BE HAPPY!

大山加奈選手、岩隈久志選手、ライコネン選手、浅田真央選手、阪神タイガース他好きなものがいっぱい。幸せ気分を発信したいな

狼の条件(3)

2007-02-27 21:43:51 | Angel ☆ knight
   

 屋台の群れが複雑な迷路を作るオリエンタル・スークは、夜が更けるにつれて賑わいをましてくる。香辛料や鶏ガラの匂いが立ちこめる湯気の中に、ひときわ目立つ金色の頭をイリヤは見つけた。江流だ。
鏡面仕上げのサングラスを頭の上に上げて、江流はラーメンをすすっている。
昼間の銃撃事件のニュースでは、マシンガンを持った黒ずくめの男女の他に、「ラフな格好をした金髪の男」の目撃情報も伝えられていた。それだけで、イリヤには江流だとわかった。
隣の席に腰を下ろして、一種類しかないラーメンを注文する。
「ベーオウルフの依頼を受けたのか?」
前置きも挨拶もなしで切り出した。江流が自分に気づいていることはわかっていた。
「悪いか? おれはおまえみたいに、スカしたこと言って仕事を選んでいられるような優雅な身分じゃねえんだよ。いつもいつも腹空かしたガキが40人、ピーピーピーピー…」
「そうやって、ガキに負い目持たせて恩を売るのは、一番卑怯な大人のやり口だぜ」
イリヤが言うと、江流は苛立ったように、丼をドンと置いた。
「誰が負い目持てっつったよ。おれのやることを、いちいちえらそうに批判しなけりゃ、それでいいんだ」
相変わらず、世界の中心はオレ様な奴だぜ、とイリヤは思った。こいつと一緒にいると、いつも自分が月になったような気分になる。こいつの髪は太陽の金。おれのは月光の銀。
「ガキはウルフが匿っていた」 ぼそりと江流が言う。
『安楽園』の人間は皆ウルフのことを知っている。シスター・シシィが壁中に、ウルフの手柄話の載った新聞記事を切り貼りしているからだ。せがめば、いくらでもウルフが施設にいた頃のエピソードを披露してくれた。
「ウルフは警察官だろ? 何でガキを隠すのさ」
「警察の内部(なか)ってのも、結構ドロドロしてるみてえだからな。ベーオウルフには渡したくないのかもしれねえ」 江流は言った。
「まあ、焦らなくても、ここで張ってりゃ、そのうち向こうからおいでになるさ。理由なんざ、その時聞きゃあいい」
「って、ウルフとカムイがか?」
「ああ。あのガキは東洋風の食生活に慣れてる。すぐに、ラーメンが食べたいの、寿司が食いたいのと言い出すに決まってんだ」
「オリエンタルフードなんか、そこらのスーパーに売ってるじゃないか」
「いいや。ここの屋台はどれも中毒になるくらいうまいからな。タケルもよくおしのびでここへ来ていたらしい」
「そんなの、組織の連中も知ってるんじゃ…」
「そこまでの腹心は、皆殺られちまってるさ。今残ってるのはナンバー2以下の派閥だけだ」
「にしても、ウルフがこんな時にガキを連れて外出するかな?」
「するさ。あいつはとんでもねえ甘ちゃんだ。ガキに泣いてせがまれりゃ、必ずほだされる」
あんたはそこにつけこんで香典をせびったんだよな、とイリヤは冷たい一瞥を投げた。
江流は両手を頭の後ろに組んで上体を背もたれに預け、子供のように椅子をぎったんばっこんさせている。しばらくして、
「見ろ。やっぱり来やがったぜ」と、身を起こした。
江流の視線をそっと辿ると、帽子や眼鏡で顔を隠したウルフとカムイがこちらへ近づいてくる。影のように二人に寄り添っている黒スーツの男も連れのようだ。
三人は、すぐ隣の串カツの屋台の陰へ入っていった。江流はサンドボールを銃に込め、しのびやかに席を立った。
江流が串カツ屋の向こうに消えると、イリヤもつられるように立ち上がった。
忍び足で屋台を回り込むと、江流が硬直した姿勢で突っ立っている。黒スーツの男がこちらを振り向いて笑いかけた。
「知り合いか? 連れて帰ってやれ」
よく見ると、江流の手首には細い針がささっている。しびれ薬か。イリヤは江流を支えて、近くのベンチに連れて行った。酔っぱらいが何人かしなだれかかっている隙間に江流を座らせ、手首の針を抜いた。先端の匂いを嗅いで、いつも持ち歩いているビニールの小袋に入れる。ターゲットを確保した際に証拠品を持ち帰ることもあるので、鑑識係員が使っているような証拠保全用の袋を常に携帯しているのだ。他には、供述録取用のマイクロレコーダーがバウンティハンターの必需品だ。
「一時間もすれば消える薬だ」 イリヤが言うと、江流は渾身の力をふりしぼって、
「つけろ」と囁いた。

尾行などしても無駄だと思ったので、イリヤはスークを出たところでウルフに声をかけた。同じ施設の出身者だということが口実になった。実際、イリヤはウルフに初めて会った気がしなかった。
ウルフは二人を先に行かせると、スークをはみ出て営業している屋台でチャイを買った。紙コップに入った火傷しそうに熱いチャイを手に、二人は石段に腰を下ろした。
「あの男の子、草薙のカムイでしょう?」 単刀直入に訊ねる。
「どうして、警察に連れて行かないんですか?」
「どうしてって言われても困るんだが…カンとしかいいようがないな」
「わかります」 イリヤも仕事柄、自分の直感には絶対の信頼を置いている。
「実は、おれもベーオウルフからオファーを受けたんですが、自腹っていうのが何かきな臭かったんで断りました。うちのファーザーは受けましたけど」
殺し屋や私立探偵と違い、バウンティハンターを雇うのは司法関係者に限られている。そのため、依頼主の名前を明かさないという仁義はこの業界にはなかった。
「いくら子供の命がかかってるからって、一捜査官が自分の金でバウンティハンターを雇うなんて考えられません。まして、ベーオウルフみたいな蝮野郎が。おれに真っ先に声をかけてきたみたいなのも、引っ掛かりました」
「どうしてだ? それだけ、おまえの腕を見込んでるってことじゃないのか?」
「違いますね。おれはこんな見てくれだから、与しやすしと思われてるんです。別にひねくれて言ってるわけじゃないですよ。経験上わかるんです」
イリヤは淡々と言った。
「ウルフさんだって、施設で育ったんならわかるでしょう? 何か物がなくなったら、真っ先に施設の子供が疑われる。親という後ろ盾を持たない弱い存在だからです。世の中には、他人の弱さや甘さに異様に嗅覚のきく輩がいる。こいつは脅せば簡単に言いなりになりそうだ。こいつは哀れっぽい話で同情をひけばいくらでもカモにできる。ウルフさんだって、その調子でうちのファーザーに香典カモられたじゃないですか」
「おまえ、相当苦労してきたみたいだなあ」 ウルフは笑った。
「てことは、ファーザーに協力してるわけじゃないのか?」
「おれは無関係です。他人のトラブルに首突っ込んで振り回されたくありませんから」
「なら、話が早い。ここではぐれてくれるか? でないと、おれたちのボディガードがあんたを痛い目にあわせなきゃならなくなる」
「あの人、プロですよね」 イリヤは返事のかわりに両手を広げた。
ウルフが立ち上がって歩き出しても、イリヤはそこに座ってチャイを飲み続けた。

