風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

夕霧、保名、助六

2013-06-27 16:12:39 | 歌舞伎




今朝、通勤ラッシュの電車で、この↑玉さま@夕霧に遭遇いたしまして。
梅雨のジメジメ鬱々とした空気の中に、一筋の風が吹いたような心地がいたしました。
この夕霧に毎朝会えたら、一日お仕事をがんばれる気がする!
玉さまの夕霧、いじらしくて可愛かったなあ。。
最後に見てからまだひと月もたっていないのに、遠い昔のよう。。。

しかし玉三郎さんの夕霧にしても、仁左衛門さんの保名にしても、海老蔵の助六にしても、美形はこの紫のリボン(違)が実によく似合いますよねぇ。
何度も書いてしまいますが、私は歌舞伎の紫の色の使い方が、好き好きでたまらないのです。
役者を一番色っぽく、美しく、そして高貴に見せる色だと思う。

というわけで。

大好物な3つの紫リボンを並べてみました。
こうして改めて3つ並ぶと、想像を遥かに超える破壊力ですな。。。
幸せすぎて貧血起こしそう。。。。。。
皆さまはどれが一番お好みですか?


  


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4Stars ~One World of Broadway Musicals~ @青山劇場(6月20日)

2013-06-20 23:02:49 | ミュージカル




行ってきました、『4Stars』!
楽しかったです!
4人ともサービス満点で熱唱してくれて、嬉しかったぁ~。
観客をぐいぐい引っ張っていくその演出のスマートさ!パフォーマンスの迫力!これぞエンターテインメントの世界クオリティ!
観客もみんなミュージカル大好き♪な気持ちが溢れてて、でもマナーはしっかり守ってて、それもなんだか嬉しかったです。

どの曲も聴き応えがありましたが、当然といえば当然ですが4人とも自分の持ち歌になった途端に雰囲気がガラリと変わるその様子に、観ていてぞくぞくしました。
もちろんコンサートなので半分“地”で半分“役”という感じで実際の舞台の演技とは全然違うのですが、それでも滲み出るオーラが一瞬で変わるのは、さすがです。

Raminのファントムは2008年にロンドンで観た後、25周年DVDやyoutubeでは散々観ていたのですが、今回5年ぶり(もうそんなになるのか…)に生の声でタイトル曲を聴いた瞬間にHer Majesty'sで観たときの感覚が生々しくよみがえってきて、吃驚しました。「ああ、Raminの怪人だなあ」、と。映画館やDVDで観ていてもそんな風にフラッシュバックしたことは一度もなかったので、やっぱり“生”の力ってすごいですね。当時はあれほど嫌だった「stronger↑ yet」にもキュンキュンしちゃいましたよ。
ちなみに私が現在のような舞台中毒になった最初のきっかけは、2008年に観たRamin & Gina BeckによるThe Phantom of the Operaです。帰国直前のとある午後、通りがかりのHer Majesty'sで気まぐれに買った、当日夜の一等席の格安チケット。それがすべての始まりでした。その夜大興奮して家に帰った私はフラットメイトに感動をまくしたて、翌日には再びチケットを求めてレスタースクエアに足を運んでいました。今では信じられませんが、それまでは舞台なんて殆ど観ない人間だったのですよ、私。帰国後に取り壊し直前だった歌舞伎座に行こうと思ったのも、ロンドンで生舞台の素晴らしさを知ったからです。
同じく『BRING HIM HOME』(歌ってくれた!)でも、Raminが歌いはじめた途端に一昨年のQueens Theatreでの感動がぶわぁっとよみがえってきて、泣きそうになりました。。。 またRaminのバルジャンが観たいよー。。。
あと初めて生で見た左腕のびっしりタトゥーに、トキメキました、笑。
そうそう。『ALL I ASK OF YOU』は、やっぱりRaminではなく城田くんでした。わかってたけどね・・・でもね・・・Ramin & Sierraで聴きたかったのよ・・・・・・・・・・。

というわけでRaminも素晴らしかったのですが、SierraとLeaが!可愛くて、カッコよくて、サービス精神いっぱい!!
Sierraの『PART OF YOUR WORLD』、歌声も仕草も表情も全てがたまらなくキュートで、息もできないくらい見入ってしまった。
I DREAMED A DREAM』もLeaではなくSierraが歌ったのですが、すごく良かったです。彼女は役の感情をいっぱいに込めて歌ってくれるので、どんな歌を聴いても胸がいっぱいになる。にしても随分しっくりくるなぁと感心していたら、後からパンフを読んで納得。彼女、ウエストエンドでファンテをやっていたのですね。貴重な歌を聴かせていただきました。
ところでSierraがソロで歌っているとき、Raminがものすごく真剣な表情で彼女のことを見ているので、なんだかドキドキしてしまった^^; もちろんラミンが既婚なのもシエラが婚約者いるのも承知していますが。

Leaも、もうパーフェクト!彼女が加わることで、どれほどこのコンサートに厚みが増したことか。
A WHOLE NEW WORLD』も『REFLECTION』も、『I'D GIVE MY LIFE FOR YOU』も、素晴らしかった!
ON MY OWN』もものすごく良かったけど、できれば日本語を入れずに全部英語で歌ってほしかった・・・かも・・・。
そしてそして、Raminと二人で歌った『LAST NIGHT OF THE WORLD』!最高でした。。。このRaminも随分しっくりくるなと思っていたら、パンフによると、やはり彼も以前にクリスを演じたことがあるとのこと。恋人達の愛に溢れた素晴らしいパフォーマンスでした。
全体を通して会場からの拍手はLeaが歌ったときが一段と大きく、そのたびに吃驚したように目を丸くして嬉しそうに笑う様子が、性格がよさそうで素敵だった^^

城田くんも、思っていたよりずっと良かったです。
見目はもちろん麗しいし、声も高音はポップス系でしたが、低音は深みがあってよかった。
他の3人とも仲が良さそうで、観ていて和みました。

フルで歌わない曲も多かったですが、次から次へと飽きさせることなく洪水のように続く曲、曲、曲の演出に大満足。
トークの量も多すぎず少なすぎず、ちょうどよかったです。トークも悪くないけど、何よりも彼らの歌を聴きたい!という観客の気持ちをよくわかっていらっしゃる!
心配していた音楽も、ちゃんと生演奏でした。これに一番ほっとした。
ステージ上の電光板にそれぞれの歌の世界感を映し出していく演出も、気分を盛り上げてくれました。

東京にいながらにして、たった8千円で、これほど贅沢な時間を過ごすことができるとは。
今回のコンサートを企画してくださったダニエル・カトナー氏に大感謝です♪
そしてRamin, Sierra, Lea, 城田くん、素晴らしいパフォーマンスをありがとう!!!

