世の中、まちがってる、根拠なき反日キャンペーン。

相も変わらず根拠なき反日キャンペーンで、国をまとめようとする輩が存在する。

続続・次世代エコカー・本命は?(98)

2017-08-18 00:00:00 | Weblog

まあトヨタがまずやらなければならないことは、高性能な電気自動車を売り出すことではないのかな、と小生には思われるのであるが、かの書籍では次の2点の対応策が考えられると記述されている。

第一には、持ち駒の「高付加価値化」を図ることである。

高付加価値化とは、現在のポルシェやフェラーリ、ベンツなどの高級車のように「ラクジュアリー車」への特化を図ることである。ラクジュアリー車やプレミアム車に特化して、徹底的にわがままな顧客に対応してカスタマイズしてゆくことである。但しこの方法は、顧客が限定されしかも欧州老舗ブランドとの真っ向勝負となるので、とても勝ち目はなかろう。

第二には、あまりピンとこないが「超オペレーションエクセレンス化」を図る、と言うものである。

これは台湾の電子機器製造受託メーカーのフォックスコン社のビジネスモデルのように、複数の他のカーメーカーから製造を受託すると言うものである。コスト競争力を持ち高品質を維持できる製造能力を持っていれば、こんなビジネスモデルもあながち不可能とは言えないだろう、と言っている。

この製造受託については、小生にはあまりピンとこないが、切羽詰まればこんな手もあると言う事なのかなあ。

何れも何かの作り話のような感じがしないでもないが、ZEVとSAVの世の中になれば、こうでもしないと生き残れないと言う事なのであろう。それほど革命的ななのである。だから「モビリティ革命」と言うのかも知れない。


第三には、いっそのことクルマを使った「移動要求にオールマイティに合致するサービスを提供するビジネスを作り上げてゆくことではないのか、と言っている。

これを「モビリティー・ソリューション・プロバイダー」と、かの書籍は呼んでいる。

先程言及しておいたCO2の排出が最も少ない移動経路(方法)の提案・実行とか、交通事故を未然に防ぐ移動経路(方法)などの提案の実行などは、組織化されれば一つのビジネスとして成り立つかもしれない。

最も莫大な電力を必要とする高性能なAIはホストコンピューターに任せて、それらのネットワークにクルマをうまく繋げてあればよいので、ここでも「コネクティッド」は重要な要素である。まあそれにしても相当なエネルギーを消費する訳なので、ZEV化やSAV化に際しては、高性能なバッテリーが必須となることであろう。とするとまだまだ先は長い様な気もするが。

わがままな顧客の「移動」の要求を、その移動の目的・性質に応じて、「モビリティー・ソリューション・プロバイダー」が、その計画をプログラミングしてくれるのである。当然自動運転車の配車、パーキング、公共交通機関との乗り継ぎ、目的地での行動の段取りなどの全てを、顧客にうまく提案してくれることになろう。

当然クルマに乗車中にはビジネス上の必要な情報は、逐次表示されることになるし、その間にはコマーシャルなども取り入れられることになろう。場合によっては旅行業の免許も必要になるかもしれない。

とまあ、移動・運搬にまつわるあらゆるサービスを総合的にプログラミングするような、ビジネスモデルなのではないのかな。ここで述べたイメージは、どちらかと言うとカーメーカーの川下を取り込んで、サービスを提供してゆくようなイメージではあるが、突拍子もない複合的なサービスが生まれないとも限らない。

そんなビジネスをも取り込んでゆかないと、トヨタなどのカーメーカーは生き残れない状況がやってこないとも限らないのだ。

2030年代になると、きっとモビリティ状況は、このように一変していることであろう。この変化の内容がどんなものか、どのように企業を導いてゆくか、経営者は寝る暇もないほど大変なのであろう。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(97)

2017-08-16 00:00:00 | Weblog

このZEVやSAVに代表されるモビリティ革命は、現代の社会にどのような変革をもたらすことになるのか、興味は尽きない。と言っても短期間に社会が変化するわけではないのであるが、次のような形の変化は今でも想像ができる。

かの本は、次のように述べている。

第一に、地球温暖化問題」への対応が最重要課題であるために、自動車産業は最優先課題としてZEVを普及させなければならないことになる。それと同時に再生可能エネルギーでの電動化が進展しなければならないことになる。

何と言ってもこのまま自動車がCO2を排出してゆくと、2050年頃には地球の気温は上昇し続けて元に戻ることが出来なくなってしまう事態に遭遇することになる、と言う。だからZEV化は待ったなしなのである。

第二に、自動運転が日常化し、更にライドシェアが普及すれば、路上を走るクルマはかなり少なくなり且つ道路交通は安全となろう。そのため「交通渋滞」や「交通事故」は、限りなく減少することになる。このようにSAV化も、社会に対して多大な影響を与えることになる。

第三に、ロボットタクシー」が走り出せば、交通インフラは不足している地域での公共交通機関の代替機能を果たすことが出来るようになろう。

第四に、高齢化・過疎化」に対する移動手段の解決策の提供となり得るのではないか。

第五に、ZEVやSAVの進展は、当然のこととして、「資源の無駄遣い」を防ぐことになる。クルマの個人所有の無駄から、シェアリングエコノミーへの変換は、大量生産大量消費の無駄を無くすことになり、地球環境にやさしい形態となろう。


モビリティ革命」の結果、社会にはこのような影響と言うかインパクトが与えられることになるのであるが、自動車産業に対しては、もっと厳しい影響がもたらされるので構える必要がある、とかの本は分析している。


2030年を想定すると、

(1) 乗用車メーカーの営業利益は半減する。

HV車はZEV車ではないが、これを含み、PHVやEV・FCVなどの電動車両が新車販売の半数を占めることになる。ZEVが当たり前の世の中になっているわけだ。だが、その開発・生産コストは、消費者は負担しようとは思わないと分析しているので、自動車メーカー・特に乗用車メーカーは、そのコストを車両価格に転嫁できないでいることになる。

そのため「電動車両の新車販売の半数を占めた場合、乗用車メーカーの営業利益の約48%が吹き飛ぶ」と、かの本は試算している。

(2) 自動運転車は8%となるが、営業利益は3%減る。

2030年の新車販売では、「レベル2」は7%、「レベル3」は1.2%と予測して、この約8%の自動運転車のコストを試算し、消費者がこの額を負担するかを分析したが、答えはNOであった。

だからこのコストも自動車メーカーがそれなりに負担せざるを得ず、その結果営業利益は、僅か8%の自動運転車のために3%減少すると予測された。

(3) シェアリングが急拡大して、新車販売は9%減少する。

2030年までには、カーシェアリングが進展し2台に1台がシェアされると予測している。そのため2030年のグローバルの販売台数は9%減少するとしている。ちなみにその時の総販売台数は1億2000万台程度に落ち込むと試算している。

どんな分析方法かは知らないが、「2030年のグローバル自動車販売台数予測」と言う図が、かの本には掲げられているが、それによると次のようになるようだ。

2015年  9千万台(実績)
2030年 1億31百万台 → カーシェアリング影響 → 1億19百万台(販売は約9%ダウンする)


カーメーカーに対しては、こんなダメッジが想定される以上、何らかの手を今から早急に打たねばならないのである。だからトヨタも、Uberと提携したりマツダと資本提携をしようとしたり、足搔いているんでしょうね。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(96)