「まだついてきてる奴がいるな」
カムイの手を引いて歩きながら、ダンテは呟いた。二人か。スークを出てからずっとだ。組織の暗殺者(アサシン)か?
イリヤと別れたウルフが二人に追いついてきた。ダンテはカムイを彼に預けて、尾行者の背後に回った。
「おい、用があるんなら、はっきり言え」
上着の裾から銃口を向けると、二人の尾行者は揃って両手を挙げた。
「たいしたものですね。今目の前から消えたと思ったら、もうこんなところにいる」
その声を聞いて、ダンテは唖然とした。
「ナイトか?」
「お久しぶり、ダンテ」 エンジェルが快活に挨拶する。
永遠子から内々にカムイ探索を命じられた二人は、組織犯罪対策課のように大々的に人数を動かすことはできない。そこで、バウンティハンター名簿の中から銃撃事件の目撃証言に合致する人相の人物を探し出し、ベーオウルフが雇ったのは江流だと見当をつけた。名簿には携帯電話の番号も掲載されているので、その電話機が発する微弱電波を探知して江流の居場所をつきとめ、ずっと彼にはりついていたのだ。
先刻、ようやくその成果が現れて、カムイを連れたウルフとダンテにまみえることができた。
「たく、だからおれは、ガキのわがままなんか聞くなっつったんだ」
ダンテは顔をしかめた。今朝方からカムイの食欲がなくなった。ショッキングな出来事続きで胃が痛くなったらしい。スークのうどんなら食べられそうだというので、ウルフは出かけることを承知した。ダンテは反対したが、
―だって、可哀想じゃねえかよ。食欲がねえ時は、食いたい物を食うのが一番いいんだ。
と言い張った。
「ダンテ。永遠子局長は本当にあの子の身の上を案じています。だから、ベーオウルフより先にあの子を見つけるよう、わたしたちに命じたんです。悪いようにはしませんから、あの子を渡して貰えませんか」
「おれはウルフに雇われた身だから勝手に決めることはできん。だが、あんたの話は伝えておくよ。必要があれば、こちらから連絡する」
そう言うや、ダンテは引き金を引いた。銃弾のかわりに細い針が飛び出して二人の腕に突き立った。
「心配しなくても、時間が立てば動けるようになる。痺れが残った時は水をどんどん飲んで、尿と一緒に体外に出せ」
ダンテはそう言って、身を翻した。

(続く)

狼の条件(2)

2007-02-26 17:11:54 | Angel ☆ knight
     
「この、ちびクマたん、あんたの弟か?」
「違いまーす。子供の頃のボクがドッペルゲンガー出演してるんだヨ」
「ドッぺルクマたんがカムイ役で出演している新シリーズをヨロシク!」

 刑事局長・麻上永遠子のオフィスで、エンジェルとナイトもカムイの写真を見せられていた。
「その子の行方だけがどうしてもわからないの。あの家はまるでからくり屋敷のように、あちこち隠し通路が作られていた。そのうちのどれかから逃げ出したようなんだけど」
永遠子はけだるげに髪をかき上げた。そういう仕種がぞくっとするほど色っぽい。いざとなれば色仕掛けも厭わないと噂されるだけのことはある、とナイトは思った。
「組織犯罪対策課のベーオウルフが、自腹でバウンティハンターを雇ってその子を探しているわ。メッシーナのジェミニに見つかる前に安全に保護するためだとか、対立勢力にかつぎ上げられて抗争のもとにならないようにとか、お題目は色々唱えているけれど、正直、腹の底がわからない」
エンジェルとナイトは顔を見合わせた。彼らもベーオウルフの噂は色々と聞いていた。それでなくとも、マフィアの取り締まりは持ちつ持たれつというところがある。多少の癒着は必要悪と考える捜査官は多い。ベーオウルフもそう公言してはばからない一人だった。自腹でこっそりカムイを探し出し、組織に取引を持ちかけることも考えられないではない。
「ベーオウルフより先に、カムイを見つけて保護してちょうだい。わたしは子供に弱いって言われてるようだけど、それには理由があるの。大人の勝手な都合で逆境に陥るようなことになれば、その子は必ず世の中を恨むようになるわ。そうなったら、またわたしたちの仕事が増えるでしょ」
未来の犯罪者を作り出さないようにするのも警察の仕事だというのが、永遠子の考えだった。
「あなたたちはマフィアの内情にはそれほど詳しくないでしょうから、局長権限でアクセスした組織犯罪対策課のデータをまとめておいたわ」
永遠子はデータのプリントアウトを二人に渡すと、抗争に至る経緯を簡単に説明した。
『草薙』の先代ドン・サトルは、メッシーナ財閥の令嬢アルメリーナと関係を結び、アドルという男の子を産ませた。メッシーナ家ではこれを恥じてアドルを使用人夫婦にひきとらせ、アルメリーナはその後、何食わぬ顔で一族の決めた相手と政略結婚した。
「でも、こういうことはどんなに隠しても、いつかは本人に知れるものだわ。アドルも、成長して自分の出生の秘密を知ってしまった」
彼は自分を排除したメッシーナ一族への恨みを胸に、腹違いの弟にあたるタケルを頼り『草薙』の一員になった。しかし、組織に貢献する能力を持たなかった彼は、次第に窓際へ追いやられ、ここでも不遇をかこつことになる。
「ディアナとロミオは、おそらく父親から、メッシーナと草薙双方に対する恨みつらみを聞かされて育ったんでしょうね。アドルの死後、まずはメッシーナの株を買い占めてバイオテクノロジー部門を乗っ取った。続いて草薙をも手中にすべく、今回の抗争を仕掛けたのよ」
メッシーナの直系でありながらその存在を闇に葬られ、『草薙』からも疎外されたアドルの恨みが、次の世代に連鎖したというのが、この事件の構造らしい。
「わからないのは、ファミリーの中ではほとんどカヤの外だった二人が、なぜ並み居る幹部を押しのけて組織の実権を握れたのかということよ。たしかに今は、きったはったの武闘派よりも、いわゆる経済ヤクザが幅をきかせている時代だけれど、メッシーナのバイオテクノロジー部門を手土産にしたぐらいでは、『草薙』のトップにはなれないでしょう」
「二人は何か、別の切り札を持っていた、と?」 ナイトが訊いた。
「多分。もしかしたら、ベーオウルフはカムイを駆け引きの材料にして、その切り札を取り込むつもりなのかもしれないわ」
エンジェルとナイトは再び顔を見合わせた。事は思った以上に急を要するようだ。

