BE HAPPY!

大山加奈選手、岩隈久志選手、ライコネン選手、浅田真央選手、阪神タイガース他好きなものがいっぱい。幸せ気分を発信したいな

WGP2007出場メンバー

2007-07-27 01:54:26 | バレーボール
       メグさん壁紙
     

 WGP2007出場メンバーが決まりました。

 1 栗原恵   WS
 3 竹下佳江  S
 4 板橋恵   S
 5 高橋みゆき WS
 8 多治見麻子 MB
 9 杉山祥子  MB
10 先野久美子 MB
11 荒木絵里香 MB
12 木村沙織  WS/S

14 小山修加  WS
16 大村加奈子 WS
17 佐野優子  L
18 庄司夕起  MB
19 櫻井由香  L

協会HPに選手の写真と監督インタビューが掲載されています。

腰痛が心配されたメグさんですが、笑顔でインタビューに答えています。
柳本監督は、メグさん、サオリンの両レフトに期待している模様。
今回柳本ジャパンに初参加したメンバーとしては、大舞台の経験豊富な多治見選手、テクニシャンの先野選手、エリツィン杯では攻撃だけでなくセッター顔負けのトスを上げたという庄司選手などが楽しみです。
加奈さん、真理さん、カオル姫は、今回は大事をとってということのようですね。
私も、その方がいいと思います。
しっかり治して、本当に元気になったら思い切り活躍して下さい
そして、すっかり全日本の顔になった、サオリン、エリカさん。
去年からハードスケジュール続きですが、疲れをためないように、体を大切にしていって下さい。
特に、エリカさんは、今回MBが大激戦なので、精神的にもしんどいかもしれませんが、自信を持って、自分のペースを大切にして下さいね。
勝敗も大切ですが、一人一人が北京につながる何かを得る大会になればと思います
全員バレーで暑い夏を乗り切ろう

きゅうりのしょうが和え

2007-07-26 19:03:49 | クマでもできるシリーズ
      

 暑い夏は、食事の献立にも苦労しますね。何にも食べたくない時に作る気しなぁ~い
今回はそんな夏向け簡単メニューです。
あと一品何かほしいなーという時、いつものサラダからちょっと目先を変えたいときなどにカンタン便利な、

 クマでもできるキュウリのショウガ和え

1 キュウリを食べやすい大きさに切る
2 包丁でぶったたいて硬さをとる
3 塩もみして、細かく切ったしょうがをあえる
4 お好みで醤油をかけて下さい 

早めに作って冷蔵庫で冷やしておくと、冷たくておいしいです。


 プロ野球後半戦

←ゴールデンイーグル? 一昨日は岩隈選手が先発復帰。昨日は逆転勝利で、睫毛王子の永井投手に勝ち星がつきました。
イケメンローテーションで上位を目指せ

 もう鬼門とは言わせない。ナゴヤドームで  に2連勝。
2試合とも、点を取ってはとられ、取ってはとられ…
どちらも最後に突き放せたので良かったですが。
でも、借金もいよいよあと1に減り、5割リーチ
3タテできれいな体になろうぜ、阪神 

クマ皿騒動

2007-07-25 19:43:14 | Weblog
     

   何の変哲もないこのクマ皿。

     

流しの排水溝と直径がちょうど同じなんです。
洗い物をしていたら、スポッとはまってしまって、さあ大変
水は流れていくので、わずかに隙間はあるんですが、そこにうまく差し込んでこじれる物がなかなか見つかりません。
ドライバーや、はさみ、千枚通しなどでやってみましたが、びくともしません。
上手く隙間に入るものは薄すぎて力を入れるとクタッと曲がってしまうし、もう叩き割るしかないか? 
ああ、クマ皿の運命は風前の灯火… 

しかし、そこに救世主が現れました。
計量スプーンの大さじの柄。
これを突っ込んでぐいっとこじると、ついにクマ皿がボコッと持ち上がりました。
やったー
ありがとう大さじ様
これでダメなら金槌をもってくるところでしたよ。
おかげで、何事もなかったように涼しい顔をしてカメラに収まっているクマ皿。
いやー、世の中、何が起きるかわかりませんねー