夢の競演!『4 Stars』開幕レポート&インタビュー


【Act 1】
1.ALL THAT JAZZ / Chicago *4
2.OH,WHAT A BEAUTIFUL MORNING / OKLAHOMA! *4
3.LOVE LOOK AWAY / Flower Drum Song  *Lea
4.GETTING TO KNOW YOU / The King and I  *Sierra
5.SOME ENCHANTED EVENING / South Pacific  *Ramin
6.YOU'LL NEVER WALK ALONE / Carousel  *4
7.GUYS AND DOLLS / Guys and Dolls…  *Yu & Ramin
8.PART OF YOUR WORLD / The Little Mermaid  *Sierra
9.REFLECTION / Mulan *Lea
10.A WHOLE NEW WORLD / Aladdin *4
11.ANOTHER HUNDRED PEOPLE / Company *Lea
12.BEING ALIVE / Company *Ramin
13.JOHANNA / Sweeney Todd *Yu
14.NO ONE IS ALONE / Into the Woods *4
15.YOU ARE MUSIC / Phantom *Yu & Sierra
16.'TIL I HEAR YOU SING / Love Never Dies *Ramin
17.THE PHANTOM OF THE OPERA / The Phantom of the Opera *Sierra & Ramin
18.ALL I ASK OF YOU / The Phantom of the Opera *Yu & Sierra
19.THE MUSIC OF THE NIGHT / The Phantom of the Opera *Ramin (& Sierra)

【Act 2】
20.OVERTURE / Les Miserables
21.ON MY OWN / Les Miserables  *Lea
22.BRING HIM HOME / Les Miserables *Ramin
23.I DREAMED A DREAM / Les Miserables *Sierra
24.ISABEL / Ancora *Yu
25.REMINDER / Babel *Ramin
26.IKAW / Ikaw *Lea
27.QUANDO ME'N VO / La Boheme *Sierra
28.DER LETZTE TANZ / Elisabeth *Yu
29.WHY,GOD,WHY / Miss Saigon *Ramin
30.LAST NIGHT OF THE WORLD / Miss Saigon *Ramin & Lea
31.I'D GIVE MY LIFE FOR YOU / Miss Saigon *Lea
32.BLESS THE LORD / Godspell *4
33.LIVE OUT LOUD / A Little Princess *Sierra
34.OPENING: THE NEW WORLD / Song for a New World *4
35.STILL HURTING / The Last Five Years *Lea
36.MOVING TOO FAST /  The Last Five Years *Ramin
37.SOMEWHERE / West Side Story *4
 
【ENCORE】
38.THE BEST OF TIMES
/ La Cage aux Folles  *4


※追記
今回の東京公演のダイジェスト動画です!
あの感動的なRamin&LeaのLast Night of The Worldも!!
ああ。。。。またフルで聴きたいなぁ。。。。。



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アラスカ

2013-06-19 23:59:03 | 旅・散歩




いま、ふと、こういう↑景色が見たくなりました。
20代の頃に一人旅をした、アラスカ南東部の景色です。
人間の思惑などいっさい関係なく、大自然の氷河の海で、シャチが悠々と泳いでいました。

小学生の頃、夏休みに家のテレビで家族で観た『南極物語』の映画。
そのなかに、ストーリーとは関係なく、ひどく私が感動した場面がありました。
人間達が去った後、南極大陸に冬が訪れます。
太陽が沈み、残された犬たちの上に、ゆらゆらと揺らめくオーロラの光。
ただそれだけの、場面です。
でも、人間のいない場所で、人間の生活とは無関係に動いている、もうひとつの世界。
私達とはまったく違う、時間の流れ。
そういう世界が地球上にたしかに存在しているという事実。
いま自分の生活している場所だけが世界ではない。
その当り前の事実に、小学生の私がどれほど心動かされたことか。
いつかこんな景色を自分の目で見てみたい、絶対に見に行こうと心の底から思いました。

私が今こうして日本の片隅のマンションの一室でPCの画面を眺めている瞬間にも、アラスカの海ではあのシャチが跳ね、しぶきをあげているかもしれない。
そんな“もうひとつの世界”を知っているということは、意識できるということは、私の日々の生活をどれほど豊かにしてくれていることでしょう。

あのアラスカで見た景色、聴いた音、肌で感じた空気は、私の一生の心の財産です。




↑ラッコちゃんです。
左が頭で、右が足。
何をするでもなく、ただぷかぷかと浮いていました^^









別の日に出会ったラッコちゃん。
こっち見てますね、かわいい。。。笑
このあと、動物たちが一斉に姿を消したと思ったら、やがて天候が荒れ、嵐になりました。
動物の感覚ってすごい。



嵐の前の氷河。
美しいですが、すこし不気味ですね。
辺りは静寂で、耳を澄ますと、氷の落ちる音が聴こえました。
そしてもちろん、空気はとても冷たいです。



映画『南極物語』は、主にアラスカでロケをしたそうです。




デナリ国立公園。
マッキンリー(デナリ)の山頂は雲で隠れてしまっていましたが、美しい秋のデナリの景色です。




まだ若いオオカミ。
写真で見ると犬のようですが、その動きと雰囲気は犬のそれとは全く違ったものでした。




クマの親子。
望遠のないカメラだったので小さいですが、真ん中の白っぽいのが親で、右の黒いのが仔熊です。
紅葉したツンドラのなかを、気持ちよさそうに駈けていました。
野生動物は近くで見るのもいいですが、こういう大自然の風景の中にいる彼らを見ている方が、私は好きです。

デナリ国立公園内の施設は夏の間だけオープンし、それ以外の期間は道路も鉄道駅も閉鎖されます。
私がここを発った日は、ちょうどそのクローズの日でした。ホテルの従業員達(学生のアルバイトの方が多いです)も自分達の荷物をまとめて、どんどん去っていきます。
そして、人間のいない、動物たちだけの、長い長い冬がはじまります。




アラスカ鉄道の車窓より。




フェアバンクスの森のブルーベリーとクランベリー。
自然の色が最も美しいと感じる瞬間です。
味も野生の味がして、とても美味しかったです。

私が訪れた年は世界中の天文ファンがオーロラ観測にアラスカへ訪れるという記念すべき年だったそうで(知らずに行ったのですが)、フェアバンクス郊外に滞在中は、現地に住まれている方もご近所さんを起こしに行っていたほどの素晴らしいオーロラを連日観ることができました。
赤や緑、そして爆発的な動きをするオーロラも素敵でしたが、私が一番印象に残っているのは真っ白なオーロラです。
静かに、まるで亡くなった誰かの魂のように夜空に広がっていくそれは、とても神聖な気持ちにさせられる光景でした。

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歌舞伎座新開場 こけら落六月大歌舞伎 第三部(6月13日)

2013-06-15 23:10:49 | 歌舞伎




4月から続いた三ヶ月間のお祭りもこれでラストです!
もっとも「杮茸落」興行はまだ来年3月まで続くので、今後も豪華な顔ぶれの公演に期待。

※3階B席上手


【鈴ヶ森】

youtubeにも上がっていなかったので、完全な初見です。予習なしの観劇もワクワクして楽しい。
あ、こんな舞台装置なんだ。あ、こんな衣装なんだ。と。
これって初めてその演目を観る歌舞伎初心者だけに許された、一回だけの最高のお楽しみですよね。

