Con Gas, Sin Hielo

細々と続ける最果てのブログへようこそ。

「ジュラシックワールド/炎の王国」

2018年07月22日 01時00分44秒 | 映画(2018)
愚かな人間の濃縮生搾り。


従来から、人間が遺伝子技術で生命を操作する危険や愚かさがテーマとなっていた本シリーズであったが、どうやら5作めにして殻を破ったようだ。

前作で崩壊し、そのまま放置されていたジュラシックワールドが所在する島の火山が噴火し、恐竜たちの安否が懸念される状態になったという設定。

主人公のクレアは恐竜保護を唱える活動組織を率いるリーダー。見殺しにする政府の判断を許せずに、事態に関心を持ってくれた財団と手を組んで恐竜たちを救いに行くことになる。

お気楽娯楽映画の脚本とはいえ、クレアの思考や振る舞いにはほとんど感情移入できなかった。

特に、かつて世話をした恐竜・ブルーが人間に匹敵するほど頭がいいから特に救わなければいけないという発言は、某自然保護団体の姿が重なりドン引きだった。

そのため、財団に利用されたと分かって命からがら島を脱出する羽目に陥っても、はらはらするというよりは「言わんこっちゃない、自業自得だよね」となるばかり。

それ以上に、ご都合主義のすごさにはもはや笑うしかなかった。

閉じ込められた部屋に恐竜が侵入してくると、そこで初めて上に脱出できる梯子を見つける。

ブルーが出血多量で瀕死になっていると、クレアが「わたし、赤十字で輸血の仕方を習ったことがある」と言い無事難関をクリア。

観る前から予想がつくことだから別に腹も立たないし、そういう意味では、恐竜に火山噴火の迫力まで加えた今夏最大の映像を楽しむことができただけで十分だったと言える。

と思っていたところ、最後に少し意外な展開が待ち受けていた。

恐竜に関心を持ち、中盤からクレアと行動を共にした財団の孫娘・メイジーが、ある行動に出る。その行動によって、本作はこれまでのシリーズ4作と明らかに違う結末へ向かうこととなる。

おもしろいのは結末が変わったことだけではない。メイジーの存在も実に皮肉な設定なのである。

クレアたちを騙した財団は分かりやすい敵役であり、作中でしっかり落とし前がつけられるのだが、この騒動の責任を本当にとらなければいけないのは、人類全体なのである。

これでシリーズが完結したら会心の一作なんだけど、まあ続篇で無難なハッピーエンドになるのだろうね。

(70点)
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「バーフバリ 王の凱旋」 | トップ | 「インクレディブルファミリー」 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

映画(2018)」カテゴリの最新記事