夏の風物詩

2007-07-24 17:11:38 | Weblog
       

 毎年、夏になるとお取り寄せする「柚香(ゆか)ちゃん」。
ゆずの里、和歌山県古座川町の特製ドリンクです。
日本一綺麗だと言われる古座川の水と、柚果汁と、氷砂糖で作ったあっさりと爽やかな清涼飲料水。
研修旅行で古座川に行った時に、地元の人に、「お土産にぜひ」とすすめられて、飲んでみたらすごくおいしい!
以来、毎年愛飲しています。
古座川は、もう一度自力で行けと言われてもとても行けない秘境  (オオサンショウウオに触っちゃったよ)
そこの自然がぎゅっと詰まった「柚香ちゃん」は、大人も子供もおいしく飲める味なので、ギフトにも  です。
他にも、ゆずマーマレード、ゆず味噌など、おいしい柚製品があります。
毎年送られてくる注文票も、心のこもった手紙と自然の風物がちょっと同封されていたり(今年は紅葉の青葉でした)、とても嬉しい便りになっています。
詳しくは、古座川ゆず平井の里HPをご覧下さい。

 今日開けてみると、絵文字が一気に増えていて嬉しいな
プロ野球後半戦   
首位を目指して頑張れ阪神

加奈さん合宿復帰

2007-07-23 20:58:54 | バレーボール
     

 WGP2007が近づいてきました。
画像はTBSのHPでダウンロードできるサオリン壁紙。他に、メグさん、シンさん、テンさんバージョンがあります。ギャラリー→壁紙ダウンロードを順にクリックすると、ゲットできます。

このHPによると、加奈さんは7月18日に、メグさんは19日に合宿に復帰したそうです(チョロきったんさん、情報ありがとうございます)。
二人とも十分に回復しているのか、ちょっと心配ですが、「何が何でもWGPに間に合わせる!」というのではなく、しっかり体作りをしていってくれたらと思います。
ヨーロッパ遠征最後のドイツ合宿では、ひたすら走り込んだという柳本ジャパン。
素人考えですが、黒鷲後から今までぐらいの時期に、しっかり基礎体力作りをしておいた方が、長丁場を戦い抜けるんじゃないかなという気がします。
体力は大事。日本人アスリートはよく精神的な弱さが指摘されますが、精神力もある程度は体力に比例しますよね。途中でバテてしまっては気持ちも続かないけれど、「あと1試合でもできるわよ」というほど体力があれば、最後まで集中して相手に向かっていけると思います。
合理的な方法で、しっかり体作りをして、ベストコンディションで大会に臨んでほしいです。

ご一緒に!

2007-07-22 15:56:02 | Weblog
     

 お昼休み、若いOLが課長さんに「ご一緒に!」とにこやかに声をかけてきます。課長さんは、「ぼくをお昼に誘ってくれてるの」と、戸惑いながらも舞い上がりそうになりますが、「パンと一緒にカレースープ」というオチが。
「あ、パンとね…」と呟く課長さんが哀愁だったそのCMの商品かどうかはわかりませんが、近所のスーパーでみつけた、ハウス「スープdeカレー」。
カレー好きのわたしには見逃せません。もちろん、パンとご一緒に食べるんです。

     

味は2種類。「トマトとカシューナッツで仕上げたスパイシー・クリーミーカレー」と、「チーズで仕上げた3種のきのこカレー」
カップにスープの素と具をあけて熱湯を入れ、すぐにかきまぜて3分間おきます。その間にパンをトーストして、ご一緒に。
カリッとトーストしたフランスパンと相性バッチリですね。私は、パンにバターをぬっておくという、メタボな食べ方をしています

 球団をこえて、ファンも選手もご一緒に、のオールスター。
第一戦は投手戦だったので、久保田のところで打たれないかハラハラしました その後、点が入ったので、藤川は楽だったのでは?
第2戦は15年ぶりに東北開催。山崎選手がファンの前で嬉しい一発でしたね。マーくんは…大物には、こういうのも話のネタとしていいんでないかい?
11-5の打撃戦で、セリーグが交流戦の鬱憤を晴らす2連勝でした。

 そして、皆さんご一緒にドキドキしたことでしょう。
日本  オーストラリア
川口選手が2レンチャンでPKを止めた時点で、日本の勝利が見えましたが、それにしても神業ですね。同点ゴールの高原選手は、PKでお茶目なところも見せてくれました。ドンマイ
オーストラリアに勝利したのも嬉しかったですが、延長、PKと戦い抜けたことも大きな意味があるように思います。
前回のW杯の決勝トーナメントも、延長なんてあたりまえのタフな試合ばかりでした。酷暑のベトナムで、体の強いオーストラリアを相手にフルコースで戦って勝利したというのは、体づくりという面でもチームがしっかり作られてきたという感じで、頼もしいです。
こうなったら、もう優勝しかないぜ ニッポン 

翡翠の空(4)