とはいえ、正直なところ、さほど期待もしていなかった『鈴ヶ森』。
意外に楽しかったです!
第一部の『鞘当』とのストーリーの繋がりを思いながら観ると、なお楽しい(といっても全体ストーリーは大雑把にしか把握しておりませんが、笑)。
なにより、梅玉さんがこんなに見放題だとは知らなんだ。
チラシでは幡随院長兵衛の名前が最初に載っていたので幸四郎さんの出が多いのかと思っておりましたが、実際は権八(梅玉さん)が出ずっぱりなのですね。
しかも第一部の『俊寛』ですっかり私を虜にした、青年梅玉さん!さらにさらに今回は父親殺しのお尋ね者!
仁左衛門さんにしても、梅玉さんにしても、品のいいお坊ちゃん系の美形の役者さんがこういう役を演じるのは、たまらない御馳走です。ああ、なんて楽しい。

薄暗くてオドロオドロしい舞台も、たまりません。
そんななか、笑っちゃうくらい真ん中にドデーンと建っている『南無妙法蓮華経』のドデカイ石碑も、これぞ歌舞伎。

で、梅玉さんの権八。
颯爽とした若者らしさも、美しい動きも、どこか柔らかな色気も素敵です。闇の中、目が見えていない中での剣技も、その美しさを際立たせております。
しかし私は梅玉さんがお気に入りなのでそれだけで大層楽しめましたが、そうでない方や、それこそ『助六』目当てで初めて歌舞伎を観に来られた方などには、これ以上ない拷問の時間だったであろうことは想像に難くないです^^;
現に私の友人は隣で寝とりました。
私でさえ、バッタバッタの前半部分はさすがに長く感じたし。。。梅玉さんが石碑の裏に隠れてしまっているときは寝そうになった。。。

幸四郎さんの長兵衛。
先月の『三人吉三』のときと同様の感想ではありますが、菊五郎さん&仁左衛門さん相手よりは、今回の方が親分格としてしっくりきていたように感じました。
梅玉さんの雰囲気が、(悪い意味でなく)上のお二人よりも軽やかだったせいかもしれません。


【助六由縁江戸桜】

上の絵は、歌川広重の『吉原夜の桜』でございます。助六の舞台です。
あ~~~タイムスリップして行ってみたい!
そしてこの可笑しな人達の可笑しなやり取りを、柳の陰から覗き見たい!
そんな風に思わせてくれた『助六』でした。
楽しかった!
しかし楽しかっただけではなく、しんみりとした気持ちにもなった、そんな舞台でした。

海老蔵の助六は、彼独特の壮絶な美しさやキレのよさが散見される一方で、團十郎さんの演じた助六に似ているところがとても多く、驚きました。それが結果として、どこかチグハグで不安定な印象になってしまっているようにも感じられました。
この人はきっと今、一生懸命にお父さんやお祖父さんの芸を研究して、教わったことを守ろうとしているのではないかな、と思った。ただまだ、それを自分のものとして消化しきれていないのではないか、と。親から教わったものを自分の血や肉にして、さらに自身の魅力も際立たせるには、まだ時間が必要なのかも。
でもそれを乗り越えられたら、この助六はこれからきっとどんどん素敵になっていくだろうな、とそんな期待もいっぱいに感じさせてくれた海老蔵の助六でした。

並び傾城。
壱太郎くん、凛々しい美人ぶりが素敵。新悟くん、品がよくて声いいな~。右近くん、ABブログの写真を思い出しちゃったでしょーが、笑。米吉くん、ふっくら愛らしい。児太郎くん、なんか初々しさを感じます、笑。

福助さんの揚巻。
花道の出~前半部分は「やっぱり玉さまで観たかったなぁ・・・」と思ったのですが、後半の再登場から「お!」と思いました。
花魁の貫録や華やかさは玉さまには及ばないものの、玉さまとは違う“情”を感じさせてくれる魅力的な揚巻。意休と助六の間に入って助六を庇うように喧嘩をとめる見得も、カッコよかった。
時々高く張り上がる声が気になるといえば気になりましたが、全体としては満足。

七之助の白玉。
さすがに美しかったです!あまり情は感じられませんでしたが、“これぞ傾城!”という美しさを見せてくれました。

左團次さんの意休。
この役にぴったりでした。重みもあり、憎めない可笑しみもあり。
後半、揚巻と二人並んで床几に座っている姿は、二人の雰囲気がなんともお似合いで、揚巻、助六よりこの意休さんとくっついちゃえばいいのに!って思った。とても可愛らしい大人のカップルに見えました笑。

吉右衛門さんのくわんぺら門兵衛。
やはり、少々お疲れ気味に見えました。お声も掠れていて…。今月は1~3部に総出演だものなぁ、大変だよね…。
吉右衛門さんはさよなら公演のときの仁左さまより遥かにこの江戸っ子らしい役に合っておられましたが、この役って美味しそうで、意外と難しい役なんだなぁ、と改めて思いました。仁左さまのときも思ったけれど、なんというか、この門兵衛~朝顔仙平の付近で少々テンションがダレ気味になるのは私だけでしょうか(助六の啖呵は楽しいけど)。。

菊之助の福山かつぎ。
この菊ちゃんには、テンション急上昇↑。義父殿とのやりとりに、ニヤニヤしちゃいました^^
ていうか菊ちゃん、うまいなー。『対面』の十郎に続き、絶好調ですね。やっぱり私は、菊ちゃんは女形よりも、立役の方が好きかもしれん。
そして、若い頃の菊五郎さんにますます瓜二つで吃驚。
海老蔵の助六とともに、世代を超えて受け継がれていくものを感じて、思わず泣きそうに…;;

菊五郎さんの白酒売。
最高です。今回の『助六』の一番の見所は、この菊五郎さんだと思う。
このふんわりとした、とぼけた、上品な可笑しみ。この人以上にこの役をうまく演じられる人なんていないんじゃないか、と思ってしまう。素晴らしいなぁ。
海老蔵との兄弟ぶりも、暖かくて可愛かった(海老蔵も菊五郎さんと絡んだ途端にぐっとよくなってた)。そして團十郎さんとの兄弟ぶりを思い出して、泣けた…。
さよなら公演では父親の助六に付き合い、杮落し公演では息子の助六に付き合った菊五郎さん。
この新しい歌舞伎座の誕生に重ねあわせて、特別な感慨を覚えずにはいられませんでした…。

