日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

巨大な豆腐のような荒野から

2015-03-08 | リブレリア
目の前に広がる膨大な本から、これぞの一冊を選び出すための助けは、背表紙のあらすじか、あとがき、解説。
これを本における懐中電灯と呼んでいる。
闇雲の中の道しるべ。
それは巨大な豆腐のような荒野みたいな場所でも役に立つのであろうか。


「あの頃は何もないのっぺりとした巨大な豆腐の荒野みたいな場所で朝から夜まで詩を書いていたこと」というあとがきの文章に頭をぶつけて思わず手にとった一冊。
川上未映子 『世界クッキー』
豆腐の角に頭をぶつけて死んでしまうところであったよ、あたしは。

著者本人が認めているように世界とクッキーという言葉が隣合わせになるなんて、当の言葉たちも夢にも思わないだろうけど、豆腐のような荒野なんていう表現も同じ。

豆腐と荒野。


巨大な豆腐のような荒野でうっかり豆腐の角に頭をぶつけて死ぬところであった私。


豆腐と心中。

そんな、こんなが本屋での出来事。
本屋の帰りがけ、こんなが、あんな事になり。
ふらっと立ち寄ったお店で絹ごし豆腐のような真っ白のワンピースを買う始末。


豆腐とワンピース。

本も、ワンピースも同じ袋の中。
こうなると豆腐が食べたくなって、
ついでに地下で豆腐を買って。

本と豆腐とワンピース。
同じ袋に入るなんておもってもみなかったに違いない。
「どうだー、思い知ったか!」
雄叫びにも似た、やってやった感で鼻をふくらまして、豆腐のような荒野から、紙袋を下げての帰宅。






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