2017-08-15 00:00:00 | Weblog

このように、かの書籍「モビリティー革命2030、自動車産業の破壊と創造(デロイト トーマツ コンサルティング著、日経BP社発行)は、来るべき「モビリティー革命」を駆り立てる要素としてこの三つを挙げている。

(1)モビリティー革命を引き起こす第1の要因環境問題である。
   ここではパワートレーンの多様化(主に電動化)といっているが、元はCO2の削減である。
(2)モビリティー革命を引き起こす第2の要因は、クルマの知能化IoT化である。
(3)「モビリティ革命」を引き起こす第3の要因は、シェアリングサービスの台頭となろう。


このためクルマとしては、

ZEV(Zero Emission Vehicle、CO2の排出ゼロの車)であり、且つ
SAV(Shared Autonomous vehicle、自律走行型の共有的利用車)と言うかたちをとることになる、としている。

だからトヨタやGMなどは、単なるモノ(クルマ)作りの会社からクルマを用いたサービスを提供する会社(プロバイダー)にならんと、それこそ死に物狂いの競争に晒されている、と言う認識なのであろう。

だからトヨタ(豊田章男社長)としては、今年のル・マンの24時間耐久レースで優勝して、ルマンからは撤退して、そちら方面へ全力で集中したかったのではないのかな。トヨタとしては計画が狂ってしまったことになる。今やF1WECFormula-Eに、とってかわられようとしているくらいなのである。モータースポーツの世界でも、CO2は毛嫌いされだしているのである。ルマン24時間レースも、今年はAudiが抜けてトヨタとポルシェだけとなっている。そのポルシェも2017年の今季限りでルマンから撤退することを決めている。トヨタはどうするのかはわからないが、そのうちルマンもLMP1クラスは、ワークスチームは居なくなってしまうかもしれない。WECの各ワークスチームは、Formula-Eへの参戦となる筈ではないのかな。

(LMP1については、2016.9.8の続・次世代エコカー・本命は?NO.104を参照のこと。)

既に世は、猫も杓子も電動化の時代となってきているのである。



18年はトヨタ単独ルマン? ポルシェはEV転戦
2017/8/1 11:50
ニュースソース
日本経済新聞 電子版

 高級車メーカー、独ポルシェが自動車の世界耐久選手権(WEC)の最上位クラス「LMP1」から今季限りの撤退を決め、モータースポーツ関係者の間で波紋を呼んでいる。ハイブリッド車で競うこのクラスに参戦する自動車メーカーはポルシェとトヨタ自動車の2社。ポルシェが去ることで、2018年の「ルマン24時間」トップクラスの戦いはトヨタだけになってしまう恐れもある。

ポルシェは「ルマン24時間」を3連覇した実績をひっさげ、EVレースに転戦する(今年6月)=AP

■ルマン3連覇、トヨタの前に立ちはだかる

 ポルシェは7月28日、17年末でのWECのLMP1からの撤退と、19~20年シーズンから電気自動車(EV)レースの「フォーミュラE」に参戦を発表した。ポルシェは14年にルマンを含むWECに復帰し、15、16年は製造者部門で総合優勝した。さらにルマンは15年から3連覇し、マツダ以来の日本勢の優勝をめざすトヨタの厚い壁になってきた。

 ポルシェ撤退の観測は以前からあったが、同社は今年初めに18年も参戦する考えを示していた。それだけに関係者のショックは広がる。WECを主催するフランス西部自動車クラブ(ACO)と国際自動車連盟(FIA)は声明で、「ポルシェの急な方針転換に衝撃を受け、彼らの旅立ちを残念に思う」と正直な気持ちを吐露している。

 ポルシェは来季も参戦中の「GTカテゴリー」と呼ばれるクラスは続けるが、最上位のLMP1から去る影響は大きい。すでにポルシェと同じ独フォルクスワーゲン(VW)傘下の独アウディが16年シーズンでWECから撤退済み。最上位クラスでトヨタ以外の競合が不在となれば、ルマンなどのレースの価値そのものが問われかねない。

 ACOとFIAは早速、対策を打ち出す方針を明らかにした。「WECの存続と品質を守る者として、18年シーズンの概要を早急に提唱する。来年は様々なイノベーションが導入される」という。WECは以前から開発コストの高さが新規参入の妨げと指摘されてきた。コスト削減などにつながる新たな施策にも取り組むという。

■存在感高める“格下”フォーミュラE

 ACOなどは9月上旬にWEC改革の詳細を発表する予定。「18年は前例のない年になる」「参戦するチームやシリーズのパートナー、そして耐久レースファンを興奮させるものになる」と結び、強気な姿勢を崩していない。

 モータースポーツは各社が先端技術を競い合い、ファンを魅了してきた。だが今や地殻変動が起き、従来は格下とみられた「フォーミュラE」は活気づく。17~18年シーズンからアウディが本格参戦。19~20年シーズンまでにBMW、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツ、ポルシェの独高級車4社がそろう。すでに仏グループPSAの高級ブランド「DS」や英ジャガー・ランドローバーは参戦済みだ。

 ポルシェの場合、走りの性能を磨き長距離走行ができるEV「ミッションE」を開発中で、それを試す場がフォーミュラE。研究開発を担当するミヒャエル・シュタイナー取締役は「独自開発の技術の採用の自由度が増すフォーミュラEは非常に魅力的なカテゴリー」と語る。硬直的なWECの現行制度を暗に指摘している。

 各社の研究開発費が増え続ける中、EV開発の重要度が高まりレースの優先度も変わる。フォーミュラE運営会社のアレハンドロ・アガグ最高経営責任者(CEO)は「モータースポーツを通じて都市の電動革命を主導する」と唱え、各社がこの理念に共鳴している面もある。ちなみに現時点で日本車のフォーミュラE参戦表明はゼロだ。

 もともとブランド戦略が巧みな欧州勢は、フォーミュラEを「EVでも走りを楽しめるクールなレース」(アウディ幹部)と位置づけ、若い世代中心にイメージを定着させたい考え。英仏の政府がガソリン車などの販売禁止を打ち出した「追い風」も吹く。相次ぐ主力の移籍に揺れるWECの巻き返し策だけでなく、日本勢がモータースポーツにも押し寄せる電動化の波にどう対応するかも注目だ。

(加藤貴行)
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ01H6Y_R00C17A8000000/?n_cid=NMAIL001


2018年のルマンLMP1クラスは、この調子だと、トヨタ一社だけとなってしまいかねない。となるとトヨタはどうするつもりなのかなあ。まさか依怙地になってトヨタ一社でもLMP1クラスに参戦するなどと、豊田章男社長なら言いかねない感じもするが、折角研究開発を進めてきた手前、2018年はタイムトライアル的にLMP1に参戦して次年度からは撤退するのではないのかな、などと推測もするが、トヨタだけのルマンなんぞはルマンではない、と潔く不参加とする方が余程良いのではないのかな。

トヨタは昨年は優勝に値する戦いをした訳であるから、そのように理解してきっぱりとあきらめることが肝心である。負け惜しみかも知れないが、CO2を出しながら何も速く走ることだけが能ではなかろう。

フォーミュラ Eがどんな規則になっているか小生は詳らかではないが、トヨタとしてはそれに参戦する準備は、まだ出来ていないのではないのかな。だから、トヨタは当分の間ルマンからは撤退することはなかろう、と言うよりも電動化での参戦ができる状態にはないと言った方がよいのかも知れない。

