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まずドゥニヴィルヌーヴが監督するSF映画ってことで一筋縄ではいかんだろうなぁと思いつつ事前情報は何も入れずに見に行きました。
突如地球上に現れた12個のUFO。12の都市の空中に浮かんでいるだけで特に何もしてこない。アメリカ軍のウェバー大佐フォレストウィティカーは言語学者のルイーズバンクスエイミーアダムスと物理学者のイアンドネリージェレミーレナーに助言を求める。
UFOに近づき話しかけるルイーズ。軍の方針と違うやり方に反対を受けるが、彼女は自分のやり方を貫き通す。ともすればすぐに好戦的に陥ってしまう軍チームの中において彼女は平和的に宇宙人(足が7本なので「ヘプタポッド」と呼んだ。外見は巨大なイカ)に接して、彼らの言語を解読しようとしていた。
ルイーズはどうやら一人娘を病気で亡くしたらしく、時折そのフラッシュバックに苦しんでいる(ように観客には始めのほうでは思える)
SF映画って、ドンパチのアクションものか哲学的に走るかどちらかが多いと思うのですが、ドゥニヴィルヌーヴが監督なのだから後者だろうと考えていた。果たしてこの作品も哲学的な結末に向かって、キーワードとなるような言葉や会話がちりばめられている。ワタクシは元々「言語」というものに興味があるからなおさら面白かった。
「言語」という概念と「時間」という概念を交差させることによって起こる新しい概念を地球人に与えるというヘプタポッドはその代わりに3000年後に自分たちを助けてほしいと言う。3000年後???未来が分かるの?と言うルイーズだったが、、、
これねー、退屈な人はめっちゃ退屈かも。なんか意味分からん!みたいなとこあるし。ワタクシはある種の緊張感を持って見ることができて概念的にも面白いなと感じたので楽しめましたが、内容をすべて理解しているかと言われたらちょっと自信はありません。
SFなのでやはりどうしても突っ込みどころはあると思います。ルイーズは言語学の世界では第一人者ということでしたけど、12都市それぞれでも謎を解く人たちはいたわけで、全部の都市で同時期に正解にたどり着いたのかなぁと思うし、時間が一方向に進んでいるのではないというヘプタポッドたちの概念を理解したのは結局ルイーズだけだったのかということとか、疑問点はいくつか残っています。
それでも、哲学的に走っているほうのSF映画の中ではとてもよくできた内容だと思うし、それをつまびらかにしていく過程も適度な緊張感があって良かったと思います。
娘の人生が見えていてもそれでも娘を授かりたいと言うルイーズには単純にじーんと来ました。珍しくあんまり存在感のないジェイミーレナーでしたが、実は非常に重要な役だったということが分かって、どうしてこの役を彼が演じたのかということも分かりました。
すべてのオチが分かった上でもう一度伏線などを見つけながら見たいなと思わせる作品です。
オマケ原題は「Arrival」でそのまんまで良いと思うのですが、どうしてわざわざ「メッセージ」なんて別のカタカナ語にしたのかなぁ。
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