスは
20世紀に『鳥の歌』を
音符にして不滅の名作にしたけれど
21世紀のきょう
ジョルディ・サヴァールは
カナリオスに乗せた即興で
鳥のさえずりを、高音ガンバで
生々しく活写し低音に沿わせていた
さながら
自然を人の技芸より尊ぶように。
二つの誠実の形。 https://t.co/GpR0n50tLi
なにしろ広い会場だと、四人の大物たちはすごく遠くに小さく感じるかもしれない
— 白沢達生@となりにある古楽✍️ 東5ヒ30b (@t_shirasawa) October 28, 2023
自分も決してそんな前ではなく遠かったけど、その「遠さ」に負けず耳をそばだてる人たちと、ステージからその楽器に合った音で最高の音楽を届けようとする四人と、手を伸ばしあう場の気配のようなものを肌で感じてた。 https://t.co/dM9fSGxrDV
いまさらながら付け加えておくと、これは「そうしなければならない」ではなくて、何でもオッケー、読みたいように読んで、ということですね。
— 山根悟郎 / Goro Yamane (@GorouYamane) October 30, 2023
(とはいえ我々日本人は生真面目だからこういう「何でもいいよ」っていうのは苦手かな?)
ジョルディ・サヴァール大先生が柔和すぎて私は今日の午後からずーっと満面の笑みだったことをここに告白したい。そしてスペインから昨日着いたばかりなのに五時間近くもリハーサルをされたのにはただただ仰天/脱帽でした。82歳のすることちゃうやろ。心底、音楽が人生そのものなんだろうな、と。
— 山根悟郎 / Goro Yamane (@GorouYamane) October 26, 2023
本日の京都公演のご来場、ありがとうございました!本日は横浜公演にはなかった「口琴」も登場。ボヨーンビヨーンと、大変味のある音が聞かれました。
— 山根悟郎 / Goro Yamane (@GorouYamane) October 29, 2023
なおこのあと四人には京都の和食やサケなどを存分にご堪能いただきましたのでその点ご報告いたします。 https://t.co/IJgHw4nald