永遠子のオフィスを出た途端、事件発生を知らせる警電が鳴り響いた。
―第2方面区、7番ストリート、538番地で、銃撃事件発生。』
―E258号。付近を警邏中。現場に向かいます』
―RM38号。現場に向かいます』

「ウルフの住所だわ」 先に気づいたエンジェルが叫んだ。
現場に到着した警察官から、次々に情報が飛び込んでくる。組織犯罪対策課の捜査員達が「抗争だ!」と色めきたった。ナイトはそのうちの一人を捕まえて訊ねた。
「抗争というのはたしかな情報ですか? あのあたりにマフィアの人間は住んでいないはずですが」
「黒づくめの男女がマシンガンを一斉射撃して行ったんだ。間違いねえよ。『草薙』の連中がかちこみをかけたんだ」
ファミリーの人間が理由もなく一般人の住宅を襲撃するはずがない。
「エンジェルさん、行きましょう。もしかしたら、そこに行方不明の子供がいたのかもしれません」

 「おれもすっかり警察御用達になっちまったな。ナイトに続いて、あんたにもボディガードを頼まれるとは」
簡素な家具付きのレンタルルームは、ダンテが時折、週ぎめ・月ぎめで利用している部屋だ。油断なく窓から通りに目を配り、追っ手らしい人間がいないことを確かめると、彼はクライアントを振り返って頷いた。ウルフは疲れ果てた様子でソファに座り込み、カムイはその胸に顔を埋めている。ここへ来るまでずっとウルフにしがみついていたが、今は眠っているようだった。
「しかし、よくあの弾雨の中から逃げ出せたもんだな。さすが、元救助隊だ」
ダンテは感心したように言った。ニュースによると、表通りからマシンガンの斉射を受けて、ウルフの住居は蜂の巣状態だという。玄関からも二人を挟み撃ちにすべく侵入された形跡がある。
「邪魔だてしにきた奴がいたんだ。おれの獲物に手を出すなって」
ウルフは言った。
「獲物? 殺し屋か?」 おれのような、とダンテは胸の内で呟いた。
「いいや。バウンティハンターだ」 ウルフはソファに体をもたせて、ぐったりと目を閉じた。

近づいてくる黒い車は霊柩車のような不吉な気配を漂わせていた。理屈よりも先に直感が働いて、ウルフはカムイを抱いて床に転がった。直後に、耳を聾する銃声と共に窓ガラスが砕け散り、電球が割れた。壁にも床にも弾痕が走る。玄関ドアからも銃を持った男女が現れた時は、ウルフももうだめかと思った。仲間の銃弾に当たらないようものかげに隠れながら、二人は慣れた身ごなしで近づいてくる。リビングの床にはいつくばったウルフとカムイに銃口が向けられた。その時―
「おれの獲物に手を出すんじゃねえ」
声がしたと同時に、二人は呻き声を上げてくずおれた。背後からの闖入者にまるで注意を払っていなかった様子だ。視界が開いたと感じた瞬間、ウルフはカムイを抱えて脱兎のごとく駆けだした。倒れた二人の体を飛び越えざま、三人目の顔にバスタオルを投げた。
「貴様!」と叫んで、その男が顔に覆い被さったタオルをひきはがす時間があれば十分だった。ウルフは廊下の窓から裏庭へ飛び出し、そこに停めてある自分の車に飛び乗った。

「タオルを投げつける寸前、そいつの顔を見た。おれが昔いた福祉施設のファーザーだった」
「福祉施設のファーザーがバウンティハンターをやってるのか?」
ダンテはあきれ声で訊いた。
「ああ。おれん頃のファーザーが死んで代替わりしたんだ。仏教の僧侶らしいが、とんでもねえ生臭だぜ」
ウルフは先代ファーザーの葬儀に出席して、江流に会った。経は上手かったが、ウルフは香典をもっと寄こせとせびられた。
「いいのか。そんな奴にガキの養育を任せて」 ダンテが言う。
「大人なんざ、九割は反面教師さ。違うか?」
「否定はしないよ」 ダンテは苦笑混じりに頷いた。
「おまえさんが、自分の職場に駆け込まず、おれにボディガードを頼んできたのは、そのせいか?」
「ああ。メッシーナのジェミニがバウンティハンターなんか雇うはずはない。現に、組織の人間におれの家を銃撃させてる」
「おまえは誰が雇ったと考えてるんだ?」
「知らねえよ。ただ、そういうことがもっとはっきりするまでは、警察にも届けない方がいい。そんな気がするんだ。これもただのカンだがな」
「おまえさんのカンなら信用できるよ」 ダンテは言った。
「さて。あやしい奴らもいないみたいだし、買い出しに行ってくるか」
カムイがウルフのもとにいることがファミリーに知れたのは、おそらく、コンビニから子供服をデリバリーしたせいだろう。ダンテは着替えも食糧も、少し離れたところにある大型デパートで調達することにした。
ソファの上で目を閉じている二人に、彼はそっと毛布をかけてやった。

 ウルフはその夜、発作を起こした。あの家から逃げ出した時に持ち出せた物は3つだけだった。携帯電話と、デリバリーの支払をすませて尻ポケットにねじこんだ財布、そして、このところずっと手放せず服のポケットに入れていた吸入器。
ダンテが吸入器に水を入れてくれ、ウルフはそれを口にあてがった。胸を波打たせて喘いでいると、背骨のあたりに小さく柔らかな感触を覚えた。いつのまにか起き出してきたカムイが背中をさすっているのだ。
「おまえまで起こしちまったか。悪かったな」
「お薬」と、カムイはウルフの胸のペンダントを指さした。
「こいつは飲む時間が決まってるんだ。今はまだ時間じゃねえ」
カムイが背中をさする感覚は不思議に心地よかった。
「ああ、おかげで楽になった。ありがとうよ」
そう言ってカムイの頭を撫でると、カムイは花の蜜を吸う小鳥のようにウルフの胸に顔を埋めてきた。

