電脳筆写『 心超臨界 』

人生最大の目的は人の役に立つこと
それがだめでも少なくとも人を傷つけてはならない
( ダライ・ラマ )

こころのチキンスープ 《 クリスマスの使者――レイチェル・ダイヤー・モントロス 》

2024-10-10 | 06-愛・家族・幸福
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これを聞いて、私は自分が恥ずかしくなった。私はクリスマスの夜に一人ぼっちのわが身を憐れんでいた。でも、クラレンス・マクドナルドという名の天の使者が、こうして私のもとにつかわされ、一人ぼっちとはどういうことか、本当の孤独とはどんなものかを教えてくれている。私の胸は痛んだ。


◆クリスマスの使者

『こころのチキンスープ 7』
( ジャック・キャンフィールド他、ダイヤモンド社、p4 )

去年のクリスマスは、とてもつらかった。家族も親友も、はるか遠い故郷のフロリダにいた。私は一人、寒いカリフォルニアで働き続け、体調もくずしていた。

私の職場は、航空会社のチケットカウンター。その日はクリスマス・イブ。私は昼夜のダブルシフトぶっとおしで勤務していたが、夜も9時をまわり、内心みじめでならなかった。当番のスタッフは2、3人いたものの、乗客の姿はまばらだった。

「つぎのお客さま、どうぞ」カウンターごしに声をかけると、柔和な顔をした老人が杖をついて立っているのが見えた。老人はそろりそろりとカウンターまで歩いてくると、聞きとれないほどの小声でニューオリンズまで行きたいと言った。

「今夜は、もうそっちへ行く便がありません。明日までお待ちいただくことになりますが」と言うと、その老人はとても不安げな顔になった。

「予約はしてあるのですか」「いつ出発のご予定だったのですか」などと聞いてみたが、聞けば聞くほどいよいよ困った様子で、ひたすら「ニューオリンズに行けって言われたから」と繰り返すばかり。

そのうち、いつくかのことがわかってきた。老人はクリスマス・イブだというのに、義理の妹に「身内のいるニューオリンズに行きなさい」と車に乗せられ、この空港の前で降ろされたらしい。彼女は老人に現金をいくらか持たせ、「中へ行ってこれで切符を買いなさい」と言って立ち去ったのだ。

私が「明日もういちど来ていただけますか」と聞くと、「妹はもう帰ってしまったし、今晩泊まる所もない。このまま、ここで待つことにします」と言った。

これを聞いて、私は自分が恥ずかしくなった。私はクリスマスの夜に一人ぼっちのわが身を憐れんでいた。でも、クラレンス・マクドナルドという名の天の使者が、こうして私のもとにつかわされ、一人ぼっちとはどういうことか、本当の孤独とはどんなものかを教えてくれている。私の胸は痛んだ。

私はただちに「ご安心ください。万事うまくやってあげますからね」と彼に伝え、顧客サービス係に明朝一番の便を予約してもらった。航空運賃も年金受給者用の特別割引にし、差額は旅費の足しにしてあげることができた。一方、老人はくたびれ果てて立っているのもつらそうだ。「だいじょうぶですか」とカウンターの向こうに回ってみると、片脚に包帯を巻いている。こんな脚で、衣類をぎっしりつめこんだ買い物袋を下げて、ずっと立ちつくしていたのだ。

私は車椅子を手配し、みんなで老人をその車椅子に座らせたが、見ると脚の包帯に少し血がにじんでいる。「痛いですか」と聞くと、老人は「心臓のバイパス手術をしたばかりでね。そのために必要な動脈を脚からとったんだよ」

なんということだ! 老人は心臓のバイパス手術を受けたばかりの身体で、ニューオリンズ行きの切符を買えと路上に放り出されたのだ。付き添いもなく、たった一人で!

こんな状況に出くわしたのは初めてだった。何をしてあげたらいいのだろう。私は上司の部屋に行き、どこかに老人を泊めてあげてほしいと相談した。上司はすぐさま、ホテル一泊の宿泊券と、夕食と朝食の食事券を出してくれた。カウンターにもどった私は、ポーターにチップをわたして、「この方を階下までお連れして、シャトルバスに乗せてあげて」とたのんだ。

車椅子の彼のうえに身をかがめて、ホテルのこと、食事のこと、旅の段取りをいまいちど説明しながら、彼の腕をとんとんと叩いて励ました。「すべてうまくいきますからね」

いざ出ていく段になると、老人は「ありがとう」と頭を下げて、泣きだした。私ももらい泣きしてしまった。あとになって、上司の部屋に礼を言いに戻ると、彼女はほほ笑んで言った。

「いいわねえ、こういう話。その人は、あなたのためにやってきたクリスマスの使者だったのよ」

     レイチェル・ダイヤー・モントロス
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