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電脳筆写『 心超臨界 』

強みは物理的な能力がもたらすものではない
それは不屈の信念がもたらすものである
( マハトマ・ガンディー )

人間通 《 運――谷沢永一 》

2025-03-27 | 04-歴史・文化・社会
20年に及ぶブログ活動の集大成 → <a href=https://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/3d8eb22fad45ce7b19d6a60e8a70b7e7" target="_blank">★仏様の指
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いつの時代にも人材はころがっている筈なのに、真価を発揮できる機会が訪れてくれぬ場合が多い。英傑が英傑たりうるのは時代が求めて招(よ)び寄せたからである。この間の機微はもはや運というしかない。世の流れは人間を公平に扱うものではないと観念すべきである。そのうえでかりそめにも高望みせぬよう自戒し、己れと時代との接点がどこにあるかを沈思するしかない。


◆運

『人間通』
( 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p56 )

世界の歴史を見わたせば、波瀾(はらん)のない時代には英雄が現れていない。鼓腹撃壌(こふくげきじょう)という空想的な憧(あこが)れ言葉がある。古代伝説の代表的聖天子である帝堯(ぎょう)の時代。老人が腹鼓(はらつづみ)を打ち足で地面を踏み鳴らして拍子を取り、気儘(きまま)に歌って楽しんでいたという光景、すなわち平和で安楽な生活の象徴である。それほど結構な時代には、帝堯のほかに有能な政治家が現われる必要がない。傑出した指導者が求められるのは不幸な時代である。家貧シクシテ孝子顕(アラ)ハレ世乱レテ忠臣ヲ識(シ)ル、と言い伝える。平和の世にも忠臣はいる筈(はず)なのだが、なにも事件が起らないから、壮烈な忠節を尽くす機会がないので、誰が正味のところ忠臣なのか人の目に見えない。ここぞという正念場で見事な振舞いを示す出番がないのだから、誰にも認められず評判が立たない。潜在的な忠臣が鳴かず飛ばずの一生を送る。

いつの時代にも人材はころがっている筈なのに、真価を発揮できる機会が訪れてくれぬ場合が多い。英傑が英傑たりうるのは時代が求めて招(よ)び寄せたからである。この間の機微はもはや運というしかない。世の流れは人間を公平に扱うものではないと観念すべきである。そのうえでかりそめにも高望みせぬよう自戒し、己れと時代との接点がどこにあるかを沈思するしかない。大きな仕事ができる時間ではなくとも、当面の課題に磨きをかけて味わいを醸(かも)しだす気配りは可能であろう。幸か不幸か現代はいつどのような変化にさらされるか判(わか)らぬ不安定な過渡期ではないか。
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