(続く)

東レ vs JT

2007-02-25 17:23:22 | バレーボール
       だいぶ生え際が前進しました
     

 東レ 2  3 JT
         25-21
         25-17
         21-25
         13-25
         13-15

東レスタメン:芝田、西脇、木村、佐藤、荒木、中道 リベロ;濱口

今日はフルセットの末、JTに惜敗 悔しいホームゲームとなってしまいました。
心配なのは選手の体調。昨日はNECがかなり未希さんのトス回しを研究していたようだったので、今日はミチさんがスタメンなのかな?と思ったのですが、未希さん、ベンチにも入っていません。体の具合が悪いんでしょうか。
raumen9012さんの情報によると、サオリンも昨日かなり体調が悪かったようです。
それなのに、今日もスタメン出場。アタック決定率51.6%、レシーブはなんと39本も受けるという大奮闘でした。大丈夫なのか、サオリン
サオリンは全日本でも「外せない選手」「誰も替われない選手」でした。守備も攻撃もいいのでチームの要になり、しかもサーブで狙われる…毎試合これでは、体がもたないでしょう。でも、チームの勝利を考えると、監督としてはやはり外せないのでしょうが、心身の疲労が溜まりに溜まって、回復に時間がかかるようなダメージを負ってしまっては、かえってチームにとっても損失だと思います。思い切って休ませてあげることも必要ではないでしょうか。
JTも、テンさんが負傷欠場した時、かえってチームが一丸になって勝利した試合もありました。ピンチはチャンス。案外、思ってもみなかった選手が大爆発してくれるかもしれません。特に、東レは若い選手がのびのびと活躍できるチーム。迫田選手も和田選手もポテンシャルは高いようなので、信じて託してみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、サオリンの負担を軽くする、特に守備の負担を軽くする方策というのは、考えなければならないことだと思います。
みんなの力を合わせて、ファイトだ、東レ

 3月3日(土)  パイオニア(埼玉)
   3月4日(日)  トヨタ車体(千葉)

東レ vs NEC

2007-02-24 17:17:11 | バレーボール
     

 東レ 0  3 NEC
        18-25
        19-25
        28-30

東レスタメン:荒木、佐藤、芝田、大山未希、木村、西脇 リベロ;濱口

ホームゲームを制して乗っていきたい東レですが、残念! NECにストレートで敗れてしまいました
またローテーションを変えてスタートした東レですが、第1セットはNECに波に乗られてしまいました。監督も考えておられるのでしょうが、どうも勝ちパターンはいじらない方がいいような気がします…って、私のは単にジンクスですが
東レも、第2セット、大量リードを奪われた後、ミチさんが入ってリズムを変え、1点差にまで詰め寄る場面があったり、第3セットも競り合ったのですが、NECに押し切られてしまいました。
今日はNECの方が決定力が勝っていたかな、という感じでした。特に、レトネン選手、有田選手があたっていたようです。

先週に続き、真っ赤な花の写真で、東レにレッドパワーを送ります
バラの切り花は難しいですね。蕾を買うと、開かないまま終わることが多いので、私は花が開いているのを買ってきます。茎の先をガスの炎であぶるといいとか、色々教えて貰ってやってみたのですが、どうも上手くいきません。

 明日はJT戦。元気出していこう、東レ

狼の条件(1)

2007-02-21 20:20:27 | Angel ☆ knight
   

 男は、イリヤの前に跪いて手を合わせた。
「頼む。見逃してくれ。子供が病気なんだ。あの子の入院費を払うために、人の金に手を出しちまったんだよ。パートナーはとっくに蒸発しちまったし、おれがいなきゃ、誰もあの子の面倒をみれねえんだ」
「保釈申請の時は、たしか、あんたのパートナーが身柄引受書を書いたんじゃないのか?」
イリヤが言うと、男はしまったという表情になった。
「そういう、お涙ちょうだいは、裁判官の前でいいな」
イリヤは男の腹にサンドボールを撃ち込むと、呻き声を上げて蹲った男の両腕を後ろに回して手錠をかけた。車の中でも男はまだ呻いていたが、さっきの続きをえんえんとかきくどかれるよりはましだ。おれがこんな、女みたいな顔をしているものだから、泣き落としをかければほだされるだろうと考える奴は多い。そういう態度が一番癇に障る。
賞金稼ぎ(バウンティ・ハンター)。保釈中に逃亡した被疑者・被告人や、懸賞金のかかった重罪犯の身柄を確保して、賞金を貰うのがイリヤの仕事だ。武器といえば、ボクサーのパンチ程度の威力しかないサンドボール銃だけ。それでどんな凶悪犯も生け捕りにしなければならないのだから、さほど割のいい仕事ではない。
エスペラント・シティ弁護士会に男の身柄を引き渡して賞金を受け取り、建物を出たところで携帯が鳴った。エスペラント・シティ警察組織犯罪対策課からだった。