東蔵さんの満江さん。
母親のどっしりとした優しさ、温かさ、そして可愛らしさが滲み出ていて素敵でした。
心がほんわかと温かくなった^^

三津五郎さんの通人。
再びの、裏切らない男!!
あの勘三郎さんの後では難しかったでしょうに、散々笑わせて、最後には泣かせる、素晴らしい通人でした。
海老蔵のブログネタは、毎日変えているのですね。「今日は朝から雨の中ご苦労にお散歩に出られて」って、ちゃんとブログをチェックしてネタ探しを怠らない三津五郎さん、最高、笑。
さよなら公演で勘三郎さんが演じたこの役を、杮落し公演では親友の三津五郎さんが演じられ。
新しい歌舞伎座でも夢を見させてもらいましょうと言っていた勘三郎さん。團十郎さんのこと、そして海老蔵の息子さんの誕生に触れ、歌舞伎の未来に願いを込めた三津五郎さん。
ああもう、本当に本当に感慨深い………;;

演技の出来不出来などを言うことが明らかにヤボな、今このときしか観ることができないものが沢山詰まった、三ヶ月間のお祭りを締めくくるにふさわしい舞台でした。観られてよかった!!
六月も残すところあと半月。
吉右衛門さん、菊五郎さん、仁左衛門さん、幸四郎さん、他の方々も、三ヶ月間本当に本当にお疲れさまでした。最後まで、無事に務められますように。そして、しばらくは若い世代に任せて、ぜひゆっくりと体を休めてほしいです…。
しかし公演スケジュールがそれを許していないことを私は知っている…。
それはおそらく、ご本人達の希望でもあるのでしょう。それでも私は言いたい。
松竹さん、本気で彼等を殺す気ですか(怒)!!?

そして今月を限りにしばらく歌舞伎はお休みする予定でしたが、この三ヶ月ですっかりこの世界の虜になってしまった私は、今後も山ほどチケットを買ってしまっております。歌舞伎破産しないように気を付けないと。。。。
その分海外旅行を削っているので、なんとかお財布は保たれております。。。。

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『黒蜥蜴』 @相模女子大学グリーンホール(6月8日)

2013-06-12 00:12:26 | その他観劇、コンサートetc




ところで今の世の中ぢや、善いことといふのはみんな多少汚れてらあね。だからあんた方は汚れた善いことの味方だから、いつまでもぱつとしないんだよ。そこへゆくと明智先生はちがふわね。あの先生はこの世で成り立たないやうな善と正義の味方らしいわ。

(三島由紀夫 『黒蜥蜴』)



先週末に行ってまいりました、美輪明宏さんの『黒蜥蜴』。
初・生美輪さまです。
美輪さんについては、前にもちょっと書いたことがありますが、この方の意見に100%同感なわけでもないのです。
ただそれはそれとして、この国にはもっともっと彼のような大人が必要だとは、心の底から思います。

そんなこんなで一度は観てみたいと思っていた『黒蜥蜴』。
今回5年ぶりの上演とのことで、昨年末の紅白の素晴らしい歌唱もきっかけとなり、チケットを購入したのは今年2月のことでした。
ですがそれから歌舞伎座にお金を落としすぎたため、誰かに譲ろうかなぁと迷いながら何気なくwikiで美輪さんのご年齢を知り――、やっぱり行くことにいたしました。後で後悔したくない。

というわけで到着した相模大野の会場。
・・・・・・美輪さまの美的センスがよくわからなくなりました・・・・・・・。
ロビーに足を踏み入れて最初に私を迎えたのが、上の写真の、とっても安っぽくて下品な真っ赤な造花のオブジェ・・・・・・・・・。
両側には『麗人だより』の宣伝ポスター。
美輪さまは一体、どういう世界を目指されているのでしょう・・・・・・・。
舞台は劇場に足を踏み入れた瞬間から始まっているという私のポリシーにとっても反します。。。
早速テンションがダウンいたしましたが、でもまぁ、かまわないです。
舞台の内容さえ素晴らしければ。
そこで夢さえ見させてもらえれば。

さて、肝心の舞台ですが。
とても良い部分と、そうではない部分が混ざった、そんな印象の舞台でした。
まず美輪さま。
台詞がときどき聴きとりにくかったり、演技力ももっとある方は沢山いるとは思いますが、さすがに黒蜥蜴の役はピッタリでした。オーラも半端ないですよ。それに、この人の舞台はきっと“美輪さま”オンステージという感じなのだろうなと勝手に想像していたのですが、最初から最後まで自分に酔っている感じが一切せず、それが意外でしたし、大変好感がもてました。舞台演出もちゃんと観客の目線まで下りてきていて、独りよがりなところが一切なく、だからといって観客におもねっているわけでもなく、良かったです。
また、ご自分が客席からどのように見えているかを常に意識されていたところも、さすがでした。たとえば、美輪さんのドレスの裾。どの角度から見ても常に美しい状態に保たれているのです。時々さっと手で直されている様子もスマートでした。こういう風に観客の目線を意識することって、舞台ではとても重要なことだと思うのです。玉三郎さんも、いつもそう仰っていますが。豪華な衣装も、どれも美輪さんにお似合いで、素敵でした。
あと、台詞。以前平幹二朗さんの舞台のときも書きましたが、あれほどもってまわった美的な言い回しの台詞(ザ・三島由紀夫という感じです)を、あんなに自然に言えること自体に感動します。

雨宮役の中島歩さん、早苗役の義達祐未さん、青い亀役の白川和子さんもとてもよかったです。

次に、イマイチに感じた点ですが。
明智役の木村彰吾さん。黒蜥蜴があれほどまで惹かれる理由が観ていて全く理解できない、そんな明智でした。。。この方をご自分の舞台で起用しつづける演出家としての美輪さんの感覚に、疑問を感じてしまいました。
あとは、舞台の時代感覚が非常にチグハグな印象を受けました。あれは狙った演出なのでしょうか。たとえば、明智の事務所に置いてある小道具のPCなどはとっても旧型で、東京タワーにいる観光客の服装などもやっぱりちょっと昔な感じです。けれど一方で、女子高生が写メを撮っていたり。。。。いったいこれはいつの時代なのだ?と。。。。現代なら現代で構わないのですが、だとすると少々詰めが甘いのではなかろうか。
また、時折挿入される笑いのシーンも、あまり面白いとは感じられませんでした。

全体的には上質なエンターテインメントに仕上がっていて楽しませていただきましたが、カーテンコールのときの観客総立ちのスタオベに吃驚。。。。
そして客席から上がる「美輪さーん!!」「ブラボー!!」の絶叫。
これらは『黒蜥蜴』という舞台に対してなのでしょうか、あるいは美輪さまという人間に対してなのでしょうか。
どちらにしても、ちょっと微妙な気持ちになりました。
決して悪くはない舞台でしたが、それほどまでに絶賛されるような舞台だとは私は感じなかったので。。。
正直なところ、カテコの素の美輪さんの笑顔と立ち姿が、舞台本編のどの美輪さんよりも一番魅力的に感じられたので、今度はコンサートに行ってみたいなと思いました。
そうそう。この夜は、NHKのカメラが入っていました。8月に美輪さんのSPが放映されるそうです。

※追記:2013年9月12日のコンサートの感想(素晴らしかったです!)

