司法書士のオシゴト

会社にかかわる登記を中心に素朴なギモンにお答えします♪ 

新株予約権 その1

2009年05月19日 | 株式・新株予約権
新株予約権の登記というのは、発行のときに適当にやってしまうと、行使できなかったりします。後々パンチが効いてくるというのは珍しいのですが、これは種類株式も同じです。

例えば、株式分割をしたときの調整式をはじめから決議しておかないと大変なことになります。どういうことかというと、新株予約権1個あたりの目的となる株式数が当初1株、行使価格を5万円とした場合、1:2の株式分割をしたとしましょう。通常は、目的となる株式数を分割比率で調整して、さらに、行使価額は1株当たりの価格×目的となる株式数とし、1株当たりの価格は分割比率で調整するということにします。このような調整を行わないと、1個1株という設定を変更できないので、分割した1株の価格が2万5千円になっているのに、新株予約権1個の行使をする際、5万円のお金を払い込んで1株しかもらえないというヘンなことになってしまいます。
(IPOを目指している会社が発行することが多いので、株式分割の場合の調整は必須と言えます。)

実は以前、既に新株予約権を発行(5~6回分)していた会社から、発行内容が正しいかどうかの確認とこれから発行する際のアドバイスを受けたいというご依頼がありました。
遠方(地方)の会社だったので、どうも、法務局も司法書士さんも慣れていなかったようで、メチャメチャ(失礼)な登記がされていました。結局、更正登記、抹消登記などを織り交ぜて、何とかきれいにしましたが、ナカナカに大変な作業でした。

普通は、登記するのに法務局が書類の内容を確認するので、そう簡単にはいかないのですが、新株予約権に関しては、ボリュームがあったりするせいなのか、スルリと登記されてしまうことも多いようなのです。さらに普通は登記できれば一安心ですが、新株予約権はストックオプション目的で発行する会社がほとんどですので、税制適格になっているかどうか、行使する際に問題が出ないかどうかを慎重に確認してから登記しないといけません。

新株予約権は、隠れた論点がいくつかありますので、オイオイお話していきたいと思います。
コメント (5)
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