「この写真の子供を探し出して身柄を確保してほしい。賞金は200万出そう。前金100万、報酬100万だ」
組織犯罪対策課長ベーオウルフは、そう言って一枚の写真をイリヤの前に放った。見覚えのある子供の顔が写っている。
「ニュースで見ただろう。二日前に殺害された『草薙』のドン、タケルの一人息子だ。名前はカムイ。年齢は満五歳」
ああ、とイリヤは思った。マフィアの内部抗争。タケル夫妻は爆破された自宅から銃殺体で見つかった。残ったファミリーの動向から見て、タケルの姪と甥にあたるディアナとロミオの双子が主犯に間違いないといわれている。メッシーナのジェミニと呼ばれる二人はまだ年若いが、ファミリーはほぼ全員なびいているという。根回しも万全だったようだ。
『草薙』はオリエンタル・マフィアなのに、ドンの甥姪はユーラシアンなのか?
イリヤの疑問を読み取ったかのように、ベーオウルフが口を開いた。
「タケルの父親のサトルってのが女たらしでな。それも、ユーラシアンの女が好みだったらしく、愛人が山ほどいたんだ。何と、メッシーナ財閥のご令嬢にも手を出していて、ディアナとロミオはその血筋さ」
「ガキはそいつらが隠してるんじゃないの?」
「それは考えられんな。もし、カムイがメッシーナのジェミニの手に落ちていたら、とっくに殺されて、これみよがしに死体が放り出されているはずだ。爆発で原型をとどめないほど粉々に吹き飛んだとしても、鑑識が調べれば人間が存在していたかどうかはわかる。現場にはその痕跡はなかった」
「これは、警察からの公式オファーなんですか?」
イリヤは訊ねた。それならば警務局の人間が立ち会っているはずだ。
「組織犯罪対策課長である、おれの依頼だ」 ベーオウルフが答える。
「つまり、個人的な依頼ということですね。組織を通せない理由は何ですか?」
「手続が面倒だからさ。事は一刻を争う。ジェミニが先に見つけたら、この子は殺されちまう。のんびり警務局に申請を出して審査を受けている暇はない」 
ベーオウルフはそう言って、にやりと笑った。
「それに、これはおまえにとってもいい話だぜ。税金から賞金を払うとしたら、とてもじゃないが200万なんて額にはならんからな」
「おれは、仕事を金額では判断しない」 イリヤは言った。大事なのは、おとりにされたり、捨て駒にされたり、いいように利用されないことだ。この話は気に入らない。イリヤはカムイ少年の写真を指でぴんと弾き返した。
「悪いが、今の話は聞かなかったことにするよ。200万も出しゃ、他にやりたがる奴がいくらでもいるだろう。そいつらに頼みな」
そう言って、イリヤは部屋を出た。ベーオウルフは腕利きだがあくの強いやり方をすると評判の捜査官だ。純粋に子供の命を心配しての依頼とは思えない。カムイを見つければ、ジェミニとの取引材料にしかねない。ついでにおれのことも捨て石にしかねない、とイリヤは思った。
警察署を出ると、その足で銀行に行って、受け取ったばかりの賞金100万のうち、20万を自分の口座に、80万をシスター・シシィの口座に振り込んだ。シスターといっても尼僧ではない。児童福祉施設の職員はたいていブラザー、シスターと呼び慣わされている。園長はマザー、ファーザーだ。
イリヤの育った福祉施設『安楽園』にもファーザーはいる。江流(コウリュウ)という名の破戒僧だ。どこかの仏教寺院を追い出され、バウンティハンターをやっていたところを先代のファーザーに拾われたというとんでも野郎だ。こんな奴に送金したのでは何に使われるかわからない。イリヤにこの仕事の手ほどきをしてくれたのは彼なので、あまり悪くは言えないが。
ベーオウルフは江流にも先刻のオファーをするだろうか。イリヤはふと考えた。江流は一応聖職者らしく、時折冠婚葬祭を仕切っているが、それだけではとてもやっていけないので、相変わらずバウンティハンターを続けている。江流は依頼を受けるだろうか。
「関係ねえや」
呟いて、イリヤは銀行を出た。

 この季節には珍しく空が高い。だが、その色は春特有の紗がかかったような薄青だ。まだ温い(ぬるい)日差しの中で、ウルフは思い切って深呼吸をしてみた。
数日来、彼を苦しめ続けてきた咳や息苦しさは、雨とともに上がってくれたようだ。今のうちに、ほどよく乾いて暖かい場所に出かけてしまおう。保養だの、転地療養だの、自分には縁のない言葉だと思っていたのに。
旅行代理店のラックから引き抜いてきたパンフレットを、彼は歩きながらぱらぱらとめくった。内容に目を留めるより先に、とことこと後をついてくる小さな気配が神経に触れた。立ち止まって振り向くと、気配の主の少年も足を止めた。五歳くらいの薄汚れた少年だ。最近急増しているというストリートチルドレンだろうか。
「何だ、坊主。おれに何か用か?」
少年が何か呟いたので、ウルフはその前にしゃがみこんで耳を近づけた。
「おじさん、幸せ売り?」
「何だって?」 ウルフは眉を上げた。
「幸せ売りでしょ。お花の匂いがするもん」 少年はウルフに向かって鼻をくんくんさせた。花? ウルフはすぐに思い当たって、胸にさげたロゼット入りのペンダントを掲げた。
「花じゃない。こいつの匂いだ。薬なんだよ」
ロゼットを服用していると、息や汗にバラの花のような匂いが混じる。
「おじさん、病気なの?」
「病気っちゃ病気かな。ガリルって知ってるか?」
「毒ガス」
「おう、物知りじゃねえか。おじさんはガリルを吸っちまったんだ。この薬を48時間ごとに飲まないと、肺が働かなくなって死んじまうんだよ」
ウルフがエスペラント・シティ警察の救助セクションからバックアップセクションに転属を余儀なくされたのはそのためだ。ガリルを吸って肺を傷め、救助隊機シルフィードのパイロット資格を失った。吹っ切れたつもりでも、今日のような快晴の空を見ると胸が痛む。シルフィードのキャノピーを真っ青に染めて自在に飛び回った日々を思うと、切るような悲しみに襲われた。
「おじさん、幸せ売りじゃないの?」 少年はウルフの悲しみが伝染ったような顔をした。
「その、幸せ売りって何なんだよ」 訊ねると、少年は張り切って説明を始めた。
「昔々、幸せ売りは人間と一緒に仲良く暮らしていました。ところが、ある国の王様が幸せを一人占めしようとして、幸せ売り狩りを始めました。幸せ売り達は王様の軍隊に捕まらないように、人間に姿を変えて街や村に紛れました」
童話か何かか? 少年はすっかりそらで覚えているらしい話を続けた。
「こうして幸せ売りの姿は見えなくなりましたが、よーく気をつけていると、幸せ売りの背中の透き通った羽がお日様の光にきらりと輝いたり、幸せ売りの体にしみこんだお花の香りがそよ風にのってただよってくることがあります。そんな時は…」
「わかった、わかった。もういいよ」 ウルフは手を振って遮った。
「悪いが、おれは人間なんだ。生まれてからずーっとな」
「ふみゅー…」と、少年は残念そうな声を出した。泥や埃で汚れてはいるが、身なりは悪くないことにウルフは気づいた。ところどころに焼け焦げがあるのも気になる。
「坊主、迷子か? おうちはどこだ」
「もうない」
「は?」
「なくなっちゃった」 少年は両手を上げて万歳のような格好をした。
「おまえの保護者は? お父さんとお母さんは?」
「おと…さんと…おか…さん…」
少年は鸚鵡返しに繰り返すと、ぴきっと背筋を硬直させた。数秒後、突然ぶるぶると震え出す。まずい。ウルフは素早く少年を胸に抱いて、体をさすった。救助隊にいた頃、何度も見た現象だ。
「落ち着け。大丈夫だ。恐くない。悪かった。今言ったことは忘れろ。大丈夫だ。もう恐くない」
少年の震えがおさまると、ウルフは彼を自宅に連れ帰り、温かい飲み物を飲ませて落ち着かせた。風呂に湯を張って、少年を裸にすると、あちこちに火傷や打ち身、擦り傷があった。少年につきあって自分も風呂に入り、泥だらけの体を洗って傷の手当てをする。少年はおとなしくされるがままになっていた。
ウルフは彼をバスタオルにくるむと、近所のコンビニに電話をして、子供用のトレーナー、ズボン、くつした、下着を取り寄せた。少年の着ていた服は洗濯機に放り込んだ。
「おれはウルフってんだ。おまえの名前は?」
「…クマたん」 少年は言った。
「そりゃ、ニックネームだろう。本名は?」
「クマたん」
まったくもう。これだから、ガキは面倒くせえんだ。なかなか埒が明かねえ。
「おまえのうち、なくなるまではどこにあった?」
「エイリアン・ストリート」
ウルフはパソコンでニュースを検索した。体調が悪化して休暇を取ってから、ニュースは一切見ていない。事件を知ればとんで行かなければならないような気持ちになるからだ。セクションチーフのジュンからも、「見ざる聞かざるで、とっとと旅行に行っちまえ」と言われていた。
やれやれ。エイリアン・ストリートでは、やはり派手な事件が起きていた。ウルフは少年に訊いた。
「おまえ、カムイって名前か?」
「うん」
ウルフはパソコンの前で頭を抱えた。こんなガキに出くわしたばかりに、せっかくの休暇がとんでもないことになりそうだった。

