電脳筆写『 心超臨界 』

人間の行動はその人の考えを表す最高の解説者
( ジョン・ロック )

人間通 《 草葉の蔭――谷沢永一 》

2024-10-06 | 03-自己・信念・努力
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日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。

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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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集団における紛擾(ふんじょう)の殆(ほとん)どすべては人間問題に発する。組織に属する人間が日夜を通じて最も関心を寄せているのは人事であり、それが不本意におこなわれたとき泣いて怒って怨(うら)んで憎む。そのとき人事を立案する者が、自分は既に亡(な)き数に入って此(こ)の世に居(お)らず、草葉の蔭から最も妥当な人事を念じているのだと思い定めればよいのである。


◆草葉の蔭(かげ)

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p72 )

会社にせよ病院にせよ人間の小集団が円滑に運営されるためには誰かひとりでよいから我慢する者が必要である。誰も彼もが我れが我れがと出しゃばり競争すれば組織の歯車が廻らなくなって運行が停止し滅茶滅茶になる。幸か不幸か人間の社会は全員が栄えて皆が満足して得意になれるようには出来ていないようだ。我(が)を捨てた者がひとりだけ控えておればあらゆる揉(も)め事の起きる割合が著しく減るのである。集団における紛擾(ふんじょう)の殆(ほとん)どすべては人間問題に発する。組織に属する人間が日夜を通じて最も関心を寄せているのは人事であり、それが不本意におこなわれたとき泣いて怒って怨(うら)んで憎む。そのとき人事を立案する者が、自分は既に亡(な)き数に入って此(こ)の世に居(お)らず、草葉の蔭から最も妥当な人事を念じているのだと思い定めればよいのである。

あらゆる人事が各方面に不平の声を呼び起こす原因は、第一に、まず自分に可能な限り優位な席(ポスト)を確保し、第二に、自分の将来に役立つ使える我が党の徒(ともがら)を出来るだけ有利な地位(ポジション)に配置する、以上の二原則に固執する我意(エゴイズム)である。これではあちらこちら至る所に利害の衝突を生み、不平不満が噴出するのも当り前である。内紛の発生は我慾(がよく)から、と昔から相場が決まっているのである。世を清らかに平らかに穏やかに進行させる措置が、究極の政治意慾の顕現(あらわれ)なのだと突き詰めて考えるなら、政治意慾の実現に達する最もの近道は、我慾の消去であると悟るであろう。これもまた深く生き甲斐(がい)を覚える境地なのである。
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