原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

3月は別れの季節…

2019年03月10日 | 人間関係
 既に学校や職場等の組織から去り、現在は特段何処への“組織”にも所属していない私にも「別れ」は訪れるものだ。


 この1週間内に、そんな私の元に3名の人物との“別れ”が押し寄せて来た。


 まず、週1のペースで食材配達を担当してくれていた女性だが。

 当該食材配達組織が現在組織改編中のため人事異動が頻繁に実施されているとのことで、昨年春より3度の担当入替があった。 そのため、この女性とは短期間のお付き合いだった。
 にもかかわらず、私にとっては印象深い女性だったのだ。
 おそらく職場に於いて上司の立場にあるのだろう。
 とにかく作業がテキパキしていてブレがまったくない。 加えて、短時間内の顧客との会話もつつがなくこなせる。 
 担当最終日に、女性の部下(?)と思しき女性よりも年上風の男性を引き連れて我が家へ来たのだが、その指導ぶりも板についていた。 (私自身も医学関連企業現役時代には係長を経験し複数の年上男性部下を持つ立場だったが、これ程に部下指導が板についていただろうか??と、今更ながら反省させられる場面でもあった…)
 私からのメッセージだが、<短期間でしたがお世話になりました。 今後も女性上司としてご活躍されますように。>


 次なる別れは、現在の住居に転居した直後期から16年間の年月お世話になった、掃除モップ交換業者(早い話がダスキンだが)の担当女性だ。
 いつも交換モップと代金を玄関先に置いておけば新しいモップと交換してくれるため、直にお会いする機会は稀だったのだが。 それでも幾度か何らかの連絡事項があってお会いしたことがある。 
 先週火曜日に、新しいモップと共に置手紙があった。 「次回より担当が代わります。長い間ありがとうございました。」  
 涙もろい私は、この二文で十分に泣けてしまった… 
 私からのメッセージだが、(こちらこそお世話になりました。 ダスキンには前々々住居時代より25年の年月に渡りお世話になっています。 特に冬場は手荒れが目立つ私にとってダスキンモップは必需品的存在です。 今後共よろしくお願いします。)


 そして、三つ目の別れとは…

 これぞ、私にとっては一番辛い別れだった。
 そのお相手とは、我が年金受給のお世話を頂いた自宅住居近くの金融機関の年金担当者氏だ。
 私が年金受給以前より我が家を訪ねて下さっていた記憶がある故に、既に5年程のお付き合いかと思いきや。 先週火曜日に我が家に最後の挨拶に訪れた担当者氏がおっしゃるには、「4年9ヶ月です。」

 その初回面会当時に、当該金融機関担当者氏が私に対し提供して下さった話題を未だに忘れていない。 
 本エッセイ集2015.04.16付「著名人と同姓同名であることのエンターテインメント力」と題するバックナンバーに於いて、その時の様子を綴っているため、以下に再掲載させていただこう。

 当該エッセイを綴るきっかけを得たのは、昨日私の元に某来客があったことによる。 その来客人物とは、我が家の近くに位置する某金融機関の営業担当氏である。
 昨年夏、原左都子単独所有の賃貸不動産物件を売却しその売却資金すべてを当該金融機関へ入金した時点から、どうやら私は当金融機関の“VIP顧客”扱いとなっている模様だ。(?) それは二の次としても、賃貸物件を売払った私にはもはや金融機関へ“奉仕”可能な資産などその時点では一銭たりとて無い有様だ。 故に営業担当氏が自宅集合マンションオートロックを訪れる都度、1階玄関で門前払いにてお引き取り願っていた。
 ところが、昨年11月に我が自宅近くの支店に新就任したとの上記金融機関担当氏の営業力の程が並大抵ではない事実に、私も気付いていた。 度々1階玄関先で自宅への訪問を断わろうが、その後幾度もマンションを訪れ我が家のチャイムを鳴らす始末だ。 しかも「モニター」にて確認するその態度が常に低姿勢であることを確認していた私は、昨日初めて上階の我が家まで招き入れたとのいきさつである。
 最初に当該金融機関への我が資産預入れに関して感謝の言葉を述べられた後、当営業担当氏が言い始めた話題に私は驚かされるはめと相成った。
 「私は元々映画ファンでよく映画を見に行くのですが、特に昭和期の小津安二郎氏のファンでもあり氏の映画を鑑賞する趣味があります。 そのため主役を務めている女優氏に関しても十分把握し、昭和の大女優○○○氏に関して素晴らしい女優氏と感嘆致しております。 この度、私が転勤した支店の顧客様の中に同姓同名の女性が存在することに驚きました。 是非とも一度お会いしたく、何度も訪問致しましたことをお詫び申し上げます。」
 これがたとえ営業マン氏の“リップサービス”であったとはいえ、確かに半端ではない映画観賞力である事実には間違いない! それに恐れ入った私はしばらく営業マン氏と語り合う事態と相成った。
 それがそもそも営業担当氏からの更なる預金勧誘手順だったとしても、私側もそんな事は二の次でよい感覚にもなったといえよう。 「お若い年齢層(おそらくアラフォー世代??)ですのに、よくぞまあ小津安二郎氏の映画など見たいと思われましたね! 実は私本人が某女優と同姓同名であるにも係らず、テレビでしか氏の映画を見たことがないのですよ。」と言う私に対し…
 「それは残念です! 小津安二郎氏の映画を是非とも映画館でご覧下さい。」 「女優○○○氏とは、昭和史は元より、日本映画史に残る名女優であることに間違いありません。 それにしても素晴らしいご氏名ですね!」と言い残し、当該営業担当氏は何の営業活動をするでもなく我が家を去って行った。 
 原左都子の私論だが。 はてさてこの金融機関の営業担当氏は、今後著名人と同姓同名である一顧客の私から何らかのフィードバックが得られるのであろうか??
 それぞ困難かつ難儀なのは、「金融機関」に於ける今後の歪んだアベノミクス経済政策にかかわっているが故だ。 昨日のニュース報道によれば、日銀黒田総裁は今後も安倍氏に迎合しつつ金融緩和を続ける意向らしい。 少しは本気でこの世を将来引き継ぐ世代である若者の意向も慮った上で、経済政策を考え直せよ!と言いたくもなる。
 (以上、本エッセイ集バックナンバーより一部を引用したもの。)

 その後も4年9カ月に及び、当該年金担当者氏は、我が家へ頻繁に足をお運び下さった。
 そして、昭和の某大女優氏に関する情報を遂次伝えて下さるのだ。 元々は当該女優氏の特段ファンでもなかった私だが“同性同名”にあやかれたその偶然を実にラッキーと感じさせてもらえる場面でもあった。
(そんな影響を年金担当者氏から大いに受けた私は、その後も我がエッセイ集にて某女優氏関連記事を綴り公開している。)

 いやはや今となっては、昭和時代に活躍した私と同姓同名の大女優氏の話題を我が年金担当氏よりもっとお伺いしておきたかったものだ。 


 ただ如何なる別れであれ、「別れ」とは受け入れねば次の発展が望めない事実も重々理解できている、既に高齢域に達しようとしている我が身でもある。

 本エッセイの最後に、この3月に別れが訪れた私を取り巻く各企業担当者の皆さんの今後の更なるご活躍の程を、大いに応援申し上げている旨をお伝えします!  

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