(続く)

トヨタ車体にフルセット勝利!!

2007-02-18 16:50:14 | バレーボール
       だいぶ髪が伸びました
   

 昨日に続くフルセットの熱戦。今日は東レが勝ちました

東レ 3  2 トヨタ車体
    25-21
    25-21
    19-25
    16-25
    15-12

東レスタメン:芝田、西脇、木村、佐藤、荒木、大山未希 リベロ;濱口

やはり、このスタメン&ローテーションがいいようですね。
勝ちパターンというのはツキも持っていると思うので、結果が出ている間はあまりごちゃごちゃいじらない方がいいような気がします。
トヨタ車体とは前回もフルセットの戦いですが、今回も1、2セットを東レが連取した後、粘ってきました。
第5セットも序盤は2-6とリードされ、ヒヤヒヤしましたが 強い気持ちで振り切ってくれました
今日はエリカさんの活躍が目立っていたように思います。いいところでブロックやサービスエースが出ていたのでは。
レシーブも、いつも30本以上受けているサオリンが、今日は16本。タクトさんが34本と頑張ってくれました。その分、サオリンは攻撃に力を回せたのではないでしょうか。
これで勝率も5割に戻し、順位も1つ上がりました。四強はまだまだ射程圏内。
次回は地元滋賀でのゲーム。ホームゲームを連勝で飾ってのっていこう

 滋賀大会

2月24日(土)  NEC
2月25日(日)  JT

東レ vs 武富士

2007-02-17 17:31:56 | バレーボール
       

 バレンタインが終わったので、ホワイトデーヴァージョン(?)に衣替え(笑)
この冬は気味が悪いほどの暖冬ですが、今日は寒かったですね。この寒さの中、東レは武富士とフルセットの熱戦でした。

東レ 2  3 武富士
    25-19
    24-26
    20-25
    25-23
    10-15

東レスタメン:木村、大山未希、荒木、西脇、芝田、佐藤 リベロ;濱口

残念ながら、またもあと一歩というところで及ばず。総得点もわずか4ポイント差という惜しい試合となってしまいました。
今日は、スタメンは前回と同じですが、ローテーションを変えてスタート。第1セットは気持ちよくとったのですが、そのままたたみかけることができませんでした。
第2、第3セットの展開からは、やはりエステス選手という大砲の存在が大きいのかなと感じました。Vスコ観戦なので、どんな選手なのかはよくわかりませんが、いざとなると決めてくれている感じがしました。
東レはセンター線も決まっていたし、WSも第1セットはサオリン、第4セットはミヤさんが得点を重ねてくれましたが、最後は武富士に押し切られてしまいました
リーグも今日から後半戦ですが、大事なのは自分達で深みにはまらないこと。どのチームにも勝てる力は持っているのですから、それを信じて強気でぶつかっていってほしいです。
今日の画像は赤いチューリップ。今時こんなベタなチューリップはかえって珍しい気がして写したんですが、赤は元気と闘争心の色。東レの選手にもレッド・パワーを
真っ赤に燃える元気なハートで、明日は勝利だ、東レ


バレンタインこぼれ話

2007-02-16 02:44:52 | クマでもできるシリーズ
       クマでもできたぞ! 簡単ワッフル
 

 私と違って彼がいる妹。普段はまったくお料理はしませんが、毎年バレンタインが近づくとやけに張り切って、手作りチョコやケーキに挑戦します。
今年はシフォンケーキを作ると張り切っていましたが、やってみると、見事玉砕 3連休の初日のデートで彼に渡すつもりだったのに、すごすごと仕事に(妹は販売業なので、11日も仕事だったんです。この夜にデートの予定)
そこで、私は昼間のうちに、残った材料で作れそうなワッフルを作ってみることにしました。さぁ、クマでもできるか

 クマでもできたぞ! 簡単ワッフル
〈基本形〉8枚分
1 薄力粉80gと、ベーキングパウダー5gを合わせてふるっておく
2 1の粉に上白糖30gを加え、泡立て器でまぜる。
3 2に卵一個を割り入れて泡立て器で混ぜながら、牛乳100mlを少しずつ加え混ぜる。
4 ワッフル型にサラダ油をぬり、3の材料を30gずつ流し入れてラップし、500Wの電子レンジで1分10秒加熱し、レンジから出して30秒蒸らす。
竹串を刺して、生地がついてくるようならさらに10秒ずつ加熱。
5 生地を取り出して、粗熱を取る
6 4~5を、材料がなくなるまで繰り返す。

       

これで、基本形  のできあがりです。あとは色々アレンジするだけ。

〈プレーンワッフル〉 基本形の凹凸部分にグラニュー糖をまぶし、オーブンなどで焦げ目がつくまで焼くと、カリッとしたワッフルになります。

〈ワッフル・サンド〉 レタス、ハム、トマトなどをはさんでサンドイッチに!