2007-07-21 14:57:48 | Angel ☆ knight
    
   「初めて、お絵かきソフトを使って描いてみました」
   「何、これ。ロールシャッハテスト?」
   「 何に見えますか~?」

 スークでは食べ終わったらすぐに狭い屋台の席を開け、そこここに設けられたベンチや休憩所に移るのがマナーである。
美影は789便のクルーだったらしい二人と同じ頃合いに食べ終わるよう調節し、彼らに続いて屋台から離れた。
二人がチャイのカップを手に噴水を囲むベンチに座ると、美影もそれに倣って彼らに近づいた。
「あの」
何を話せばいいのかわからなかったが、美影は思いきって声をかけた。789便の乗客だったというと、二人の怪訝そうな表情が少し緩んだ。
はたして、彼らはあの便のコックピットクルーで、男性の方が機長の雪尾飛鳥、女性は副操縦士の速水聖佳といった。
「わたしたち、てっきりオーロラの名所か何かだと思ってたんです。電気が消えたのもオーロラを楽しむためのサービスかと…でも、違ってたんですね」
「そうなんです。遭難です」
「え…?」
二人がこの日、それぞれ機長デビュー、コパイデビューだったと聞いて、美影は驚いた。
「そんな風には見えませんでした。とても見事に対処されていましたから」
「まあ、想定しうる全てのトラブルは予め訓練でシミュレーションしてますから、全くどうしていいかわからないということはないんですよ」
聖佳が答える。
「でも、今は黒点が増える時期じゃないのに、あんな大きなフレアに遭うなんていうのは、想定外だったんじゃないですか?」
わたしはまるでインタビュアーみたいな口のきき方をしている、と美影は思った。今度は飛鳥が答えた。
「フレア自体は想定外でしたが、成層圏でトラブった時はどうするかっていう手順は決まってるんで、それに従って」
答えながら、彼が思わずあくびをもらしたので、美影は慌てて詫びた。
「すみません。お疲れのところを、長々と」
そして、弁解するように、話すつもりのなかったことを口に出した。
「わたし、パイロットになりたいと思ってたんです。でも、自分の気持ちが本物かどうかわからなくなって…それで、今日、飛行機に乗ってみたんです」
航空関係者の中には、こういう話をされると、
―なんだよ、結局、就職相談か。
という顔をする者もいるが、飛鳥はそれまでと同じ淡々とした声と表情で言った。
「そういうことは、何遍お客さんで乗ってもわからないと思いますよ。本気でプロになるつもりで操縦桿を握ってみないと」
「そうですね」
と、美影も頷いた。

 非番の日、イファンは空港に足を運んで到着ロビーで美影を待った。
彼女からは旅行の日程も行き先も聞いていない。会える確率は低かったが、そうせずにはいられなかった。
3機が到着したが、美影は現れなかった。
そのかわり、思いがけない顔に出くわし、互いに驚き合った。
学生時代の友人、静姫(ジョンヒ)。
「せっかくだから、お茶でも飲まない?」
と誘われて、イファンがすぐに従ったのは、静姫が「ポーラー・エア」という会社を経営しているからだ。一度は民間航空の自社養成課程に入ったが、チェックオフの日に機長とケンカをして辞めてしまい、自ら会社を起こした。いわゆるブッシュパイロットとして、観光客を小型機に乗せて北極圏を飛び回っているという。
仕事の話を聞きたいと、真剣な面持ちで訊ねると、勘のいい静姫はすぐに何事かを察したらしく、
「どうしたの? 警察が嫌になったの?」
と聞き返してきた。
「そういうわけじゃないが…転職について考えていることはたしかだ」
彼が美影の保護司に自分の住所を告げたことは既に上司の知るところとなっており、やんわりと別れるよう言い渡された。あくまでも美影をパートナーにと考えるなら、辞職を考えざるを得ない。
静姫は豪快にビールをあおっている。まるで、この世にビール以外の飲み物があることを知らないかのようだ、とイファンは思った。
「民間に移るって、簡単に言うけど、シルフィードのパイロットなんか採りたがるところはないわよ」
イファンは、最初、彼女が意地悪な冗談を言っているのかと思った。が、その目は真面目だった。
「どうしてだ? シルフィードのライセンスは、固定翼双発の事業用操縦士免許も兼ねてるんだぞ」
「シルフィードは特殊すぎるのよ。垂直離着陸ができて、水中も進める。そんな機体に慣れっこになったパイロットは、普通の飛行機をすぐには飛ばせない。大手のエアラインなら、シミュレーターで徹底した移行訓練を施せるけど、小さなゼネ・アビの会社にそんな余裕はないからね。今日からでも飛べますっていう人じゃないと困るのよ」
静姫はモバイルを取り出して、求人サイトをイファンに示した。どれも「○○機の最近飛行時間○○以上」という条件がつけられている。イファンは息を呑んだ。
「やれやれ。シルフィードのパイロットでしたって言えば、どこでも引く手数多だと思ってたの? 公務員て、どうしてこう世間知らずなのかしらね」
そう言って、またぐいとビールをあおり、
「そういう、変にプライドが高いところも、シルフィードパイロットが嫌がられる理由の一つなのよ。今でも覚えてるけど、警察に入ったばかりの頃のあなたは、本当に鼻持ちならなかったわ。自分の仕事に誇りを持つのはいいけど、他はみんなカスみたいな目で見るのは幼稚な感覚よ」
こういう物の言い方をするから組織にいられなくなるのだと、イファンは憮然として静姫を見返した。静姫はまた笑い声を立てた。
「そんな顔しなさんな。もちろん、シルフィードのパイロットは絶対雇わないと言ってるわけじゃないのよ。飛行適性はあるんだから、即戦力になってくれさえすればいいの。ちょっとフライトスクールに行って、うちで使ってる機種を100飛行時間ほど練習してきてくれれば、その場で採用するわ」
静姫と別れて、イファンは重い気持ちで帰途についた。自分は色々なことを簡単に考えすぎていたようだ。警察にいた時よりも待遇が落ちることは覚悟していたが、移行訓練も自腹で受けなければならないとは。おまけに、転職後のストレスも大きそうだ。
(シルフィードのパイロットがそんな風に思われてたとはな)
静姫の言ったことは、まんざら当たっていないわけでもなかった。美影が置き手紙に書いていたように、彼は民間航空の仕事にさほど魅力を感じられなかった。救助隊のような使命感は到底得られないという意味では、たしかに、一段低く見ていたかもしれない。
自分は美影を愛している。イファンは思った。しかし、救助隊の仕事を離れても、自分は人生に満足を感じられるだろうか。
アパートメントの前の通りに出た瞬間、イファンは敏感に異変を感じて顔を上げた。
自分の部屋の窓に明かりがついている。
(美影
イファンはそう直感して部屋に走った。ドアを開けて飛び込むと、はたして、そこには美影がいた。