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歌舞伎座新開場 こけら落六月大歌舞伎 第一部(6月10日)

2013-06-10 21:10:05 | 歌舞伎




杮茸落六月の第一部に行ってまいりました。
今回はやはり戻りで購入した3階A席1列目。
この席、いいですねえ!
下手寄りの席だったので花道は少々見えにくかったですが(でも七三の上半身はちゃんと見えました)、前の人の頭で視界が遮られるストレスはゼロですし、ぎりぎりオペラグラスなしで役者の表情がわかりますし。
もちろん役者の視線の動きまではわからないので、オペラグラスは持参必須ですが。
この3ヶ月の結論としては、3階1~2列目ならA席がお買い得、3列目以降ならB席で十分、1階なら5~7列目というのが私的歌舞伎座のベストシートでございます(舞台が見切れる東西の袖席は問題外)。


【鞘當(さやあて)

ほとんど前知識なしで観に行ったので、背景の美しさにまず感動。
舞台セットは『籠釣瓶~』と同じ
、夜の吉原の仲之町。連なる茶屋の店先に灯る提灯、闇に浮かぶ桜と山吹。
なんて美しい・・・・・(初夏の今には季節外れだが)
広重の絵そのままの景色です。
失われてしまった江戸の美ですねぇ。

また二人の衣装の柄が粋!
山三(勘九郎)は、「雨に濡れ燕」。
対する伴左(橋之助)は、「雲に稲妻」。
くぅ~~~、たまらない!!
ザ・伊達!

と、ここまではテンションMAXだったのですが――。
舞台に二人が揃い、編笠をとった辺りから、少しずつ降下、、、↓↓↓

なんなのだろう、この不思議なほどの地味さは・・・・・。
とくに勘九、、、男の色気が皆無・・・・・。4月の『お祭り』では結構イケてたのになぁ。
橋之助さんはなかなか素敵でしたが、やっぱり少々地味。。
魁春さんも決して派手なタイプではないですし。。

喧嘩を仲裁された二人のお決まりポーズは、今年に入って「海老蔵&亀鶴@夏祭」と「菊五郎&仁左衛門@三人吉三」に続き3回目でしたが、突出した地味さでした・・・。
上の二つの演目に比べて、衣装も背景も今回が一番派手なのに・・・。

演じる役者さんによっては最高にカッコいい演目だと思うので、他の役者さんのものも観てみたいなと思いました。
あるいはもう少し勘九に色気がついた頃に。。。


【喜撰】

こちらも季節外れな桜でございますが。
三津五郎さん!裏切らない男!
色気もばっちり(背丈は小柄ですけど)

女好きなスケベな坊さん役が、恐ろしいほどぴったりです。
そして踊りのカッコよさときたら!
歌の文句もイチイチ色っぽくて最高です!!

また時蔵さんのお梶が、艶っぽいのなんの。
でもねっとりとした艶っぽさではなく、おきゃんな雰囲気が素敵です。
紫の小袖もとてもお似合い(私は紫の衣装が好き)。
このカップル、もっのすごくいいですね!!!!

最後に花道から賑々と迎えにくる所化たちも、楽しかったです(誰が誰やら区別がつきませんでしたが^^;)

一幕目で下がっていたテンションを一気に上げていただきました。
ほんとに、楽しかったぁ。
何度でも観たい!
と思い帰宅後に一幕見の値段をチェックしたら。
一幕見は『鞘当』とセットだった・・・・・・・。


【俊寛】

海の背景が素敵です!

最初に吉右衛門さんの俊寛が登場。島生活で衰弱しきった演技の上手さに軽く感動。よぼよぼだけど、海が似合う男。

梅玉さんの成経の品の良さにうっとり。とても島で3年も暮らしたようには見えません。そのまま宮中を歩いていても違和感なし。義経とも八汐とも違って、ちゃんと若い普通の青年に見えるところがすごい。

歌六さんの康頼も、他のお二人とのバランスがよいです。

意外にも(といっては失礼ですが)、芝雀さんの千鳥がよかった。島の女性の素朴な愛らしさ&逞しさがよく出ていて。梅玉さんとのカップルも、微笑ましくてとてもよい^^ 
ただ、千鳥は海女なのに、どうしてあんなに小綺麗で華やかな衣装なのだろうか・・・。「こんな女性がいるのなら、島の生活も悪くないではないか」と思えてしまい、話の悲惨さが半減してしまうのですが・・・。 ※追記:この衣装についてはこちら参照

この四人での浜辺での祝言場面がなんとも和やかで、楽しそうで、俊寛も嬉しそうで・・・・・・・・。もう、このシーンで泣きそうに。ラストを知っているだけに・・・・・・・・。

そこに沖から
スイスイやってくる赦免船。小っちゃくて可愛い。
まず下りてくるのは、左團次さんの瀬尾。左團次さん、小憎らしい役がとってもお似合いです。俊寛たちに対するイジワルも、堂に入ってます。

で、赦免状に名前がなくて俊寛がショックに打ちひしがれているところに、仁左衛門さんの丹左衛門が登場。第一声からよく通る声で爽やか!左團次さんとのペアルックが可愛いぞ。
そして俊寛の名前が書かれた赦免状を見せます。美味しい役ですねぇ。
仁左さまは今回も相変わらず芸が細かく、船上で色々と表情を変えるので(瀬尾にトドメをさした俊寛に、無念そうに目を閉じるところとか)、舞台中央の俊寛も見なければならないし、上手の仁左さんも気になるしで、目が4つ欲しいと思いました。

熊谷&盛綱に続き、3回目の
吉右衛門さん&仁左衛門さんペア。
お二人とも、先日の第二部より、今日の方がお元気そうに見えました。
やっぱり好きですね~~~、この組合せ。
舞台の上でのバランスが、とてもよいです。

俊寛の代わりに船に乗ることになった千鳥を成経と康頼が船上で迎えているときに、丹左衛門だけは浜辺にいる俊寛にすぐに視線を戻したところ、俊寛の心情に対する思いやりが感じられて4月の『熊谷』のラストを思い出して泣けた・・・・・・。
そして船が出る前の仁左衛門さんの扇子を持った見得がそれはもうすっきりと美しくて気持ちよく見惚れていたら、真後ろからドデカイ声で「松嶋屋!」の大向こうが上がって、心臓が止まりそうになりました^^;

そして、クライマックス。
舞台の仕掛けの効果が素晴らしい!
文章で読んではいたけど、実際に観ると感動する!!!
とくに三階席からは、一面の海と俊寛の孤独がより一層強調されて・・・・・・。
花道から迫ってくる海水は、俊寛の心に押し寄せた壮絶な孤独感でしょう。
そして何かに憑かれたように、よろけながら上った岩の上。
視界を遮る松の枝を折り、よろけて、そしてじっと沖を見つめる俊寛。
無言の時間。その目の色の変化――。
最後に彼の目が見ていたものは、船の姿ではなく、明らかに別の何かでした。
想像を絶する孤独の、その向こう側にあるもの。
もはやこの世界のものではない、景色だったのかもしれません。
重く暗いだけではない、不思議な余韻の残る、見事な幕切れでした。