〈生クリーム・チョコレートバージョン〉 冒頭の写真のです。クマでもできるホイップクリーム & ガナッシュチョコを塗って、細かく刻んだゼリーをトッピング
途中で妹の彼氏が車で迎えに来て最後は大急ぎで仕上げたので、みばえが悪いですが、つっこみは無しよ 母が使い捨てのお弁当容器に詰めて、妹に持たせました。どんな味だったやら…

〈ホイップクリーム〉
市販のホイップクリームの素に、砂糖30~50gを加え、つんつんになるまで泡立てる。

〈ガナッシュチョコ〉
1 割チョコ360gに、牛乳130mlの割合でまぜ、500Wの電子レンジで2分間加熱。
2 スプーンでねっとりするまでまぜる。

残ったガナッシュチョコは型に入れて、普通の手作りチョコに。

      

チョコレートと牛乳を合わせただけなので、そうそうまずくはなりようがありませんが、加減がよくわからなかったのでかなり濃厚でした。何個も食べると鼻血が出そう。ウーン、カカオ・ポリフェノール

Counteraction(6)

2007-02-15 00:45:46 | Angel ☆ knight
     

     
「もともとは、これが核爆弾を無効化する装置のはずやってんやろ?」
「でも、途中でビームサーベルになっちゃったから、急遽ガリルの中和装置に変更になりましたー」
「アンジーは相変わらず、いきあたりばったりやなぁ」

 ついに、予告期限当日がやってきた。
ウルフはフィリップの店で(酒は飲まずに)早めの夕食をとっていた。テレビはどの局もニュース特集だ。
タイムリミットまであと30分に迫った時、テロリスト逮捕の第一報が入った。店内に歓声が上がる。
『怒りの雷』の実行メンバーは、捜査本部の張った網に次々とからめとられているようだ。爆弾が3個回収されたところまで、立て続けに速報が入った。その後、続報が途絶える。爆弾は全て回収され、『ライオン・ハート』の作戦は壊滅したのか?
ウルフの胸の携帯が震えた。シンからのメールだ。

『やばいです。ビームサーベルが必要になりそうです』

次の瞬間、ウルフは席を立って駆けだしていた。

 橙系統逮捕、爆弾を起動前回収。緑系統逮捕、爆弾を起動前回収。黄系統逮捕、爆弾を起動前回収。
現場から報告が入る度、捜査本部も湧いた。しかし、その後が続かない。もう一つあるはずの藍色系統が。
「爆弾は6個だったのか?」 捜査員の一人が希望的観測を口にした。
既に回収した赤、青、紫と、今日回収した3個。虹の七色には一つ足りない。
「もしかしたら、逆の意味で罠だったのかもしれないな。実際には爆弾は6個しかない。しかし、7個目があるかもしれないと思えば、市長は要求をのまざるをえない」
これまでの陰険なやり口からすればあり得ることだ。しかし、本当に一発残っていたら? ナイトは人工衛星のモニター画面を食い入るように見つめた。
「あれ、爆弾じゃないですか?」と、画面を指さした捜査員がいる。
全員の目がその指先に注がれた。シティのはずれの田園地帯だ。照明はまばらで、幹線道路を走る車両以外に賑わいはない。その道路沿いのガソリンスタンドの屋上に、四角い銀色の物体がのっていた。
「倍率を上げろ」 ナイトは叫んだ。禍々しい物体が次第に大写しになる。
(まさか、こんなところに)
盲点だった。今回のテロはシティの破壊より、市長を失脚させることの方が主目的だ。既に、世界連邦発足会議を提唱したせいでシティにテロを招いたと、市長を非難する声が上がっている。爆弾の被害は小さくとも、一人でも死傷者が出れば市長は辞任に追い込まれるだろう。必ずしもシティの中心部を爆破する必要はないのである。
「きっと、ガソリンスタンドの従業員の一人が『ピース』だったんだ。5分前の映像には、あんなもの写っていなかった」 爆弾を発見した捜査員が言った。人工衛星の動きも計算に入れて爆弾を時間差で屋上に置き、自分は逃走したに違いない。
それまで救助セクションと打ち合わせを続けていたユージィンが、ナイトを振り返って言った。
「あの場所ならSRFよりも小回りのきくロードマスターで行った方がいい。だが、いずれにせよ、今からじゃ、爆発前に現場にたどり着くのが精一杯だ。こうなったら、あのビームサーベルを使うしかない」
ナイトは既に対策本部を呼び出していた。改造ビームサーベルは、ちょうど最後の不具合を調整したところだという。ナイトは対策本部の門前で待機しているエルシードにビームサーベルを渡すよう指示した。
その時、受話器をひったくるような気配がして、思いがけない声が飛び込んできた。
―ナイトか? 爆弾の位置を教えろ。おれが行く」
「ウルフ…?」

 「ウルフさん、待って下さい。現場へはわたしが行きます」
シルフィードと志摩の足音が後ろから追いかけてくる。
「実験はまだ完璧に終わったわけじゃありません。100%作動するという保証はないんです」
「だから、おれが行くんだよ」 ウルフはシルフィードを振り返った。
「あんたにはもしものことがあったら、泣く人がいる」と、後方の志摩に目をやった。「そういう奴は無茶をしちゃいけない」
シルフィードの青い瞳にみるみる涙が盛り上がったので、ウルフはうろたえた。
「お、おい、何で泣くんだよ」
「ウルフさんにだって、泣く人がいます」 涙をぼろぼろこぼしながら、シルフィードが言った。「私が泣きます」
「…あんたは負い目を感じているだけだ」 あっけにとられつつも、ウルフは言った。
「おれがこんな体になったのは、別にあんたのせいじゃない。責任を感じる必要はないんだ。あんたも、ナイトも」
「そんなこと言ってるんじゃありません」 シルフィードは叫んだ。
「わたしだって、ウルフさんと同じで家族なんかいません。ものごころついた時はもう学研都市(アカデミア)にいました。それでもわたしを大切に思ってくれる人はいます。ウルフさんもそうなんじゃありませんか?」
「……」
「あの店で…あなたは自分が辛くてたまらない時に、わたしを気遣ってくれました。本当に強くてやさしい人じゃなきゃできることじゃありません。そんな人に死んでほしくない…っ」
シルフィードが頭を振ったので、涙の滴がウルフの手にかかった。感情を伴った涙は不思議に熱い。救出できなかった被害者や、殉職した同僚の遺族は、いつもこんな、しぼり出すような慟哭の涙を流していた。そのような絆を持たない自分が真っ先に危険に飛び込むべきだとずっと思ってきた。だが、現にシルフィードは彼のために泣いている。いや、彼女だけじゃない。ナイト。テロの捜査でくたくたのはずなのに、毎日フィリップの店まで迎えに来てくれた。フィリップも、説教がましいことは何一つ言わず、ただ黙って見守っていてくれた。時々妙に酒が水臭いことがあったが、あれはおれの健康を気遣っているつもりだったのか。
「わかったよ。おれの言い方が悪かった」
ウルフはシルフィードの肩に手を置いた。
「だが、勘違いするな。おれは死にに行くわけじゃない。今頃ナイト達が、あの道路を封鎖してスタンドの人間を避難させてるだろう。爆弾がどうしても止まらなければおれも退避する。そういうのは、現場を経験してる人間の方が上手くやれるんだ。だからおれが行く。わかるな?」
シルフィードは静かに顔を上げて頷いた。ビームサーベルを指差し、
「それの使い方はご存じですか?」と訊いた。
「ああ。制式採用された時に説明会があったからな」
「ビームが青色になるまで出力を上げて、爆弾の中央部に突き刺して下さい。正確に中心である必要はありませんが、あまりずれると干渉派が全体に行き渡らなくなります」
「わかった」
「これも持って行って」
志摩が後ろから予備のビームサーベルを二本差し出した。ウルフはそれを受け取ると、また走り出した。

