今回の旅もスイーツはてんこ盛りです。
疲れた体に貴重なエネルギー源ですし、グルメよりもお手軽に楽しめる利点があります。
なかなか狙ったものが単品売りをしていなかったりと思うようにはいかないのが玉に瑕ではありますが、このスイーツ狩りは止められそうにもありません。
この佐賀、長崎にも美味しいスイーツに巡り会えて、ちょっと幸せな気分に浸っています。
まずは丸ぼうろです。
佐賀の銘菓とは知らなかったのですが、代表的な菓子のようで駅前に大きな看板が出ていました。
このパサパサ感は正直なところあまり好きではないのですが、何だか懐かしい味がします。
一般的にはたまごボーロの方が名が通っているように思いますが、やはり丸ぼうろが一番です。
切り羊羹も佐賀の銘菓で、小城羊羹とも呼ばれているようです。
表面を砂糖の小さな粒が覆っているのが特徴的で、噛むとシャリシャリ感があります。
しかし中身はもっちりとしていて不思議な感触で、このあたりは好き嫌いが分かれそうな気がしますが、自分はちょっと苦手でした。
上品な甘みではあるもののその甘みがやや濃すぎるかなと、もっと疲れているときであればはまったかもしれません。
鹿島ではシンボルであろう鹿島城の赤門を冠としたお菓子が二品、まずは赤門萬寿です。
三種類の味があったのですが選んだのは抹茶で、ごく普通の饅頭なのですが甘みとほのかな渋みがマッチして美味しかったです。
つぶつぶな歯ごたえがあったのですが正体が分からず、そこだけがモヤモヤとしています。
もう一品は赤門サブレで、しかしこちらは普通のサブレではありません。
どちらかと言えば焼き菓子のような感じで、もなかの中にサブレが入っているような不思議なお菓子です。
表面にはスライスをしたアーモンドが乗っていて、香ばしさと歯ごたえのハーモニーが見事でした。
鶴屋は創業400年を越える老舗で、佐賀では代表的なお菓子屋さんです。
お菓子屋さんと呼ぶのが申し訳ないぐらいで、そしてまずは鶴まんです。
オーソドックスな白あんを使った饅頭ですが、日本茶と合わせればもう最強でしょう。
小判はその形からそう名付けられたのでしょうが、こしあんをくるんだ焼き菓子です。
感触としてはパイ生地のような歯ごたえで、これも日本茶によく合います。
見た目はかなり甘そうなのですが実際は控えめで、小ぶりですので二三個は軽くいけてしまうでしょう。
肥前ケシアドは不思議なネーミングですが、Quesiadoは英語というわけではなさそうです。
どうやらポルトガルの銘菓の「ケイジャーダ」が由来のようです。
カボチャあんは初めての体験で、ほのかにチーズの味がしたのは気のせいかもしれません。
かなり面白い味わいで、リピータがかなり多いとのことです。
こちらは甘夏ソフトクリームで、名護屋の桃山天下市で売っていたものです。
甘夏が名護屋の名産かどうかは知りませんが、あまりの暑さに思わず手が出てしまいました。
ソフトクリームではありますがどちらかと言えばシャーベットで、なめらかさではなく氷の粒が入っている爽のような舌触りです。
ほどよい酸味が甘みを引き立てて、疲れた体に心地よかったです。
唐津では曳山せんべいです。
唐津くんちの曳山が焼き印をされている、いわゆる瓦せんべいです。
見てのとおりの巨大さで、瓦せんべいが好きな自分にはたまらない食べごたえでした。
平戸では楠ドーナツで、おそらくは別に銘菓でも何でもないのでしょうが、これがかなり美味しかったです。
揚げていないドーナツで焼き菓子なのでしょうが、甘みを抑えたレモンクリームがふんわりとしたドーナツ生地にアクセントになっています。
それなりのボリュームがあったのですがあっという間に食べきってしまい、もう一個を食べたい誘惑を抑えるのが大変でした。

松浦資料博物館の閑雲亭では、抹茶と烏羽玉をいただきました。
トップの写真がその閑雲亭で、門外漢の自分には全く分からない世界ではあるのですが、鎮信流の抹茶だそうです。
烏羽玉は平戸の銘菓で、黒胡麻の入ったこしあんを求肥でくるんだもので、その周りを和三盆糖がこれでもかというぐらいにまぶしてあります。
それでいて甘すぎず上品な味わいで、抹茶との相性も抜群でした。
