電脳筆写『 心超臨界 』

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( マルクス・トゥッリウス・キケロ )

流出した土壌をとり戻すには6000年という歳月がかかる――丸元淑生

2024-07-07 | 09-生物・生命・自然
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なだらかな起伏のつづくコーン・ベルト地帯の美しさは、まったくの絵空事になりつつある。というのも、コーン・ベルトと名づけられたほどの肥沃な土地が、いまや危機に瀕しているのだ。土壌学者によれば、トウモロコシ1ブッシェル(35.24リットル)の収穫につき、1ブッシェル半の表土が雨で押し流されてしまい、さらに半ブッシェルが風にのって吹き飛ばされてしまう。アイオワ特有のプレーリーの芝土の下に2フィート(60センチ)もあった表土層が、いまではその半分しか残っていない。


◆流出した土壌をとり戻すには6000年という歳月がかかる

『何を食べるべきか―栄養学は警告する』
( 丸元淑生、講談社 (1999/1/1)、p70 )

なだらかな起伏のつづくコーン・ベルト地帯の美しさは、まったくの絵空事になりつつある。というのも、コーン・ベルトと名づけられたほどの肥沃な土地が、いまや危機に瀕しているのだ。土壌学者によれば、トウモロコシ1ブッシェル(35.24リットル)の収穫につき、1ブッシェル半の表土が雨で押し流されてしまい、さらに半ブッシェルが風にのって吹き飛ばされてしまう。アイオワ特有のプレーリーの芝土の下に2フィート(60センチ)もあった表土層が、いまではその半分しか残っていない。農業は“再生可能な資源”であって、石油、ウラニウム、そして鉄といった資源を使い果たしてしまっても、まだ農業を営む土地はそのまま存在すると思ってきた。しかし、これは誤っている。今日における機械化の波は、森林資源、漁業資源、そして原油ばかりでなく、保全されるべき土壌までもあやうくしてきているのだ。

そうクレーマーは書いている。当時のアイオワ州の管理当局は、丘陵地で表土が1エーカーにつき年間3トン――110ブッシェル――失われていくと推定していた。その膨大な肥沃な表土の流出に対しては、農民は化学肥料の大量投入で対応するしかない。化学肥料を投入しながらトウモロコシの連作を強行し、丘陵の斜面の土壌流出の最も激しい場所で、「かつては夢想だにされなかったこと」だが、牧草地を耕作地に変えてまで、トウモロコシを植えるようになっていた。そうしないと競争に負ける、つまり生き残れないからである。

20年後のいまその問題を考えるならば、アイオワの農民はむろんのこと、世界中の知的な人間の多くが、農業における広域の競争はなされるべきでないと主張するに違いない。しかし、流出した表土はもう戻らない。そして、単純に計算しても、流出した30センチの土壌をとり戻すには、6000年という歳月がかかるのだ。
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