ISOな日々の合間に

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コンサル功罪

2010年02月25日 | 審査・コンサル
コンサルタントが提供した仕組みから脱却できずに悩んでいる企業にしばしば遭遇する。

規格の用語が日常用語に読み替えてあり、マニュアルの構成も規格の構成とは異なり,如何にもトップダウン型にできている。各種の様式類も整い、目標設定や目標・実施計画の管理も提供された様式に記入すれば苦労なく、運用できるようになっている。それほど多くの苦労をせずにISO14001を導入し運用し始めることができる。

ISO14001とは、目標管理制度を構築し、PDCAを回しつつ、本業の業務効率や企業体質を図る中で環境負荷削減や環境貢献の向上を図ることができる優れた規格です。

EMSの成熟度が高まるにつれ、紙、ゴミ、電気に着目した取り組みが定着し、企業の日常的な本業の各種業務改善に関する目標管理や運用管理も、広く考えれば環境負荷削減に結びつくので、それらの課題もEMSと一体で管理する必要性が生じる。

企業は、確りした企業になればなるほど、ISO導入以前から、マネジメントシステムを持っており、それなりの目標管理制度を持っている。ところが、ISOの認証取得を自力でするには相当の時間と労力が必要になり、確たる自信もないので、コンサルタントを起用して仕組みを構築し、運用を始めている。

コンサルタントが、なまじ用語の読み替えをしたり、かっちりした仕組みを提供したがために、日常業務のPDCAをうまくEMSに取り込めなかったり、審査が近付くと急遽、別途資料を作る羽目になっている。

極端な例では、マニュアルの各章には要求事項に該当するような記述が一切なく、「何時、誰が、何々の文書と記録を作成する」といった記述になっていて、その際に使用する様式が示されている。確かに、その様式に記入してゆけば規格の要求を満たすことができる。

でも、このコンサル方式では、組織の自立を大幅に阻害している。本業の課題をEMSに繋ぐ際に、日常的に作成している文書や記録をどのように繋ぐとよいのか、どのような要素を追加すれば、規格の要求を満たすのか悩んでいる。

審査は、コンサルではない。種々アイデアを披露するが、この方法でやりなさいとは言えないところが悩ましい。なので、毎年、少しずつ成長してもらうことになる。それでも、6年も経てば本来業務の課題と環境目的・目標の重なりが大きくなり、日常業務の中で無理なくEMSが回るようになる。

写真は2010.02.22、19時半頃の大垣城のライトアップです。

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