風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

ある意味今年一番の衝撃・・・・・・

2015-12-27 14:43:21 | クラシック音楽

ほとんどの方には本当にどーでもいい話題だと思いますので、どうぞスルーしてくださいましm(__)m
ですが、私にとっては人生の衝撃事件だったので書いておきます。。。。今後のためにも。
それに、検索をしたら同じ仲間が山ほどいらしたので、興味ある方はあるかな、と。

ワタクシ、いつも書いておりますとおり、クラシック音楽は完全な初心者で、聴いたことのない曲の方が圧倒的に多いのです。交響曲なんかほとんど知りません。
とはいえむかーしむかしピアノを弾いていたことがあったので(クラリネットも少し)、絶対音感的なものはあったのでございます。

で、本題。先ほど、来年のツィメルマンの予習にと、シューベルトのピアノソナタを聴いていたのですよ。まずはリヒテルさんを聴いてみました。その動画は、たまたま楽譜つきでした↓。

Sviatoslav Richter plays Schubert Sonata D.960


・・・・・・・・・・。
ドードーシードーレーミー レドレーレーレードシドーラーソーと聴こえる・・・・・。しかし楽譜は、
シーシーラーシードーレー ドシドードードーシラシーソーファー

・・・全ての音が楽譜より半~1音高く聴こえる・・・・・。以前はそんなことはなかったのに・・・。

困惑いたしました。ものすごく困惑いたしました。リヒテルが特殊な調律をしてるのか?と動揺し、光子さんやブレンデルやホロヴィッツなどを聴いてみたけど、やっぱり高く聴こえる・・・!

ぐぐってみました。
なんと!絶対音感ってクラシック音楽から長らく遠ざかっていたり、加齢だとかで狂うのだそうです!
相変わらず世の中の音(案内音とか)はカタカナで聴こえていますし、楽譜なんて長年見ていなかったから、まさかそのカタカナと実音の間にズレがあったなんて全然気づきませんでした・・・・・ たぶんここ数年の話だとは思うのですけれど。
いや、違和感をおぼえたことは何度かあったんです。昔ピアノで弾いたことのある曲がデパートなどで流れていたときにふと「?」と感じたり。でも・・・ピアニストが移調してるのかと思っていたのよぉぉぉぉ。
いっそ絶対音感自体が無くなってしまえばスッキリしたのでしょうけど(そもそも絶対音感が役に立ったことなど人生で数回しかない)、あいかわらずカタカナでは聴こえ続けているので、一旦気付いてしまうと、キモチワルイことこの上ありません・・・。
ネットでテストをしたら相対音感は狂っていないようですし、別に作曲をするわけではないから音楽を聴く分には問題ないのかもしれないけど、でもやっぱりすごくキモチワルイ・・・

ネット情報によると再び戻すことは可能なようなのですが。。
でも、リヒテルでさえ治せなかったものを、私ごときに治すことは可能なのだろうか。。
彼の場合は、60代で二音も三音も上がってしまったらしいです(でも私はまだ30代なのに~)。だからそれ以降は楽譜を見ながら弾いたのですって。でも楽譜を見ても、楽譜の音と聴こえている音が違うのだからキツかったろうなあ・・・。とはいえ暗譜や目を瞑って弾けばいいかというと、それもダメ。指で覚えてる鍵盤の音と実際に聴こえる音が違うのだもの。どちらにしてもピアニストにとっては拷問だよね。。。。

凹んでいても仕方がないので、まずは昔ピアノで弾いたことのある曲の中から比較的ゆっくりめの曲の楽譜付き↓を日々聴いて、矯正をがんばってみようかと。。。まだもうしばらくは、ズレたカタカナは聴きたくない。原因が加齢だと矯正は難しそうなので、そうじゃないといいのだがなぁ。。加齢の気がすんごいするが。。


Schumann: Kinderszenen Op.15 No.7, Traumerei (Horowitz)


ドがド♯に、ファがファ♯に聴こえる・・・;;


Chopin Nocturne Op.9 No.2 (Arthur Rubinstein)


シ♭がシ、シがドに聴こえる・・・;;


Murray Perahia - Schubert - Impromptu No 2 in E-flat major, D 899


鍵盤を見てると眩暈がする(実際に聴こえる音とのギャップに)・・・;;
しかしこの曲ってこんなに美しい曲だったのねぇ・・・。自分が弾いてたものとえらい違いだわ・・・。音の美しさがぜんぜん違う。


そういえば昔ヤマハでやったトレーニングは、「ハイ、後ろ向いて~。ポーン。今の音は何ですか?」というものであったなぁ・・・。
こちらのサイトを使って、ヤマハ時代からやり直すか?やり直せるのか?

人間の感覚って自分で思っている以上にアテにならないものなんですねぇ。
まあ幻覚や幻聴というものも実際に存在するわけですから、そりゃそうか。
一年の最後に勉強になりました。

ちなみに当然ですが、ピアノだけでなく、オーケストラの音も全て半~一音高く聴こえております

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我當さん(にっぽんの芸能@録画)

2015-12-26 21:16:00 | 歌舞伎

頂上まで登りつめたいと思いますけどね、なかなか頂上なんか歌舞伎の場合は行けるものじゃないですよ。できるだけ良い舞台をできるだけ多くの方に観ていただきたい、そしてそれを伝承していきたいというのが願いですね。

――我當さん、これからの抱負はなんでしょうか。

「観客にも自分にも誠実であれ」ということですね。誠実さを大事にしますね。心をね。それで役にも愛情を持ち、観客の皆さまにも愛を捧げる。すべて愛ですね。愛ということを大事にしますね。やっぱり歌舞伎というものを心から愛していますからね。それから「一期一会」といいますか、今日観てくださったお客様がまた明日も観てくださるわけではないですからね。もしかしたらそれこそ自分が今晩死んじゃうかもしれないわけですよ。ですから一生のつもりで、それこそ一生懸命の思いで舞台を務めてこそ、こちらの思いも観客に伝わるのではないでしょうかねぇ。

