シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

チェ 28歳の革命

2009-01-22 | シネマ た行
この後に「チェ 39歳別れの手紙」の公開が控えていて、それを見てからしかこの「28歳の革命」の真の評価はできないのかもしれませんが、とりあえず、現時点でのレビューをUPします。

まず、チェゲバラについて、何も知らない人がこの作品を見るのはかなり厳しいものがあると思います。この作品は彼についての多少の知識があるという前提で語られています。だからといってねぇ…東邦さん、映画の前にチェゲバラについての説明とか入れるのってどうですかねー?あれって、この作品の製作者側からの指示なの?それとも、東邦さんが勝手にやってること?なんかさ、テレビじゃないんやからさ、映画って、それを見に行くために下調べしようとか、別に必要ないなとか、そういうこと自分で判断した上で見に行くもんやと思うんですよね。もちろん、最初に多少の説明を入れたらそれは親切なことやと思うけど、製作者側がそれを必要だと感じるなら、それは作品の中で語られるべきやし、配給会社が気を回してやるようなことではないと思う。

と言っても東邦さんの説明を聞いてもぜんぜんゲバラについては分からないと思うので、知らない人は多少調べてから行ったほうがいいかも。

ワタクシ、スティーブンソダーバーグはそんなに好きな監督ではないのでね、あんまり期待しすぎるとあかんなと思って行きました。映画としてはどうですかね。ワタクシとしてはもうちょっとチェゲバラの内面に迫って欲しかったところがありました。1955年カストロと出会って、彼に共感し、彼とともにキューバ革命を成し遂げていく様子と、1964年にアメリカの国連本部に訪れたゲバラが交互に描写されますが、実際にあったことを見せるという感じで、ゲバラの人となりに特に強く触れるという感じではなく、彼の言動を通して見ることができるといった感じでしょうか。彼が自分自身の信念を強く貫いた人だということは分かりました。ちょっとゲリラ戦に割く時間が長すぎるような気はしますね。もうちょっとカストロとの対話とか、民衆側の反応とかを見たかった気がします。これでは、チェの部隊を密着取材しましたって感じが強すぎるなぁと。

カストロとゲバラはキューバを救うために武装蜂起した。この革命はアメリカの傀儡政権を倒すため、弾圧される民衆を救うためのものだった。この「武装蜂起」というものに対しては、複雑な思いを抱かずにはいられないな。カストロもチェゲバラも偉大な人だったことには変わりないんだろうけどね、彼らを偉大な人だと賞賛するなら、いま現在アラブ諸国で起こっているイスラム原理主義者たちの戦いは何なんだろう?と思えてきた。もちろん、一般市民を巻き込むテロというものには断固反対していかなければならないけど、アメリカの傀儡政権や経済的な支配を追い出したいという気持ちはカストロやゲバラと何も違わないんじゃないかという気がするんだけどな。ゲバラ自身も言っていたように、あの革命の成功がもう少し遅かったら、アメリカが軍事介入していたかもしれない。アメリカの軍事介入があったら、それこそいまのアラブ諸国と同じようなことになっていたんじゃないのかな。それともその2つには何か根本的に違うものがあって、ワタクシが無知で知らないだけなのかな?

少し映画から話が逸れました。映画的には先に言ったように、ちょっと物足りなさは感じた。「チェ 39歳別れの手紙」でもう少し評価が上がるといいのだけど。


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