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14歳ー満州開拓村からの帰還

2017-09-12 | 気になる本

 著者澤地久枝は軍国少女であった。その彼女が「アベ政治を許さない」行動を提唱し、毎月3日全国でスタンディングが行われている。満州開拓村の苦難と悲劇は、阿智村の満蒙開拓平和記念館に行けばよく分かる。そこでの手記を読んで、一番印象に残っている言葉が棄民である。

 著者は幼い14歳の実体験を、戦争とはどういうものかリアルに語っている。その背景や歴史など多くの文献を読み、軍国少女から反戦平和への思いが読み取れる。半藤一利氏の著書から、ドイツ軍は「敗戦を覚悟した国家が、軍が、全力をあげて最初にすべきことは、攻撃戦域にある、また非占領地域にある非戦闘員の安全をはかること」と書いている。戦争を仕掛け、敗戦を知るやいち早く逃げた関東軍とは大きな違いである。若い人は戦争の体験はもちろん、歴史の事実も教科書の知識としてしかしらない。日本が戦争する国にならないために、若者が戦争で命を落とさないためにも、10代の若い人にぜひ読んでもらいたい本である。

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