シネマ日記

超映画オタクによるオタク的になり過ぎないシネマ日記。基本的にネタバレありですのでご注意ください。

テンペスト

2014-08-06 | シネマ た行

シェイクスピアの最後の作品を映画化。舞台版の演出経験のあるジュリーテイモアが監督を務め、主人公を女性に変更してアレンジしている。ジュリーテイモアってなかなかにユニークな世界観を持った監督さんですね。

12年前実の弟アントーニオクリスクーパーの陰謀によりミラノ大公の座を奪われ追放されたプロスペローヘレンミレンは美しく成長した娘ミランダフェリシティージョーンズと共に流された島で暮らしていた。そこへやってきたナポリ王アロンゾーデイヴィッドストラザーンの一行。その船には弟アントーニオや王子ファーディナンドリーヴカーニーも乗っていて、プロスペローは妖精のエアリアルベンウィショーを使ってその船を難破させる。

一行は小さなグループで離ればなれになり島をさまよう。王子ファーディナンドは一人ではぐれ、プロスペローの思惑通り、娘ミランダと出会い恋に落ちる。プロスペローはファーディナンドに試練を与えそれを乗り越えたファーディナンドはミランダとの結婚を許される。

王のグループはアントーニオが王の弟セバスチャンアランカミングをそそのかして王を暗殺しのし上がろうと企む。

プロスペローの奴隷キャリバンサイモンフンスーに出会った王の家来トリンキュローラッセルブランドとステファノアルフレッドモリナは、キャリバンにそそのかされてプロスペローを殺しに向かう。

プロスペロー自身も島流しにされて以来魔術を学び魔法が使えるようなのですが、王たち一行を色々と操っているのは、プロスペローに恩義がある妖精のエアリアル。ワタクシ、ベンウィショーはあまり好きな役者さんじゃないんですが、このエアリアルという役は彼にピッタリで健気にプロスペローに尽くすエアリアルに何か悪い事が起こらないかとひやひやしながら見ました。プロスペローのほうも家来のようにエアリアルを扱ってはいるものの最後に約束をきちんと守って彼を自由にしてやったのでほっとしました。

物語もセリフ回しもザ・シェイクスピアで、シェイクスピアが苦手な方は全然面白くもなんともない話ということになってしまうと思いますが、ワタクシはシェイクスピアが好きなので楽しめました。セリフ回しで言えばヘレンミレン、アルフレッドモリナ、デイヴィッドストラザーンが特に良かったと思うのですが、クリスクーパーは全然シェイクスピア劇のイメージがなかったのですが、意外にはまっていて良かったな。アランカミングは道化のトリンキュロー役でも面白かったかなぁと思います。

大好きな役者さんヘレンミレンがめちゃくちゃカッコいいんだけど、彼女が着ている衣装がまたねー。この時代にはありえないジッパーを多用した衣装なんですけど、超カッコ良くて。と思ったらアカデミー賞衣装デザイン賞ノミネートされてたんですね。手がけたのはサンディパウエルという3度アカデミー賞衣装デザイン賞を受賞している人ですね。どうりで。彼女が手掛けたかどうかは分かりませんがキャリバンの容姿も独特で魅力的でした。

まぁ色々とごちゃごちゃあった上で大団円。というシェイクスピアのパターン。これは喜劇に分類されるんでしょうね。ファンタジーちょいシリアスコメディーといったところかな。

シェイクスピアってどうしても難しいっていうイメージがあると思うんですが、このブログでも多分何度も書いていると思いますが、当時のイギリスではシェイクスピアと言えば大衆演劇のスーパースター。いまの日本で言う三谷幸喜とか蜷川幸雄とかそういう人みたいなもんで、(この例えが正しいかは分かりませんが)全然難解とかそういうことではなかったのです。だからあんまりアレルギーを感じないで見て頂きたいなぁと思います。



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