美影は自分の小旅行の一部始終をイファンに話した。
「やっぱりあの飛行機に乗ってたのか。きみが出かけたのと同じ日だったから、心配してたんだ」
「イファン。わたし、フライトスクールに入って、もう一度パイロットを目指してみる。雪尾さんが言ったように、本気でプロになるつもりでやってみないと、何も見えてこないから」
美影は言った。
「もし、また厳しい結果をつきつけられることになっても…わたし、今回の旅行で色々な仕事を見たの。これまでは、救助セクションに入って、人の役に立ちたい、世の中から必要とされる仕事をしたいって思ってたけど、別に、仕事の中にそういうカテゴリーがあるわけじゃないのよね。全ての仕事が、世の中との関わり方が違うだけで、『人の役に立つ仕事』であり『必要とされる仕事』なんだっていう、あたりまえのことに気がついたの。だから、パイロットになれなかったとしても、その時はちゃんと別の道を探せると思うわ」
美影の話を聞いているうちに、先刻の静姫との会話が全く別の意味を持って見えてきた。イファンは急き込むように静姫の話をした。
「もし、きみの過去が妨げになってどこにも就職できなかったら、その時は自分で会社を作ってしまうという方法もある。それなら、ぼくも一緒にやれる」
「ありがとう、イファン」
美影は微笑んだ。
「でも、あなたは今の仕事を続けることを考えてちょうだい。わたしは、いったんここを出るわ」
「美影」
「別に、依怙地になっているわけじゃないのよ」 美影は言った。
「どうしても困った時は、真っ先にあなたに相談する。でも、自分の力でやれるところまでやってみたいの。それで、もし結果を出すことができたら、警察もわたしたちのことを認めてくれるかもしれないわ」
「美影。ぼくは、静姫にこう言われた。自分の仕事に誇りを持つあまり、他の仕事を馬鹿にしているんじゃないかと。そういう意識があるから、シルフィードパイロットは敬遠されてしまうんだと。さっききみが言ったように、ぼくは自分が特別なカテゴリーの仕事をしていると思っていたのかもしれない。でも、きみの話を聞いていたら…」
「だからって、無理をして好きな仕事を捨てるっていうの? それはおかしいわ」
美影はイファンを遮った。
「イファン。あなたが救助隊の仕事に喜びを感じているなら、それがあなたの道なのよ。人はそれぞれ自分に合った道を歩いていけばいいんだわ。わたしが言ったのは、どの道も同じように尊くて大切なものだっていうだけよ」
あなたの道と、わたしの道、両方全うできるように頑張ってみましょうよと、いう美影は、彼の目に突然大人びて見えた。これまでは、どこか少女じみた、守ってやらなければならない娘だと思っていたのに。
イファンがそう言うと、美影はまた微笑った。
「もしかしたら、あの緑のオーロラを浴びた時に、わたしの中の何かが化学変化したのかもしれないわ」
イファンはその光景が映っているとでもいうように、美影の目を覗き込んだ。彼女が見た翡翠の空を自分も見てみたいと思った。


