シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

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帝銀事件 死刑囚

2017-08-25 | シネマ た行

ケーブルテレビで見ました。1964年の作品です。戦後間もない1948年に起きた帝銀事件という有名な事件をドキュメンタリータッチで描いています。

1948年東京の帝国銀行に役所から来たという男が近所で赤痢が出て、そのうちの一人がこの銀行を訪れていたため、予防のために行員全員に薬を飲んでもらうと言い、その場にいた16人に毒薬を飲ませ、うち12名が死亡、行員たちが苦しんでいる間に男は現金と小切手を奪って逃走した。

苦しみもだえながらもなんとか銀行の外に出た行員がいたため事件が発覚するが、すでに犯人は姿をくらましていた。

生き残った人たちの証言から作成した似顔絵と犯人が銀行で渡した名刺を持っていたことがあった平沢という人物が捕まるが、生存者たちは彼が犯人とは言い切れないとした。しかし、警察は平沢を犯人と決め付け連日の拷問のような取り調べで自白を強要し、平沢は裁判で死刑が確定してしまう。

この事件を追っていた新聞記者たちが毒物の特殊性や飲ませ方の専門性などから元731部隊の関与を疑うが、当時日本を統治していたGHQによって731部隊について調べることを禁じられてしまう。

冤罪事件の例に漏れず、警察は証拠を捏造し、自分たちが作り上げた事件のストーリーに沿うように平沢に自白を強要していく。自殺未遂をするほど精神的に追い詰められた平沢は自白するしかなくなっていく。

1948年当時のことだから現在とは事情が違うことが沢山あって、知ってはいてもやはり驚く。事件現場や病院で新聞記者が大量に押し寄せズカズカと好き勝手に動き回っているし、いったん犯人が捕まったということが分かると犯人を輸送する電車の車両にまで押し寄せるし、沿道では一般の人たちも犯人を人目見ようとものすごい群衆が押し寄せている。現代のテレビで犯人逮捕のニュースの後ろでピースをしている学生が不謹慎とか袋叩きに遭うことがあるけど、昔の日本じゃそんなの比べ物にならないくらいの野次馬根性っぷりだ。

新聞記者や刑事たちもいつでもどこでもタバコをぷかぷかやっていたり、夏場はもちろんエアコンなどないから会社に氷柱を買っていてそこに布巾をたくさん乗せておいて外から帰った人が涼を取っているのなんてものすごく時代を感じる。あぁ、昔はそうやって涼んでいたのか。新聞記者たちが料亭みたいなところで会議をしているときはみんなほぼ下着姿だった。さすがに社内ではちゃんとスーツを着ていたけど。

まぁそんな時代背景を映画的に楽しみつつも、平沢さんが辿った運命は悲しすぎる。娘さんも日本にいられなくなってアメリカに移住したようだし。この作品は平沢さんは冤罪であるという立場に立って作られていて、映画の最後では昔の日本の制度ではこんなことも起こったという表現をしていたけど、この映画で語られている時代背景は変わっても、警察や検察の犯人を決めつける姿勢は現在も何も変わっていない。この事件にはやはりおそらく731部隊が絡んでいたのだろうと考えざるを得ないし、GHQからの圧力もあったのだろうけど、だからと言って平沢さんを犯人に仕立て上げた言い訳にはならない。

白黒の古い映画ですが、あ、この役者さん昔よく見たなぁという方たちもたくさん登場しますのでそういう点でもオススメします。


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