風薫る道

Who never feels lonely at all under this endless sky...?

Never mind! なイギリス

2008-08-23 23:20:44 | 倫敦うるるん滞在記



なんでもNever mind!
そんな困ったこの国が結構好きになってしまったかもしれない今日この頃。

1)湖水地方ニアソーリー村にて
朝の散歩でエスウェイト湖へ向う途中、ピーターラビットそっくりのウサギをみつけた友達と私。B&Bに帰ってオーナーのおじちゃんに興奮して報告すると、「この辺にはたくさんいるよ。あれ、シチューにするとすごくうまいんだよ!」とニコニコ。え、殺しちゃうの?!「銃で撃つのさ~」。……へぇ……。


2)Keighley→Haworthの保存鉄道内にて①
まっ白い頭髪とまっ白い長ーい髭を生やした、世界の車窓からまんまの制服を着たおじいちゃんの車掌さん。
むっつりした顔で、「切符を拝見します」。
私(カメラ片手に)「あ、はい、これ」と切符を見せる。
車掌さん、ちょいちょいと手招き。一緒に写真に写ってあげよう、という意思表示らしい。
「あ、じゃあ」と友達にカメラを渡し、立ち上がって隣に並ぶと、今度は「切符はここ」と切符切りの間にセットさせられる。私だけ笑顔でハイ、チーズ。
友達が「私も!」と言うと「あいたたたた。足が……」とかがみこむ車掌さん。まぁまぁそう言わずに~となだめて、パチリ。私&友達「ありがとうございます!」。しかし立ち去らない車掌さん。今度はこっちこっちと窓から外を見せようとする。シャッターチャンスがあるらしい。お、確かにきれいな景色が。パチッと写そうとすると「まだ!」と。あ、はい、すみません。「まだ、まだ、はい、いま!」パチッ。おお~、いい写真が撮れた。が、まだ立ち去らない車掌さん。他の客の切符の点検はいいのかい?と心配になる。するとぽつりと「となりはビュッフェカーなんだ。ビールが飲める」と一言。「へぇ~。あとで行ってみます!」と答えたのに、立ち去らない車掌さん。仕方がないからビュッフェカーに行ってみる。その間無言で荷物を見ていてくれる車掌さん。その後やっと他の客の切符の点検に向かったかと思ったら、下車したHaworthで動き出したホームから列車を見送っていると、ボックス席に座って客とお話ししてる姿が(笑)。おいおい、仕事はいいんかい。ちなみに、最初から最後まで一度も笑わずむっつり顔でした(笑)。


3)Keighley→Haworthの保存鉄道内にて②
車掌さんに勧められビュッフェカーへ向かった友達と私。
カウンターの奥にはやはり世界の車窓からに出てきそうなおじいちゃんと地元の知り合いっぽいおじいちゃん達が歓談中。友達が「cokeひとつ」と頼むと、ちょいちょいとカウンターの中に手招きするおじいちゃん。ビールを入れさせてくれて、飲ませてくれました。私が「この列車、どれくらい古いんですか?」と聞くと、「60年以上古いねー。昔はロンドン―エジンバラ間を走ってたんだよ。でも、もう古くなって引退して、こうして保存鉄道として走ってるのさ。車両もリタイアなら、乗ってるスタッフもallリタイアばかりさ」とおじいちゃんたち爆笑。そこへ反対側の線路にさらに古い型の列車がすれ違った。「あれに比べたら、この列車はまだまだBabyだね!」とまた爆笑。いいねぇ、こういうユーモアのあるおじいちゃんたち。