(オシマイ)

翡翠の空(3)

2007-07-20 16:55:23 | Angel ☆ knight


 機は明暗境界線を越えて、地球の夜の側に飛び込んだ。
前方には軍の偵察機が信号灯を煌めかせながら飛んでいる。無線の応答がないので様子を見に上がってきたようだ。
聖佳がマグライトで光信号を送り、機の状態と無線が通じないことを伝えた。
ツーパッパ、スリーパー、パッパッ…」
聖佳は間違いがないように、これも信号を織り込んだ歌を口ずさんだ。
偵察機はコントロールに連絡を取って指示を中継し、飛鳥達の機は、偵察機の誘導でクリムゾンスター・シティ空港に向かった。
そろそろアウターマーカーを通過する頃合いだ。
いつもならアウターマーカーの手前でローカライザーという、機を滑走路の中心線に誘導する電波に乗り、マーカーを通過したあたりでグライドパスという、3度の侵入角を保つ電波に乗る。
しかし、今夜はそのどちらも機は捉えていない。
「夜間だってのに、グライドパスも何もなしで降りなきゃなんないのか。おっかねえな。お金もねえなあ」
聖佳はもういちいち耳をそばだてなかった。飛鳥はウケを狙っているのではなく、語呂の合う言葉を半ば無意識に口走っているだけのようだ。
滑走路の両脇と中心線に並んだ白色灯に機はゆっくり近づいていく。
「おっかねえなあ」と言いながら、飛鳥はぴたりと一定の降下率を保っていた。
パイロットはいやというほど離着陸の練習をしているので、滑走路との位置関係は体が覚えているが、ILSが使えない状態でこれだけ機を安定させられるとは、この人の感覚はどうなっているのだろうと聖佳は思う。できれば、高度のコールなど放り出して、じっとこの人の一挙手一投足を見つめていたい。そして、操縦の秘訣を盗みたい。
やがて、車輪が軽やかに接地する感覚があり、機はクリムゾンスター・シティ空港の滑走路に降り立った。聖佳は今度は速度のコールだ。機は順調に減速してゆく。
誘導路に控えていたマーシャラーが、こちらだというように、青いライトを振った。機はその後について、ゆっくりと誘導路を進んでいった。

 美影達乗客は飛行機を降りると一室に集められて、被爆チェックを受けた。
航空会社の説明によると、太陽の表面で大規模なフレアが起き、太陽風が成層圏飛行中の機を直撃したということだった。フレアは黒点付近で急激に起こる爆発で、フレアが発生すると、高速度・高密度の太陽風が放出される。
幸い、問題となるような数値は出ず、急ぎの客は航空券を裏書きして貰って他の便に乗り継いだ。残った者は航空会社が用意したバスやタクシーに分乗して、最寄りの系列ホテルに送られた。翌朝、サザンポインター行きの臨時便が出るという。
自然現象とはいえ事故は事故なので、航空会社もイメージダウンにならないよう必死なのだろう。しかし、その手配りの良さに美影は感心した。機がクリムゾンスター・シティ空港に降り立つまでの間に、グラウンド・スタッフが懸命に段取りをつけたに違いない。
一途に救助セクションのパイロットを目指していた頃、他の職業は一切美影の目に入らなかった。しかし今日は、非常事態に遭遇したせいか、自分達に提供されるサービスの一つ一つが心に沁みた。
夕食は食べないつもりだったが、ホテルの部屋で1時間ほど眠ると、空腹を覚えた。クリムゾンスター・シティには、有名なオリエンタル・スークがある。
ふと、出所の日にイファンが作ってくれた料理が思い出され、美影はスークに行ってみようと決めた。

スークに着くと、やはりこってりしたものは食べる気がしなかった。
美影はうどん屋の屋台できつねうどんと握り飯のセットを注文した。
美影と同じイースト・エイジアンの男女が隣に並んでうどんをすすっている。
「あんなことがあった後はやっぱりうどんだな」
「報告やら何やらしてるうちにホテルのレストランしまっちゃいましたけど、かえって良かったですね」
「きみ、歌うたってノリノリだったのに、胃にきてんの?」
「あれは、単に間違えないように…キャプテンこそ、親父ギャグかまして余裕だったじゃないですか」
この人達、あの便のクルーだ。二人の会話を聞くともなく聞いているうちに、美影は直感した。それも、客室乗務員ではなく、パイロットだ。
どうしよう。話をしてみたい。
自分の胸が早鐘のように打ち始めているのを、美影は感じた。

