冒頭から、朝日新聞2021.12.23付夕刊 “取材考記” 「『コロナの不安消す」はずが… 大量在庫を廃棄へ アベノマスク迷走 首相は検証を」を、以下に要約引用しよう。
膨大な「税金の無駄」が段ボール箱に姿を変え、壁となって迫ってくるかのようだ。
政府が約500億円をかけて配ろうとした布マスクのうち、3割近くの約8千万枚が眠る東京近郊の巨大倉庫。 管理する厚労省と交渉の末、今月1日に内部が公開された。
マスク1枚の単価は139円。 計約110億円分だ。 あまりの量、あまりの金額に理解が追い付かない。
マスク品薄状態がとうに解消された後も、介護施設などへの一律配布を続けようとしたことが批判され、厚労省は昨年7月末、希望施設への配布に方針転換。 ところが、「小さい」「不織布より効果が低い」と不評で多くが不良在庫となった。
多額の保管費がかかる在庫問題は今回の国会で野党の追及にさらされた。 岸田首相はあいまいな答弁でかわした末、閉会日の21日夜の記者会見で「有効活用を図った上で年度末をメドに廃棄するよう指示した」と明かした。
在庫の適切な解消のみならず、政策の決定過程や軌道修正が遅れた原因の検証も大切ではないか。
現政権の水際対策や10万円給付のみならず、過去の様々な迷走の原因を直視しなければ、司令塔に魂は入らない。 前任の首相たちへの忖度があるならば、パッと消して欲しい。
(以上、朝日新聞 デジタル機動報道部 斉藤太郎氏による「取材考記」より一部を引用したもの。)
私見に入ろう。
この「アベノマスク問題」、一番腹立たしいのは立案・実行指令をした安倍氏が、配った切りその後“何もなかった”がごとく振舞っているその態度ではなかろうか?
配った当初から「小さい」「何で布マスクなのか?」等々の国民からの不満が相次いだ。
にもかかわらず、製造・配布を一旦ストップするでもなく、どんどん作って配り続けた事実が許し難い。 マスクの致命的欠陥に気づいた時点で、すぐにそれを指令できたならば、これ程莫大な損失を計上せずに済んだはずだ。
何故それが叶わなかったかというと、それは安倍氏と癒着のある業者にマスク製造を任せたからに他ならないのであろう。
しかももっと腹立たしいのは上記引用文内に記されている通り、その頃既に国内市場にマスクは十分量供給され始めていた事実だ。 この私も、アベノマスクが到着する頃には、自らが選んで購入したもっと品質の良いマスクを十分量入手していた。
安倍政権と業者との癒着こそなければ、これ程の損失額を計上せずに済んだはずだ。
更には、アベノマスクが使い物にならないと判明した時点で、とっとと廃棄処分を命令すればよかったものを。 何故、膨大な費用がかかる巨大倉庫にての長期管理、なる手段を選択したのか? しかも、その事実を今の今まで国民に隠ぺいしている始末…
岸田首相が、安倍・菅系派閥下の人材であることは当初より重々承知しているが、岸田氏の国会答弁にも呆れ果てる。
この方、前任の二者(安倍・菅)よりも人当たりや態度面ではずっと感じが良い点が売りであることは多少認めるが。
結局両者が歩んだ歪んだ軌道を、言葉をごまかしながらそのまま繰り返しているだけではないか?!!
とにかくアベノマスク問題に関しては。
野党からの国会追及に従い、真摯な態度で問題の具体的検証を誠実に行い、国民が納得できる回答を早急に発表してもらいたい。