ここでもトヨタは一歩出遅れていた感がある。ヨーロッパに駐在しているトヨタマン(日本人に限らずに)が、欧州のこの電動化の動きに対するトヨタ本社への情報提供とか戦略的提案力が足らなかったし、トヨタ本社でもこれらの動きに対する洞察力や戦略的思考が偏っていたと言われても、仕方がないのではないのかな。

まあ、トヨタはきっぱりとルマンを諦めることが出来るか、と言う事が電動化への分水嶺となろう。

「モビリティ革命」は、このような形でルマンにも押し寄せている、と言う事である。

(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(95)

2017-08-14 00:00:00 | Weblog

トヨタは、ライドシェアー用にクルマを売りたいがためにUberと戦略的に提携したわけではないであろう。この戦略的と言うところに意味があるようだ。トヨタとしても、シェアリングエコノミーがどんな社会をもたらすかは、具体的には掴んではいないのではないのかな。だからどんな社会になるかを見極めるためにも、Uberと提携したのではないのかと小生は考えている。GMとLyftとの提携も同じことであろう。


クルマはもう売れない、どうする自動車メーカー
The Economist
モビリティカンパニーへの脱皮に待つ試練
2016年6月2日(木)
The Economist

 自動車メーカーはずっと以前から、クルマの製造・販売ビジネスの脅威となるテクノロジーを取り込む構想について、雄弁に語ってきた。

乗車可能なクルマを表示するウーバーのアプリ(写真:AP/アフロ)

 1990年代、IT(情報技術)関連企業を中心とするドットコムバブル華やかなりし頃、当時の米フォード・モーターCEO(最高経営責任者)のジャック・ナッサー氏は、モビリティサービスを提供する企業として生まれ変わると宣言した。インターネットの普及が可能にする新たなビジネスモデルの下で、同社は自動車の組み立てといった退屈な仕事は外注し、輸送をサービスとして販売するモビリティカンパニーに変身を遂げるとうたった。

 ナッサー氏のこの考えは、あまりにも時代を先取りし過ぎていた。大手自動車メーカーの多くが、輸送サービスを手掛けるテクノロジー企業と提携し、モビリティサービスの提供者となるべく業態転換を模索し出したのは、ようやく最近になってからだ。だが、彼らは、行動を起こすのが遅過ぎたかもしれない。

当面の舞台は配車サービス

 変身を急ぐべく従来型の自動車メーカーは、最近は配車アプリに焦点を合わせている。これらのサービスの利用者は、スマートフォンのアプリを使って車を呼び出し、次の目的地まで運んでもらうことができる。

 トヨタ自動車とフォルクスワーゲン(VW)は5月24日にそれぞれ、タクシー配車アプリと提携すると発表した。トヨタ米ウーバーに小規模な出資を行った(出資額は明らかにしていない)。ウーバーは70カ国で事業を展開する世界最大の配車サービス会社だ。

 VWはイスラエルに拠点を置く配車アプリのゲットに3億ドル(約330億円)出資する。ゲットの牙城は欧州だ。VWのCEO、マティアス・ミューラー氏はさらに大きな野望を抱いている。2025年までに、モビリティサービスで世界最大手になると宣言した。

 この方向に進もうとしているのは、VWだけではないだろう。1月に米ゼネラル・モーターズ(GM)は、米国においてウーバーの最大のライバルであるリフトに5億ドル(約550億円)を出資した。目的の1つは配車サービスの展開。加えて、リフトが進めるロボットタクシーの開発への参加もにらむ。

 フォードのマーク・フィールズCEOは昨年、これからの同社は自動車メーカーであると同時にモビリティカンパニーでもあるとぶち上げた(多分、先のナッサー氏の宣言は忘れてしまったのだろう)。フォードは自前の配車アプリを展開するとともに、利用者の求めに応じて配車する自動車――恐らくオンデマンド・ベースのミニバスサービス――も提供する計画だと噂されている。

カーシェアリングも収益源の1つ

 最近の主戦場は配車サービスだが、自動車メーカーはモビリティを収益源にする他の方法も探っている。

 これまで自分の車を所有したいと思っていた人々が、今では、必要な時だけお金を払って乗れればいいと考えているのかもしれない。都会に住む若者達は、ほとんど使う機会がないまま価値を失っていく資産を高いお金を払って所有することに、そっぽを向き始めている。

 クルマの短期利用をアプリを使って予約できるカーシェアリングサービスの会員数が急速に伸びている。この分野で世界最大手のジップカー(ZipCar)はレンタカー会社のエイビス・バジェット の傘下にある。独ダイムラー・ベンツが運営するカーツーゴー(Car2Go)や独BMWのドライブナウ(Drive Now)アプリを真似る自動車メーカーも増えている。例えばフォードは米国、英国、ドイツ、インドでカーシェアリングサービスの試験運用を始めた。

 カーシェアリングや配車サービスは、いずれは自動車メーカーの収益源となるだろう。利益率が低いのが当たり前の大衆車メーカーにとって、福音となる可能性がある。だが高い利益率に慣れている高級車メーカーは、それだけでは満足できないかもしれない。自動車メーカーはこれらのサービスから上がる利益の分け前を得ようとするだけでなく、クルマを供給することでも鎬を削るようになると思われる。実際、トヨタとウーバーの合意には、ウーバーの運転手がクルマを買うための融資プランが含まれている。GMはリフトの運転手がクルマを取得するために同様のプランを提供している。

モビリティカンパニーへの課題

 クルマを所有してもらうことではなく利用してもらうことによって、自動車メーカーが利益を確保できるかどうか――この問題を考える際、次の2つが重要になる。第1に、自動車メーカーは事業の運営方法を見直さなければならない。

 クルマの製造には複雑な技術を取得する必要がある。従来はこの困難さが新たなライバルの参入を阻んできた。常に顧客への対応を迫られるサービス事業を展開しながら、大量のデータを高速処理するという新たな取り組みは、新しいSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)を設計するのとはまるで異なる。

 自動車メーカーが競って配車アプリ分野に出資しているのは、利益を得るという直接的な目的と同じ程度に、これらの新事業の運営方法を学びたいとの意図が動機となっている。

 第2は、データの処理やサービスの販売に長けた大手テクノロジー企業も成功するのは難しいということだ。グーグルは自動運転の分野で先頭を走っている。アップルは自ら自動車製造に乗り出す計画だと噂されている。最近、中国でウーバーと同様のサービスを提供する滴滴快的に出資した。グーグルとウーバー以外にも数多くの新興企業が、ある地点から別の地点に顧客を運ぶサービスを提供して利益を上げる方法を探っている。

 将来的には、自分のクルマを所有するのではなく複数の交通手段を組み合わせて、最も速く、かつ最も安く目的地に着けるようにしてくれるアプリと、月極め契約するような形態が普及するかもしれない。交通手段にはカーシェアリングからタクシー、バス、電車、クルマなど、車輪のついているあらゆる乗り物が含まれることになるだろう。

 公共交通機関が一層効率良く利用できるようになるとともに、カーシェアリングや配車サービスがさらに普及すれば、人々が今までのようにクルマを買うことはなくなる可能性がある。そうなれば、途上国の中所得層が拡大するに伴って自動車販売が伸びるという期待は消え失せる。自動車メーカーは販売台数の減少に直面する。