(続く)

翡翠の空(2)

2007-07-19 17:06:11 | Angel ☆ knight
        本日のコックピットクルー


 太陽は正面にあるのに、窓の外が暗くなった。機体がふわりと向きを変える。
ベルト着用のサインが消え、客室乗務員が高度2万7000メートルに達したことを乗客達に告げた。
客室の全員が窓の外に首を向ける。眼下に広がるパノラマは、地表というより、まさに「地球」だ。どよめきが起こった。
だが、乗り物酔いになる客が出るのもこの時だ。無重力空間にいるかのような感覚に、気分が悪くなるのだ。
―ご気分が悪くなったお客様は窓の外をご覧にならないで下さい。お薬がお入り用の方は、乗務員にお申し付け下さい」
成層圏は高度1万5000m~5万mの間に位置し、雲がないので常に晴天だ。
成層圏の上にはさらに、中間圏、熱圏という大気の層があるが、まるで宇宙空間に飛び出したかのような眺めに、美影は瞠目した。
オゾン層を破壊しないよう、ソーラードライブに切り替えた機は、高速で進んでいるにもかかわらず、静止しているように感じられた。
窓外の空が突然緑色に輝いたのはその時だった。
客室の照明が消え、エメラルド・グリーンのカーテンが機内を乱舞した。
「オーロラ?」という声が上がる。
手のひらをかざすと、光の帯が通り過ぎる度にぽうっと緑色に浮かびあがる。
窓ガラスも緑色の輝きに覆われていた。
(何という光景)
美影は思った。地上では決して見ることができない。やっぱり、いい。パイロットになりたい。

 もともと暗いコックピットは、計器の照明が全て落ちて完全な闇になった。
黒いガラスの鏡と化した計器板を、緑の光が撫でてゆく。
飛鳥は反射的に操縦をマニュアルに切り替え、機の姿勢と針路を保持した。
「メーデー、メーデー」
副操縦士席の聖佳が懸命に呼びかけるが、無線も死んでしまったようだ。
「ひょっとして遭難したのか? そうなんです」
飛鳥が呟くと、聖佳がちらりとこちらを見た。
間もなく、予備電源が働いて、計器板にも光が戻ってきた。
ヘッドアップディスプレイ(HUD)に表示された高度と速度は、システムダウン直前とほぼ同様の数値だ。飛鳥の感覚ではどちらもそのまま保持しているはずだから、高度計と速度計は働いているようだ。
「オートパイロットはワープしちゃったみたいだな。とりあえず、高度を下げよう」
成層圏でトラブルに見舞われたら、気流が特に安定している2万メートルまで降りてコントロールの指示を待つのが、緊急時のマニュアルだ。
高度計が正しく作動しているとは限らないので、聖佳は目印となる星の見える角度で高度を確認している。
高度2万メートルで水平飛行に移る。無線は相変わらず通じないが、この高度で飛んでいれば何かあったと思って貰えるだろう。
眼下の雲は夕焼けで赤く染まっている。
視線を上げると、薄青い大気の層を透かして星が幾つも瞬いていた。
この高度からだと、ランドマークを確認するよりスター・ナビゲーションの方がやりやすい。聖佳は星図と計算尺を使って、現在位置を割り出しにかかった。テクノロジーの粋を集めた最新型機に乗っているのに、いざとなると遠い祖先とおなじことをしていると、飛鳥はおかしくなった。
 カシオペア・ペア…ポーラースター…」
「な、何歌ってんの?」
「え? スター・ナビゲーションの歌ですけど」
聖佳が口にしたのは、目印となる星や星座の見つけ方を語呂合わせのような歌にしたもので、飛鳥も訓練生時代に教わった。北半球では、まず北極星を見つけることが肝要なので、聖佳はカシオペア座から北極星を見つけようとしたのだ。
…は東に…は西に」
聖佳はなおも小声で歌いながら、チャートに印をつけ、
「今、このあたりです」
と、飛鳥に示した。チャートに描かれた地図は、レーダー画面のそれとほぼ一致している。レーダーも機能しているようだ。
「一番近い空港はクリムゾンスター・シティ空港になります。約50分で行けます」
「OK。一応、オートパイロットに入力してみようか」
電源が落ちた状態で移動したので、座標は完全に狂っている。普段は出発空港と到着空港の座標が入ったカードをスロットに通すだけだが、今のような場合は緯度と経度を手入力しなければならない。全部で11桁の数字になるので、交代で復唱して間違いがないことを確認した。
オートパイロットに切り替えると、途端に機首が上がり始めた。
「こらこら、上へ行ってどうする」
と、飛鳥はすぐさまマニュアルモードに戻した。マニュアル操縦でクリムゾンスター・シティ空港へ行くしかないようだ。
「てことは、着陸もオートでできないのか。オーットぉ」
またこちらに目を向けた聖佳に、
「お客さんにアナウンスするから、マイク取って」
と、飛鳥は言った。

