上記に掲げた表題は本日(2月3日)午前 国会答弁の場で、安倍首相が野党からの質疑に応えた中で発した一文である。
この発言を本日午前中にテレビの国会中継を通じて聞いた私は、大いなる違和感を抱かされざるを得なかった。
一国の首相発言として明らかに奇妙ではなかろうか??
確かに(テロ国への)“気配り”の必要はないであろうが、今まさに(こんな辺鄙に位置している島国我が国が)「イスラム国」テロ行為のターゲットとなってしまうとの国家最大危機を抱える事となった事実だ。 その国家首長が発するべき言葉として不適切極まりないと私は感じるのだが…。
それでは、上記国会答弁の模様をネット情報より要約引用して紹介しよう。
国会では、共産党の小池議員が、総理が後藤さんらの拘束を知りながら「イスラム国」対策としての2億ドルの支援表明をしたことについて、危険性をどのように考えているのか追及した。
「拘束されていると知りながら演説をすれば、2人の日本人に危険が及ぶかもしれないという認識はあったのか?」(共産党 小池 晃参院議員)
総理が応えて曰く、「私たちは過激主義と戦うアラブの国を支援することを表明することが重要。いたずらに刺激することは避けねばならない。 と同時にテロリストに過度な気配りをする必要はない」
「過度な気配りをしろなどと言っていない。総理の言葉は重いわけです」(共産党 小池 晃参院議員)
「小池さんのご質問はまるでISILに対して批判してはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに屈することになるんだろうと思うわけであります」
安倍総理はまた、「テロリストを刺激しないようにと世界が思うようになってはテロが横行する」と述べ、演説の正当性を強調した。
一方、菅官房長官は会見で、海外で危険な状況に陥った日本人を、自衛隊が救出するための法整備の検討を進めるべきだという意見が出ていることに関連し、「相手がおよそ議論のできない非道極まりないテロ集団であり、自衛隊を派遣することは現実的な解決策としては考えられない」と述べ、今回のような事案の際の自衛隊の派遣には否定的な考えを示した。(03日11:25)
(以上、ネット情報より引用。)
ここから原左都子の私論に入ろう。
そもそも今回の「イスラム国」による日本人2名殺害とのテロ行為に対する、安倍政権の対応に解せぬ点が多い。
まず第一点だが、上記共産党小池氏が指摘している質疑内容と同一の見解を私も抱いている。
何故安倍氏は「イスラム国」によるフランスパリでの射撃事件等々、テロ活動が世界規模で激化している最中に中東地域を訪問し、「イスラム国」対策として2億ドルもの巨額支援をしたのか!? この安倍氏の行為こそが、「イスラム国」に入国拘束されていた日本人2名殺害とのテロ行為を煽った“元凶”と私は考えている。
そして第二点。 しかも小池氏が指摘しているように、殺害された日本人2名は昨年から「イスラム国」に拘束されていた事実を政権は把握していたとの事だ。 2人が拘束される以前に国家による「イスラム国」入国禁止措置等の対策が取られていなかったものと私は解釈する。
日本人2名が昨年から「イスラム国」に入国している事実を政権が把握していたならば、何故に拘束される以前に早期に帰国させるべく動けなかったのか? 日本政府がそのまま今回の犠牲者2名の「イスラム国」滞在を放置していたとすれば、「イスラム国」側がこれぞ“よきカモ”として拘束留置し、テロ行為に利用する事など素人考えでも想像が付く話だ。
さらに第三点。 政権による、先に殺害された湯川氏の扱いと後で殺害された後藤氏の扱いが大幅に異なる事実に違和感を抱かされる。
二人の「イスラム国」入国のポリシーがそもそも異なる、なる見解もあろう。 ただ誤解を恐れず言わせてもらうならば、後藤氏に関しても“自己満足”及び“カネ”目的での「イスラム国」入国だった事は否めない事実なのではなかろうか?? 一部報道によれば、後藤氏とは数奇な人生を歩んで来ているとの事だ。 しかも「(後藤氏が)10分300万円に命を賭けた」なる報道をしている週刊誌も存在する。
