Con Gas, Sin Hielo

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「GODZILLA」

2014年08月19日 21時02分54秒 | 映画(2014)
ゴジラVS武藤軍。


ローランドエメリッヒ監督版は黒歴史になったのか、そもそもなかったことになるのか分からないが、ハリウッド版の新しいGODZILLAが世界的に好調な興行成績を引っ提げて堂々の日本上陸を果たした。

バットマンもスパイダーマンも、前シリーズの関係者が現役活躍中にも拘らず次々にリブートしている状況だから、そうした意味ではGODZILLAの再登場は不自然なことではない。

今回のGODZILLAでは、前回散々な評判だった造形がかなりオリジナルに近い形にアプローチ。代わりに凶悪なクリーチャーとして、放射能を摂取して生命源とするムートーなる生き物が出現する。

人類がムートーに蹂躙されそうになるところを、ムートーを捕食する上位生物としてGODZILLAが現れる。つまり今回のGODZILLAは人類の救世主なのだ。

設定もそうだが、出番に関しても相当なリスペクトぶりで、御大はなかなかもったいぶって出てこない。放射能を求めてムートーがハワイで大暴れを始めてしばらくしてからやっと全容を披露する。「待ってました!」と誰か声かけてあげないと。

強大過ぎる怪獣が戦う狭間で非力な人間は何もできないというのは、この手の映画の常道かつ正しい選択肢である。ちょこっと人間ドラマを織り交ぜてみたところで、いざ災難が襲ってくれば求められる演技は驚きの表情に限られてしまう。

科学者で渡辺謙が出演しているが、実質の主役はA.テイラー・ジョンソン演じる海軍隊員(大尉)である。恥ずかしながら彼がキックアスだとまったく気付かなかった。「ジャスティスフォーエバー」からすっかりヒーローが板に付いてしまったようで。

ただこの大尉、本人の実力があるか未知数であるにも拘らず、どこへ行っても最前線に重用されるように見えてしっくりこない。父親がどうやら事情をしっていたらしいが、何か聞いていないかとか。やっぱり設定上のなりきりヒーローか?

そんな人間ドラマに違和感を感じたら、怪獣の暴れっぷりに目を戻すのが正解だ。ハリウッド作品らしく、ムートーとGODZILLAは米国本土へ向かう。さすがに日本からの移動なので目的地は西海岸だが、ラスベガスとサンフランシスコを破壊してみせる。

そして最後はムートーとGODZILLAの肉弾戦が始まる。複数体のムートーの連係プレイに劣勢のGODZILLAが、あるきっかけを境に形勢逆転。この感じ、まさにプロレス。昭和っぽくってなんかいい。

そんなこんなで概ね満足のいくデキではあったが、娯楽作品とはいえ、核爆発や原子力、津波といった災害を軽く描き過ぎるところは、何も変わっていないハリウッド映画の難点だ。沖合に5分走った船からキノコ雲が上がったらどうなることか。

(70点)
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