電脳筆写『 心超臨界 』

本は鏡のようなもの
愚か者がのぞきこんで天使が顔を出すわけがない
( ショーペンハウエル )

環境に対する意識と行動のギャップを縮める――養老孟司

2024-07-29 | 09-生物・生命・自然
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
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持続可能な社会への道筋を探るフォーラム「サステナブル・ジャパン2005――ライフスタイルをエコデザインしよう」(朝日新聞社主催)が5月25日、東京の有楽町朝日ホールで開催されました。きょうは、フォーラムで養老孟司教授の行なった基調講演について学んでみたいと思います。フォーラムのテーマは、環境に対する意識と行動のギャップをどうやって縮めるか。

私たちの世界は二つあるといいます。一つは感覚から入る世界、五感から入る世界。もう一つは頭の中の世界、概念の世界。身体は自然に属するけれど、心は自然ではなく意識です。養老先生は、環境保護を頭で考えてみても大体ろくなことにならない。環境保護を正しく実践しようと思うならば、まず体を使うことだ、と主張します。


◆環境に対する意識と行動のギャップを縮める

基調講演「頭でなく体で『考える』」 東大名誉教授 養老孟司氏
( 2005.06.18 日経新聞(朝刊))

世界で一番よく持続した社会はどこだろう。江戸時代の日本は環境的持続可能な社会をつくっていて、基本的には自給自足に近い形で相当数の人口を支えた。貧乏だったのは生産力が低いからで、逆に言うとシステムが持続可能だった。

昔、ギネスブックに世界で一番古い歴史のわかった家族が出ていて、それは日本の天皇家だった。日本が社会の単位としてどういう形で持続可能にしてきたかというと、実は「家」だ。世界で一番サステイナブルな社会をつくろうとしてきたのは日本ではないか。

ただ、江戸時代が終わって100年以上たち、そろそろぼろぼろになってきた感じがある。社会システムは一朝一夕につくれない。2千年近くかかってつくってきた社会を何とかサステインしていくしかない。だからシステムのどこを補強してやるかが一つの課題だ。

こういうことを考えるときに必ず二つの面があり一つはいま述べた社会の面、もう一つは自然の面だ。私どもの世界は二つある。一つは感覚から入る世界、五感から入る世界だ。もう一つは頭の中の世界、概念の世界。身体は自然に属するが心は自然でなく意識だ。

人間はこの意識の世界に入っているから、私は体を使わせようと思って、「参勤交代」を提案した。都会の人は1年に一定期間、田舎へ行って働けと。無理やりひと月の有給休暇をとらせて、棚田の整備とか杉林の間伐とか、田舎の人に指導してもらい、レクリエーションでやる。

会社で偉くなった人は、休みに喜んでゴルフに行っている。あんなにカネを使って、大の男が小さなボールを道具でぶんなぐっている。杉林の間伐とか田んぼの手入れの方が、ルールがもう少し複雑だから、よほどおもしろいはずだ。

環境保護派は頭で考えて、「これが正しい」と言う。だが、頭で考えたことは大体ろくなことはない。それを知るためには何をすればいいかというと、からだを使うことだ。
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