平戸城のおみやげで平戸城のものが無いことを嘆いていたら、教えていただいたのがこの平戸城もなかです。
あんが美味しいと地元でも評判とのことで、きめ細かなあんがその評判どおりに美味しかったです。
見た目は甘そうなのですが実際はさほどに甘くはなく、かじるのが申し訳ない城の形もいい感じでした。
カスドースは平戸の郷土菓子ですが、これは大ハズレでした。
カステラを揚げて、表面を卵黄とグラニュー糖でかなり固めにくるんだようなお菓子です。
とにかく甘い、甘過ぎで、砂糖の甘さしか感じなかったのが正直なところで、昔は甘いものが貴重だったでしょうからこのぐらいの甘さに意味があったのかもしれませんがいくら何でもやり過ぎかなと、あまり大きなものではありませんが二個を食べきる自信はありません。
牛蒡餅も平戸の郷土菓子です。
見た目が牛蒡に似ていることから名付けられたそうで、牛蒡は使われていません。
色の違いは使われている砂糖の違いですが、どちらもさほど変わらずに無味無臭で粘り気のある歯触りはお年寄りには厳しいでしょう。

島原ではかんざらしです。
白玉がシロップの中に入っていて、抹茶白玉は当たりだそうです。
もちもちとした白玉とシロップの組み合わせは素朴ではありますが、何だかホッとするような味わいでした。
五島の石田城もなかで、不思議な体験をさせてもらいました。
もなからしいパリパリ感とは無縁の、言うなれば濡れもなかといった感じです。
表面のザラメのようなものがかなり甘く、歳をとったからでしょうがすっかりと甘過ぎには耐性が落ちていますので、かなり厳しかったです。
八匹雷は五島の銘菓で、知らない人がいないぐらいに有名だそうです。
言うなればきな粉餅なのですが、串に刺さっているのは珍しいかもしれません。
天皇皇后両陛下への献上菓子にもなっているそうで、ちなみに「はっちかんかん」と読みます。
かんころ餅も五島の名物のようですが、これにはかなり悪戦苦闘でした。
買ったはいいものの食べようとしても切り口が見つからず、仕方がないのでお店の人にハサミを借りようとしたら「食べるのですか?」と怪訝な表情で、どうやらこのままではかなり固くて普通は温めて食べるのが一般的だそうです。
それでも食べたかったので店に並んでいるものの中で一番に柔らかい、それでもかなり固かったのですが、それと替えてもらって食べてみました。
原料はさつまいもらしいのですが、きちんとした食べ方をしていないので味の評価は保留とします。
グルメかスイーツかを迷ったのですが、とりあえずスイーツの扱いにした長崎ハトシロールです。
アジのすり身を食パンでくるんで揚げたものですが、見た目では分かりません。
外皮がしっかりとした春巻きのような感じで、パンのさくさく感と中身のふわっとしたアジのバランスが絶妙で、これはファーストフードとしては秀逸だと思います。
こちらも迷ったのですが饅頭であればスイーツだろうと、そんな角煮まんじゅうです。
ただ饅頭と言うよりは角煮バーガーといった感じで、それなりのお値段ではありましたが、ボリュームのある角煮に大満足です。
豚バラ肉がじっくりと煮込まれていて、それでいて柔らかく、その旨みがもっちりとした皮に包まれています。
そろそろお腹がいっぱいになったときに食べたのですが、そんなことが気にならないぐらいにペロペロっと食べてしまいました。
最後は定番の長崎カステラです。
良くも悪くもただのカステラではあるのですが、長崎で食べることに意味があります。
一個でいいのにと思った二個入りのカステラは、しかしあっさりと腹の中に吸い込まれていきました。
さすがに今回は運動量に比してカロリーが高かったようで、珍しくも体重が増えてしまった西九州の旅です。
【2012年9月 佐賀、長崎の旅】
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仕上げの西九州 史跡巡り篇 名護屋、唐津の巻
仕上げの西九州 史跡巡り篇 平戸の巻
仕上げの西九州 史跡巡り篇 島原、大村の巻
仕上げの西九州 史跡巡り篇 五島の巻
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仕上げの西九州 おみやげ篇