風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

平幹二朗さん

2016-10-24 00:45:41 | その他観劇、コンサートetc

平幹二朗さんが23日に亡くなられたことを、先程ニュースで知りました。

TVでは子供の頃から拝見していて「怖いくらい演技の上手い俳優さん」というイメージだったけど、舞台を一度だけ拝見したことがありました。2011年の劇団四季の『ヴェニスの商人』でのシャイロック。

想像していたよりずっと背が高く立派な体格の方、というのが第一印象でした。舞台での存在感とオーラが凄かった。
そして印象的だったのは、シャイロックの台詞が、シェイクスピアのあの持って回ったような台詞が、平さんの口を通して語られるとすっと心に入ってきたこと。台詞の格調高さはそのままに、驚くほどストンと心に入ってきたのです。なぜなら凄絶なほどの迫力なのに、演技が極めて自然だったから。テレビドラマのようというのとは違うんです。あくまで「舞台」として成立している上で、迫力と自然さが、重みと軽みが共存している。それって決して簡単なことではないはずで。役者というのはこういう人のことをいうのだなあ、としみじみと思ったものでした。
映画のアル・パチーノと並ぶ(あるいはそれ以上の)俳優さんに日本でこんなに普通に会えたことに驚きました。
あれから色んな舞台を観て、国内外問わず色んな素敵な俳優さんに出会ってきたけれど、あの時の衝撃は今も忘れません。
平さんってシェイクスピア劇に沢山出演されていたんですね。
もっともっと観ておきたかった。。。
てか迷った『クレシダ』も、やっぱり観ておくべきだったわ。。。
でもお金と時間が無限じゃないところが辛いところなのよぉ。。。。。。。。

でも一度でも舞台を拝見できたこと、本当によかったです。
心からありがとうございました、平さん。

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Billy Elliot - Final Scene

2016-10-23 00:04:48 | ミュージカル

BILLY ELLIOT FINAL SCENE



アダム、来年4月にまた『雨に唄えば』で来日しますね~。
前回の公演から間が空いていないので客席埋まるのかな?とちょっと心配ではありますが、公式サイトによるとキャストは前回と同じメンバーのようです。このキャスト、とってもよかったので、まだ観たことがなくてご興味のある方はこの機会に是非♪オススメですよ~。
前回観たときの感想はこちら

しかし改めて、映画『リトルダンサー』のこのラストシーンはもうさぁ、、、何度見ても・・・・・
ここ、アダムもいいけど、父ちゃんも兄ちゃんもマイケルもみんないいんですよねぇ。ここに来るまでの過程を見てきてるからさぁ・・・。特に父ちゃんの表情・・・!!!
このラストシーンの劇場は、ロンドンのウエストエンドにあるTheare Royal Haymarket。


1879年築。夏目漱石もここで観劇しています。今から100年以上前、明治33年(1900年)のこと。


その真向かいには『オペラ座の怪人』をロングランしているHer Majesty's Theatreがあります。
1897年築。
ちなみに漱石はここでも観劇しています。1901年2月。演目は『十二夜』。当時はまだピッカピカだったのでしょうね^^
装飾の美、服装の美、服装の麗、人の目を眩するに足る。席皆買切。不得已(やむをえず)Galleryにて見る。
(明治34年2月23日の日記より)



こちらは、Singin'in the Rain仕様だったときのPalace Teatre(この写真のみネットから拝借)。1891年築。
『プリシラ』の後の公演が、『雨に唄えば』でした。この劇場は演目毎にこうして装飾を変えるところが素敵。テンション上がりますよね♪

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With freedom, books, flowers...

