あなたがいない空っぽの世界が 意味もなく続いてゆきます
あの日まで 生きて脈打っていた
あなたの時計が凍り付いた瞬間(とき)に
世界も一緒に止まってしまえばよかった
あなたをあの場所に置き去りにして
知らん顔で廻り続ける地球を止めて
あなたの過去(むかし)なんて知らなくていい
それよりも 現在(いま)と未来(あした)が見たい
見慣れた風景が同じように続いてゆく
あなた一人がいない
わかっていても 無意識にあなたの姿探す
少しでも似ている人に面影を追う
一秒ごとに胸を噛む喪失感―
眠り姫のようにまどろんでいたい
あなたと一緒に止まった時の中で
こんなにも暗く冷たい場所に変わった世界に これ以上立ち続けられない
あなたの時計が凍り付いた瞬間
世界も一緒に終わってしまえばよかった
呼吸(いき)をするように自然に他者を害することのできる
あいつがのうのうと生き延びられるような世界は
あなたのいない空っぽの星が 知らん顔で廻り続ける
味気なく繰り返される幾千の昼と夜
あなたがいないなら この世界を止めて
あなたを置き去りにしてめぐりくる明日ならいらない
まどろんでいたい 眠り姫のように
あなたと一緒にこの世界を止めて