風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

亡びるね

2016-04-23 22:20:03 | 美術展、文学展etc

神奈川近代文学館の『100年目に出会う 夏目漱石』展に行ってきました。
毎度ながらここの特別展は充実してるわぁ(o˘◡˘o)

出口のところにガチャガチャがありまして、中身は漱石の言葉が書かれた缶バッジ。



「恋は罪悪ですよ」とか、「精神的に向上心のないものは馬鹿だ」とか、「人間を押すのです」withの絵とか色々あるのですが、ワタクシ的イチオシは

びるね」

です。
広田先生 @三四郎

まぁ、やらなかったですけど笑

5月22日まで。
展示替えがあるので、芥川の『葬儀記』の原稿オリジナルの展示は4月26日までですよ。
感想は後日改めて~。

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日伊国交樹立150周年記念 ボッティチェリ展 @東京都美術館(4月1日)

2016-04-11 21:50:36 | 美術展、文学展etc



今回も会期終了ギリギリに滑り込み。
理由は、むか~~~~しフィレンツェで見たこの画家の『春』も『ヴィーナスの誕生』もあまり好みではなかったため、迷っていたのです。でも先にこの展覧会に行った友人達が全員大絶賛で。これはやはり行っておくべきなのではあるまいか・・・?と。

いやぁ、行ってよかった。。。心が洗われました。いつもは買わない図録まで買ってしまった。
しかし図録の写真もネットの画像も、実物の繊細で透き通った美しさには程遠いのだよなぁ。。。



サンドロ・ボッティチェリ 『ラーマ家の東方三博士の礼拝』 1475-76年頃 
この絵は、思っていたよりずっと色が鮮やかで、人物が生き生きとしていました(公式ページの画像ではくすんだ雰囲気に見えていたので)。
一番右で一人だけカメラ目線をしている男性が、ボッティチェリ本人。


フィリッピーノ・リッピ 『幼児キリストを礼拝する聖母』 1478年頃
フィリッピーノ・リッピはボッティチェリの師であるフィリッポ・リッピの息子。
フィリッピ―ノはボッティチェリの弟子でしたが、後にボッティチェリと並ぶ人気を博すようになり、よきライバルに。
透明な空気感が素晴らしかったです。


サンドロ・ボッティチェリ 『書斎の聖アウグスティヌス』 1480年頃
ヤマザキマリさんのお気に入りの絵だそうです(この表情↑が笑)。


フィリッピーノ・リッピ 『聖母子、洗礼者聖ヨハネと天使たち』 1481-82年頃
美少年ズなヨハネと天使たち


サンドロ・ボッティチェリ 『聖母子(書物の聖母)』 1482-83年頃
この絵の静けさと透き通った空気感、そして「線描の詩人」と言われたボッティチェリの緻密な描写の見事さは、ほんっとーーーに実物でないと伝わらない;;
聖母の服の鮮やかな青は、当時とても高価だったラピスラズリ。実物は画像のようなコッテリぶ厚い青ではなく、より透明感のある上品な色合いでした。


ボッティチェリと工房 『聖母子、洗礼者聖ヨハネ、大天使ミカエルと大天使ガブリエル』 1485年頃
こちらも美少年ズなヨハネと天使たち。聖母子の薔薇色の頬も美しかった(o˘◡˘o)


ボッティチェリと工房 『聖母子と4人の天使(バラの聖母)』 1490年代
聖母の背後でじゃれ合う美少年ズにご注目ください。


サンドロ・ボッティチェリ 『アペレスの誹謗(ラ・カルンニア)』 1494-96年頃
公式ツイッターより転載。特に好みの絵ではないのですが、この説明はそれぞれの役割がとてもわかりやすいのに図録に載っていなかったので、ここに残しておきます。
「誹謗」の美しさがコワイ・・・。他人事っぽく見える「真実」も・・・。


サンドロ・ボッティチェリ 『聖母子と洗礼者聖ヨハネ』 1500-05年頃
1510年に亡くなったボッティチェリの最晩年の作品。
キリストの降架を思わせる構図。会場の最後にフィリッピーノ・リッピの『洗礼者聖ヨハネとマグダラのマリア』(1497年頃)と並んで飾られていました。

金曜夜にもかかわらず、会場はとっても混んでいました ダヴィンチ展とボッティチェリ展が混んでいて、ラファエロ展とミケランジェロ展が空いていたのは、そのまま彼らの日本での人気度の反映なのだろうか。。
でも20時の閉館直前にもう一度最初の部屋に戻ってみると、さすがに殆ど人がいなくて。今度はゆっくりと『ラーマ家の東方三博士~』と向き合うことができました。その作品と自分だけになったような、こういう静けさと贅沢さがとても好き。
いや、正確には「『ラーマ家~』と私とロレンツォさんだけになったような」ですが・・・。
『ラーマ家~』を見ている私を斜め後ろから見ていたロレンツォ氏↓。ものすごい存在感を放っていらっしゃいました


ピエトロ・トッリジャーノ帰属《ロレンツォ・イル・マニーフィコの胸像》 1515-20年
「パッツィ家の陰謀」(1478年)で暗殺されかけるも一命をとりとめた直後に作られた蝋製等身大肖像に基づくものだそうです(でもコレは絶対に等身大よりデカイ)。
他に、「パッツィ家の陰謀」のメダル(1478年)というものも展示されていました。暗殺された弟ジュリアーノを記憶に留めるためにロレンツォが注文したもので、事件の様子が描かれています。



JNNさん、その絵、『アペレスの誹謗』とちゃうで・・・

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汚れの安定感

2016-04-08 21:20:38 | 日々いろいろ



ボッティチェリ展の感想が書けておりませんが(素晴らしかったです)、更新が滞り気味なので、少し前に同感だわ~と感じたヤマザキマリさんの呟きを。

嘘も不倫もない国がつまらないかどうかはわかりませんが、汚れのない国は住みにくい、というのはよくわかります。
人間の汚れを認めないキレイすぎる社会より、適度に汚れた社会の方が住みやすいのは当然ですし、自然だと思うのです。もともと人間というもの自体、そんなにキレイなものでも強いものでもないのですから。
ちょっとの汚れも許さない(しかもその汚れが世間に大した迷惑もかけていないにもかかわらず)、そんな社会は、結果的に誰にとっても窮屈で住みにくい社会なのではないかしら。
最近の日本は清潔すぎて、人や街がギスギスしている気がして仕方がありません。経済のせいだけならいいのですけど、それだけが理由じゃない気もするので心配

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