日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

西日のあたる部屋から浮雲

2015-08-13 | リブレリア
呆気ないほど、短時間で帰還。
脳内旅行 林芙美子 『浮雲』



外国にいけば人生かわるかもーと思ってぇ
でも、そうでもなくてぇ
妻子持ちだけど、運命の人にも出会ったし。

あたしはぁ 情が深いひとだからー
腐れ縁と想うこともあるけど、やっぱり彼のことが気になるのぉ






という男を見る目がなさすぎるにもほどがあるだろ!という状況でグズグズして
儚く、逝くというストーリーの浮雲。
思い出はいつだってドラマチックで自分勝手。
ヒロインはあたし、監督はあたし、脚本もあたし。
誰かにすがってしか生きられないか弱さをふりまきつつも、しぶといってえのが女ってものです。
そんな女に振り回される男たち。
揃いも揃って根性なしで、浮雲であったわ ぽっかり。
風まかせ、人任せ、自分勝手でえげつなし。
旅先で読もうかと思ったのだけど、びっくりするほど、短時間で読み終わったこの小説。


もちろん林芙美子の代表作のひとつですから
終戦という特殊な時代を生き抜いた人間の虚無や孤独をきっちり描き切っており、
それはそれで郷愁と漂泊を感じさせる話であったわ。
特殊な人の話ではなく、ごくごく一般の普通とされる人間の深層みたいなものの結晶としての男と女。



自分を自分で変えられるほど、人間は高尚にできておらず、
時に住む場所を変えれば、自分も変われるんじゃないか的な甘い幻想に酔うと。
まっ、海外旅行もプチ変身を期待しなくもないですがね。


脳内旅行から海外旅行へ行こうと目論むも
本日、西日のあたる部屋で、惰眠をむさぼりながら時代劇から韓国ドラマをみてから相棒と
刑事モノのドラマを見続ける一日。
こんな無駄な時間を過ごすための、貴重な盆休みではないはずなので



では、いってきます。










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