(五代目片岡我當)

2014年8月22日放送のにっぽんの芸能より。
年末なので家のHDDの整理をしているのです。てか2014年って昨年だし(一人ツッコミ)

我當さん、誠実なお方ですね。こんな風に舞台を務めてくださったら、観客は嬉しいよね。
一番最後に我當さんの舞台を拝見したのは、昨年夏の天守物語だったか。

天守物語といえば、来月の衛星劇場は玉三郎さん特集ですね~。シネマ歌舞伎の鏡花三作を一挙放送。この天守物語の我當さんの桃六は絶品ですよ~~~。
鏡花物は放送してくれるとしてもひと月一本だろうと思っていたので、この一挙放送は本当に嬉しい。

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十二月大歌舞伎 @歌舞伎座(12月19日)

2015-12-20 16:00:30 | 歌舞伎


「松也の魅力ってなんなのかなぁ」
てなことを真剣に考えていたら、東銀座を乗り越して築地まで行ってしまった・・・

今月は、幕見で『関の扉』と夜の部に行ってまいりました。

【重戀雪関扉(つもるこいゆきのせきのと)】
えーと・・・前半が恐ろしいほどタイクツで・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
松也
(宗貞)も松緑(関兵衛)も七之助(小野小町姫)もみんなアッサリスッキリしすぎているというか、人間的な妙味が薄いというか・・・。こういうファンタジー色の強い作品は、もう少し役者にゆったりおおらかな趣がある方が私は好みだなぁ。
あえていえば七之助がカッコイイ小町で、これはこれで素敵といえなくもない、かも(現代的だけど。姫っぽさも皆無だけど)。七之助はやっぱり赤が似合う 

後半で玉三郎さん(傾城墨染実は小町桜の精)がご登場。
私、思いました。

玉さまがいればそれでいい。

もちろん周りも完璧なら言うことなしですけど、これだけ玉さまが素晴らしかったら、他が良かろうが悪かろうがどうでもいい。それまでのタイクツもどうでもいい。
一体なんなのなんなのあの玉さまの儚さ&哀れさ&可愛らしさ&伝わってくる安貞への強い愛情・・・!なのにしっかりあるこの世のもんじゃない感・・・
昔の絵師達はこういう舞台を観て絵心を刺激されたのかなぁとか思った(上の絵は月岡芳年の小町櫻の精。新形三十六怪撰より)。
安貞の片袖に顔を寄せて泣く墨染。登場場面から人間じゃない怪しさ満載なのに健気で切なくて可哀想で・・・。それからだんだんと本性が顕れてくる過程も素晴らしかったなぁ。
見顕し後の指先ちょいちょいの余分な力の一切ない自然な連理引き。いつもながら玉さまがすると本当にやっているように見える!

大雪のなか満開の花を咲かせる樹齢三百年の桜の樹。
その樹と同じ色合いの衣装(薄墨地に枝垂れ桜)が、玉三郎さんの墨染の儚さと艶っぽさにぴったりだった。
ぶっかえり後の珊瑚がかった桜色の衣装も華やかでお似合い

松緑はあまり酔っ払いに見えなかった関兵衛よりも(プライベートで飲みまくってるんじゃないんかい)、黒主になった後の方がダイナミックで良かった、気がした。ごめん、ほとんど玉さま見てた・・・。

初めて観る演目だったので玉さま新演出の竹本との掛け合いじゃなくてオリジナルの常盤津オンリーバージョンで見たかったのだけど、初めてだから人物の分担がわかりやすくてよかったともいえる・・・のかな。

一方、小町姫と墨染を違う役者が踊るのは案外良いのではないかと。この二人ってストーリー上では全くの別人ですから、今回のように別の役者さんの方が墨染に感情移入しやすい気がしました。でも同じ役者が踊るバージョンもいつか菊ちゃんで観てみたいな~

続いて夜の部。


【妹背山婦女庭訓(いもせやまおんなていきん) ~杉酒屋~道行恋苧環~三笠山御殿
七之助のお三輪ちゃんは平成中村座で御殿だけ観ていて、私は割と好きなのです。
今回『御殿』以外の部分も観てやっぱりとてもよかったのだけれど、これがあの御殿の凄絶な七之助のお三輪に繋がるのかと思うと、すこしチグハグな感じも受けました。
なぜなら求女のことをそこまで愛してるようには見えなかったから。ピンで見ていると恋情が真っ直ぐで嫉妬深くて、だからこそ可愛らしくて、という感じがちゃんと出ているのだけれど、松也と絡むとどうも淡泊。昼の部の関扉でもそうだった。このカップル(松也&七之助)はコクーンの三人吉三のときにとてもいい相性と思ったのだけれど、古典だとイマイチ・・?サッパリした友人同士に見えてしまった。まぁ求女の方はそれで正解なのかもですけど。

求女といえば、この記事の冒頭で書いた松也の魅力ですが、今日もわかったわけでは全くないのですが、淡海が女に関してはサイテーーーーーな奴だということが伝わってきて、それがよかったです。今日の松也の演技(という演技もしてなかった気がするが、それがかえってよかったのか)でわかった。あ、彼のプライベートとは何の関係もありませんよ。純粋に舞台上での彼の話。

