原左都子エッセイ集

時事等の社会問題から何気ない日常の出来事まで幅広くテーマを取り上げ、自己のオピニオンを綴り公開します。

古代オリエントへの誘(いざな)い

2018年06月06日 | 学問・研究
 (写真は、昨日訪れた 東京池袋に位置する「古代オリエント博物館」のパンフレット、及びミュージアムショップにて購入したエジプトの図柄入りコースター3点。)


 昨日、私はパスポート申請のため、東京池袋サンシャインシティへ出向いた。
 おそらく月初め週の半ば頃が一番空いているだろうと予想し、出かけてみると。

 大都会のパスポートセンターも、混雑期に行くと長時間の待ち時間が発生する。 例えば、年末年始前や5月の連休前などは、パスポートセンターのはるか向こうにあるエレベーターホールまで長蛇の列が及んでいる事を幾度か見た事がある。 ああなると一体何時間の無駄な待ち時間を費やさねばならぬのやら、想像も付かない。 

 そんな中、“月始め週半ば”の我が判断が大正解だ!
 待ち時間5分の後に、何の問題も無くスムーズに申請手続きが終了した。 後は出来上がったパスポートを来週引取りに行くのみだ。


 さて、予想以上に余った時間を池袋で何をしてルンルン遊ぼうかと考えた。 
 若き頃など、何よりも優先したのが“ショッピング”だったものだが。 今でももちろんその趣味は続行しているが、混雑した池袋でなくとて自宅近辺にも幾らでも好みの店はある。 

 そこで思い付いたのが、上記の「古代オリエント博物館」だった。
 この博物館へは何度も訪れ、 本エッセイ集内でもその会場内様子を幾度か紹介している。
 インド特集展をしていた時に会場内に「サリー体験」コーナーが設けられていて、その体験をした写真を左欄の「フォトチャンネル」内で紹介している。(よろしければご覧下さいませ。)
 2011.10.26 学問・研究カテゴリー バックナンバー「人類は“究極の正確さ”を求め彷徨う」に於いては、当該博物館にて展示されていた古代使用されたという“世界最大の分銅”を取り上げた。 それを観賞した私は、過去に携わった基礎医学研究の際に物質を小数点数位の単位まで精密に天秤にて測定した経験等を思い起こし、エッセイとしてまとめたものである。
 その他、タリバーンによって崩壊されてしまった「バーミャンの遺跡群」の復興作業等の特別展示も公開されていたりと、この博物館の偉業の程は素晴らしいものがあるのだ。


 さて、昨日訪れた当該博物館の「常設展」(現在は“コレクション展”と呼ばれているようだが)は、大人料金わずか¥600-にて観賞出来るためお勧めなのだが。
 館内ではまさに、古代オリエント全般を一覧可能な展示がなされている。 入り口では、映像にて「古代オリエント」を10分程でまとめて放映しているため、これもお勧めだ。
 しかも常設展中は混雑も無く、静かにゆったりと「古代オリエント」を堪能可能でもある。 (昨日は、館内が空いている事を良きこととして携帯通話をしていた“不届き者”がいたのが多少残念だったが…。)


 ここで上記博物館パンフレットより、「古代オリエントをとりまく世界」記述の一部を以下に要約して紹介しよう。

 <エジプト>
 ナイル川流域を中心として、3000年以上もの長い期間高度な文明が栄えた。 ギザのピラミッドやカルナク神殿、ルクソール神殿等が有名。 この地で生まれた“ヒエログリフ”はラテンアルファベットの祖先であり、現代のカレンダーにも古代エジプト歴が影響している。

 <メソポタミア>
 現在のイラクに流れるティグリス川・ユーフラテス川に挟まれた地域及びその周辺をさす古代の地域名。 バグダード付近を境に、北部はアッシリア、南部の沖積平野はバビロニアと呼ばれている。

 <ペルシア>
 現在のイラン及びその周辺地域をさす古代名。 アケメネス朝バルティア、サーサー朝ペルシアなどの王朝が起こった。

 <バクトリア>
 中央アジア西南部からアフガニスタン北部にかけての古代の地名。 前2500年頃からメソポタミアインダス方面との交流も盛んだった。 前4世紀のアレクサンドロス3世の東征以後、ギリシア人による王国が築かれた。

 <ガンダーラ>
 現在のパキスタン北部からアフガニスタン東部にかけての古代の地名。 特に1~5世紀に東西交易で栄えたクシャーン朝のもとで、国際色豊かなガンダーラ仏教美術が栄え、インド・中央アジア・中国などに影響を与えた。

 (以上、ごく一部であるが「古代オリエント博物館」パンフレットより引用したもの。)


 最後に私見を述べよう。

 私は「商業」(“専修免許”所得)及び「社会」中高教諭免許を取得し、短期間ではあったが高校教育現場で教職業務を追行したにもかかわらず……
 恥ずかしい事には、「社会」の分野の中で特に「歴史」が昔から苦手だったのだ……  赴任先でも、「歴史」の授業だけは絶対に避けたい意思を貫いて来た。
 現在の中高教員免許制度に於いて「社会科」は「地歴」「公民」と分離しているため、社会科担当教師の教育現場での負担は大いに軽減されているのだろうが。

 そんな私が「歴史」が本心で面白い事に気付いたのは、もしかしたら娘のサリバンを担当した時からかもしれない。
 娘小学生の頃に、社会科の歴史に関する宿題の手伝いをするに当たり、それに真剣に取り組んだ事により私は改めて歴史を学べた気がする。
 一例だが、娘が小6の頃「陸奥宗光」に関して調査せよ! との無理難題が担任より提出された。 正直言ってそれが誰なのか露知らなかった私だが、サリバンとしてそれを徹底的に調査して娘に提出させた。
 あるいは、「ベナン」との国に関する情報を調査せよ、ともその担任は娘を通して言った。 アフリカの一国であることは承知していたが、それもサリバンの私がその国の歴史も含め詳細を調査して娘に持たせた。 未だネットが今程発達していなかった頃の話だが。
 (話題が本筋から逸れてしまったようだが、この小6担任はどうも私立受験生及びその親を毛嫌いし、“お前らよりも自分こそが優位だ!” と誇りたかったのではないかとの記憶がある。)


 本題に戻そう。
 
 昨日“衝動的”に訪れた「古代オリエント博物館」にどれだけ心が癒されたことか。

 元社会科教員がどうのこうのなど今の私にとっては大した“経歴”にもなっておらず(「商業科教員としてはその使命を十分過ぎる程に果たせたとの自覚はあるし、生徒達との関係構築等が実に思い出深いことは事実だが)、二の次でよい事は十分把握している。
 そうだとしても実際問題、この博物館内の展示内容が現在の私のハートに響き渡ったのだ!
 へえ、そうなんだ。 「古代オリエント世界」ってこうだったんだ! などと、今更小学生の気分で改めて感動をもたらせてくれた1時間だった。

 あっ、そうそう。
 最後に、冒頭写真の「エジプト・コースター」に関する説明を付け加えよう。
 一番左側の女性は、ネフェルティティ王妃。  右側の生物(THOTH)は、トキの形をしたエジプトの月神 のようだ。
 娘中1時にエジプト・ギリシャ・地中海クルーズ旅行を実施した際、エジプトにて我がコレクションの一つである「コースター」を買い忘れていたため、昨日博物館にて購入したとのいきさつである。
 

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