 その一方で、自動車製造という巨大な重荷を負っていない身軽なライバルたちは、様々な移動サービスを顧客に提供することによって、利益を上げることになるだろう。
© 2016 The Economist Newspaper Limited.
May. 28th, 2016 All rights reserved.
英エコノミスト誌の記事は、日経ビジネスがライセンス契約に基づき翻訳したものです。英語の原文記事はwww.economist.comで読むことができます。

このコラムについて

The Economist

Economistは約400万人の読者が購読する週刊誌です。
世界中で起こる出来事に対する洞察力ある分析と論説に定評があります。
記事は、「地域」ごとのニュースのほか、「科学・技術」「本・芸術」などで構成されています。
このコラムではEconomistから厳選した記事を選び日本語でお届けします。
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/224217/060100083/?P=2



このサービスに対しては、今注目の「国家戦略特区諮問会議」で推奨されて、「自家用有償運送」が2015年に特区内で認められるようになったが、全国自動車交通労働組合総連合会自交総連が「違法な白タクだ」と大反対している。東京オリンピック2020を控えているのに、このような既得権益にしがみつく利権団体の動きは、百害あって一利なしなのであろう。

ここを参照されたし。→
(http://www.jikosoren.jp/check/sirotaku/sirotaku.html)
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(94)

2017-08-11 00:00:00 | Weblog

これもクルマの売り先を確保するためなのか。それとも来たるへき「モビリティ革命」に乗り遅れないための情報収集のためなのか、先ずは「ライドシェア」がどんなものか、トヨタはどう取り組むべきかの勉強のためなのであろう。トヨタはこれを「戦略的提携」と呼んでいる。


トヨタとUberが提携、米国で加熱する「ドライバー獲得競争」
中田 敦=シリコンバレー支局  
2016/05/25 18:20   シリコンバレーNEXT http://techon.nikkeibp.co.jp/svnext
トヨタとUberが提携、米国で加熱する「ドライバー獲得競争」

 トヨタ自動車米Uber Technologies2016年5月25日戦略的提携を発表した。提携内容は今後協議するとしているが、注目すべきはトヨタがUberドライバー向けの自動車リースを提供するとしている点。このようなドライバー支援策を巡って、Uberと米Lyftがしのぎを削っているからだ。

写真1●燃費の良いトヨタ車はUberドライバーの人気も高い
[画像のクリックで拡大表示]    

 Uberの主力事業である「UberX」は、個人が自家用車を使ってタクシーとしてのサービスを提供するもの(写真1)。個人の自家用車をシェア(共有)するという点で「シェアリングエコノミー」を象徴するサービスだが、最近はその姿が大きく変わり始めている。なぜならUberやLyftが、自家用車を持たない個人あってもドライバーとして働けるよう、さまざまな「ドライバー支援策」を始めているからだ。

 例えばUberが2015年7月に本格的に始めたドライバー支援策「Uber Vehicle Solutions Programme」では、通常よりも有利な条件の自動車リースサービスレンタカーサービスを提供している。自動車リースであれば、「走行距離無制限(通常のリースには走行距離の上限がある)」「解約自由(通常のリースは3年間などの契約期間がある)」といった点が、通常のリースよりも有利だ。

 Uberドライバー向けの自動車リースは「Uberドライバーとしての稼ぎ」がリース料金の支払い原資として見込めるため、本来であればローンを組んだりリースを利用したりできないような信用力の低い個人でも利用できる。

 米国ではクレジットカードの利用履歴などの「クレジットスコア」によって個人の信用力が算出されるため、留学生や移民は信用力がそもそも無い。しかしUberがこのような自動車リースを提供しているため、米国では渡米したばかりの留学生がUberのドライバーとして働いていたりする。

トヨタのリースは「Uberの稼ぎ」から支払う

 さらにトヨタが子会社のトヨタファイナンシャルサービスを通じて提供する自動車リースでは、Uberドライバーとしての「稼ぎ」からリース料金が支払われるという仕組みが導入される。初回のリース料金すら払えないようなドライバーでもリースが可能になるわけだ。

 Uberドライバー向けのレンタカーサービスは、米国の大手レンタカー会社、Enterprise Rent-A-Carと提携して提供している。料金は「トヨタカローラ」クラスの自動車で1週間210ドル。「自家用車は無いけれども1週間だけUberで稼ぎたい」という人でも、Uberドライバーになれるというわけだ。

LyftはGMと提携して「自動車はタダ」

写真2●2016年1月の「CES」でLyftとの提携を発表する米GMのMary Barra CEO(最高経営責任者)
[画像のクリックで拡大表示]   

 Uberの最大の競合であるLyftは、Lyftに5億ドルを出資する米GMと連携することで、よりアグレッシブなドライバー支援策を提供している(写真2)。LyftとGMが2016年3月に発表した「Express Drive Program」では、Lyftのドライバーが「乗客を週に65回以上乗せた場合」、GMの自動車を無料でレンタルできるのだ。

 「乗客を週に40回以上乗せた場合」でも「1週間82ドル(中型セダンの「Chevrolet Malibu」の場合)」と安価。「乗客を週に乗せた回数が40回未満の場合」は、1週間82ドル(同)に加えて、「1マイル当たり20セント」を支払う必要があるという仕組みだ。

 LyftがExpress Drive Programを提供するのは、シカゴ、ボストン、ワシントンDCなどの限られた都市だけだが、Lyftドライバー専業として働くのであれば自動車は無料で提供してしまうという積極策を展開することで、Uberに対抗している。

 UberやLyftがドライバー支援策に力を入れているのは、ドライバーの数が売り上げに直結するためだ。また現時点では両社とも、「需要」よりも「供給」を増やすことを最優先にしている模様だ。シリコンバレーでは「Uberに乗ろう」という広告に接する機会はまったく無い一方で、「Uberドライバーになろう」といったラジオ広告やWeb広告には頻繁に接する。

 今回の提携によって「Uber・トヨタ連合」対「Lyft・GM連合」という構図も明確になった。LyftとGMは自動運転車の開発でも提携している。巨大自動車メーカーを巻き込んだUberとLyftの競争は、今後も過熱する一方になりそうだ。

http://techon.nikkeibp.co.jp/atcl/column/15/425482/052500137/?P=1
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(93)

2017-08-10 00:00:00 | Weblog

何れにしてもクルマも、ハードとソフトの両面で変革が必要となる。

先ずは巷にうごめいているクルマ(だけとは限らないが)の情報の収集が必要となる。

高機能センサー、高速データ通信網、大量のデータを蓄積して分析をする場所としての大容量ストレージ、そしてそれらを分析・活用する働きをする高機能ICチップとそこにloadされているデータを識別し予測する人工知能AIなどが、手軽に使えるようになったきたからである。いまではこのAIは、ディープラーニングとかいう人間の頭脳が行う学習に似た機能を駆使して、「人には出来ないものがAIには出来る」と言う時代になりつつあると言われている。

移動に関しては、最も安全で最短の移動経路を探し出して、クルマが走ってくれて、場合によってはある種のデータから事故まで予測してくれて、クルマを止めてくれるか安全なルートへと案内してくれると言った芸当も出来るようになるかもしれない。

ある種のデータとは、通過地点でのトラフィックの全ての状況(個々のクルマの状況であり、個々の運転者の状況であり、道路や歩道の状況などである。)であり、それらをAIが分析し予測して何が起こりそうかを教えてくれる、と言う事である。