 ビルの外へ駆け出すと、エルシードがロードマスターに跨って待っていた。通常のオートバイよりはるかに高性能なので、これに乗るには特別なライセンスが要る。対テロセクションの人間は全員取得が義務づけられているが、他の部署の職員は任意である。
「それが改造ビームサーベルか?」 エルシードは寄こせというように手を伸ばした。
「時間が残り少ない。手は多い方がいいと思うぜ」
エルシードは余計な押し問答はしなかった。「ヘルメットをかぶれ」
ウルフが予備のヘルメットをつけて後部座席に跨ると、戦闘機のようなキャノピーがカウルの上にかぶさった。エルシードがスロットルを開ける。
ロードマスターは風のように夜の道を疾駆した。
「あなたは、さすがパイロットだな」 エルシードが呟いた。
「バランス感覚がいい。おかげでコーナーを切るのが楽だ」
エルシードの背中越しに速度計を見て、ウルフはのけぞりそうになった。777で夜空を飛んでいるのと何ら変わらない感覚だ。
「現場だ」
「もう着いたのか? さすが『飛ばし屋エル』だな」
「何をのんきなことを言っている。爆発まであと5分だ」
付近に車両は一台もなく、ガソリンスタンドももぬけのからだった。道路の両側には見渡す限り田畑が広がっている。
エルシードはキャノピーをたたんでマシンをジャンプさせ、ウルフはリアシートから屋上に飛び移った。コンクリートの床に受け身を取って転がる。爆弾は貯水タンクの上だ。鉄のはしごに飛びついて、ウルフはタンクに上った。
「あと4分」 エルシードの声が響く。
ウルフはビームサーベルの励起スイッチを押した。ウィーンという音がして、オレンジ色のビームがほとばしる。出力を上げるにつれ、ビームの色はオレンジからルビー、ヴァイオレットへ変化し、最高出力に達すると青白く発光した。
爆弾の中央部に突き立てると、装置の内部に干渉派が走るのが天板越しにも見てとれた。サーベルが倒れないよう根本まで刃を沈めると、ウルフは貯水タンクから飛び降りて、屋上の手すりから身を躍らせた。いったん手すりにぶらさがって勢いを殺し、ロードマスターのリアシートめがけて飛び降りる。
エルシードにしがみつくような形になったが、彼女はかまわずマシンを発進させた。一分以内に爆発の圏内から逃れるために、フルスロットルで走る。キャノピーが開いたままなので、上着がちぎれそうにはためいた。
「おい」 風の音が凄まじいので、ウルフはエルシードの背に口を押し当て、振動で言葉が伝わるように言った。
「もう大丈夫みたいだぜ」

 タイムリミットが過ぎても、爆発は起きなかった。シティは救われたのだ。レーヴェの関与を暴くところまでは行かなかったが、その陰謀は阻止された。機械の部品と違い、人間は感情を持った生き物だ。どんなにマインドコントロールし得たと思っても、必ず思いがけない動きをする。
ウルフはスターリング本部長に呼び出されて直々に礼を言われた。
「おれのは、いいとこどりですから」 ウルフは正直なところを言った。
もっとも、スターリングのことだから、捜査本部も対策本部も遺漏なくねぎらったことだろう。
「それより、次の部署なんですが」
現在欠員のある部署を訊くと、バックアップセクションだという。ウルフは不思議な縁を感じた。捜査員が安心して活動できるよう、ジュンのようにがっちり後方を支えるのもいいかもしれない。
彼は特別休暇を返上してバックアップセクションに転属し、シルフィードらと共にガリルを中和する作業に加わることになった。自分の人生を変えたガスを自らの手で消すことが、新しい部署での最初の仕事だった。
ウルフのようなヒーローが地味なバックアップセクションを希望してくれたというので、スタッフは大喜びだった。ガリルを中和する薬剤放出のスターターはぜひ彼に務めてほしいと、ジュンは言う。面映ゆいものを感じながらも、ウルフはそれを受けた。
志摩とシルフィードが設計した中和装置は、巨大ロボットのアームのようだった。
重量は意外に軽いそれを、彼はメトロに続く穴に向けると、ひきがねのようなスイッチをぐいと引いた。

(オシマイ)


Sweet Valentine

2007-02-14 17:46:17 | Weblog
   

 毎年、年頭には必ず「今年こそバレンタインに本命チョコを渡す!」と誓うわたし。年が明けてから誓っている時点で、そもそも手遅れなのか?
…と思いつつ、いつ相手ができてもいいように選りすぐり(?)の本命チョコは買っておきます。備えあれば憂いなし
でも、備えが役に立ったことはなく、チョコは毎年、虚しく亡父の霊前に…ちーん
職場の人などに配る義理チョコを買うのも、わりと好きです。
義理チョコは、いかにお金をかけずに見栄えのいいのを買うかが女の腕のみせどころ(?) 最近は、コンビニで、400~1000円ぐらいでなかなかクオリティの高いチョコを売っているので助かります。
何でも、この頃では、女の子同士チョコを持ち寄って食べる「トモチョコ」や、自分で楽しむ「マイチョコ」もあるのだとか。バレンタインのチョコはお洒落でおいしそうなものが多いので、自分でも食べたくなってしまいますよね

 キョコたんはクマたんに、本命チョコをプレゼント。少女っぽくきめたエンジェルさんは、誰にあげたのかな?
そして、このブログを見て下さっている皆様に、愛を込めて


     
          HAPPY VALENTINE!