電脳筆写『心超臨界』へようこそ!
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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世の中でいちばん大切なものは家族と愛
( ジョン・ウッドン )
The most important thing in the world is family and love.
( John Wooden )
◆《 奨励賞 》「 心にカレーライス 」 土居由雅 16歳(学生)和歌山県
第24回「香・大賞」入賞作品
香老舗 松栄堂
( 10・03・17日経新聞(夕刊))
「もう何回も聞いたよ!」
ある日の夕方、私はおばあちゃんに向かって怒鳴っていた。原因はおばあちゃんの何度も同じ話を繰り返すくせ。最初はしぶしぶと話を聞いていたが、にこにこと楽しそうに話すおばあちゃんが急にうっとうしくなり、つい嫌な言葉をぶつけてしまったのだ。私の口から飛び出した一言を聞いたおばあちゃんは今まで開いていた花がしぼんだように、しゅんとして黙ったまま部屋から出て行った。
「何回も同じ話ばかりするからだ」と私は変な意地を張ったまま、しばらく部屋に閉じこもっていたが、おばあちゃんが一瞬見せた悲しそうな顔を思い出すと、嫌な態度をとってしまったことへの後悔の気持ちが大きくなった。毎回何度も繰り返して私に色んな話を言い聞かせるおばあちゃん。確かにこの日だけでなく、以前にもうっとうしいという気持ちを感じたことはあった。しかし、冷静になって考えると、私はおばあちゃんの良い所を悪い所だと勝手に決めつけていたのだ。そう思うと急に意地を張っていた自分が恥ずかしくなり、いつもお世話になっているおばあちゃんに申し訳ない気持ちで一杯になった。
閉じこもっていた部屋からそっと出ると、おばあちゃんが夕飯の支度を始めているのが見えた。まな板と包丁を見つめる目は、まだ悲しそうである。私はゆっくりと近付いて「ごめんね」と一言声をかけた。本当はもっときちんと謝りたかったが、照れくさくてうまく言葉にできなかった。おばあちゃんはそんな私を見て、にこりと笑った。
「今夜はカレーライスだよ」
私に対しての返事はなかったが、その一言だけで心が温かくなった。そして今まで以上におばあちゃんの話をゆっくり聞いてあげたくなった。良い所を伸ばしてあげたくなった。「じゃあ食べながら、もう一度同じ話最初から聞かせてね」
辺りはカレーの香りでいっぱいだった。
日本の歴史、伝統、文化を正しく学び次世代へつなぎたいと願っています。
20年間で約9千の記事を収めたブログは私の「人生ノート」になりました。
そのノートから少しずつ反芻学習することを日課にしています。
生涯学習にお付き合いいただき、ありがとうございます。
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東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう!
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
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■緊急拡散宜しく『日本を崩壊へ導く「選択制夫婦別姓」問題』
■『小樽龍宮神社「土方歳三慰霊祭祭文」全文
◆村上春樹著『騎士団長殺し』の〈南京城内民間人の死者数40万人は間違いで「34人」だった〉
■超拡散『移民受入れを推進した安倍晋三総理の妄言』
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世の中でいちばん大切なものは家族と愛
( ジョン・ウッドン )
The most important thing in the world is family and love.
( John Wooden )
◆《 奨励賞 》「 心にカレーライス 」 土居由雅 16歳(学生)和歌山県
第24回「香・大賞」入賞作品
香老舗 松栄堂
( 10・03・17日経新聞(夕刊))
「もう何回も聞いたよ!」
ある日の夕方、私はおばあちゃんに向かって怒鳴っていた。原因はおばあちゃんの何度も同じ話を繰り返すくせ。最初はしぶしぶと話を聞いていたが、にこにこと楽しそうに話すおばあちゃんが急にうっとうしくなり、つい嫌な言葉をぶつけてしまったのだ。私の口から飛び出した一言を聞いたおばあちゃんは今まで開いていた花がしぼんだように、しゅんとして黙ったまま部屋から出て行った。
「何回も同じ話ばかりするからだ」と私は変な意地を張ったまま、しばらく部屋に閉じこもっていたが、おばあちゃんが一瞬見せた悲しそうな顔を思い出すと、嫌な態度をとってしまったことへの後悔の気持ちが大きくなった。毎回何度も繰り返して私に色んな話を言い聞かせるおばあちゃん。確かにこの日だけでなく、以前にもうっとうしいという気持ちを感じたことはあった。しかし、冷静になって考えると、私はおばあちゃんの良い所を悪い所だと勝手に決めつけていたのだ。そう思うと急に意地を張っていた自分が恥ずかしくなり、いつもお世話になっているおばあちゃんに申し訳ない気持ちで一杯になった。
閉じこもっていた部屋からそっと出ると、おばあちゃんが夕飯の支度を始めているのが見えた。まな板と包丁を見つめる目は、まだ悲しそうである。私はゆっくりと近付いて「ごめんね」と一言声をかけた。本当はもっときちんと謝りたかったが、照れくさくてうまく言葉にできなかった。おばあちゃんはそんな私を見て、にこりと笑った。
「今夜はカレーライスだよ」
私に対しての返事はなかったが、その一言だけで心が温かくなった。そして今まで以上におばあちゃんの話をゆっくり聞いてあげたくなった。良い所を伸ばしてあげたくなった。「じゃあ食べながら、もう一度同じ話最初から聞かせてね」
辺りはカレーの香りでいっぱいだった。