と言う事は、クルマだけでなくあらゆるものがネットにつながっていなければならない訳であるが、当座はクルマだけでもつながっていれば、そのことで新しい数多くのビジネスモデルが提供されることになろう。

但しAIを大々的に使った「知能化」はまだ先のこととなろう。と言うのも、AIを動かすためには膨大な電力が必要となるからである。今のAIは人間の脳ほどの経済性はないものと思っておく必要がある。この大々的にAIが車で活躍するには、省電力の半導体が必要であり、クルマには相当大きなバッテリーが必要となる、と言う事である。

とすると今のところICEV(Internal Combustion Engine Vehicle内燃機関自動車)でなければ、大々的にAIを使えない、と言う事ではないのかな。AUDIなどは、相当高度な自動運転車を開発しているようだが、これは「A8」の新型車と言う事なので、3.0LのV6ガソリンエンジンのクルマであり、電気自動車EVなんぞではない。AIは相当電気を食うので、今のところ高度なAIは生半可なEVには載せられないのではないのかな。

さて電力の話はさておきIoTに話を戻すと、そうなると次に問題となるのが、それらの膨大なデータをどう使うかと言う事となる。

買い物の場合普通なら、買いたい人は自分でクルマを運転して店に行き、必要なものを買ってまた車を運転して帰宅すると言ったパターンとなるが、クルマが知能を持ってしかも繋がってしまっていれば、ある人からオファーを受けた事業体がしかるべき手続きをして自動運転車でその注文された品物を集配して届けさせる、と言った塩梅となろう。注文者は自分が買い物に行かなくてもよくなり、その時間をもっと違った価値あることに集中することが出来ることになるし、クルマを使った新しい買い物ビジネスの誕生もできることとなろう。

即ちクルマを所有すると言う事から利用すると言う事になり、新しい買い物ビジネスと言ったビジネスモデルが誕生して、クルマはその一つの道具・手段となってゆくと言う事であり、主役から外れる。即ち、物作りから事作りへと(ビジネスモデルは)発展してゆくと言う事であろう。

だからトヨタなどのカーメーカーは、ものづくりだけに勤しんでいたのであれば、取り残されてしまうのではないかと、かの本は警告しているのである。物作りから事作りに脱皮してゆかなければ、潰れてしまいかねないのである。

そうなると次の「モビリティ革命」を引き起こす第3の要因は、シェアリングサービスの台頭となろう。

考えてみれば、CO2の削減には、こ難しい内燃機関の変革などと騒がなくても、走っている車が少なくなれば必然的にCO2の減少にはつながる訳である。

かの書籍は、このことを次のように表現している。

さらに、大胆で単純な方法がある。クルマを売らないことである。世界の自動車保有台数が現在の1/10になれば、燃費が現在と変わらなくてもCO2排出量は1/10に減る。大きな投資を伴う急速な次世代車シフトを推進していくか、カーシェアリングや台数抑制によって分母を減らしていくか。自動車業界としては、いずれかの方法でCO2排出量の抑制が求められる。

さてクルマに関してのシェアリングには、「マイカー的」と「タクシー的」の二つのシェアリングサービスがあるようである。

マイカー的」とは、いわゆる「カーシェアリング」のことで、そのクルマが空いていれば必要な人が自分で運転して使うと言うものである。一台のクルマをシェアすると言う事は、マイカーではないのでいつでも好きな時に使えると言う事ではない。そのためいわゆるクルマの「ちょい乗り」使用が無くなるのである。そのためマイカーよりも走行距離が少なくなり、CO2の排出量も少なくなる、と言われている。

事実、都会の駐車場や住宅地の家々の車庫には、沢山のクルマが常に眠っているので、これらのクルマがシェアリングの対象となればそれほど多くのクルマは必要ではなくなる。そういう意味で、このシェアリングが普及すると、カーメーカーは相当脅威に感ずることであろう。何と言ってもそれほど車が必要ではなくなってゆくからである。

こんなことで驚いていては、次への話は進まない。まだ「タクシー的」なシェアリングがじわじわと普及し出しているからである。

タクシー的」なシェアリングとは、いわゆる「ライドシェア」のことである。有体(ありてい、ありのまま)に言えば、合法的に登録された「白タク」がネット上に相当数存在しており、呼び出しに応じて迎えに来てくれて目的地まで安価に運んでくれる、と言う仕組みらしい。かの書籍でも、アメリカでUberを体験したことが書かれているが、タクシーに比べるとほぼ半額で簡単に移動できたと言っている。決済は事前登録のクレジットカードからの自動決済だと言う。

かの書籍とは「モビリティー革命2030、自動車産業の破壊と創造」(デロイト トーマツ コンサルティング著、日経BP社発行)のことであるが、それによると、このシェアリングのシステムが普及してゆくと、乗用車の保有台数は半減する可能性があると分析している。

そんなことになるとトヨタなどのカーメーカーは堪(たま)ったものではない。とてもこんな状態には我慢できないことになろう。そんな世の中がいつ来るのかは定かではないが、トヨタは早々にUberと業務提携している。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(92)

2017-08-09 00:00:00 | Weblog

この環境問題が「モビリティ革命」を引き起こす第一の要因である。

と言う事は、ICEV(Internal Combustion Engine Vehicle内燃機関自動車)から早々にクルマは脱皮することを、迫られると言う事である。2017.6.15,NO.54~などを参照願う。

即ちCO2を排出しないというパワートレーンへの変革である。

ガソリンを燃やさないクルマと言う事は、真っ先に頭に浮かぶことは、電気自動車EVのことであるが、トヨタは「もっといいクルマは操れるもの」と言うやや独善的な考えに振られて、EVからは遠ざかっていた。これが環境対策の主流から外れるキッカケとなってしまったのである。

EVに取り組むことなく、と言うと語弊があるが、FCVに走ってしまった訳だ。FCVの量産化(とはお世辞にも言えないが)には成功しているが、売れなくては環境対策にはなり得ないのだ。このことはトヨタとしても十分にわかっていたことではあるが、こ難しい技術に挑戦し過ぎてしまった。この調子でバッテリーに挑戦していれば、今頃はそれなりに性能の良い蓄電池の開発に成功していたかも知れないのだ。一寸時代が早すぎたと言う事ではないのかな、トヨタのFCVにとっては。

トヨタもようやくこのことに気付いて2016.12.1付けで「EV事業企画室」を設置したが、時すでに遅しで、相当出遅れてしまったものだ(とは小生の感覚であるが)。

まあ優先順位を間違えてしまった、とい言い換えることもできる。FCVは絶対に必要な技術であるが、今必要かと言うと疑問が残るものである。先ずは水素を供給する体制作りが必要なのである。しかも石油を改質して水素を取り出すなんぞと言う方法ではなくて、CO2フリーの方法で水素を大量に生産できる方法の確立が求められるのである。

何故かというと、イーロン・マスクに馬鹿にされるほど、FCVは今の技術ではないような感じがする。ミライとまではいかないが、次の時代のものであろう。トヨタは先走りし過ぎたのである。だから「ミライ」なのである。今の技術と言えば、そこそこのもので間に合わせることが出来るBEVなのであろう。

BEVが一渉り行き渡ってから、おもむろにFCV燃料電池車の時代となってゆくのではないのかな。何もFCVの研究はまだ先でよいと言う事ではないが、FCV「ミライ」の発売の時がトヨタとしてのBEVの発売の時期であり、FCVは「COP22マラケシュ会議」後の今年2017年か来年2018年でもよかったのではないのかな。