話を戻して七之助ですが、道行の最後の花道で糸が切れてしまった苧環を抱えたときの風情がとてもとてもよかったです。

『御殿』からは、お三輪ちゃんが玉三郎さんにチェンジ。
糸の切れた苧環を手に花道から登場されたときの表情が印象的でした。御殿の壮麗さに途方に暮れながらも、その目はひたすら恋しい求女の姿を探している。その必死さは、姫でも傾城でもなく、本当に恋する庶民の娘だった。
この御殿の段、三輪は求女(淡海)と顔を合わす場面はないのよね。でもずっと三輪の中には求女がいて、というより求女だけがいるのだなあ、と玉三郎さんを見ていて感じました。
祝言の音を聞いて表れる「疑着の相」に関しても同様で、七之助のときはそれが表面的な「怒り」に見えてこの場面が少し唐突に感じられたのだけれど、玉三郎さんのそれは彼女のもっともっと深いところにあるもの(表に顕れるのは数万人?に一人だけれど、きっと誰もが持ちうるもの)が爆発してこういう形で表れたのだということがわかった。そしてその更に根底にあるのは求女への強い強い愛情であることが、こんな異形に変わってしまうほど三輪は求女を愛していたのだなぁということが伝わってきました。
結局最期に死んでいくときまで、彼女は求女だけを見ていて。未来ではどうか自分と・・・というところ、見えなくなってくる目で彼女が見ているであろう景色を思うと胸が詰まりました。。。(そして淡海という男の性格を思うと、次の世でもお三輪ちゃんが彼と結ばれる気は全くしないという。結局お三輪ちゃんは幻の男性である“求女”に恋をして、彼のために命を捧げて死んでいったのよね・・・)

松緑(鱶七)は好きな役者ではあるのだけれど、、、、、あの一本調子な台詞回しをいい加減にどうにかしていただけないだろうか・・・・・・・。変に現代的であざとい演技をされるよりずっといいとは思っているものの、正直ワタクシ、苦痛であったよ・・・・・・・。見得を切るときなんかは大きくてカッコよくてとってもいいのだけどなぁ。あの玉さま三輪の最期の後に立派に幕を下ろしていたのはお見事だったわ。

児太郎の橘姫は、今回も私は好きでした。

あ、あと『杉酒屋』の團子くん(子太郎)の演技がすごく手馴れていて吃驚。場を盛り上げてくれていました。もしかしたら私は彼を見るのはこれが初めてだったかなぁ。お父さんの中車さんは『御殿』の豆腐買いで出演中(大和屋~って言ってた)。


以下、10月26日放送の『プロフェッショナル仕事の流儀』の岡村隆史さんと玉三郎さんの対談より抜粋。
録画を消しちゃうので、ここに記録として残しておきます(^_^)
玉:ストイックというより、やることないんです、他に。遊びたいのに遊ばないなんてすごいストレスになっちゃうじゃないですか。外に行って遊ぶとかご飯を食べるとか飲むとか殆どしないたちなので、ストイックに見えるんですね。
10年先とか20年先とかぼやっとしたイメージはありますよ。でも10年先のイメージを作ってそうじゃないところへ行ったらどうします?だったら今日と明日をちゃんとやれる方が自然と先が導かれるんじゃないかなっていう気がします。
岡:僕は先ばっかり見てるなって。
玉:それは多分、不安なんでしょ?
岡:はい、不安なんです。だから余計色んな人の話を聞いて、今後のことの参考になればなって思ったんです。年齢を重ねていくことの怖さみたいなものってありますか。
玉:あります。でも怖がっていても仕方がないから、やっぱり今日とか明日をちゃんとやっていけば自然とそこに行けるかなっていう感じしかないんですよね。
岡:体力的衰えとかそういうのは・・・
玉:もう十分それとは対面しました。どんどん衰えていきますね。この年齢になると、年々衰えてきます。
岡:引き際というかそういうのって考えたりすることってありますか。
玉:考えてます。でもね、あんまり公に言わないの。フェードアウトね。あ、そういえば出演が少ないねっていう感じ。あれ、今年観てないわねっていう感じ。それでいいんじゃないかなって。言わないの。宣言しないの。
岡:スパンって切る美学であったりとか、色々あるとは思うんですけど。
玉:スパンって切りたいけど、あまりゴタゴタ言われたくないのね。だって自分でゆっくり考えた結論に対してどうしてですか?とか、残念ですねとか、まだお出来になるのにとか言われて、何て答えたらいいの。ちゃんと毎日日々日々24時間考えてきたことに対して何でですかって言われても、いやそういう結論なんですとしか言いようがないじゃない?
岡:玉三郎さんは気持ちや体がドーンと落ち込んだり、そういうのは・・・
玉:(40歳のときにそうなったという岡村に対して)僕はね、16、24、28、37、41なんですね。
岡:どうやって沈んだ気持ちだったり・・・
玉:もう時間を過ごすしかないです。それと、環境を変える。旅をするとか、自分の家にいないとか。ちょっとした環境を変えることによってさっと治ることがあるんですね。ただしある程度の期間が来てから環境を変えないとね。
岡:玉三郎さんはダイビングをされますよね。僕も石垣島に機材一式置いてあるんですけど。
玉:気分転換っていう点においては最高でしょ?
岡:振り返っていただいて、この人生、楽しいですか。
玉:人生ってどちらかというと多少苦痛を伴うんですね。でも苦痛だけではない。ただ、どうだったですかって言われたら、僕は幸運だったと思います。という意味で、他の方から見たらすごく幸せな人生に思われるでしょうね。ということは、幸せだったと思います。すごく華やかな舞台に立てるなんていうことは思ってもいないまま生きてきて、それができたということは、夢の夢が叶った人生だったと思いますね。オタクというか、何か集中していたらそんなものしかできなくて、社会人になれるかどうかわからないような子供だったわけですね。それが「人生とはどうですか」って話せたりとかね、そこまで来させてもらったっていうか来たっていうことは夢のような人生でしたね。世界に旅をして色んな劇場に招いてもらったりとかね、そんなこと考えてもいないまま来ましたんで、幸せでした。
岡:明日頑張れるために何か一言いただけたら有難いんですけど。
玉:気楽にしたらいいんじゃないでしょうか。それで海の番組を作ってくださいよ^^



