風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ @サントリーホール(11月9日)

2023-11-16 15:43:04 | クラシック音楽




モーツァルト:ピアノ協奏曲第17番 ト長調 K. 453
ヴィトマン:『コラール四重奏曲』(室内オーケストラのための)
モーツァルト:ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調 K. 482
モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番 より 第2楽章(アンコール)


先週も素晴らしかったけれど、この日のモーツァルトはもう言葉がない。。。

17番も22番もアンコールも、短調と長調が幾度も移り変わって、短調も長調も全てが美しくて、そして最後は長調で終わる。その様に、自分の人生の全てを赦してもらえているような、肯定してもらえているような、そんな風に感じられました。

22番は、こんな私にも、こんな生き方しかできない私にも、神さまはまだこんな美しいものを与えてくれるのか、と涙が出た。
今日の演奏会が人生最後になってもいい、むしろそうなってほしいと感じました。
7年前の25番でも全く同じことを感じたので、光子さんのモーツァルトに特にそう感じさせられるのだと思う。

アンコールのピアノソナタ10番2楽章は、7年前のアンコールでも弾いてくださった曲。
7年前には気づかなかったけれど、この曲、中間部分の短調のメロディが最後の最後で長調になって静かに再び現れて、曲が閉じるんですよね。聴いていて胸がいっぱいになりました。

一人で光子さんのモーツァルトと正面から向き合いながら、今夜は神さまが一人にしてくれたのだろうと感じました。
綺麗な心でありたいと感じました(なんのこっちゃ?ですよね。自分用の覚書です)。
神さまと光子さんとモーツァルトに心から感謝。

そして忘れちゃいけない、2曲目のヴィトマン
生の音響空間でしか体験できないと言い切れる、あの感覚。
葉掠れと風の感触を肌で感じた。
P席から見ると、真っ暗な客席に三角形に配置されたバンダのフルート、クラリネット、ファゴットが白いライトで浮かび上がって、それらの音がホールの空間に染み渡る音響効果が凄かったです。
しかも私の席はちょうどP席真ん中の最後列だったので、「私のために彼らが演奏してくれてる…!」効果も半端なかった笑

色々あった一日だったけど、最後は爽快な気分でホールを後にできました。
色々ふっきることもできた。
自分が音楽にどれほど助けられているかを改めて感じた夜でもありました。

※2日の感想はこちら



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内田光子 with マーラー・チェンバー・オーケストラ @サントリーホール(11月2日)

2023-11-16 15:42:40 | クラシック音楽



【11月2日】
モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K. 503
シェーンベルク:室内交響曲第1番 作品9
モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K. 595
クルターグ:遊戯 第3集 Play with Infinity(アンコール)


なかなか感想が追い付かない。。。。
今年の秋は演奏会を詰め込みすぎた。毎年同じことを反省してるけど、今年は異常。
来年はよーく考えよ。。。お財布的にも精神的にも体力的にも。

光子さんとマーラーチェンバーオーケストラの7年ぶりに来日公演、サントリーの2日とも行ってきました。
まずは、2日の感想から。

【モーツァルト:ピアノ協奏曲第25番 ハ長調 K. 503】
もちろん素晴らしかったのだけれど、「いまこの瞬間に死んでしまいたい…!」と感じた7年前のときほどの感銘は受けなかったかな

【シェーンベルク:室内交響曲第1番 作品9】
指揮なしの立奏。
かっこよかった
7年前もそうだったけど、このオケはこういう演奏が素晴らしいですよね。
自由で、どこか官能的な音。
こういう言い方はしたくないけれど、日本のオケにこの空気感を出すのは難しいだろうな、と今回も感じました。

【モーツァルト:ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K. 595】
今回はこの27番が素晴らしかった。
モーツァルトが書いた最後のピアノソナタ。
それが光子さんのピュアな音色で余すところなく表現されていて、心に響きました。

【クルターグ:遊戯 第3集 Play with Infinity(アンコール)】
これが思わぬ拾い物というか、とても新鮮で印象的でした。
クルターグという作曲家の名前自体初めて知ったのだけれど(まだご存命のピアニストなんですね)、30秒程度の曲ともいえない曲なのに、最初の一音から一瞬でその世界に入ってしまった。
時間の感覚がなくなるような、一瞬と永遠が繋がっているような響きの連なり…。
後から「Play with Infinity」という曲と知り、感じたそのままの曲名であることに驚きました。
たった数十秒でそれを表現してしまう作曲家と、それをあの広いホールで一瞬で現出させてしまう光子さん。
光子さんが現代曲とあんなに相性がいいことも、驚きでした。
あの響き、今も耳に残っています。

※11月9日の感想はこちら



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