それにも関わらず、国政はそんな“後藤氏”をメディアを通じて(実母も引き込み)十二分に“利用”したとも考えられないだろうか? 「この人物は湯川氏を救いに行く等のために敢えてイスラム国へ渡ったんだ。 だから国民の皆さん、どうか後藤さんだけは助かるように国政が頑張っている事を理解してね!」と表向き執拗に国民に訴え続けたものと私は捉えているのだが…。
加えて第四点。 それでも後藤さんも結局「イスラム国」により殺害されてしまった。 更には、「日本政府も米国を主体とする同盟国に迎合して我らの敵に回った。今後は日本人も我ら(イスラム国)のターゲットだ」、なる声明を「イスラム国」より突き付けられる最悪の事態と相成った。
安倍政権は、後藤さんもいずれ近いうちに「イスラム国」に殺害される事を予期して行動していたと推測できよう。
最後に第五点。 この「イスラム国」からの“テロ声明”に対し、何と安倍政権は我が国の「自衛隊派遣」をも一時考えたらしい。(後に思いとどまったとの事で安堵しているが。)
ここで私論だが、安倍政権は馬鹿を言ってはいけない。
我が国は現行憲法下で「武器」を持たず「戦争」しない国家と定義されている。 そんな国家内に“安穏と”存在している自衛隊とは、今まで「人道支援」目的のみで海外へ派遣されていたはずだ。
安倍さん、ご自身が「改憲」を政権続行の主義主張の柱としているとはいえ、それを今「イスラム国」相手に闘うと国民に吹聴したなら、この国はお終いだよ…。 憲法拡大解釈が過ぎると言うものだ。
憲法論議を後に回すとしても、今自衛隊を「イスラム国」になど派遣したものなら、何の武器も持つはずもない自衛隊員皆が戦禍の犠牲になる事実など、私が考えても恐ろしい… としか言いようがない。
ここは安倍政権には、少し落ち着いて欲しいものだ。
まさか、今回の「イスラム国」騒動を今後の安倍政権続行に向けての「改憲」論議に“有効利用”して持ち込もうとなどと志してしていない事を、私は心より願いたい。
ーー P.S. --
明日(2月4日)から、本日大学後期過程が無事終了した娘と共に、東北新幹線に乗って“母娘2人旅”に出ます。
(南国生まれの私としては雪道でまた転んで骨折せぬよう)雪がさほど降らない事に期待したいものですが、さて、どうなることやら??
しばらく「原左都子エッセイ集」の執筆をお休みさせて頂きます。
この発言を本日午前中にテレビの国会中継を通じて聞いた私は、大いなる違和感を抱かされざるを得なかった。
一国の首相発言として明らかに奇妙ではなかろうか??
確かに(テロ国への)“気配り”の必要はないであろうが、今まさに(こんな辺鄙に位置している島国我が国が)「イスラム国」テロ行為のターゲットとなってしまうとの国家最大危機を抱える事となった事実だ。 その国家首長が発するべき言葉として不適切極まりないと私は感じるのだが…。
それでは、上記国会答弁の模様をネット情報より要約引用して紹介しよう。
国会では、共産党の小池議員が、総理が後藤さんらの拘束を知りながら「イスラム国」対策としての2億ドルの支援表明をしたことについて、危険性をどのように考えているのか追及した。
「拘束されていると知りながら演説をすれば、2人の日本人に危険が及ぶかもしれないという認識はあったのか?」(共産党 小池 晃参院議員)
総理が応えて曰く、「私たちは過激主義と戦うアラブの国を支援することを表明することが重要。いたずらに刺激することは避けねばならない。 と同時にテロリストに過度な気配りをする必要はない」
「過度な気配りをしろなどと言っていない。総理の言葉は重いわけです」(共産党 小池 晃参院議員)
「小池さんのご質問はまるでISILに対して批判してはならないような印象を我々は受けるわけでありまして、それはまさにテロリストに屈することになるんだろうと思うわけであります」
安倍総理はまた、「テロリストを刺激しないようにと世界が思うようになってはテロが横行する」と述べ、演説の正当性を強調した。
一方、菅官房長官は会見で、海外で危険な状況に陥った日本人を、自衛隊が救出するための法整備の検討を進めるべきだという意見が出ていることに関連し、「相手がおよそ議論のできない非道極まりないテロ集団であり、自衛隊を派遣することは現実的な解決策としては考えられない」と述べ、今回のような事案の際の自衛隊の派遣には否定的な考えを示した。(03日11:25)