2016-10-15 19:46:29 | ミュージカル



Oliver Thornsonのツイから拾ってきました。
オスカーワイルドが獄中からダグラス卿に書いた手紙(『獄中記』)の言葉なんですね。

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アンジェイ・ワイダ監督

2016-10-12 22:19:34 | 映画

9日に亡くなられたんですね。

といっても私は『カティンの森』しか観たことがないのですが、この作品、時々ふっと何気ないときに思い出すのです。
正確には作品というより、ラスト10分の森の湿った空気、土の匂い、そういったものがふっと蘇ってくるのです。
落ち着いたら、この監督の他の作品もぜひ観てみようと思います。
下に、鑑賞したときの記事を載せておきますね。

ポーランドといえば、来月はツィメルマンのコンサートに行ってきます。


*****************
2010年5月 シネマジャック&ベティにて




「教えて、私はどこの国にいるの。ここはポーランド?」

(映画 『カティンの森』より)


友人に誘われて、観に行ってきました。
第二次世界大戦中、ポーランド人将校約1万5000人がソ連により虐殺された事件を描いた作品です。
先日ポーランドの大統領専用機がロシアのスモレンスク近郊で墜落しましたが、訪露の目的はこのカティンの森事件の追悼式典へ出席するためでした。

ポーランドは1939年9月1日西からドイツに、同17日東からソ連に侵略され、約1万5000人のポーランド人将校が捕虜としてソ連へ連行されたまま行方不明になります。
そして1943年6月、ドイツ占領下のカティンで彼ら数千人の遺体が発見され、事件が明らかになりました(カティンは1941年秋~1943年9月はドイツ領)。
ドイツによる調査により事件が1940年春(この時カティンはソ連領)に起きたことは周知の事実でしたが、ソ連は1941年であると、つまりドイツによる犯行であると主張し続けました。
そして戦後ソ連の衛星国となったポーランドでは、この事件に触れることは最大のタブーとされ、遺族は事件の真実を語ることさえ許されず、ひたすら沈黙を強いられたのです。
ソ連が自国の犯行と認めたのは、東欧民主化後の1990年。実に事件から50年が過ぎていました。

この映画で特に印象的なのは、やはりR15のラスト10分。
行き先も告げられず囚人用の車に詰め込まれ、彼らは森へと運ばれる。
それぞれに人生があり、夢があり、待つ人がいる命が、虫けらのように機械的に処理されてゆく。
朝靄に霞む深緑の中、朝陽のあたる遺体にブルドーザーが無感情に土を被せる。
そして漆黒の画面に流れるポーランド・レクイエムと、続く無音のエンドロール。
この無音のなんという重さ。
それは死者達への黙祷であり、そして沈黙を強いられ続けたポーランド国民の心の怒りでもあるのだと思います。

非常に上映館数の少ない映画ですが、ぜひぜひ映画館でご覧いただきたい作品です。

※遺体が埋められた場所
カティン:4410名 ピャチハトキ:3739名 メドノエ:6315名

※関連動画
アンジェイ・ワイダ 祖国ポーランドを撮り続けた男


最後に、パンフレットより。
ワイダ監督の父親も、この事件の犠牲者でした。

若い世代が、祖国の過去から、意識的に、また努めて距離を置こうとしているのを、わたしは知っている。現今の諸問題にかかずらうあまり、彼らは、過去の人名と年号という、望もうと望むまいと我々を一個の民族として形成するもの----政治的なきっかけで、事あるごとに表面化する、民族としての不安や恐れを伴いながらであるが----を忘れる。
さほど遠からぬ以前、あるテレビ番組で、高校の男子生徒が、9月17日と聞いて何を思うかと問われ、教会関係の何かの祭日だろうと答えていた。

もしかしたら、わたしたちの映画『カティンの森』が世に出ることで、今後カティンについて質問された若者が、正確に回答できるようになるかもしれないではないか。
「確かカティンとは、スモレンスクの程近くにある場所の名前です」というだけでなく......。

監督アンジェイ・ワイダ)

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Ben RichardsとOliver Thorntonとミュージカル『プリシラ』

2016-10-08 17:45:37 | ミュージカル


"The Bodyguard" July 2016, Dominion Theatre

ミュージカル『プリシラ』が12月に日生劇場で日本語版で上演されますね~。同時期に国際フォーラムでは『RENT』が、そして現在シアターオーブでは『キンキーブーツ』来日版が上演されております。今年の日本のミュージカル界はドラァグクイーン祭ですね~。