 ―機長の雪尾です。当機は成層圏飛行中磁気嵐と思われるものに遭遇し、機体に若干の不具合を生じました。そのため、ただいまより直近空港であるクリムゾンスター・シティ空港に向かいます。クリムゾンスター・シティ空港には約50分後に到着の予定です。お急ぎのところ、ご迷惑をおかけしますが、ご了承下さい。
なお、緊急航行中のため、急な進路変更等を行うことがありますので、シートベルトを着用し、お席を立たないようお願い致します。お手洗いに行かれる方は、お席を立たれる前に、乗務員に安全をご確認下さい。お手洗いは着陸の30分前までにおすませ下さい」

飛鳥のアナウンスに、乗客は一斉にざわめきたった。
皆、先刻の緑の光はオーロラで、照明が消えたのはオーロラがよく見えるためのサービスだと思っていたからだ。
美影も愕然とした。
遭難したことにではなく、地上からは見ることのできない絶景だとばかり思っていた自分の浅はかさに打ちのめされた。
窓の外には再び青い大気が広がっている。その青がどんどん濃くなって夜が近いことが感じ取れた。
機体の不具合って何だろうと美影は思った。
機はぴたりと安定している。
美影はシミュレーターしか操縦したことがないが、飛行機は船が波に揺れるように気流に上げ下げされるものだ。偏流にも簡単に流されてしまう。成層圏は、対流圏に比べ気流が安定しているが、上下の対流が全くないわけではなく、水平方向にはかなり強い風が吹いている。
それを全く感じないのは、パイロットの腕がいいのだろうか。
美影は客室を見回してみた。どの乗客も落ち着いた様子なのは、機がほとんど揺れないからだろう。
美影は固唾を呑む思いで、水中にいるかのように色濃くなった空を眺めた。

(続く) 

翡翠の空(1)

2007-07-18 20:43:31 | Angel ☆ knight

「これも番外編になります。航空テロに巻き込まれた美影(ミヨン)のその後です」

 昨日まであんなにも厳然と、自分と「外」を隔てていた境界線を、美影(ミヨン)はあっけなく踏み越えた。
その瞬間、もっと解放感を感じるかと思っていたのに、不思議と感慨はなかった。
受刑者達が「自由へのグリーンロード」と呼んでいる刑務所前の並木道で、イファンは彼女を待っていた。
「おかえり」と、まるで旅行にでも行っていたように抱きしめられて、美影はドラマのワンシーンのようだと思った。
イファンの車で保護司のもとへ行くと、決まり文句のような訓辞の後に、
「住む所がないなら、半年間、更正援助施設で暮らせるよ」
と告げられた。
「いえ。住所はあります」
イファンは自分の住所を申告した。
「あなたは、ご兄弟?」
「パートナーです」
その言葉に保護司は目を細めた。
「そういう人がいてくれると、立ち直りやすい。しっかり彼女を支えてあげて下さい」
イファンの職業が警察官だと知ったら、この人はどんな顔をするだろう。美影はまたも傍観者のような目線を向けている自分を感じた。
イファンのアパートメントは、一人暮らしにはやや広い部屋だった。警察の官舎は息苦しいと彼は常々言っていたが、部屋を借りるにあたり、明らかに美影を迎え入れることを意識した様子だ。
台所には夕飯の下ごしらえが整っている。先祖代々伝わる民族料理。イファンらしい心遣いだ。
「さっき、あなたは自分のことをパートナーだと言ったよね」
ニンニクと唐辛子の匂いがつんと立ちのぼる夕餉の卓で、美影はこの日初めて自分から口を開いた。
「ああ、言ったよ」
当然だろう、という顔をイファンはした。
「あなたは警察官なのに、テロに関わった前科者をパートナーにするつもりなの?」
「何を言ってるんだ」 イファンは言った。
「きみはもう、ちゃんと罪を償ったんだ。そりゃあ、上はいい顔をしないだろうが、別にクビになるわけじゃない」
「でも、幹部に昇進できなくなるわ」
「構わないさ。もともと、管理職になりたいなんて思っていないからね」
イファンは言った。
「それに、いざとなったらぼくは警察を辞めてもいいと考えてる。シルフィードのパイロットだったといえば、どこか民間航空に就職できるだろう。空を飛べさえすれば、ぼくはどこでもやっていけるから」
パイロット。それは美影の夢でもあった。イファンと同じエスペラント・シティ警察の救助セクションに入り、救助隊機シルフィードで彼と一緒に飛ぶのが夢だった。
でも、わたしは自分でその道を閉ざしてしまった。たとえパイロット免許を取ったとしても、航空テロに関わった自分を採用するところはないだろう。
「美影。きみは少し休まなくちゃいけない」
ぼんやりと黙り込んでしまった彼女に、イファンは言った。
「ゆっくり休んで、少しずつ新しい生活になじんでいくんだ。先のことはそれから考えればいい。急ぐ必要はないよ」
「そうね、イファン」
美影は頷いた。