日経新聞より、玉さまのお三輪ちゃんと松緑の鱶七。


今回もいわて銀河プラザにて♪
2月末まで助成金による3割引キャンペーン延長中。

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ラミンのアンジョルラス(ラミさんコンサート企画♪)

2015-12-17 23:36:27 | ミュージカル

おお、ラミンは今夜は東京にいるのですね~~~。
私は今回は(今回も、か)行きませんでしたが、今夜コンサートに行かれた皆さまへラミン・カリムルーのアンジョルラス動画シリーズをお贈りします(*^_^*)

何度見てもやっぱりラミンのアンジョは素敵ですね~
そして撮影された方のラミン愛(&ハドリー愛@動画リスト)が恐ろしいほど伝わってきますね~。Reprise動画の見事なまでのバルジャンがん無視ぶり笑。
今夜のコンサートではDo You Hear the People Sing?(DYHTPS)を歌ったのだとか。生で聴かれた方が羨ましいナ。
ゲストは平原綾香さんだったのですね。


Look Down - Paris


Les Mis: ABC Cafe/Red & Black/DYHTPS -- London 2004


Les Mis: One Day More -- London 2004


Les Mis: DYHTPS (Reprise) -- London 2004



それから数年後の、ラミさんアンジョ↓。以前にもご紹介した25周年動画。
もっともこの動画を見ると、私の目はいつもハドリーに釘付けになってしまうのでありますが。このハドリー@グランテール、すっっっごく可愛いですよね ほら、ラミンも「ちょーラブリーだよなこいつ」って顔で見てる!(違)
ちょうど4年前の12月にこの二人を観ていたのだなぁ。。。思えば遠くへ来たもんだ、ヨーロッパも私も。。。

Drink with me (Les Miserables in Concert -The 25th Anniversary, O2 London, 3 Oct)



そしてそして、歌い出しが仏語のDYHTPS これ、すんごい好きなんです。力強くて。これを聴いたとき、レミゼラブルはやはりフランスの物語なのだなあと強く感じました(そしてそう感じさせるラミンの素晴らしさ!)。今夜は何語で歌ったのだろう?

Ramin Karimloo: Do You Hear the People Sing? - Les Miserables (Live ANWTP Concert)


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京極夏彦氏の語る水木しげるサン

2015-12-11 00:02:42 | 

  九十三歳、画業は六十年以上。その長きに亘り、常に第一線に立ってひたすら娯楽を生み出し続けてきた水木さんの功績は、いまさらくり返すまでもないでしょう。それは僕たちの血となり肉となり、そして日本文化の一側面を築き上げたといっても過言ではありません。日本文化の持つ創造性や特異性を「妖怪」という形で結実させ、再発見させてくれたのは、誰あらん水木さんその人でした。

 水木さんには左腕がありませんでした。戦争という抗いがたい魔物が水木さんに消えない傷を刻みつけたのです。その残酷な目に見える現実世界と、妖怪という目に見えない精神世界との間を自在に往還し、水木さんは「生きることは愉しいし、生きているというだけで喜ばしいのだから、もっと喜べ」と、作品を通じ、また身をもって教えてくれました。

(京極夏彦 水木しげる追悼文より)


ゲゲゲの鬼太郎は私が小学生の頃にもアニメがテレビ放映されていて、友達の間では目玉おやじが大人気でした。
とはいえ私はアニメもちゃんとは見ていませんでしたし、原作も読んだことがなく、ゲゲゲの女房も見ていないのです。
先月京極氏の講演を聞きに行く前に下記の対談を読んで、水木さんて面白い人だな~と興味をもちました。でもそれからひと月もたたないうちに亡くなられて。。
ほぼ日刊イトイ新聞より、京極氏と糸井氏の対談(抜粋)です。2007年10月。

京極 ふつう、
「オレは天才でお金を持ってるから
 怠けられるんだ」なんて言ったら、
嫌われちゃうじゃないですか。

でもね、困ってる人にポーンと大金あげちゃったり、
そんなところもある人だし。
糸井 なんというか、
自由にやりたいんでしょうねぇ。
京極 このあいだ、
「幸福の第一条件は金塊である」
とおっしゃって。
糸井 金塊‥‥(笑)。
京極 大金のことを、「金塊」っておっしゃるんです。

「金塊を手にしたら、
 まあ、だいたいは幸せなわけだ」とか。
糸井 なかなか言えないというか(笑)。
京極 言ってみたい(笑)。

あれだけね、
「ラバウルの現地の人びととの
 質素な暮らしは、素晴らしい」、
つまり、経済活動から解放された生活は理想だ、と
言っておきながら、
舌の根も乾かぬうちに
「幸せにとって、必要なのは金塊である」と。
糸井 ははぁ‥‥。
京極 でも、変わり身が激しいというわけじゃないんですよ。
糸井 同じ人なんだ。
京極 同一平面にあるんですよ。
糸井 なるほどねぇ(笑)。
京極 そういうところが、すごいんです。

お金を使う必要のない世界というのは
素晴らしい。
でも、お金を使う必要のある世界では
必要なんだって。
糸井 つまり、置き場所が違うぜってことですね。
京極 そう、そう。

「俺は日本に暮らしてるんだから、
 お金がなきゃ
 幸せになれないに決まってるじゃねえか」と。

「お金を使わなくていいような楽園だったら
 そんなもの、一円も、要らないよ」と。
糸井 そう考えると、一貫してますよね。
京極 うん、で、「金を稼ぐのは才能と知恵である」と。
糸井 う~ん‥‥なるほど。
京極 つまり、
「才能を発揮して、どんどん稼いで、
 怠けられる人になりなさい」ということ。

いや、これね、哲学としては‥‥。
糸井 お手本にしたくなる(笑)。
京極 でしょう?