そうすれば2020年以降の温暖化対策の目玉として、トヨタFCV「ミライ」は今以上に脚光を浴びて登場出来たものと思われる。COP22の今では、FCV「ミライ」も注目度は更々ない。残念なことである。

とは言うものの、いまだにCO2を排出しているエセEV車が幅を利かせていることには、いささか幻滅を感ずるものではある。日産のノートe-POWERの「電気自動車のまったく新しいカタチ」なんぞと謳っているので先日日産(販売店?)の関係者に、CO2を排出して走行している以上、決して電気自動車のマッタク新しいカタチなんぞではないのではないか、と聞いてみたが、理解できる返答はなかったので、きっと日産のノートに関する限り環境問題への優先順位はかなり低いものと推察される。試乗してみた感じではそれなりにクルマとしては感触は悪くはなかったが、環境よりも銭を優先したものと感じられ非常に悲しさを感じた。少なくとも日産としては販売店関係者への、この手の質問に対する回答を伝授しておく位の配慮もなかったものと思われるので、やはり日産の哲学はどこへ行ってしまったのかと残念である。きっとゴーンの「コミットメント」の中には、銭はあっても環境と言う字は相当小さくなっていたのであろう。ひょっとしたらないのかも知れない、残念である。

自動車の専門家である島下泰久氏の「e-POWER」の評価は、それほど高くなかった理由の一端がわかった気がしたものである。
とすると、三菱もそのうち潰されるものと心する必要がある、などと脈絡はないがやや突拍子もない思いに駆られた。心配である。


モビリティ革命」を引き起こす第2の要因は、クルマの知能化とIoT化である。

早い話が、クルマが知能を持てば己のAIを駆使して、ビックデータを分析して最もCO2の排出が少ない移動方法を考え出してくれる筈だ。当然クルマはビックデータのネット網に繫がっていなければならない、コネクティッド即ちIoT化である。

これがクルマの「知能化」と「IoT化」である。

と言う事は、このAIは人間の頭脳のように学習して、否それ以上にディープラーニングを通して、物事を識別し予測することになる。人間が出来ないことをするようになる。クルマの「知能化」と「IoT化」が進めば、確実に交通事故は減ってゆくことになるし、たとえICEVでもCO2の排出も少なくなってゆくことであろう。交通事故などはなくなってしまうことも夢ではない。

そうなれば「自動運転」なんぞは、お茶の子さいさいではないのかな。

クルマは移動するもの・運ぶもの」となれば、「知能化」と「IoT化」はクルマにとっては打ってつけの機能となろう。もちろんAIが人間(の頭脳)と同じように動作する訳ではないので、ある程度道路や交通標識などの外部環境も、それなりに整備されなければならないのであるが、水素ステーションの整備と同じように、クルマの知能化が進むにつれて社会環境も整備されてゆくことになろう。

この交通に関する整備された外部環境での自動運転のレベルが「レベル4」と言われるものであり、取り立てて整備されていない環境での自動運転のレベルが「レベル5」だと、小生は理解しているが、これが正しい理解か否かは定かではない、と一言断っておこう。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(91)

2017-08-08 00:00:00 | Weblog

(11)モビリティ革命が始まっている。?

2015.12.12に採択された「バリ協定」とは、次の内容のものである。そして「バリ協定」は2016.11.4に発効している。先進国はもとより新興国や発展途上国と言われる国々も、この協定に拘束される。

2020年以降温暖化対策の目標としては、

『地球の気温上昇を産業革命前に比べ2度未満とし、1.5度に抑える努力もする』というものである。

現在世界の各地で異常気象が報告されている。日本でも、大雨、旱魃、サンゴの白化、デング熱などの事象を見れば、それは明らかである。

そのうえ今後更に気温上昇が続けば、地球環境に壊滅的な打撃を与え元に戻すことが出来ない状態となってしまう、と言うのがこの地球気温の2℃上昇と言う事である。気温が2℃上昇すると、地球生態系や気象状況に大混乱が起こり、食料生産が出来なくなり地球上の人間を養えなくなってしまう、と言う事である。そのため世界各地に食料を求めて大紛争が起こり、人々は食料を求めて大移動をせざるをおなくなってしまう。今のシリア問題どころではない、と言う事である。

国連のIPCC(Intergovemmental Panel on Climate Change、国連気候変動に関する政府間パネル)は、2013.9月のストックホルムでの第36回総会及び第1作業部会の第5次評価報告書で「地球の気候システムは着実に温暖化しており、その原因は我々人間の活動によるものであることは疑う余地がない。これを抑制するためには、温室効果ガスの抜本的かつ持続的な削減が急務となっている。世界の平均気温の上昇とCO2排出量とは比例関係にあり、地球気温が何度上昇するかは、CO2の総排出量の累積に関係してくる。」と述べている。

これを受けて、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)及び京都議定書第11回締約国会議(COP/MOP11)が、2015.11.30~12.31パリで開催された。ここで上記の「パリ協定」が採択されたのである。

この目標を達成するためには、我々は2050年までには温暖化ガス排出量を実質ゼロにしなければならないのである。

2016.11.7~18COP22マラケシュ会議では、2020年からどのようにして「バリ協定」を実施してゆくかと言う仕組み(ルール)が議論されている。

まあ言ってみれば、全世界地球の温暖化を遅らせよう(または止めよう)と、あがいていると言う事である。

日本の温室効果ガスの削減目標は、「省エネや脱CO2エネルギーへの転換によって、2030年度までに、2013年度比で、温室効果ガスの排出を26%削減し、2050年には、80%削減する」と言うものです。


トヨタ2015.10.14に「トヨタ環境チャレンジ2050」を発表している。

これによると、トヨタは、2050年には新車のCO2排出量を、2010年比で90%削減し、新工場でのCO2排出もゼロにしてゆく、といっているので、もっといいクルマとはCO2を排出しないクルマのことであり、もっといい工場もCO2の排出がゼロ近くとなっていなければならないことになった訳だ。

(この話は、2017.7.7フランス2017.7.25イギリスが2040年にはガソリンやディーゼルエンジン車の販売を禁止する、と発表する大分前に記載しているので、それでもすごいことを言うなあと少しは感心していたが、これでトヨタも10年は時代遅れとなってしまったことになる。「トヨタ環境チャレンジ2050」は「チャレンジ2040」としなければならなくなってしまったことになる。しかしながらこの「トヨタ環境チャレンジ2050」がフランスや英国の環境対策に大いに影響を与えた事には間違いないであろう。その点、トヨタは内心大いに誇ってもよいのではないのかな。)


ここに「モビリティー革命2030、自動車産業の破壊と創造」(デロイト トーマツ コンサルティング著、日経BP社発行)と言う本がある。

それによると、この気温上昇を2℃に抑制するためには、乗用車のCO2の排出量を2050年には、2015年比で90%削減することが必要だ、言っている。

そして世界のCO2排出量は、成り行きでは2.5倍程度までに増加すると予測している。そのため全世界での自動車のCO2の排出量を90%削減する(1/10に抑える)と言う事は、1/25に削減する必要があると言う事である。

このためデロイトは、2030年の全世界新車販売の4台に1台、2050年にはすべての車両が次世代車でなければならない、と試算している。

(これでも先の仏・英の販売禁止の話よりも10年遅れていることになる。)