 数日後、美影は置き手紙を残してイファンの部屋から消えた。

『イファン。こんな私を暖かく迎えてくれてありがとう。
あなたが私のことをまだ「パートナー」だと思ってくれていたこと、私のために警察をやめることまで考えてくれたことは、私にとってとても嬉しく有り難いことでした。
それなのに、こんなことを言うのは心苦しいのですが、このままズルズルとあなたの側にいるのはお互いのためによくない気がするのです。
あなたが私のために今の職を辞しても、という気持ちは、私に対する愛情というより、負い目と憐憫ではないでしょうか。本当に私とのパートナーシップを欲しているのかどうか、一度よく考えてみて下さい。
あなたはよく言っていましたよね。ただ飛ぶだけではなく、使命を持って飛びたいのだと。そんなあなたが同じパイロットでも、民間航空の仕事に満足できるでしょうか。
やめることはいつでもできますが、一度辞めてしまったら取り返しがつきません。
大事なことなので、結論を急がないで下さい。
私もまた、見極めたいことがあります。パイロットになりたいという夢が、本当に私自身のものだったのかどうか。大好きなあなたが見ていた夢だから、いつのまにか引きずられていただけだったのではないか。だから、一度の失敗で簡単に道を踏み外してしまったのかもしれません。
どのみち、私はもうプロパイロットにはなれないのだから、こんなことを考えても仕方がないとは思います。でも、私はどうしても自分の気持ちを確かめたい。塀の中でもずっと考え続けていましたが、答えは出ませんでした。
だから、一度、飛行機に乗ってみようと思います』

 薄綿をちぎったような雲がところどころに浮いているだけで、空は晴れていた。風は微風だが滑走路に沿って吹いている。ついてる方だな、と雪尾飛鳥(ユキオ・アスカ)は思った。
機長が行う機外点検は、パイロットの目で機体を点検するという意外にもう一つ重要な意味がある。その日の気温、湿度、風向、風力などを、操縦に全責任を持つ者が肌で感じることだ。
コックピットでは副操縦士の速水聖佳(ハヤミ・セイカ)が、計器をチェックしている。ディスパッチルームで見た彼女のスケジュールには、トレーニングと査察(チェック)の文字しかなかった。
―きみ、今日がチェックオフ?
と訊くと、聖佳は新人らしい緊張した面持ちで頷いた。チェックオフとは、初めて副操縦士として乗務することで、晴れてエアラインパイロットとしてデビューする日である。
飛鳥が、思わず、
(何考えてんの?)
という顔でディスパッチャーの顔を見たのは、彼も今日が機長昇格後初フライトだったからだ。
(これで何かあったら、経験の乏しい者同士組み合わせたって、マスコミに叩かれるんだろうなあ)
車輪の状態を屈み込んでチェックしながら飛鳥はすぐ、「つるかめ、つるかめ」と呟いて、縁起の悪い考えを打ち消した。

レインボー航空789便は、定刻通りエスペラント・シティ空港の滑走路19Rから飛び立った。目的空港であるサザンポインター空港まで、3時間20分のフライトである。
美影はキャビンの小さな窓に顔を貼り付けるようにして、眼下に広がるエスペラント・シティを眺めた。機体がゆったりと旋回する。
機はあっという間に巡航高度に達し、窓の下には雲海が広がった。
真っ白な雲のじゅうたんに、自分の乗った機の影が小さく落ちている。
―皆様、当機はあと10分で成層圏飛行に入ります。お手洗いなどにお立ちのお客様はお席に戻ってベルトをおつけ下さい。成層圏飛行中は窓から地球をご覧になれます。成層圏ならではの眺めをお楽しみ下さい」
客室乗務員の声に注意を引き戻されるまで、美影は一時間近く窓外の眺めを飽きもせずに見つめ続けていた。

(続く)