しかもね、照れながら言うんです。
かわいいんですよ、また、それが(笑)。

水木さんのいう才能って、
「努力を惜しみなくできる力」なんです。たぶん。
照れるのは、
ものすごい努力家なのを隠してるんですね。
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漱石の性格

2015-12-10 00:19:08 | 

七月ごろのことでありましたでしょう。朝日新聞社のほうで賞与として五十円か月給のほかにくれました。賞与五十円というのはどう考えてみても理屈には合わない、第一最初入社当時の約束の時も、少なくとも賞与は半期半期月給の三月分以上はというような話だったのに、これはまた意外にどうしたことかと、あえて金が欲しいというのではないが、当初の約束に違うではないか、今から約束を違えるようでは、末が思いやられるというわけで、最初仲に立たれた坂元雪鳥さんのところへ言ってやって、「朝日」の幹部にたずねるようにということでしたが、入社六か月以内のものには賞与のない規定のところを池辺さんかが特別にしるしばかりながらこれだけよこされたものだと事情がわかり、かえって厚意を謝していたようなことがありました。こういうようなところは几帳面で、金のことだからといって潔白そうにずるずるにしておくというようなことはなく、そのかわり事の子細がわかれば釈然となるといったぐあいで実にもってさばさばしたものでした。
(夏目鏡子 「漱石の思い出」)

「銀の匙」が出た時分のこと、先生はその縁日のことを書いたところにあまりくどく同じ様なことがくり返してあるといふことを非難した。私はよくも覚えてゐなかったためか、さういふことがあまり問題にならなかつたためかなにかできき流しておいた。その後先生はまたそのことを注意した。私はまたきき流しておいた。それからある時ふと思ひ出してそこを読みかへしてみた。そして非難が当ってると思つた。先生は私がいつもきき流しにするので私がまだ気がつかずにゐると思つたのかこの時もまたそのことをいひ出そうとした。私は先生が二言三言言ひかけた時に

 「あ、あれはわかりました」
といった。先生はすぐに
 「あ、さうか」
といつてその話をやめてしまつた。こんなところが大変よかつた。
(中勘助 「夏目先生と私」)

二人がそれぞれに書いているので、漱石には本当にこういうさっぱりとした部分があったのでしょうね。
勘助に何度も注意したというところも、いいなぁと思うのです。何度聞き流されても放らない。適当な付き合い方をしないというか、真面目というか。まあ自分が朝日に紹介したという責任もあるでしょうし、気になって仕方がなかったのかもしれませんが。そして先生の言葉を何度も聞き流す勘助の図太さ笑。

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Season's Greetings from everyone at the Royal Opera House 2015

2015-12-09 09:44:41 | バレエ

Merry Christmas and a Happy New Year from the Royal Opera House


ロイヤルオペラハウスから今年もグリーティングカードが届きました

来年はロイヤルバレエ団の来日!
特にロミジュリが楽しみです~(マックレー、踊ってくれるよね・・?)


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情熱大陸に仁左さま!

2015-12-08 00:09:42 | 歌舞伎

美の化身、生ける芸術のロパ様の前にひたすら平伏している間に、もう一人の美の化身、生ける芸術が『情熱大陸』に出演していたぁぁぁぁぁぁあああ!!

にざ様。。。。。。。。。。。。知らなかった。。。。。。。。。。。。。。。。

ロパ様についてツイで呟いておられた方が、たまたま仁左さまのTV出演についても呟かれていて。。。
しかし時既に遅し。

「情熱大陸 再放送」で検索するも「再放送はなし」という非情なググ様からの回答。。。

でも諦めないっ。

「情熱大陸 オンデマンド」では・・・・

あったよぉ~~~~~!!見られるよぉ~~~~~!!

情熱大陸 「歌舞伎俳優・片岡仁左衛門」
2015年12月6日放送分

録画は残せないし、配信も一週間オンリーだけど。。。。仁左さまの美しさを網膜に焼きつけます


(30分経過)

見ました!
以下ネタばれありですヨ。


「健康の秘訣は?」
「恋。――お芝居に恋をしてます」
きゃ~~~、こんなクサい台詞を言ってもまったくエロじじいに見えない仁左さま、さすが!
ナレーションは「色気」だ「フェロモン」だとうるさいっての(ーー;) 仁左さまに色気があるのは当然じゃないの、何を今更。それからフェロモンとかそういう安っぽい言葉を仁左さまに対して使わないでくださいませ。情熱大陸ごときが。(あ、思わず毒が。失礼♪)

歌舞伎座の一條大蔵の初日は虫を追う演技はしていなかったんですね。でも千穐楽ではしていたと。私が観に行った中日過ぎと前楽ではしていました。昨年の松竹座でもしていた。・・・初日はニザさまがお忘れになっていただけということはないのかしら・・・。いや、ニザさまが演技の工夫って仰っているのだから演技の工夫に決まってるじゃない、私のバカバカ
「面白い」は「素敵」という意味もあるんですね~。

勘三郎さんや三津五郎さんと早朝野球なんかもされていたんですねぇ。新橋演舞場の前の公園で幕間にキャッチボールも!
仁左衛門さん・・・お寂しいだろうな・・・・・・。

ダークスーツで歌舞伎座ご出勤のニザさまも、鴨川沿いを黒のタートル&黒コートに赤のマフラーで歩くニザさまも素敵!お洒落!
ああ、どうして録画してなかったのか、私 (録画してもどれだけ見返すかは怪しいけども)