その次世代車の2050年の内訳は、ZEV(EV,FCV)が86%、PHEVが14%必要だと試算している。


日本での運輸部門でのCO2排出量は、日本の全排出量の2割を占め、その9割が自動車から排出されている、と言う。これは2005年の「京都議定書目標達成計画」に掲げられているものであるから、現在2017.6.11では少しは変わっているかもしれないが、傾向としてはいまだにこんなものであろう。即ち日本のCO2の排出量の18%は、自動車が排出している、と言う事である(2017.6.14 NO53参照のこと)。

このためトヨタの言う「もっといいクルマを作ろうよ」は、「限りなくCO2を排出しないクルマをつくろうよ」と言う事になってしまったと言う事なのであろう。

もっといいクルマは操れるモノ」といつまでも思っているようであれば、これは早急に修正して貰わなければならない。これももちろん「いいクルマ作り」には優先事項であるが、それと同じくらい、いやそれ以上に「CO2を排出しないクルマ作り」が重要な目標となっているのである。トヨタも大変である。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(90)

2017-08-07 00:00:00 | Weblog

一寸古いが、序に次の論考を載せて、次の章(テーマ)に移ろう。トヨタとテスラとでは、成り立ちから技術的思考方法まで、全く異なっている会社であると(小生には)思われるので、うまくゆくとは到底感じられなかったのである。


トヨタとテスラ、両極端のパートナーはどのように衝突したのか
Craig Trudell、Alan Ohnsman
2014年8月8日 00:01 JST

4年前、米テスラ・モーターズのイ ーロン・マスク会長はあるファンをカリフォルニアの自宅に招き、スポ ーツカー「ロードスター」のドライブに連れ出した。その来客とは世界 最大の自動車メーカー、トヨタ自動車の豊田章男社長だ。

両者は数週間のうちに意気投合し、トヨタはテスラに5000万ドルを 出資することに合意し、米カリフォルニア州で閉鎖していた工場を4200 万ドルで売却した。トヨタの「RAV4」の電気自動車(EV)版の開 発でも一致し、事情に詳しい関係者によると、その時点では提携が SUVのレクサスRXの電動モデルに拡大する可能性があったという。

現在は提携がほころび、共同開発の「RAV4 EV」は販売が現 時点で2000台を下回ってる。マスク氏が提携強化のきっかけになると誇 らしげに話していた車だったが、ガソリン仕様車の2倍というトヨタの 価格設定や、入手がカリフォルニアに限られることでヒットする望みが なくなった。

より根本的には、事情に詳しい関係者によると、技術陣の衝突で提 携に新たな展開が見込めなくなった。政略結婚をしても自動車業界では 成功しないこともあるという教訓になる。トヨタはいまや、テスラの中 核のEV市場から距離を置き、マスク氏があざ笑う燃料電池技術を推進 している。

「2つの会社が成功しているというだけで、その2社が一緒に協力 すればうまくいくとは限らない」と、インテリジェンス・オートモーテ ィブ・アジアのマネジングディレクター、アシュビン・チョータイ氏は 電話取材に指摘。「誰かが業界の体制を変えようとしていて、しかも最 大手と手を組もうとしているときには、いろいろ複雑なことになるもの だ」と話した。

共同開発車の詳細について、両社はコメントを控えた。

米国でほぼ80年ぶり

両社が提携に至る動機が双方の弱点を浮き彫りにした。バンク・オ ブ・アメリカ・メリルリンチによると、より機敏な相手から学ぼうとし たトヨタだが、今後5年間は業界平均のペースで新型車を出していくだ ろう。クライスラー以来ほぼ80年ぶりの2003年に設立されたテスラは米 国新興自動車メーカーで、ものづくり能力を試す成長の最中にある。

提携が締結された10年5月、テスラ会長はこの提携を「歴史的」と 呼び、トヨタはずっと素晴らしいと思っていた会社だと話した。提携の 1カ月ほど前にテスラのロードスターに試乗した際、豊田氏は未来の風 を感じると述べていた。

テスラにとって、この提携はお金になることを意味し、格安で最初 の工場を入手したり、業界のリーダーと協力することで信用を得ること になった。

トヨタにもメリット

トヨタにとっては、この提携が意図せぬ急加速によるリコール問題 に見舞われていた会社をよみがえらせるきっかけとなった。この投資は また、もうかるものでもあった。

「豊田氏がマスク氏と今回の件でかかわるようになった際には電池 分野の協力を超えたものに発展するとみていた」と、トヨタの北米事業 を統括するジム・レンツ氏は5月に話した。「トヨタは自動車業界で起 業家精神に富んだ小さなスタートを切ろうとしており、テスラの人たち と一緒に仕事をすることで、より迅速で起業家精神に富むようになるた めに学ぼうとしていた」という。

ほどなくして衝突し始めたと、このプロジェクトに詳しい関係者は 話した。2人の元技術者によると、テスラ技術陣が共同開発車の初期デ ザインを提案した際に、トヨタ側はトランスミッションの中にあるべき 部品が含まれていないと不快感を示した。

パーキングブレーキに関連した部品であり、テスラ側はロードスタ ー開発で使って苦労した経験から、その代替として、電気パーキングブ レーキの装着を提案したと、関係者が話した。双方の主張は平行線で、 結局、トヨタ側が主張する部品を使うことで決着した。

テスラ提案を拒否

トヨタの技術陣はまた、共同開発車の電池パックの下側を保護する カバー装着というテスラ側の提案を拒否したと、関係者は話した。トヨ タ側がカバーに関する責任を引き受けることで落ち着き、構造的な完成 度を強化したという。

テスラは結局、今年3月にセダン「モデルS」にチタン・プレート を追加した。火災につながった衝突について米当局が調査したのを受け て、電池の保護を改善するためだ。

もう一つの衝突の要因は、減速した際にエネルギーを回収するテス ラの特許技術だと、ジェフ・ライカー米ミシガン大学教授は話した。ラ イカー氏は昨年、共同開発車の技術陣と会っていた。

テスラのシステムではアクセル・ペダルを緩めるとブレーキがかか り始め、そのため、車ががたついて多少の慣れが必要になると、ライカ ー氏は話した。トヨタの技術陣は興ざめになると懸念した。双方とも自 らのシステムを守ろうとするため、修正は骨が折れるものとなった。

トヨタとの協力から学ぶ

テスラ最高技術責任者(CTO)のJB・ストローベル氏はインタ ビューで、トヨタの天下一品の生産品質プロセスを高く評価し、協力か ら学んだと話した。ストロベール氏は、技術陣間で摩擦があったとの特 別の話は知らないと話した。テスラ広報担当のサイモン・スプロウル氏 は共同開発プロセスについてコメントを控えた。

「非常に異なる両社が違ったアプローチをした事例になる」と、ト ヨタ広報担当のジョン・ハンソン氏は話した。確かに困難なプロジェク トだったが、厳しい期限の中、スケジュール通りに製品が出てきたとい う。

豊田氏とマスク氏がプロジェクトを発表して2年後、共同開発車 は12年に発売になった。モデル
チェンジに7年かかることもある業界に あっては迅速だ。6月までの出荷は計1834台。両社は3年間で2600台の 販売を計画していた。
共同開発車はリコールされたり、米運輸省道路交通安全局 (NHTSA)の安全性の調査を受けたりしていないが、不満を持つ顧 客の1人にトニー・ウィリアムズ氏がいる。

