人間通 《 決まり文句――谷沢永一 》

20年に及ぶブログ活動の集大成 → ＜a href＝https://blog.goo.ne.jp/chorinkai/e/3d8eb22fad45ce7b19d6a60e8a70b7e7" target="_blank">★仏様の指
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
東京裁判史観の虚妄を打ち砕き誇りある日本を取り戻そう！
そう願う心が臨界質量を超えるとき、思いは実現する
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
■超拡散記事『十倉経団連の「選択的夫婦別姓」は戸籍廃止を目論む中国政府の意向』【「水間条項」国益最前線ブログ】
■国内外に拡散宜しく『安倍晋三ファン必見10連発動画』
■超拡散記事『上限の無い特定技能外国人(移民)に認めるバス運転手・鉄道運転手に貴方の命を預けられますか!』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━


流れるように果てしなく語られ続けるテレビの常套(じょうとう)語を、その瞬間瞬間ごとに自分の流儀に則する語法へ置き直してゆく精神活動など、人間業(わざ)の為(な)し得るところではない。即席食品ばかり次から次へと口にねじこまれているのと同じである。更にテレビの特徴はありふれた言葉を何回も何回も重ねて繰り返して平気な驚くべき無神経である。テレビは人の言語感覚を型に嵌(は)めこみ鈍くさせ、脳裡(のうり)に浮かぶ言葉の数と幅とも狭めるのである。


◆決まり文句

『人間通』
（ 谷沢永一、新潮社 (2002/05)、p91 ）

現代の主な情報源は、テレビ、新聞、週刊誌、の順である。新聞には勿論(もちろん)スポーツ紙を含む。いずれも速報性を主眼とする。当然のことテレビが突出して先駆(さきが)けの功を誇っている。そのため朝刊の記事からは新鮮味が失われ、いわんや夕刊は存亡の危機に立たされている。とにもかくにも拙速を旨(むね)とするテレビが報道の王座を占めることになった。そのテレビだって或(あ)る程度は原稿に基づくとはいうものの、時間に追われて材料の並べ方を配慮するのに精一杯であろう。最も適切な言葉を探してじっくり思案している閑(ひま)など与えられていない。勢いのおもむくところ、ありきたりの決まり文句を連ねて間に合わせの語法に頼る。テレビに対抗してもっと突っ込んだ言い現わし方を模索すべき新聞にも、今のところ目立った工夫はうかがえない。ともに競いあって、急げや急げやとばかり言葉を粗雑に扱っている。

使われる言葉が無神経で粗雑に流れたら、受けとる側の感じ方と考え方もまた決まり文句に押し流され型通りの平板におちいるのは自然の傾向である。流れるように果てしなく語られ続けるテレビの常套(じょうとう)語を、その瞬間瞬間ごとに自分の流儀に則する語法へ置き直してゆく精神活動など、人間業(わざ)の為(な)し得るところではない。即席食品ばかり次から次へと口にねじこまれているのと同じである。更にテレビの特徴はありふれた言葉を何回も何回も重ねて繰り返して平気な驚くべき無神経である。テレビは人の言語感覚を型に嵌(は)めこみ鈍くさせ、脳裡(のうり)に浮かぶ言葉の数と幅とも狭めるのである。