以上、やはり4~5月ほどの興奮はなかったとはいえ、非常に見応えのある六月第一部でございました。
楽しかった三ヶ月間のお祭りも、残すところ第三部のみ。
とても寂しい・・・・・・・・・・(>_<)


《インタビュー》
「六歌仙容彩 喜撰」坂東三津五郎

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London Revival of Miss Saigon planned for 2014

2013-06-06 16:13:35 | ミュージカル

London Revival of Miss Saigon planned for 2014

だそうですよ!ロンドンミュージカルファンの皆さん!
ていうかレミゼ映画の東京プレミアでキャメロン・マッキントッシュが発表してたって、、、全然知らなかった^^;
みーたーいーーーーーー。
それに、また大好きなイギリス北部を鉄道でまわりたいとも思っているのですが。
今の歌舞伎へのお金の使い方が続くと、来年もとてもイギリスに行ける気がしない。。。
でもロンドンミュージカルと同じくらいの感動を私は歌舞伎座からもらったので、全く後悔しておりませんよ~。

ところでベトナム戦争といえば、ロンドンにいた頃に町の図書館でグレアム・グリーンの『The Quiet American(おとなしいアメリカ人)』という小説を借りて読んだのですが、とてもよかったです。
ジャンルはミステリーですが、読み終わった後しばらくアメリカやイギリスという国の性質について考えずにはいられなくなる小説でした。おすすめです。




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4 Stars ~One World of Broadway Musicals~ 曲目リスト

2013-06-05 21:23:55 | ミュージカル

まだまだ先と思っていたら、いつのまにやら今月になっていた、4 Stars
Raminが来日するというニュースが入った当初は「演技してないRaminに興味なし」と友人からの誘いも断っていた私でしたが、今年に入って来日メンバーの詳細を知り、チケットを即ゲット。
Sierraのみならず、まさかのLea Salonga!
ミュージカルではなくコンサートとはいえ、これほどの豪華メンバーが揃っては、West Endファンとしては行かないなんてありえない。

もっとも、チケットを買ったのは2月末で、杮落しに没頭しているうちにこのコンサートのことをすっかり忘れておりました^^;
今年は歌舞伎でお金を使いすぎたのでロンドンには行けないし、仮に行けたとしてもそこに彼らはいないので、日本でその歌声が聴けるのはやっぱり嬉しい♪
まだ杮落しは終わっていないけど、ちょっとずつ予習&復習をしておかねば。

以下、今回の曲目リストにのっとった、それぞれのパフォーマンス動画です。
My予習&復習用。
こうして並べてみると、信じがたい贅沢さですね!
当日が楽しみです。

※ところで、4 Starsの残り一名の城田優さんって、海老蔵ブログで松也と一緒に飲んでいたロミジュリの主演をされている方という知識ぐらいしかないのですが、日本のミュージカル界では人気のある方なのでしょうか?日本のミュージカルは殆ど観ないので、詳しくないのです。。


【オペラ座の怪人 The Phantom of the Opera】

1.The Phantom of the Opera (オペラ座の怪人)
これはさすがにRamin & Sierraが歌うに決まってますよね(稽古場レポによると城田君も歌うらしいが・・・)。
じゃないと客席から暴動が起きますよ。
あの「stronger↑ yet~♪」も、ニガテだが、今回はむしろ聴きたい。
つくづくRaminのストーカー的かつ甘い声は、怪人のイメージどおりだわ~。
思うに私が海老蔵の声の裏返りがあまり気にならないのは(今回の第二部は別ですが)、Raminで耐性がついているせいかもしれん。このRaminの声の裏返り、内心ハラハラしながらも、実は結構すきだったりします。なんかトキメク(笑)
これで手の形さえ美しかったら完璧なのだが。

2.MUSIC OF THE NIGHT (ミュージック・オブ・ザ・ナイト)
これだけは!ぜひともRaminオンリーでお願いします!!!!!

3.ALL I ASK OF YOU (オール・アイ・アスク・オブ・ユー)
久しぶりにこの動画を観たけど、このシーンのHadley、ほんといいねぇ。今回、Hadleyも来てくれればよかったのに。私、生ではジャベールしか観たことがないから、生ラウルを聴きたかった!そもそも私は歌だけなら、RaminよりもHadleyの方が好きなくらいなのである。

――と、ここまで書いて気付いたのですが。

もし万が一にもこの曲をRamin & Sierraで聴けるとしたら、ですよ(おそらく城田君&Sierraになると思われるが・・・)。
ちょ、ヤバすぎ・・・!!!
だってだって‘あの怪人とクリスティーヌ’が、‘All I ask of you’をラブラブで歌っちゃうってことでしょう?
う・・わぁぁぁぁ。
世界中の怪人ファンが羨むであろう、プレミアもののシーンじゃないですか!!!
ぜひともRamin & Sierraでお願いします、主催者さま!!


【オペラ座の怪人2 Love Never Dies】

4.TIL' I HEAR YOU SING (君の歌を聞けるまで)
実はこれ、とても楽しみなんです。観たことがないから。
やっぱり行く前にメルボルンのDVDを見ておこうかなぁ。
まったく興味なかったけど、ちゃんと予備知識をいれてからRamin怪人の生LNDを聴かないともったいないですかね。


【レ・ミゼラブル LES MISERABLES】


5.I DREAMED A DREAM(夢やぶれて)
これはLeaだよね、Lea!
最高!

6.ON MY OWN (オン・マイ・オウン)
これもLeaでしょう!
あの10周年キャストを生で聴けるなんて!幸せです!


・・・あれ?
Ramin、今回Bring Him Home歌わないの・・・!???
うそ、、、かなりショック・・・・・・・・・・・。
もう一度・・・・・聴きたかったのに・・・・・・・・・・。
あの感動を・・・・・もう一度・・・・・・・・・・・・・・・。


【ミス・サイゴン MISS SAIGON】

7. I'D GIVE MY LIFE FOR YOU(命をあげよう)
ザ・オリジナルキャスト!
Miss Saigon!!

8.LAST NIGHT OF THE WORLD
6/13 公式サイトの発表で、『SUN AND MOON』から変更になりました。
どちらかというとこの曲の方が生で聴きたかったので、嬉しい!


【アラジン ALADDIN】

9.A WHOLE NEW WORLD(ホールニューワールド)
待ってました!
高校生の頃に映画館で感動したこのジャスミン姫の歌声を、生で聴ける日が来ようとは・・・・・(号泣)


【ムーラン MULAN】

10.REFLECTION(リフレクション)
Disney Princess!Lea!


【リトルマーメイド THE LITTLE MERMAID】

11.PART OF YOUR WORLD(パート・オブ・ユア・ワールド)
これはもちろんSierraだよね!ベスト・オブ・ブロードウェイキャスト!なんてキュートなアリエル(><)!