ミュージカルの『プリシラ』、衣裳や演出が派手派手で、笑って泣けて繊細で、最後には辛いこともいっぱいあるこの世界を生きていく元気をもらえる。私のような映画版のファンの方にもそうでない方にも、オススメできるミュージカルですよ。ディレクターのSimon Phillipsは、『Love Never Dies』のメルボルン版の演出を手がけた方。
ただし映画と同様に過激なシーンも割とあり、小さなお子さんと観るような内容ではないのでご注意。普通にピンポン玉ダンスとかやっちゃいますから。あと日本人を揶揄してるようにとれなくもないシーンがあったりするので、そういうところにあまり神経質にならずに大らかに見ること、かな。ブラックなユーモアとしてはエリザベス女王のコーギーが轢かれてる場面は、、、まぁ間違いなくWE仕様でしょうから日本ではやらないでしょう(しかしああいう演出をバッキンガム宮殿の目と鼻の先でやっちゃうところが英国だよね^^;)。飲酒運転場面は日本でそのままできるのかな?
WE版(オーストラリア版に準拠)とBW版でも結構演出は異なるので、日本版は宮本亜門さんの腕の見せ所ですね 
もっともこの作品はメインキャストがあまり歌わないので、彼らの歌を聴きたい人には不向きかも。

私が最初にウエストエンドで観たときのミッチ役は、Ben Richards。ミッチにしてはカッコよすぎだろうとは思いますが、笑顔がとっても素敵でねぇ このときのキャストが好きすぎて、2夜連続で観に行っちゃったくらいです(ラミン&シエラのLNDよりこちらを選んだと言えば、どんだけ好きだったかお分かりいただけるでございましょう)。
まだミュージカル界にいるのかしら?とぐぐってみたら、今はウエストエンドで『ボディガード』に出ておられるとのこと(映画のケビン・コスナーの役)。
今44歳ですか。おお、シブくなられて。でもあいかわらずの良い笑顔(*^_^*) 癌で闘病されていたみたいですね。ソープオペラのHollyoaksにも出てたのか。
ボディガードは特に好きな映画ではないけれど、この人がやっているのなら見てみたい。
東京だったらふらっと観に行けるのになぁ。

Hollyoaks' Ben Richards On Swapping Screen for Stage And Recovering From Bowel Cancer | This Morning (27/07/16)


Priscilla the Musical - Summer 2010

キャ~。このキャストほんとに大好き
好きすぎて翌年に観た別キャストが耐えられなかったという哀しい思い出も。。。このミュージカルは主役3人がほんっとーーーに重要で、3人が揃わないと(好みじゃないと)100%の満足がもらえないの。
ところで、ボブの妻のシンシア役の女優さん(1:22の方)は、日本人なんですヨ(KANAKO NAKANOさん)。彼女も素晴らしかった!観客に大人気で、カーテンコールでいっぱい喝采を浴びていらっしゃいました^^

"Go West" - Priscilla, Queen of the Desert

フェリシアは、Oliver Thornton。彼はWE版のオリジナルキャストで、2011年のクローズまでずっとフェリシアをやっていました。可愛いはセクシーだはで、見ていてもうクラックラ@@。こちらの映像のバーナデットはアンダーの方ですね。

Priscilla Queen Of the Desert - Go West - Children in Need 2010

Children in Needは毎年BBCが開催しているチャリティーTV番組。しかしOliverほんっと可愛いな。。Ever since I was a boy~でバーナデットとミッチの体に片手ずつ触れるところとか、んもうカワユすぎる。
そんな仔犬のような彼のもう一つの顔、ある意味本領発揮なVenusでの超ゴージャス&セクシーSM登場シーン、映像どっかに転がってないかな。あとHot Stuff。

と探したら。

Priscilla Musical VIDEO - Adam Bailey - Venus - LAST UK SHOW 2016

今年のUKツアーのAdam Baileyフェリシアの不鮮明映像があったので、Oliverに脳内変換して楽しもうっと(ごめんねAdam)。
ここの「two of us」「・・・three of us」「Three!?」の登場の仕方、大好き♪
そしてこの場面での観客の盛り上がりっぷり・・笑
BW版はここはVenusじゃなくマドンナのMaterial Girlで、演出もポップなのよね。Venus、濃ゆくていいのになー。
※追記:どうやら日本はBW版を踏襲するみたいですね。全体的にWE版の方が好みなのでチョット残念。WE版の洗練されすぎてない泥臭い感じが好みなんです。でもガタイのいい男のMaterial Girlはカワユくて、あれはあれで好きよ笑。
OliverのHot Stuffは音声だけ発見。声だけでもエロすぎてどうしましょう。。。