一條大蔵の稽古風景だ~~~~
孝太郎さんの「は、御前に」だ~~~。

「何がすごいって、良くも悪くも我慢する人なんですよ」
孝太郎さんはお父様が本当に大好きだよねぇ

おお、仁左さまはスマホなのか。その床本HPは私もいつもお世話になってるページです~。

おお、仁左さまが海老蔵に稽古をする風景が見られるとは
河内山の指導は海老蔵のたっての希望だったのね。これからもどんどん仁左さまに稽古をつけていただいて~!
「いくら教えても教えたとおりは出来ない、絶対にと言っていいほど。そこには各々の役者の個性が出てくるから。で、個性は伸ばす必要はない。例えば今度孝俊に、海老蔵君に教えてても、やっぱりお父さんからのDNAがある。ただ個性を大事にするために芝居が崩れたら困るからね。その兼ね合いが難しい」
うんうん、そうだよねぇ。。。。

千之助君「憧れの的です。祖父の喉が、全てがほしい」
おじい様から全てをもらってください、切実にお願い。。。。おじい様がお元気なうちに。。。 
「場に出ただけでも空気が変わる、そういう役者、そういう人になりたいです」


仙石屋敷、やっぱり観に行くべきだったかなぁ。台詞劇ってどうもあまり惹かれなくて。。。

次回仁左さまに会えるのはいつかしら。えっと1月の歌舞伎座は、と。・・・おられないなぁ。てか吉右衛門さん、また石を切るのか・・・。石を切る吉右衛門さんは嫌いじゃないですけど、これをやるのなら他のお芝居が観たいです。。。またかの関を越えるとか。。。。
で、2月の歌舞伎座は(新しい歌舞伎美人見にくい)・・・おられないなぁ。お、吉右衛門さんが籠釣瓶やるのか!これは観たい!栄之丞は菊五郎さんか。これは仁左さまで観たかっ・・・ごにょごにょ・・・。八ッ橋は菊ちゃんなのね。玉さまで観たかったけど、菊ちゃんの美しい花魁姿が観られるのは嬉しい♪
で、3月の歌舞伎座は・・・、おお、ついに芝雀さんの雀右衛門襲名披露ですか。演目の発表はまだなんですね。こちらも楽しみ♪仁左衛門さんはお出になられるのでしょうか。

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マリインスキー・バレエ団 『白鳥の湖』 @東京文化会館(12月5日)

2015-12-06 19:01:29 | バレエ




ウリヤーナ・ロパートキナはバレエ界の至宝などではありませんでした。

ロパ様は人類の至宝。

私、ロパートキナの白鳥を一度も、youtubeでも観たことがなかったのです。今夜初めて観たのです。
今まで少ないながらも色んな白鳥の湖を観てきたけれど、オデットが登場した瞬間に呼吸がとまって、涙が出そうになったのは初めてでした。
その前の場面で頭にティアラ(一回ピコンと光る)を載っけたプリンセス白鳥模型が左から右へすー・・・と移動していって、ニヤニヤ笑いが止まらなかったんですけど(いや、ああいう演出は歌舞伎みたいで大好きですよ笑)、直後にロパ様が上手から躍り出た瞬間に受けたあの衝撃をどう表現したらいいのでしょう。
静謐で高貴な、でも人の心を失っていない白鳥の王女。
ああ、自分のボキャブラリのなさが恨めしい。。。

彼女の踊りの前ではオペラグラスが不要になるのは今回も同じで。決して大袈裟な身体表現はしていないのに、顔の表情もほとんど変わらないのに(とはいえあの高貴な表情の素晴らしさといったら!)、なんて雄弁な体なのでしょう。オデットがチャイコフスキーの旋律に溶け込んで、あるいはチャイコフスキーの旋律がオデットに溶け込んで、音楽とロパ様の体の動きの全てが“この作品の心”を表していました。なんという踊りでしょう。この夜のオケの調子は、間違っても良いとは言い難いものだったのですよ。本当にあの27日と同じオケか?と思われる不安定さで、ズッコケたくなることも幾たびか。にもかかわらず、これほどの美しさを舞台上に表出させるとは。オケはロパ様とチャイコフスキーに感謝すべき。

二幕の黒鳥も素晴らしかったです。ネットの感想では黒鳥に関しては辛口が多いようですが、私は今まで観た中で一番好みな黒鳥でした。この夜のロパ様、黒鳥のグランフェッテのゆっくりさと足下を一瞬フラつかせたのが1~2か所あった以外は技術的にも完璧だったように私には見えたのですけれど(グランフェッテは愛の伝説でもゆっくりであった)、皆さま厳しいですねぇ^_^;  とはいえ黒鳥が本当に踊れなくなったらもう白鳥の湖全幕は踊れませんから、もしかしたらこれが最後の白鳥全幕になるかも、という可能性はやはり私から見ても否定はできませんけれど・・・・・。私は、技術の欠陥を演技で押し切るタイプのアーティストは好きではありません。ダンサーにとって技術は全てではないとしても基本だと思っています。その上で、この夜の彼女の黒鳥は素晴らしかった。スポーツ的なグランフェッテは決して黒鳥を表現するために重要な要素ではなかったのだと(もちろん出来るに越したことはないでしょうが)気付かせてくれた、至高の芸術が、技術が彼女の黒鳥にはあった、ように私には感じられました。
さらには黒鳥の解釈。一般に黒鳥ってキャラ立ちする演技をする場合が多いじゃないですか。あれ、私はあまり好きじゃないのです。白鳥の湖ってオデット×王子×ロットバルトの三角形が基本の構図だと思うのですが、あまりにオディールが自分の意志で動いているように見えてしまうと、ロットバルトの迫力と存在感が薄れてしまって(単なるオディールパパにしか見えなくなって)、四角形に見えてしまうのです。そもそもオディールって二幕にしか登場しない役ですし。一幕も三幕もクライマックスを踊るのは三人です。なのでオディールはあくまでロットバルトの指示の下に動いている娘という感じが私は好みなのです。それにあまりにオディールがイケイケだと、オデットとの違いが見抜けない王子が馬鹿に見えますし。オディールに騙される王子がこれほど馬鹿に見えなかったのは今夜が初めてでした。
というわけで、あくまで高貴な品を保ちつつ、オデットとの違いをはっきりと演じ分けたロパ様。ブラボーーーーでございました。