以下の動画は来日キャストのものではありませんが、予習のためにyoutubeから動画を拾ってまいりました。

【シカゴ CHICAGO】

12.ALL THAT JAZZ(オール・ザット・ジャズ)
Lea & Sierraで始まるらしいです。楽しみ♪

【王様と私 THE KING AND I】

13.GETTING TO KNOW YOU(仲良くしましょう)
大好きなミュージカルです。

【南太平洋 SOUTH PACFIC】

14.SOME ENCHANTED EVENING(魅惑の宵)
あ、題名しか知らない。。。^^;

【その他】

15.The songs of Jason Robert Brown(ジェイソン・ロバート・ブラウン歌曲) ほか


★鑑賞後の感想はこちら

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歌舞伎座新開場 こけら落六月大歌舞伎 第二部(6月4日)

2013-06-04 23:51:25 | 歌舞伎




迷いに迷っていた杮茸落六月の第二部でしたが、良席(3A席2列目)の戻りが出ていたため思わずポチリ。

さて、結論から申しますと、、、4~5月の各部から貰えたほどの感動はありませんでした。。。^^;
今日は仕事を午後休にしたのですが、退社直前に緊急の案件が3件も舞い込み、その対応をしているうちに予定より1時間も退社が遅れ、体はヘトヘトに疲れ果て、それでも開演1時間前には東銀座に着いたのでプロントでお茶をしていたら猛烈な睡魔に襲われ・・・・・、まあテンション下がりまくりな状況であったことは確かです。
とはいえいつも書きますように、どんなに最悪な条件下であっても、感動する作品というのは必ず感動をくれるもの。そして今日の第二部の舞台はというと、全体としては、先月先々月ほどではありませんでした。
と、最初にとことん底辺まで下げておいてから(笑)、感想スタート~。


【壽曽我対面】

びっくりなことに、お目当てだった土蜘よりも、こちらの方が楽しめました。
少なくとも、正月の浅草の100倍は楽しめた。

大薩摩から始まり、浅葱幕が落ちると、ずらりと並ぶ面々。
最初からこれだけメインの役者が舞台上に勢揃いしている演目ってあまりないので、テンション上がります。
で、その中心にいらっしゃるのは、もちろん仁左衛門さん。
思っていたよりお元気そうで、ほっとしました。
背後にズラリと大名達を従え、左右に美女(七之助&芝雀さん)を侍らせている仁左さま。なんて眼福な構図。
大名達が口々に祝いの言葉を述べ始めると、視線をつと流してそれを聞く仁左さま。本当に、何をしても絵になるお人です。
そして皆に勧められて高座へ移るわけですが、その前に床に手をつき、客席に体を向けて「何れもさま」のご挨拶。
昨日の初日に観られた方の感想では声が掠れていたそうですが、今日はそんなことはなく、とても力強い声で聴きごたえがありました。仁左衛門さんのこういうのって、声も姿もいいから、気持ちいい。

で、舞鶴が「祐経さんに会わせたい人がいる」と五郎(海老蔵)&十郎(菊之助)を呼ぶのですが、孝太郎さんの舞鶴がまた、とってもよかったです。間違っても美人とはいえませんが^^;、堂々とした品があり。年齢が海老&菊より上で、かつ仁左衛門さんの息子ということもあり、兄弟と工藤の両方の立場を理解している舞鶴という聡明な女性にぴったりでした。

ちょっと早送りします。
兄弟が花道で何やかんややってから、舞台に上がります。
そして私は知りました。
海老&菊&七と並んでも、仁左さまが一番美しいということに――。
いや、本当ですってば!!
いくら仁左さまでも旬の花形と並ぶとキツイだろうと思っていたので、自分でも吃驚だったんですから!

話を戻しまして、海老蔵です。
正直に申し上げてしまいましょう。
これまでに観た海老蔵の舞台の中で、一番、突出してよろしくない出来のように思いました。
なんといいますか、見てはいけないものを見て、聴いてはいけないものを聴いてしまったみたいな。。。
舞台左側に視線をやるのが恐ろしくて(菊ちゃんは素晴らしかったから見たかったんだけど)、上手にいる仁左さまばかり見てしまった。。。
でも肝心の耳は塞げず。。。
ていうか五郎の台詞って、こんなに高音じゃないとダメなんでしたっけ?
海老のもっとも苦手とする部分が前面に出てしまう台詞まわしじゃないの、これ。
海老、弁慶のような低音は(少々こもるとはいえ)すごく良い声なのに、その魅力が少しも出せていないなんて、実にもったいない。
これが歌舞伎座初舞台となった彼がなんだか気の毒になりました。。この人はもっとずっと魅力のあるお芝居を見せられる人なのになぁ。

舞台の上で海老蔵だけが(あと七之助もちょっとだけ)、異星人な感じでした。
ただですね。海老を庇うわけではありませんが、脚本も良くない気がするんですよね(←黙阿弥を敵にまわしました)。だって、この観ていて居た堪れなくなる一人だけ異星人な感じは、浅草で松也が演じた五郎も全く同じでしたもの。
あくまでも曾我の五郎である以上、石切の俣野のようになってしまってもダメですし。といって無邪気さがなく重々しくなってもダメですし。十郎よりもこの五郎の演技の方がずっと難しいと思う。もちろん、そこを演じてみせるのが役者なのでしょうが。荒事って意外に難しいんですね。
「これぞ対面の五郎の名演!」って、一体どんな演技を言うんだろう。。

とまぁそんな感じで「もうどうしよう・・・(汗)」という微妙な気分のまま、しかし仁左さまには見惚れながら、お芝居は進み――。
五郎が工藤の盃を受ける場面。
ここは、良かった!
工藤が兄弟へ盃を与えるこの場面。工藤ほどの身分の者が盃を与えるということは、兄弟に対する破格な待遇なわけですが、なんか(意地悪な意味じゃなく)工藤がSっぽくて、思わずニヤニヤしてしまいます。今回のように役者が美形揃いな場合は特に。
で、お兄ちゃん(菊)は大人ですから、工藤からの盃を大人しく飲み干します。
しかし弟の五郎(海老)は、それができません。
いま目の前に、父を殺した仇がいる。なのに討つことができない怒りと無念。
盃を手にしますが、わなわなと震え、ついに盃を砕いて、三宝も壊してしまいます。

その様子を、一段上から(笑)冷静に見下ろすニザさま。
そして、斜め後ろから厳しい視線で、弟を見守るお兄ちゃん菊之助。

海老蔵は本当に泣いていました。涙=いい演技というわけでは決してありませんし、“荒事”という稚気を要点とした芸からは恐らくズレてしまうでしょう。また彼が父親を亡くしたばかりということを観ている側が全く思わなかったといえば嘘になります。それでも、ここの場面の海老蔵だけは、仁左衛門さん&菊之助とともに、とても美しい3人の姿でした。

菊之助の十郎。
とても良かった。
五郎が工藤に襲いかかろうとする度に素早く動いて五郎をとめる姿が、すべて美しい絵になっていて、それだけじゃなく、心も感じられて。弟思いで美しくて思慮深い、とても素敵なお兄ちゃんでした。

