シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

ミリオンダラーアーム

2017-08-22 | シネマ ま行

落ち目のスポーツエージェント・JBバーンスタインジョンハムが流行のタレントショーよろしくインドのクリケット選手をメジャーリーガーにスカウトするという企画を思いつき、インドで「ミリオンダラーアーム」という番組を制作し、優勝者をメジャーのテストを受けさせようと奮闘する物語。これが実話だというのだからすごい。

インドに渡ったバーンスタインはアメリカとは事情が違い遅々として進まない仕事に翻弄されながらもなんとか「ミリオンダラーアーム」を成功させようと駆けずり回る。同行したベテランスカウト・レイアランアーキンは寝てばかりだが、選手が投げる球の音だけで球速を言い当てる名人だった。アランアーキンは最近こういういわゆるおいしい役が多いなぁ。

果たしてリンクシンスラージシャルマとディネシュパテルマデュルミッタルが選ばれアメリカへ。インドの貧しい村を離れ言葉も分からずアメリカで大きなカルチャーショックを受ける2人。バーンスタインは野球のことはコーチビルパクストンに任せっきりで、新しい契約に夢中になったりして全然リンクとディネシュの面倒を見ない。生活面でもインドで雇った通訳のアミトピトバッシュに任せきりだ。コーチ役のビルパクストンは地味な役でしたが、ユニークな指導法をする人らしく野球好きのワタクシとしてはちょっと彼にも興味が湧きました。

2人のことを商売道具としてしか見ていないバーンスタインにはっきりと最低だと言い放ったのは、ちょっといい感じになり始めていた間借り人のブレンダレイクベルだけだった。ブレンダはバーンスタインの知らない間にリンクとディネシュと仲良くなっていた。

ブレンダに叱られたことで目を覚ましたバーンスタインはきちんとリンクとディネシュの面倒を見ることを誓う。それからは野球の面でも生活の面でも2人は安定し始め、実際にメジャーのテストを受けるというところまで行きつくことができたのだが、緊張し過ぎで初めてのテストは大失敗に終わるのだった。

バーンスタインがインドに行ったときのカルチャーショックとリンクとディネシュがアメリカに来たときのカルチャーショックがうまく対比されて描かれている。リンクとディネシュは小さな村から来た素朴な青年たちで、とても可愛らしく愛おしい存在だ。あんな右も左も分からない若い子を自分の都合でインドからアメリカに連れてきてほったらかしにするなんてバーンスタインにはとても腹が立ったのだけど、ブレンダがはっきり怒ってくれたのですっきりした。

バーンスタインが心を入れ替えてからは、アメリカ映画お得意の楽しい場面をダイジェストで見せていくシーン。これがねー、あぁパターンだなぁと感じつつも好きなんですよ、ワタクシ。

最終的にもう一度テストを受けることができ、(ここでレイがひと肌脱いでくれました。アランアーキンが前半だけで終わるわけないと思っていたらまたまたおいしいところをさらっていきました)2人とも合格してピッツバーグパイレーツに入団したんですね。ディズニーが映画化した話だからロサンゼルスエンジェルズに入団したのかと思っていたのですが違いました。入団後は残念ながらあまり活躍はしていないみたいなんですが、それでもやっぱりインド人初のメジャーリーガーになったというのはすごいことだし、そのきっかけを作ったバーンスタインもただ仕事のためとは言えすごいですよね。

最後に本物の彼らが登場して、ちゃんと本物のブレンダもそこにいたのでびっくりしました。ミリオンダラーアームという企画はインドの青年の人生だけでなくバーンスタインの人生も大きく変えたようですね。

エピソードなどはどれくらいフィクションか分かりませんが、とても楽しめる実話の映画化でした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