三幕の弱ったオデットのぐったりと力の抜けた体(なのに完璧な美しさ!)、目が覚めてロットバルトが倒れているのに気付いたときの可愛らしさ、王子に寄り添う姿から胸が苦しくなるほど伝わってくる王子への愛。今でも瞼の裏に焼き付いて離れないロパートキナの姿がいくつもいくつもあります。愛の伝説でもそうでした。

カテコのロパ様の立派さ、存在感、女王の風格、内側から発光するような美しさ。「バレリーナ」というのはこういう人のことを言うのだなぁと感じました。延々と続くカテコに、気負わない、でもとても嬉しそうな表情をされていましたね(*^_^*) それを優しく見守るコルスンツェフも嬉しそうだった。コルスンツェフからもらったJAの白い花束(自分がもらった赤い花束はロットバルトとの三人のカテコのために床に置いていた)、なんの変哲もない花束なのに、白鳥姿のロパ様が持つとなんと可憐で美しいことでしょう。
あの客席の熱狂は決して「ロパ様お疲れ様!」の意味ではなかったと思う。今夜の白鳥の湖のパフォーマンスに感動した観客の心からの称賛だったと思います。

というわけで今夜もロパ様別格に代わりはなかったのですが、脇もみんな素晴らしかった!

ダニーラ・コルスンツェフのジークフリート。
夏のバレエフェスで観たときは彼のジークフリートが全く想像できなかったのですが、今日は登場の瞬間から、「おお!王子だ!」と思いました。背が高いから舞台映えしますねぇ。派手系な踊りではないけれど、育ちが良い品の良さがあって、素直で、誠実そうで、だけど馬鹿っぽくなくて、とても良い。なによりロパ様への愛情がしっかりと見えるから(ちゃんと純朴な初恋だった!)、一幕のPDDでオデットが王子に心を開いていく様子が温かくて 二人の間に見える愛に胸が苦しくなりました。ロパ様の白鳥があれほどまで輝いて見えたのは、このジークフリートあってこそだと思う。素晴らしいパートナーシップでした。
「ウリヤーナとも一緒にこの役を踊って19年になります。他のパートナーともたくさん踊りましたが、一番多く踊ったのはウリヤーナです。…踊りはパートナーとの接触が出来ているか出来ていないか、ということが重要なのです。私は彼女のことをよくわかっているんです。今日はこんな調子だから、あそこはああやるだろうな…とかね。踊りながら一体化しているので、テクニック的なことを意識することはありません」(終演後のインタビュー)

コンスタンチン・ズヴェレフのロットバルトも、迫力とキレのあるダイナミックな踊りが素敵でした。とても格好よかったから、オデット&王子も見たいのだけど、ロットバルトも見たくて、困ってしまった。このロットバルトのおかげで今夜の舞台が一回り大きくなったと思います。やっぱり悪役って大事ね。ロパ様へのサポートも危なげなく。オディールとこしょこしょ悪巧みする二人も可愛かった^^ 親子なのにトキメイテしまいました。

道化は、グリゴーリー・ポポフ。愛の伝説のときも道化を踊っていましたが、今回の方が好みでした。あちらはバヌーが苦悩しているシリアスな場面で踊るので、どこか不気味さというか影のようなものも必要だと思うのですが(この人はそういう感じは少ないように思う)、こちらは軽やかで愛嬌のある可愛らしささえ感じさせる素敵な道化でした。素晴らしかった。この道化のおかげで舞台が一層活き活きしたものになっていたと思います。

王子の三人の友人達も、華やかで素敵でした。
特にフィリップ・スチョーピン、上手だった。もっともっと踊りを見たいって感じました。今回の来日ではロミオを踊っていたんですね。良かったろうなぁ。バレエ団の紹介写真より生の方がずっとイケメン。ナデージダ・バトーエワも美人で、踊りも華やかで楽しめました。

マリインスキーは、三年前のバヤでも、先日の愛の伝説でも、衣装やセットが微妙・・・と感じることが多いのですが(あれはあれで嫌いじゃないですが。愛の伝説のセットは好き)、この白鳥の湖のセット&衣装は私はとても好きでした。今まで観た白鳥の湖の中で一番好きかも。
一幕の庭でのパーティーで段々陽が暮れてきて、最後にカンテラを持って踊るところとか、すごく素敵だったなぁ
最後のハッピーエンドも、今日のキャストだと、とってもよかった。以前何かの動画で観たハッピーエンドの白鳥が微妙だったので、白鳥はずっとサッドエンド派だったのです。

オケは先程も書いたとおりこの夜は非常~~~に不安定でしたが(白鳥って演奏し慣れてるのではないのかいな・・・)、今夜も大音量は盛り上げてくれました。愛の伝説の不協和音系もよかったし、こういうオケでショスタコーヴィチとか聴いたら良いかもなぁ。ロミジュリも聴きたかった。三幕の最初にトランペットが席にいなくて「???」と思っていたら、いつの間にか上演中に着席していたり、相変わらずマイペースなロシアの楽団ではありましたが^^;。 カテコのオケに対する拍手の最中にさっさと帰っていくのも27日と一緒。客席からの拍手に送られて退場する慣例でもあるんかい。

