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音痴なのにカーネギーホールでコンサートをしたフローレンスフォスタージェンキンスメリルストリープのお話。お話自体も面白そうだったのですが、ワタクシの目当てはメリルでもフローレンスの夫シンクレアを演じたヒューグラントでもなく、ピアノ伴走者コズメマクムーンを演じたサイモンヘルバーグでした。あまり日本では知られていないと思うのですが、「ビッグバンセオリー」というドラマで活躍を見せている役者さんです。「ビッグバンセオリー」では頭は良いんだけど、マザコンでオタクのちょっと気持ち悪いエンジニアを演じている彼ですが、今回は小さい時から習っていたピアノの腕前を見せてくれるとのことで楽しみにしていました。サイモンヘルバーグは脇役としてすごく光っていて主役の2人の次に重要な物語の要ともなる役で、ゴールデングローブ賞助演男優賞にノミネートされたことが先日発表されましたね。
そして、もちろん、いつものごとくメリルストリープは素晴らしかった。これまで映画の中で歌うメリルを見たことがある方ならお分かりかと思いますが、彼女は歌が上手です。そんな彼女が音痴の役を演じるのは逆に難しかったんじゃないかなと思いますが、彼女のことですから、その辺りはもう何の問題もないのでしょう。そして、歌うシーン以外でもマダムフローレンスのキャラクターを存分にワタクシたち観客によおく分かるように演じてくれる。
そのマダムフローレンスを支える夫にヒューグラント。え?ちょっと若過ぎない?と思ったんですが、実際フローレンスより7歳年下の旦那さんだったそうです。メリルとヒューは11歳差なので、ちょっと若過ぎない?という感覚はおかしくはなかったんでしょうけど、老けメイクで見ている分には特に違和感はありませんでした。ヒューのキャラクター的にこのシンクレアという男性にとてもよく合っていたと思います。
このマダムフローレンスという人は父親からの財産を引き継いでニューヨークの社交界で有名だった人のようで、そのおかげで批評を書くライターを夫が買収したりとか、小さいリサイタルの時はフローレンスをヨイショするような(彼女の歌を聞いても笑わない)客ばかりを集めたりとかできたんですよね。結局はカーネギーホールのコンサートだってお金持ちだからできたわけで…その辺りがちょっとなんだかなと思わずにはいられなかったけど、マダムフローレンスの人柄を考えるとそんなに彼女のことを悪く言う人もいなかったっぽいですけどね。(それすらもお金持ちだったからか?と勘ぐることもできるんですが)
マダムフローレンスが自分が音痴だと気付かないようにシンクレアが一所懸命にあらゆるところに手を回すのだけど、それって本当に彼女にとって幸せなこと?真実を知ったほうが良いのでは?と思ったりもしたんだけど、マダムフローレンスにとってはどうだったのかなぁ。実際彼女が実は気付いているのかどうかってところがよく分からなかった。シンクレアにしても最初の結婚で夫に初夜に梅毒うつされていつ死んでもおかしくない状態のマダムフローレンスに夢を見させてあげたいという気持ちがあったから、あそこまでのことをしてあげたのかもしれません。
マダムフローレンスが梅毒で夫婦関係を持てないことからシンクレアには公認の愛人・キャサリンレベッカファーガソンがいたことに関してはそれぞれ賛否あると思うのだけど、マダムフローレンスもこればっかりは仕方ないと思って諦めていたのでしょうね。2人が住むマンションのお金もマダムフローレンスが支払っていたようだし、、、要するにシンクレアはヒモ的な人だったのだろうけど、それでもやっぱりマダムフローレンスにはかけがえのない人だったのでしょうね。
愛人キャサリンを演じたレベッカファーガソンてキレイな人だなぁと思ったら、こないだ「ガールオンザトレイン」で見たばかりだった。あの時は金髪だったので気付きませんでした。
なんだか色々ともやっとする部分のある作品ではあったのですが、メリルとヒューの絶妙な演技を見られたことはとても良かったと思います。
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