そして今回の仁左さまは「態度は上から&心根は爽やか」という、最も私好みな仁左さまだったので、観ていて楽しかったのなんのって。
最後に兄弟に通行手形を投げるところも、カッコよかったな~。
ただ仁左衛門さんは演技も雰囲気もとっても繊細系なので、『寿』な雰囲気はあんまり感じられなかったです^^;
幕切れの見得も非常に美しかったですが、本来この演目が目指しているであろう「何やらおめでたい感じ」ではなく、繊細な雰囲気の後味でした。
「何やらわからんけどおめでたい感じ」というのは、吉右衛門さんみたいな役者が向いているのではないでしょうかね。あと、團十郎さんとか。
とはいっても、美しく包容力がありすっきりカッコよくインテリジェントでちょっぴり意地悪な最強仁左さまが観られて、個人的には大満足でございました♪



【土蜘】

こちらも黙阿弥さんですね。
で、ワタクシ、土蜘が松羽目物と知っていたはずなのに、なぜかこの演目は将門のようなオドロオドロしい舞台装置&演出だろうと思い込んでおりました。
なので、幕が上がったときの舞台の明るさに軽く困惑いたしました^^;

この演目、日本昔話の退治モノといった感じなのですね。
もっと暗~い、じめ~っとした演出にした方が素敵だと思うのだけどなぁ。
オリジナルの能の方もこういう感じなのでしょうか。蜘蛛の棲もぴったり一人用サイズで、天井に草が絡まっていて、可愛らしい鳥カゴみたいだし^^; 笛の美しい旋律だけは、最高にぞくぞくしましたが。
なにより、菊五郎さんにこの役があまり合っておられないように私には感じられました。なんといいますか、怪しさがあまりなく、妖怪ではなく人間に見えてしまった。。
それともやっぱりお疲れなのだろうか。。
ですが、お声はあいかわらずとっても良かったです。

吉右衛門さん。
これも團十郎さんの代役でしたっけ?
なんか、可愛かったです、笑。
白塗りのお顔も、髷のカタチも。
夜になり寝ているところを表す場面の打掛?がまた可愛かった
オレンジ色に、色んな種類の花々が色とりどりに一面に散りばめられていて。
あとこの就寝シーン、座って扇子を持った右手を顔の横に掲げてる姿勢で微動だにしないのが、すごかった!熊谷のときもそうでしたけど、吉右衛門さんのこういうところ、素晴らしいですね。
少し喉がやられていたのか声が掠れていましたが(そりゃあ疲れもしますよねぇ・・・)、その疲れた感じが病身の身らしくてよかったです。たぶんこの疲れた感じがなかったら、ちょっと健康的すぎたと思う^^; 
なので役としてはいい感じだったのですが、実際のところ、吉右衛門さんの体調が心配・・・。このまま来月は巡業に突入とは・・・・・。

太刀持音若の玉太郎くん、品があって、とてもいいですね。観ていて気持ちよかったです。
石神の大河くんも可愛かった。4月の盛綱陣屋の小三郎のときもそうだったけど、見得がはきっとしてて綺麗。

で、今回の一番の見所はこの方。
三津五郎さん。
素晴らしかった
声もよく通るし、最初から最後まで、動いていても止まっていてもキマるキマる。
ひとつひとつの動きがキリッとカッコよくて、目が離せませんでした。
第一部の喜撰が楽しみ!!

最後の最後の場面で菊五郎さんが蜘蛛の糸を左右に投げるときに片方を糸巻きごと投げてしまったりというハプニングもありましたが(ぽ~んと下手の端まで飛んでいってしまい客席から笑いが起きていました)、これはこれで生舞台らしくて、のんびりと楽しめました。

と、ここまで書いて思うに。
なんだかんだ言って、結構楽しかったみたいデス、私。
みなさん、2日目、お疲れさま♪
海老蔵も、南座から引き続き、お疲れ♪
来週、かっこいい助六を楽しみにしてるよ~!
私はもう二部は観ませんが、千秋楽までに少しでもマトモな五郎になるよう、ぜひ頑張ってください。共演者の方々のためにも、お客さんのためにも、そして何より海老自身のために。。。


帰宅したら、ポストに8月の竹三郎さんの会のチケットが届いておりました(ちなみにこのチケットは発売二日目の昼休みにようやく取れました・・・。友達との関西旅行に合わせて行って参ります)。
8月まで、くれぐれもお体をお大事に。。。
仁左衛門さんも、竹三郎さんも。。。

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「龍村平蔵 『時』を織る。」展 @横浜高島屋ギャラリー

2013-06-02 00:50:15 | 美術展、文学展etc




温故知新を織る――


(初代龍村平蔵)


突然ですが、質問です。
上の3つの写真、皆さまには何に見えますか?

絵、切子硝子、陶器、に見えるのではないでしょうか。
でも。
実はこれ、すべて「織物」なのです。

友人から「着物に興味がなくても絶対に行くべき!」と勧められ、土曜の午後、横浜高島屋ギャラリーで開催中の「龍村平蔵 『時』を織る。」展に行ってまいりました。
京都・西陣織の老舗である龍村美術織物の創業120年を記念した展覧会で、創業者・初代龍村平蔵から4代までの代表作約300点が並びます。
この初代龍村平蔵という方については私は全く存じ上げていなかったのですが、「龍村美術織物」というのは最近ものすご~~~く聞き覚えのある名前。
それもそのはず。
歌舞伎座で幕間のたびに紹介されている、この緞帳↓を製作した織物メーカーさんなのでした。




それにしましても、「織物」からこれほどの感動をもらえるとは、正直予想外でした。
これまで海外も含めどんなに素敵なタペストリーを観ても「美しい絵を布にしたもの」という印象しかなかったのですが、龍村の織物は、その元となった作品とは全く別物の一つの芸術の域に達しています。
「織物」であるからこそ達しえた、「織物」でなければ達しえなかった域。
経糸と緯糸のみで織りなされるその無限の世界に、ただただ圧倒されるばかりでした。

そして、「古きを知ってこそ、新しいものを生み出せる」。
古代裂(ぎれ)の復元に心血を注いだ初代龍村平蔵のその精神に、歌舞伎という伝統文化の魅力にどっぷりと嵌ってしまっている私は、共感せずにはいられません。

この展覧会の迫力ばかりは、どんなにネットや本で見ても伝わるものではありません。
デザインの魅力を最大限に引き出している、それぞれの糸の質感。文様の立体感。光と見る角度によって魔法のように変わる色合い――。
ぜひぜひ会場に足を運んで、実物をご覧になってください。
そしてこの世界のあらゆる美が華麗に織り込まれた芸術の極みを、たっぷりとご堪能あれ。

6月4日まで。

※上の写真の3つの織物は、左から順に、「光悦夢蝶錦」(本阿弥光悦の作品がモチーフ)、「ぎやまん錦」(江戸末期の薩摩切子がモチーフ。四代平蔵の代表作)、「白象陶彩文」(18世紀後半の南蛮趣味の壺がモチーフ)です。


  





  


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