客席にスメカロフがいましたね(関係者って大抵一番最後に客席に入ってくるからかえって目立つ)。ダークカラーのスーツ姿が素敵だったワ。

帰りの山手線ホームでは、可愛らしい女性ダンサーが二人。楽屋口でみんな彼女達からサインを貰っていたけど誰だったのかしら。プライベートのときにジロジロ見るのは悪いので、よく見なかったのですけれど。電車の乗り降りのマナーもよくて、好印象でした^^

これが今年のバレエの鑑賞納め!来年はハンブルクの真夏の夜の夢をとりあえず取ってあります(コジョカルじゃない方の日。リアブコとアッツォーニが観たかったので、苦渋の選択・・・)。あと、ロイヤルのロミジュリが観たいな。バレエフェスのマックレーのロミオ、とても良かったもの。

今年の本当の観劇納めは、歌舞伎座です。玉様の関扉は絶っっっ対に観るのだ!

※ところで、終演後の客で溢れた東京文化会館のロビーで「もう今日の黒鳥を観てロパの全幕は二度とないと思ったわ~。これからは瀕死の白鳥とかガラとかをちょろっと踊るくらいがいいよ!」「私もそう思った。もう全幕はないね!」と大きな声で話してる中年のお友達同士のような女性達がいましたけど、感動してる客も沢山いるのだから、もう少し小さな声で話すとか、せめて文化会館を出た後で思う存分話すとか、自身のブログやツイッターで書きまくるとか、そういう心遣いはないものですかねぇ。。。バレエを愛する人ならば。バレエって休憩時間のトイレの列にもこういう方達がほぼ毎回いるので憂鬱です。。。トイレだと聞きたくなくても列を離れられないし。。。


Uliana Lopatkina Odette Variation - Swan Lake

ロパ様の白鳥、一生忘れません。

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ピアノ協奏曲が好きなのです。

2015-12-01 21:25:25 | クラシック音楽

先日パリであったラトル指揮ベルリンフィルの第九のチケットは、10~140ユーロ。最安席は10ユーロ
http://philharmoniedeparis.fr/en/activity/concert-symphonique/15138-berliner-philharmoniker

ソリストまでほぼ同じものが、来年の東京のサントリーホールでは2万~4万5千円(そして合唱は日本の方々)。最安席は2万円
http://www.fujitv.co.jp/events/berlin-phil/outline.html
パリの最高席より高いなんて。。。。。。。。。。。。。。。。。。これを異常と言わずして何と言おう。。。。。。。。。。。。。。。。


そんな来日オケぼったくり王国日本ですが(どっちが原因かはわからんが)、もしこういうピアノ協奏曲の演奏↓が確実に聴けるとわかっていたら、私は迷いなく払いますよ。ぼったくり来日値段とわかっていても
指揮×オーケストラ×ピアノの全部が完璧に自分の好みのピアノ協奏曲って、最初に簡単に出会ってしまったからいつでも出会えるものかと思っていたら(ピアノ協奏曲とはああいうものだと思っていた)、どうやらそう単純な話ではないようだと、そんな気がしている今日この頃。。。

ペライア×ハイテインク×コンセルトヘボウ


音って目には見えないものじゃないですか。
なのに人間というのは、最初はなんにもなかった所からこれほどまでに美しいものを生み出すことができるんですねぇ。世界の、人間の美しさを教えてくれる人達に、ただただ感謝。
「一流なのは作曲家であって、指揮者は自分が二流であることを自覚すべきです」と先日の来日時にハイティンクは言っていたけれど、私のような凡人にはやっぱり指揮者や演奏家といった人達も一流としか思えませぬです。
これ、ハイティンクの80歳の誕生日を祝った定期演奏会の映像なんですね。ロンドンで聴いたちょうど半年後。

エミール・ギレリス×ヨッフム×ベルリンフィル


ギレリスは鋼鉄のピアニストと呼ばれているそうですが、この演奏が私はとても好きなのです。ヨッフム&ベルリンフィルの演奏も、まるで音から風景が浮かび上がってくるよう。
とてつもなく美しいのにどこか温かな実直さも感じさせるところが、上のハイティンク&ペライア&コンセルトヘボウの演奏と通じるように感じるのです。生で聴きたかった!

と全く意識しないで並べたけど、シューマンとブラームスですね。ちょっと感慨深い。

と、youtubeからばかり聴いていては申し訳ないので、CDを買ってみました。


『マレイ・ペライア CD+DVD 全73枚 BOXセット』

いきなりそれかい^^;!って感じですけど。
だってだって、あまりにも、あまりにも安かったのだものーーーーーーーー。これでたったの9,722円!誘惑に勝つことなんかできなかった。。。。。
しかも276ページの豪華オールカラー・グラビア写真集付き☆
すみません、嘘です。解説書付きです。輸入盤なので英語ですけど。
アバドやハイティンクとの協奏曲ももちろんありますよ。でも上のコンセルトヘボウのDVDはないの あちらはSONYじゃないのね。ブルックナーも聴きたいし、仕方ない、買いますか。1枚でこのBOXセットの半額以上ですけど・・・。
※発売時のThe Telegraphインタビュー


アマゾンを散策していたら、こんなん↓も見つけてしまった。



『Bernard Haitink: The Symphony Edition Box set』

ハイティンクのマーラー、ブルックナー、チャイコフスキー、ブラームス、シューマン、ベートーヴェンの交響曲全集が全て収録されているCD36枚セット(オケはいずれもコンセルトヘボウ)。これでたったの一万円前後。本も音源もハードは不要な時代なのでしょうかねぇ。
演奏会と違って輸入版CDは海外値段と大差なく手に入るのが嬉しいわ。
欲しい。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。

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