日々草

「つれづれなるままに・・」日々の事を記す。

シルクロードの火薬庫

2009-07-12 | Weblog

先週の大きなニュースといえばウイグルの問題。
新聞を読んでいたら興味深い記事に目が留まる。

朝日新聞 7月11日付 「天声人語」

抑圧された民族感情の渦巻くこの地は「シルクロードの火薬庫」とも呼ばれる。そこがまた火を噴いた。炎は大きい。胡錦濤(フー・チンタオ)主席はサミットへの出席を取りやめ、急きょ帰国した。去年のチベットといい、封じるほどに噴き出す中国の少数民族問題である▼死者は少なくとも150人、負傷者も合わせれば千人を超すという。自警団さながらに、こん棒やパイプを持ってデモをする漢族の写真が紙面にあった。憎悪の充満した一触即発の危うさが、遠い地から伝わってくる▼古くから漢族は、西域にエキゾチックな宝物を求めてきた。現代の宝は豊かな地下資源だという。政治を仕切り、富を求めて増え続ける漢族に向くウイグル人の反感は膨らんでいる▼この自治区には『西遊記』にも登場する、「炎の燃えさかる火焔山(かえんざん)」がある。孫悟空が芭蕉扇(ばしょうせん)であおいで炎を消す場面は名高い。ひるがえって今回の騒乱である。民族の声たる炎を、中国政府が力ずくの弾圧という「扇」で消すことがあってはなるまい。

 

この問題は本当にデリケートで日本に住んでいるあたしには理解できない多くの問題を含んでいます。
陸続きの一部の地域がつねに緊迫した情勢なんていうことは今の日本でありえない訳です。
東海道にも中山道にも火薬庫は存在はしません。
休火山の富士山はあっても炎燃え盛る火焔山もありません。

しかし、ウイグルに火焔山があるとは知りませんでした。
西遊記は玄奘三蔵の旅日記である大唐西域記を基に虚実入り混じる伝奇小説です。
その中にでてくる火焔山は炎もえさかる山で三蔵法師一行の旅を妨げる難所としてでてくるわけです。
唐の時代から西域の入口として複雑な背景をもつ旅の難所だったのでしょうか。
真偽の程はわかりません。
しかし最近の暴動のニュースの中でも圧倒的な数の死者がでてしまいました。

タイでも
チベットでも
こんなに死者はでていない。

記事にあるように炎を消すはずの「芭蕉扇」(=「武力」)が炎をさらに煽ってしまうものにならない事を祈るばかりです。
そしてシルクロードの火薬庫がシルクロードのオアシスとなりますように。


 

コメント
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