(以上、ネット情報より引用。)
ここから原左都子の私論に入ろう。
そもそも今回の「イスラム国」による日本人2名殺害とのテロ行為に対する、安倍政権の対応に解せぬ点が多い。
まず第一点だが、上記共産党小池氏が指摘している質疑内容と同一の見解を私も抱いている。
何故安倍氏は「イスラム国」によるフランスパリでの射撃事件等々、テロ活動が世界規模で激化している最中に中東地域を訪問し、「イスラム国」対策として2億ドルもの巨額支援をしたのか!? この安倍氏の行為こそが、「イスラム国」に入国拘束されていた日本人2名殺害とのテロ行為を煽った“元凶”と私は考えている。
そして第二点。 しかも小池氏が指摘しているように、殺害された日本人2名は昨年から「イスラム国」に拘束されていた事実を政権は把握していたとの事だ。 2人が拘束される以前に国家による「イスラム国」入国禁止措置等の対策が取られていなかったものと私は解釈する。
日本人2名が昨年から「イスラム国」に入国している事実を政権が把握していたならば、何故に拘束される以前に早期に帰国させるべく動けなかったのか? 日本政府がそのまま今回の犠牲者2名の「イスラム国」滞在を放置していたとすれば、「イスラム国」側がこれぞ“よきカモ”として拘束留置し、テロ行為に利用する事など素人考えでも想像が付く話だ。
さらに第三点。 政権による、先に殺害された湯川氏の扱いと後で殺害された後藤氏の扱いが大幅に異なる事実に違和感を抱かされる。
二人の「イスラム国」入国のポリシーがそもそも異なる、なる見解もあろう。 ただ誤解を恐れず言わせてもらうならば、後藤氏に関しても“自己満足”及び“カネ”目的での「イスラム国」入国だった事は否めない事実なのではなかろうか?? 一部報道によれば、後藤氏とは数奇な人生を歩んで来ているとの事だ。 しかも「(後藤氏が)10分300万円に命を賭けた」なる報道をしている週刊誌も存在する。
それにも関わらず、国政はそんな“後藤氏”をメディアを通じて(実母も引き込み)十二分に“利用”したとも考えられないだろうか? 「この人物は湯川氏を救いに行く等のために敢えてイスラム国へ渡ったんだ。 だから国民の皆さん、どうか後藤さんだけは助かるように国政が頑張っている事を理解してね!」と表向き執拗に国民に訴え続けたものと私は捉えているのだが…。
加えて第四点。 それでも後藤さんも結局「イスラム国」により殺害されてしまった。 更には、「日本政府も米国を主体とする同盟国に迎合して我らの敵に回った。今後は日本人も我ら(イスラム国)のターゲットだ」、なる声明を「イスラム国」より突き付けられる最悪の事態と相成った。
安倍政権は、後藤さんもいずれ近いうちに「イスラム国」に殺害される事を予期して行動していたと推測できよう。
最後に第五点。 この「イスラム国」からの“テロ声明”に対し、何と安倍政権は我が国の「自衛隊派遣」をも一時考えたらしい。(後に思いとどまったとの事で安堵しているが。)
ここで私論だが、安倍政権は馬鹿を言ってはいけない。
我が国は現行憲法下で「武器」を持たず「戦争」しない国家と定義されている。 そんな国家内に“安穏と”存在している自衛隊とは、今まで「人道支援」目的のみで海外へ派遣されていたはずだ。
安倍さん、ご自身が「改憲」を政権続行の主義主張の柱としているとはいえ、それを今「イスラム国」相手に闘うと国民に吹聴したなら、この国はお終いだよ…。 憲法拡大解釈が過ぎると言うものだ。
憲法論議を後に回すとしても、今自衛隊を「イスラム国」になど派遣したものなら、何の武器も持つはずもない自衛隊員皆が戦禍の犠牲になる事実など、私が考えても恐ろしい… としか言いようがない。
ここは安倍政権には、少し落ち着いて欲しいものだ。
まさか、今回の「イスラム国」騒動を今後の安倍政権続行に向けての「改憲」論議に“有効利用”して持ち込もうとなどと志してしていない事を、私は心より願いたい。
ーー P.S. --
明日(2月4日)から、本日大学後期過程が無事終了した娘と共に、東北新幹線に乗って“母娘2人旅”に出ます。
(南国生まれの私としては雪道でまた転んで骨折せぬよう)雪がさほど降らない事に期待したいものですが、さて、どうなることやら??
しばらく「原左都子エッセイ集」の執筆をお休みさせて頂きます。