「悪夢だ」

ウィリアムズ氏は12年11月に購入したが、修理に30日以上かかり、 モーター部品などの交換が必要になった。日産自動車の「リーフ」を運 転したいと思っているが、まだEV版のRAV4に乗っている。

EV版RAV4は「とんでもない悪夢だ」と、加州サンディエゴに 住むウィリアムズ氏は話した。

トヨタ広報担当のハンソン氏は、共同開発車に特別に広まった問題 があるとは知らないと話した。共同開発車が発売されたときにオーナー のウェブサイトに提起された技術的な問題のいくつかについては解決を 図ってきたという。

共同開発車が終了に近づく中、両社は異なる方向に進んでいる。米 消費者団体専門誌コンシューマー・リポーツが最高の評価をしたモデル Sでテスラは舞い上がっている。マスク氏は世界最大のリチウムイオン 電池工場の建設を計画し、電動SUV「モデルX」の来年発売に備 え、17年の小型セダン「モデル3」につなげようとしている。

燃料電池

一方、トヨタは水素燃料電池車に期待している。マスク氏は燃料電 池(フューエルセル)を「ばかげた電池(フールセル)」として嘲笑し ていた。また、あまりにも複雑でコストがかかりすぎるため、燃料電池 車は決して成功しないだろうと話していた。

「燃料電池を拒む競争相手は自らのリスクでそうしている」と、米 国トヨタ販売のボブ・カーター副社長は話した。マスク氏や日産のカル ロス・ゴーン氏などの燃料電池に対する批判について、「個人的には、 まったく気にかけていない」という。

懸案があっても、両社は提携を諦めなかった。独BMWはトヨタと スポーツカーを共同開発しながら、テスラと提携協議をした。
両社は、これを最後に決別しないかもしれない。「トヨタとは物事 を保留し、おそらく1、2年ぐらいして、また戻ってくることで合意し た」と、マスク氏は6月3日のテスラ株主総会で話した。

両社は多くの点で真っ向から衝突していると、調査会社オートパシ フィックの業界アナリストのエド・キム氏は指摘。トヨタはEVを重視 していないため、テスラと再び協力するとはみていないという。

原題:How Tesla-Toyota Project Led to Culture Clash by Opposites: Cars
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2014-08-07/N9VOQO6JTSFJ01

まあトヨタはEVを重視していても、テスラと協業することはないであろう。小生に言わせれば、別れるべくして別れた、と言う事。ただそれだけのことで、トヨタの技術部の人間にしてみれば、当然のことと清々していることでしょう。ただあの時間はムダな時間だったという思いだけが残ったのでしょう、残念な事ではある。
(続く)
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続続・次世代エコカー・本命は?(89)

2017-08-04 00:00:00 | Weblog

次に参考までに、テスラの年表を(わかる範囲で)綴っておこう。一部最新情報で内容を更新している。

1995年00月00日 イーロン・マスクが弟と共にオンラインコンテンツ出版ソフト提供会社を起業。コンパックに買収される。
1999年00月00日 X.com社共同設立者となる。(オンライン金融サービス)
2001年00月00日 X.com社、コンフィニティ社と合併後、paypal社となる。 
2002年00月00日 スペースX社、立ち上げ。イーロンの3つ目の会社。
2003年00月00日 テスラモーターズ創業JB ストローベル氏とマーティン・エバーハード氏。テスラは、イーロン・マスクが作った会社ではない。
2004年00月00日 イーロン・マスクがテスラモーターズに資金提供(投資)、会長に就任する。
2006年00月00日 ソーラーシティー設立。カート・ケルティ氏、パナソニックからテスラへ移籍。
2008年03月00日 ロードスター生産開始、最初のEV
2009年06月00日 米政府より低利融資の承認を売る。(4億6千5百万ドル)
2010年01月00日 パナソニックと提携(リチウムイオン電池開発)
2010年05月00日 トヨタ自動車と提携
2010年05月00日 NUMMIをトヨタから購入開始(~8月)
2012年06月22日 モデルS発売、旧NUMMIでEV生産
2012年09月00日 RAV4EV(テスラとトヨタの共同開発)加州で発売(2014年末で生産終了)
2013年10月00日 モデルS火災発生
2015年00月00日 テスラエナジー設立(家庭用・法人用蓄電池)
2015年09月00日 モデルX生産開始(2014年から遅れること1年)
2016年05月00日 モデルS自動運転中に死亡事故
2016年11月00日 ソーラーシティ買収(太陽光発電パネル)
2016年12月00日 トヨタ、テスラ株をすべて売却、資本提携を完全解消
2017年01月04日 ギガファクトリー稼働(2170型リチウムイオンバッテリー生産)
2017年02月01日 テスラモーターズから「テスラ」に社名変更
2017年07月00日 モデル3生産開始(5千台/週計画)
2017年07月28日 モデル3出荷開始
2017年08月00日 カート・ケルティ氏、テスラを退社。
2018年         EV年産50万台計画(1万台/週計画)


以上の様に整理していたら、2017.6.3に次のように記事が発信された。トヨタが保有するテスラ株の残りすべてを売却していた、と言う事だ。まあ、燃料電池のことを「くそ電池」などとけなされては、提携なんぞも糞食らえ、なのである。



トヨタ、テスラ株すべて売却 昨年末で資本提携を解消
Business | 2017年 06月 4日 09:24 JST

 6月3日、トヨタ自動車が電気自動車(EV)メーカー、米テスラ株式をすべて売却していたことが明らかになった。写真はトヨタのロゴ。ブラジルのサンパウロで2日撮影(2017年 ロイター/Paulo Whitaker)

[東京 3日 ロイター] - トヨタ自動車が電気自動車(EV)メーカー、米テスラの株式をすべて売却していたことが3日明らかになった。両社は2010年に資本・業務提携したが、協業は進展せず、14年にはトヨタがテスラ株式を一部売却。トヨタによると、残りの株式も16年末までにすべて市場で売却したという。

トヨタはこれまでEVには慎重な姿勢を見せていたが、16年12月には社長直轄のEV開発組織を設置し、本格的な量産に向けて自社でEV開発に乗り出している。今後も協業の効果は見込めず、テスラ株式を保有している意義が失われていたとみられる。トヨタの広報担当者は、テスラ株すべてを売却した理由について「投資先の定期的な見直し」と述べるにとどめた。

トヨタは10年、5000万ドル(当時、約45億円)でテスラ株3.15%を取得し、資本・業務提携した。両社はテスラ製バッテリーを搭載したトヨタのSUV(スポーツ型多目的車)「RAV4」ベースのEVを開発。ただその後、共同開発が進むことはなく、14年にはテスラがバッテリー供給を打ち切り、トヨタは同年テスラ株の一部を売却したが、「協業の可能性は検討していく」としていた。

  中国や欧米など主要市場で環境規制が一段と強まる中、自動車各社は、従来に比べて航続距離が伸びるなど性能が向上しつつあるEV次世代エコカーの柱として位置づけており、開発競争が激化している。 (白木真紀 取材協力:田実直美)
http://jp.reuters.com/article/auto-toyota-tesla-idJPKBN18V005



まあトヨタとテスラの提携解消話は小生のブログ「次世代エコカー、本命は?(58)」(2015.2.18)等でも話題にしたものであるが、これでトヨタ(の技術屋)としてはすっきりしたのではないのかな。
(続く)
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