日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

染付けの器に白和え

2016-01-10 | トラットリア
それは古い染付けの器に盛られていた。



ごくごく細く細く繊細に切り揃えた牛蒡。
しっかり食感を残した牛蒡が上品に調えられた豆腐の衣を纏っている。
あまりに繊細な牛蒡の白和え。
染付けの藍色が白和えの繊細さを際立たせていて、目からも美味しいが伝わってくるのであった。
そして、食すやいなや、鼻腔を抜けるクミンの香り。




ふらりと入ったお店の一品。
牛蒡の白和え クミンを効かせて。
牛蒡の白和えとだけお品書きにあり、古い染付けに盛られた様からは、想像もつかなかった展開に目をみはる。

昨年もあちこちでいろんなものを食べた訳だが、2015年のベストはこの白和え。
びっくりするほど繊細でいて、個性際立つ牛蒡の白和え。
予想以上、期待以上の料理に出会えることは、奇跡とも言える。
あまりに衝撃的な美味さだったもので、皿を舐めるがごとく完食して、古い染付けの器にも興味がビンビン。

高価なものではなくていいのです。
新しいものにはない魅力があふれる古い小皿が欲しい。
藍が優しく溶け込んでいる昔の器。
安くても十把一からげにされてしまうとよほどの審美眼を持っていないと買えないし、
骨董店のは高いしで、古くて、安くていいものをみつけるのはなかなか難しい。

どんな器に、どんな料理を盛り付けるのか。
料理が美味しいお店はお酒も美味しいし、器も素敵。
良い店はすべてが良い良いで、イマイチのお店はどれもイマイチ。
飛び抜けてなにかが良いということは決してなく、
良い店は、一箇所も残念がないのである。

お金をかけて解決する問題ではないのだな。
きっとそれはセンス、すべてがセンス。


同じような小皿が欲しくて、探して、見つけた古い小皿は印判のもの、それに手書きで銀彩が施されている。
安田奈緒子さんの器。古い器にちょっと新鮮さが加わる。
いつもの定番に少しの驚きを、するとそれは目を瞠るスイッチとなる。
この小皿はあのクミンがきいた牛蒡の白和えと同じ雰囲気をもっているではないか。


器も手に入れたことだし、なにを盛り付けましょうか?
お手本は白和えをだした店の名は ザブン。
そのお店は高崎にあります。













コメント
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