結婚も離婚も、不倫だって感情で割り切れるものじゃない。
観終わって映画館から出てきたときに、「もっといろんなパンが出てくる映画かと思った」とのたまっている猛者(若い女性)がいた。
悪い邦題ではないと思っていたが、こう考えちゃう人まで相手にしないといけないのだから、映画会社の広報はそりゃ大変なわけだ。
原題は"It's complicated"。「複雑だ」というシンプルなタイトル。人生経験を経てきているはずなのに複雑な感情に未だ翻弄され続ける大人たちのドラマである。パンの映画ではない。
宣伝等で観るかぎり、今回のM.ストリープ演じるジェーンは明るい人物のようであった。
「マンマミーア」、「ジュリー&ジュリア」「ジュリー&ジュリア」のときの、はしゃぐメリルと相性がよくなかった記憶がよぎったが、今回は両脇を固めるA.ボールドウィンとS.マーティンの力量に期待を込めて観賞に臨んだ。
果たして今回いちばん大騒ぎしたのは元夫のジェイクを演じたA.ボールドウィンであった。
自分の浮気が原因で破局したというのに「やっぱり君がいないと」と戻ってくる。これだけでも面の皮が厚い行動なのだが、妙に自信ありげに元妻を口説いて、彼女も結局口説かれてしまう。挙げ句の果ては×××まで・・・(自粛)。
客観的に見たら、この二人おかしいでしょとなるんじゃないかと思う。
傍らでは何の障害となる要素を持たない建築家・アダムが好意を寄せている。常識で考えれば答えは一つ。実際、劇中でも彼女らととても近しい人たちが冷静に見解を語る場面があり、いいくさびになっている。
ジェーンももちろん悩む。
しかし、いろいろ理論的に考えてみようとするが何の役にも立たない。セラピストの助言を借り前進を試みるが、それさえすぐに頓挫する。
そして彼女が出した結論、ではないたどり着いた現実がラストに描かれる。
ジェイクとアダムそれぞれに彼女が示す態度。これには賛否分かれるかもしれない。
でも世の中、万事に結論を出さなければならないわけじゃない。決めなくちゃいけないもの以外は決めなくてもいい。少なくとも迷い続けている間は。
とここまでまじめに書いてきたが、映画自体はコミカルな場面もふんだんに含みテンポ良く進んでいく。
そんな中でA.ボールドウィンの大奮闘は先に述べたが、逆に本業コメディアンのS.マーティンが抑え目の役というのも配置の妙でおもしろかった。この2人、今年のアカデミー授賞式の司会を務めるというから楽しみである。
あとは長女の婚約者・ハーレイが物語の展開と笑いの両方でいいところをさらっていた。子供たちはみんなかわいかったし、脇に光る人物がいると作品の輝きが増すことの典型であった。
(75点)
観終わって映画館から出てきたときに、「もっといろんなパンが出てくる映画かと思った」とのたまっている猛者(若い女性)がいた。
悪い邦題ではないと思っていたが、こう考えちゃう人まで相手にしないといけないのだから、映画会社の広報はそりゃ大変なわけだ。
原題は"It's complicated"。「複雑だ」というシンプルなタイトル。人生経験を経てきているはずなのに複雑な感情に未だ翻弄され続ける大人たちのドラマである。パンの映画ではない。
宣伝等で観るかぎり、今回のM.ストリープ演じるジェーンは明るい人物のようであった。
「マンマミーア」、「ジュリー&ジュリア」「ジュリー&ジュリア」のときの、はしゃぐメリルと相性がよくなかった記憶がよぎったが、今回は両脇を固めるA.ボールドウィンとS.マーティンの力量に期待を込めて観賞に臨んだ。
果たして今回いちばん大騒ぎしたのは元夫のジェイクを演じたA.ボールドウィンであった。
自分の浮気が原因で破局したというのに「やっぱり君がいないと」と戻ってくる。これだけでも面の皮が厚い行動なのだが、妙に自信ありげに元妻を口説いて、彼女も結局口説かれてしまう。挙げ句の果ては×××まで・・・(自粛)。
客観的に見たら、この二人おかしいでしょとなるんじゃないかと思う。
傍らでは何の障害となる要素を持たない建築家・アダムが好意を寄せている。常識で考えれば答えは一つ。実際、劇中でも彼女らととても近しい人たちが冷静に見解を語る場面があり、いいくさびになっている。
ジェーンももちろん悩む。
しかし、いろいろ理論的に考えてみようとするが何の役にも立たない。セラピストの助言を借り前進を試みるが、それさえすぐに頓挫する。
そして彼女が出した結論、ではないたどり着いた現実がラストに描かれる。
ジェイクとアダムそれぞれに彼女が示す態度。これには賛否分かれるかもしれない。
でも世の中、万事に結論を出さなければならないわけじゃない。決めなくちゃいけないもの以外は決めなくてもいい。少なくとも迷い続けている間は。
とここまでまじめに書いてきたが、映画自体はコミカルな場面もふんだんに含みテンポ良く進んでいく。
そんな中でA.ボールドウィンの大奮闘は先に述べたが、逆に本業コメディアンのS.マーティンが抑え目の役というのも配置の妙でおもしろかった。この2人、今年のアカデミー授賞式の司会を務めるというから楽しみである。
あとは長女の婚約者・ハーレイが物語の展開と笑いの両方でいいところをさらっていた。子供たちはみんなかわいかったし、脇に光る人物がいると作品の輝きが増すことの典型であった。
(75点)
わたしもラブコメ好きだけど
こちら大人がはちゃめちゃやってるところが見せ場であり、面白くもあるけど
そこで少々やり過ぎに思えるか、楽しいとかんじるかはやっぱりそれぞれってとこでしょうね~。
>「もっといろんなパンが出てくる映画かと思った」とのたまっている猛者(若い女性)がいた。
肩を持つわけじゃないんだけど、
こんな宣伝とポスターじゃ、多少べーカりーってことが生きた映画だと思われるのはしかたないかも、私はそうじゃないけど
実際、パンとかスイーツ好きな女性多いし
そういうのが舞台の映画想像しちゃうかも。
大人のコメディなんだけどはっちゃけたラブコメでした~★
確かにやりすぎ感は否めませんでしたね。
子供たちが常識的でブレーキ役になっていたので救われた気がします。
パンの件については、migさんの記事読んでから
自分が書いちゃった記事どうしようかと正直焦りました。
個人の主観だけで思い込みの文章を書くことの危なさを改めて思い知りました。
戒めを込めて記事は修正しないことにしましたが。
もし気を悪くされていたら申し訳ありません。
あれ?気になんてしてませんよー
私、パンもスィーツ好きでもないからそっちの
期待は全くしてませんでしたもの(笑)
ぜんぜん問題なしです
でも、他の方の感想見ても結構パンのコメントあるんですよねー。
もうちょっと様子見てみます。
この映画は、未婚の方や若い方にはちょっと受け入れ難いかなぁ~と感じました。
私は結婚生活も長く、若いのは気だけですから(泣)、何とな~く微妙な心の機微が伝わってきちゃって、なかなか面白く観るとこが出来ました。
それにしてもアレックは太りましたよねぇ・・・
彼は自分で気にしていないのかしら?
昔は素敵だったのになぁ~
若いのは気だけとはご謙遜かと思いますが、何より大事なことでもありますよね。
結婚生活10年選手としてかどうかはともかく、意外にすっと入れました。
A.ボールドウィンの体型は役づくり?
本当にかっこいいチョイ悪中年だと、これまた別の感想を抱いたでしょうから、
あれはあれでよかったのでしょう。
でも、体型維持には気を配りたいものです。