「ひとり日和」
このたび、芥川賞をもらった小説です。
駅の売店に
「文藝春秋 ひとり日和 掲載」
みたいなポスターが貼ってあるのを見て、気づいたら手にとって買っていました。
最近の世の中、
マスコミ、宣伝、テレビ、、、、なんていうか、そんなものにみんなが振り回されているような感じがして、
「芥川賞!!!石原慎太郎も絶賛!」
とか言われていて、
「だまされないぞぉぉぉぉ」
と、密かに抵抗しようと思っていたのですが。。。思わず。。。です。
三連休最後の日、東京から会津若松までチープなバスに4時間乗って帰ります。
バスが発車するまで時間があったので、その芥川賞受賞作を読み始める。
バスで本なんか読んでいたら車酔いしちゃうんじゃないか。。。と思っていた私。
気がつけば、最初の休憩地、佐野SA。
。。。。「全然、車酔いしない。それどころか、もー着いちゃったよぉ」(びっくり☆!)
そんな風になってしまうくらい「ひとり日和」は素敵な作品。
読み終わった後に、生きていることを肯定したくなる、
生きていることが気持ちのいいことに思えてくる作品だと思いました。
71歳のおばあちゃんとその遠い親戚の女の子の話なんだけど、
歳をとったら、こんな風になりたいなぁ、
こんな風になれるように生きたいなぁ
って思う。
小説の始めの頃は、その主人公の女の子は、そのおばあさんを不気味だと感じているのだけど、なんだろう、特にきっかけはないのだけれど、それが素敵だなと思っているようになる。
その主人公の気持ちに素直にのっている私でした。
それにしても、青山七恵さん。若干23歳でこんなことを考えているなんてどんな青春を送ったのだろう。。。?
23歳のとき、私、こんなこと、これっぽっちも思わなかった。
よーやく今になってわかってきたこと。
それが じゅうさん才年下の子が表現している!小説という形で。
この小説は、
生きることに疑問を持っている人、後ろ向きになりがちな人
が読んだら、
励みになるんじゃないかなぁ、解決の糸口が見つかるんじゃないかなぁ
と思ったけれど、
そういう人、、、そんな状態になってしまっている人は、
本は読めないんだよね。。。読む気になれない。。。。
斯くいう私が数年前、そんな状態だったから。
そんな危うさを持ちながら、生きていかなくてはならない生き物が人間。
だから、小説があるのかな?
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