なんて感じで動画を漁っていたら、うっかりBenのWest End Baresに辿りついちまったよ。あんたもかい(^_^;)!しかもコスプレ、もちろんノリノリ。もっとも初めてこのイベントを知ったのが6年前のOliverだったから、この程度では驚かないわ。あ、Raminと奥さまの共演は結構吃驚しましたけど。今年のホストはRaminとGinaだったんですね。このイベントはある意味WEやBWの底力を見る気がいたします。。
※動画は貼ません(いや立派なチャリティーショーですけど・・)
※話の意味がわからない方はスルーぷりーず

Oliverがプリシラを終えた直後の本人のブログを発見。 "I’m sure most actors are very good at leaving the show at the stage door at the end of the night.  I, on the other hand, have always had a tough time of finding balance whilst playing such a physically and emotionally demanding role." ステージ上であんなに楽しそうだった彼ですけど、色々大変だったのね。。。そして週8回のショウを3年間あのエネルギーで演じきったのだなぁ・・・ 
2013年のRocky Horror Show 40th anniversary tourのときのこんな動画こんな動画も見つけた♪きゃ~オリヴァー

PRISCILLA THE MUSICAL BACKSTAGE & REHEARSALS by John Brannoch

オリジナルロンドンキャストのバックステージ映像。
この動画を作ったJohn Brannochは、バーナデットのアンダーもされていた方です(このページの上から3つめの動画)。普段はFrank役。
パレスシアターのハイヒール、懐かしいな。。

Opening song - The adventures of Priscilla, Queen of the desert - I've never been to me

最後に、大好きな映画版より。
ヒューゴのミッチ、めちゃくちゃ好きです。この滲み出る人間味・・・。ガイ・ピアースもテレス・スタンプも、3人とも最高ですよね。本物のドラァグクイーンの芸とは比べ物にならん、とは突っ込まないように(^_^;)
たしかBW版はこの曲はやらないのよね。まぁWE版ではやるといっても、演出はアレですけど・・笑
I've Never Been To Me - Tick & Divas. ←この映像でミッチをやっているLuke Jacksonは、マシューボーンの白鳥のあのルークさんですよ~。WE版に脇役で出演されていたようです(ここではイベントなのでミッチをされています)。

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Happy Birthday !

2016-10-07 23:58:56 | クラシック音楽

Bernard Haitink hates birthdays. Especially his own.
"If there existed a society for the abolishment of birthdays, I would at least want to be vice president," the maestro recently said, furrowing his dour Dutch brow.
(Chicago Tribune March 01, 2009)

ここまで言い切ってくれる人がいると、逆にじゃあ私は自分の誕生日を祝おうかな~な気分になりますよね(^_^;) ありがとうマエストロ。
なのにその数日後にはこんな演奏↓をしていらっしゃるのだものなぁ(ハイティンクの誕生日は3月4日、演奏は8日)。
ツンデレさんか。



というわけで、ちょっと高かったけどやっぱりこのBluray(シューマンP協+ブルックナー9番)買っちゃった。BDは音質が全然違うらしいので。
自分への誕生日プレゼント
Happy birthday to me  !
凹んだ一日の最後に温かで幸せな気持ちにしてくださって本当にありがとう、ハイティンクさん、ペライアさん、コンセルトヘボウの皆さん。

そんな私を幸せにしてくださるハイティンクさんですが、「曲の世界を台無しにするフラブラ客は大馬鹿野郎(マーラー9番について)」とも仰っていますねぇ。Anything that gets in the way of the music is his enemy(the guardian)。誕生日にフラブラ客にと、温厚なお顔に似合わずhateなものがいっぱいなハイティンクさん。そんなところも大好きですよ~。
また来日してくださらないかなぁ。。
お金のことなんか考えずにサントリーホールのマーラーも行けばよかった。。。まぁそちらは完売でしたけど。

Bernard Haitink in conversation with Matthew Hunter

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