以前に「スリーデイズ」という作品を見に行ったときにレビューを書きました。こちらが本家のフランス版です。ケーブルテレビで見ました。
「スリーデイズ」が134分の長丁場に比べて、本家がなんと96分というコンパクトさ。それもそのはず「スリーデイズ」のほうは、脱獄の計画がそりゃあもう綿密に描かれており、途中ちょっと退屈してしまったんですよねー。それに比べると脱獄の手順などはほぼ同じなんですが、こちらはあんまり細かいところまでは説明せず大まかに、でも夫ジュリアンヴァンサンランドンは無実の妻リザダイアンクルーガーを脱獄させるために綿密に計画を立ててますよという状況を説明しているという感じ。
「スリーデイズ」で描かれた冒頭の弟の恋人との口論というシーンはこちらにはありません。子供を一人もうけながら、帰宅途中のエレベーターの中でも激しく抱擁しあう夫婦の愛し合っている姿だけを映し、ちらっと妻のセリフでのちに殺される上司が嫌いという一言だけを言わせ、あとは無実の逮捕劇が展開されます。この辺の無駄な説明がないこちらのほうが冒頭入り込みやすい。
裁判の説明とかもこちらのほうがすっきり。子供を友達の親に預けたりとかいうまどろっこしいところも一切なく、ある意味フランスのフィルムノワール的な犯罪映画の雰囲気も漂わせつつなんですが、いかんせん素人犯罪なものでちょっとドン臭さも漂っています。
あと、「スリーデイズ」のエリザベスバンクスには申し訳ないんだけど、奥さんがダイアンクルーガーなもんでねぇ…そりゃあもう美しいわけですよ。そりゃああんな冴えない中年の教師なら全力で美人の奥さん助けたいやろうよ!って共感しちゃうわけですよ。一緒にいてやれずだんだん息子の心も離れていって、無実の罪で入れられた刑務所の生活に耐えられず自殺未遂しちゃうような奥さんなんだから一刻も早く脱獄させてやりたくなるわけですよ。
脱獄させてからの逃亡劇もだいたい似たような感じなんですが、ここもこちらのほうがスリムかな。車で国境超えたりEU内なら空港で違う国籍の人間が怪しまれにくいのはヨーロッパならではの感覚かなぁと思いました。アメリカ版ではスポーツ観戦の人たちの波に紛れて同じ応援シャツを着て警察をまくシーンがあり、それはアメリカ版のほうが技アリって感じでした。空港でタッチの差で手配のファックスが見られずに済むシーンはドキドキものでした。
ひとつ「スリーデイズ」のほうがいいなと思ったのは最後の奥さんが本当に無実の罪なんだということが分かるシーンですね。あそこはさすがポールハギスの脚本だなという感じがしました。
まぁ内容としてはほぼ同じなので、短いこちらのほうをオススメするかな。フランス語の映画を見ると退屈しちゃうという方はアメリカ版をどうぞ。
「映画」もいいけど「犬」も好き。という方はこちらもヨロシクです。我が家の犬日記「トラが3びき。+ぶち。」
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