バースくんの今日も発車オーライ♪

小さな町の広告代理店。働く「バースくん」の日々のおしゃべり

昭和20年8月13日

2016年04月01日 | Weblog
さて先日また別の話、として取って置いた話。野球中継が終わってラジオのチャンネルを回したら、聞こえてきたのは朗読だった。
永井荷風の「断腸亭日乗」の昭和20年8月13日の章を読んでいた。それがなんと荷風本人が読んでいる。もうびっくり!!一瞬にして頭の中でいろんな疑問が同時発生をしてちょっとしたパニックに。えーっ荷風って女の人のところに入り浸ってる食えない若い大学の先生だったっけ?!何か火事があった人だよね…。えっ昭和20年の日記っていつまで生きた人?明治とか大正の人ぢゃなかったっけ?!わっそれも8月13日、終戦2日前!!うん?!朗読まあまあ上手ぢゃないか、ふむふむさすが昔の小説家の状況描写は見事だぁー、日の出前の夏の朝、駅できっぷを買う姿がありありと目に浮かぶ、それにしても本人の肉声で自作朗読なんていう音源が存在するんだと、光の7倍と言われる思考速度で考えていた。
一節終わって解説が入る。これは当時暮らしていた岡山で、やはり岡山の勝山に疎開していた谷崎潤一郎を訪ねる日の朝の様子だというのだ。こうして汽車に乗って谷崎を訪ねたら、谷崎は牛肉をたっぷり用意して歓待してくれたという。そして翌々日帰って終戦を知ることになるわけだが、その帰りの汽車の中で食べるようにと、あまった牛肉を甘辛く煮たものを弁当に持たせてくれたというのだ。
バースくんは好きなんだなぁー、こういう日常や楽屋裏の話。ミーハー趣味はもちろんだけど、こういう話を聞くと俄然その人物が自分の中で立ち上がってくる感じが大好きなのだ。ボクの中のその人に血が流れるという感じ。
思わずあとでいくつで亡くなられたのか調べてしまいましたとさ。昭和34年4月30日、胃潰瘍の吐血による窒息死なんだそうだ。享年79歳。わーっまたまたびっくり。ボクが生まれてから亡くなってるんだ。そんな遠い過去の人ではないのだ。時間の不思議。
傑作だったのはその番組の続き。今度はその訪ねた谷崎が「細雪」を朗読した音源。これが…、小学校3年生の出来の悪い男の子が、国語の時間に教科書の音読をさせられているというふう、お腹を抱えて笑った!!鳥取のイベント情報サイト ジャングルズームノマップ鳥取