ジュールスアンハサウェイはファッションサイトを運営するCEO。この度会社で社会貢献のためシニアインターンを雇うことになる。そこへ応募してきたのはベンロバートデニーロ。定年し、妻に先立たれ、毎日習い事などで暇をつぶしていたところにシニアインターンの募集を見つけ面接に来て採用される。
ジュールスは右腕の社員からシニアインターンのうち一人をCEO付の助手にするよう進言され、ベンを助手にする。最初はベンの存在を疎ましく感じていたジュールスだったが、徐々にベンの人柄に打ち解けていく。
このベンというおじいちゃんがもうなんて言うか完璧過ぎ。誠実で優しくて優秀でそれでいて冗談も分かる。いくら歳を重ねてるからってこんな良い人滅多にいないよ。若い人とのギャップも素直に受け入れて勉強しようとするし、アドバイスはくれるけど押しつけがましい説教はしたりしない。いつも温かい笑顔でこんな人がいたら絶対にお友達になりたい。それをあのロバートデニーロが演じるんだからね~。マフィアのボスやサイコ殺人鬼、凄腕の刑事を演じてきたデニーロ。もちろん普通のお父さんの役やコメディにも出てるから怖い役ばっかりじゃないけど、このベンはデニーロ史上最高に良い人の役じゃないかな。
古いタイプの紳士ベンのキャラクターがとても素敵で、若い男性社員に「常にハンカチは持ち歩け。泣いている女性に貸すために」なぁんて何時代?みたいなことを言っちゃうんだけど、それが現代女性には新鮮で逆にキュンと来るのかもしれませんね。
一方のアンハサウェイは絵に描いたような優等生ちゃん。大きな瞳が可愛らしくて笑顔が素敵で味方してあげたくなるんだけどねーーーー。これが、ハサヘイターと一時期アメリカで流行した“アンハサウェイを嫌う人たち”を生んだ一因なのかなーと思ったりもしました。ハサヘイターの人たちはとにかく彼女はわざとらしいとかジョークが寒いとかそういうことで彼女を嫌っていたみたいなんだけど、要するに優等生過ぎるのかなーと。
この作品の彼女もハサヘイターの人たちにはもう我慢ならない役どころかも。だってジュールスはできたCEOで、旦那さんは彼女の仕事のために専業主夫になってくれて可愛い娘がいて、落ち込んだときはベンが慰めてくれて、旦那が浮気してざまぁみろと思ったらすぐに心から反省して戻って来てくれるんだから。ま、彼女のことが嫌いなら見るべきではないですね。
とにかく何もかもうまく行き過ぎじゃないの?と思えるところはあるものの、デニーロもアンも魅力的で楽しかった。
ジュールスが母親の悪口メールを間違って母親に送ってしまったときに、ベンと他若い3人の社員で母親の家まで行ってPCからメールを削除するシーンはさすがにちょっとやり過ぎだと思ったけど、ベンと若い社員たちの交流などで笑える会話がたくさんあって楽しいし、ジュールスが抱える働く母親としてのフラストレーションや夫婦の危機にはちょっとほろっときたりもしました。
ベンのアドバイスのおかげで自分の行くべき道を見出すことができたジュールスが、「私のインターンで親友よ」と言うシーンがとても良かったのに、「変な関係になることはないわ」と言わせたのは非常に余計なひとことだと思いました。ベンにはちゃんと恋人レネルッソがいたし、そうでなくとも一度もジュールスのことを変な目で見たり変な態度をしたことなどなかったのに、その彼にそんなことを言うなんて失礼じゃないの?と感じて嫌な気持ちになった。最後の最後にあのセリフさえなかったら満点作品だったのだけどな。
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