4)Haworthのパブ「Old White Lion」にて
夕食に向かった友達&私。まずはビールを頼もうとカウンターへ。ニアソーリーのパブ「Tower Bank Arms」で飲んだローカルビールHawksheadが大変美味だったので、ここでもローカルビールを探す。『Yorkshire BEST』と書かれたのがあったので「これ、ビールですか?」とカウンターのお兄ちゃんに聞いた途端、周りにいた地元のおじちゃん達が「それは最悪だ!やめておけ!」と大騒ぎ。「こっちにしなさい。これは美味い!」と別のビールを勧める。店員の前でそんなこと言っちゃっていいの?とカウンターのお兄ちゃんを見ると、彼もウンウンと頷いている。おいおい、そんなにまずいビールを自分のパブで出しちゃうのか(笑)。「そんなに不味いの?」と聞くと「最悪だ。トイレの水をジャーっと流したような味だ」と水を流すジェスチャーまでする客たち。「でもBESTって書いてあるんだけど…」と言うと、「BESTじゃない。あれはBEASTだ!」と大爆笑。あはは(^^;)。どんなに不味いのか興味があったけど、おとなしくおじちゃん達お勧めのビールにしておきました。


5)ロンドン郊外の八百屋にて
見たことのない珍しい果物が売っていたので、興味津々の私。黄色いのと赤いのがあって、どっちが食べごろなのかがわからない。そこで八百屋の中東系のお兄ちゃんに「黄色いのと赤いの、どっちが食べごろなの?」と聞いたところ、「わからない」と一言。え?とキョトンとしていると、「おれは、それを食べないんだ。それ、嫌いなんだ」と苦い顔。自分の店で売ってる野菜をそんな風に言っちゃうのね(笑)。後で調べたところ、どうやらサボテンの実だったらしい。味はおいしかったけど(スイカみたいな味)、種が多すぎてどこをどう食べればよいのやら、でした。


6)ロンドンのPicadilly circus駅にて
TUBEはこの手の話題に事欠かないけど(突然電車の行先が変わったり、駅の行先の電光掲示板に「行先は電車の車体を見て確認してください」と出たり、突然止まるべき駅をすっとばしてしまったり)、一番面白かったのはこれ。
ある日Picadilly circus駅からBakerloo lineに乗ろうとしていた私。しかし突然TUBEのスタッフがエスカレーターにテープを引き「Bakerloo lineは停止します。代替輸送をご利用ください!」と。またかよ…、今利用できる代替輸送ってどれよ…とTUBEのinformationのお姉ちゃんに「○○駅に行きたいんだけど、どうやって行けばいい?」と聞くと「Bakerloo lineに乗ればいいわよ」と笑顔。「え、そのBakeloo lineがサービス停止してるんでしょ?」と私が言うと、お姉ちゃん「ええ!本当!?」と仰天。「うん、あんたの所のスタッフがそこで案内してるよ」と私が教えてあげると、「やだ、私、前の人達にもBakeloo lineを案内しちゃったわ!」と。そして周りのスタッフ達に「Bakerloo lineがストップしてるって知ってる?」と聞くと周りも「ええっ!」状態。いや、だからあんたのところのスタッフがすぐそこでテープ貼ってるから……。結局「じゃあ、Paddington駅まで行きなさい。そこから北はBakeloo lineも動いてるから」と回答されたけど、信用できず「本当なのね?本当にPaddingtonより北は動いてるのね?」と確認すると「ちょっと待って…」と電話で確認し、「大丈夫よ!」と。
そして電車を乗り継ぎPaddingtonへ着いた私が目にしたものは、「Bakerloo line全線サービス停止していま~す!」の声…。結局バスで帰りました。夜10時過ぎてるのに……。


そんな困ったイギリス人達がどうにも憎めない今日この頃。
日本にいる頃はイギリス人ってもっと真面目なイメージがあったんだけどなぁ。なんか全然ちがったなぁ。
住まないとわからないこの国の不思議な味。
Never mind!な国、イギリス。
困ったことに結構好きかもしれない。

日本にもどったら逆カルチャーショックになりそうだ。

★写真:カーライル―リーズ間を結ぶセトル・カーライル鉄道の駅。明るすぎない赤とこのデザイン。すばらしきセンスの良さ。。。
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